冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

自分的に手軽・便利な山道具

2017-10-11 19:48:41 | 息抜き
いろんなブログで皆さん自分の装備を公開されていますが、私もちょっと参戦。
道具に凝る方ではないですし、ファッション性などまったく考えていないため、レインウェアでもシューズでも安売りしていてお得なものであればメーカーや色に関わらず購入しています。そんな私が重宝しているものは、やはり小物が多いです。で、今回は以下の2つの商品をご紹介。

1. モンベルの手ぬぐいヘッドバンド
夏の高山では帽子の方がお勧めです。それは、紫外線予防にもなるから。ただし、春や秋冬の低山ハイクならこっちの方が手軽です。よいのは、大汗をかかない限りほとんどの頭の汗を吸収してくれるので、頭から顔に汗が垂れてくることを回避できる点。そして、コットンなので洗濯しやすい。バンダナのようにしてヘッドバンドとして使うこともできるし、広げれば手ぬぐいを被ったようにも使えます。これからの季節、このヘッドバンドはかなりお勧めです。

2. ギャッツビーのbody paper
テントを担いで縦走すると、何日もお風呂に入れません。当然水場で手ぬぐいを濡らして体を拭いたりするのですが、裸になる訳にはいかないし限界がある。で、テント内でほとんど素っ裸になって体中を拭き清めることができる濡れタオルはとても便利です。2枚あれば全身を拭くことができます。1枚でもかなり対応可能。消毒薬も入っているので、水場で手ぬぐいで服だけよりも清潔ですし。問題は、大きめのパックを買うと最初のうちは結構な重量があることですね。濡れているので重みがあるのです。メンズビオレでも同様の製品があります。

ということで、ご参考まで。

秋の夜長の読書 「自由の思想史」

2017-10-05 20:04:24 | 息抜き
秋の夜長の読書編第2弾。筆者は猪木武徳さん。大阪大学の名誉教授で、ご専門の経済学のみならず幅広い分野での発言や著作のある知識人です。私は学生だった頃からこの方の書かれた本にはお世話になってきました。


自由の思想史

リベラル、リベラリズムという英語で表現されるところの自由は、曲がり角を迎えていると思います。昨年のアメリカ大統領選などは、その極めつけの例として後年歴史家が分析するでしょうけど。選挙結果というよりその社会的背景の方ね。冷戦が終わって少し経った90年代後半から、先進自由主義・資本主義国の政治は中道化して論点が見えなくなる中、マクロの経済成長は鈍化して社会における富の偏在が目立っていきました。冷戦時代や経済成長の中での歪を是正するのような分かりやすい論点を欠く世の中で、中道化は見えない多数である浮動票を取り込まないといけない状況に政治自らをどんどん追い込んでしまい、無責任なリベラリズムの拡大を招きました。これはネットの利用によるポストモダン的な現象の急速な増大、特に言論の自由の影響力拡大にも後押しされていました。それだけでなく、実際に人の移動も活発になり、人と人の摩擦が随所に見られるようになったのに、Politically Correctに寛容や平等を言うだけで摩擦の根本に切り込んだ解決策は取られませんでした。中道だけに。
その流れに対し、経済的弱者が中心となって、それと意識することなく(自由を制限するという明確な意識は希薄なまま)リベラリズムの振り子を逆方向に揺らすべく圧力をかけ始めました。冷戦に勝ち、経済学的にも資本主義の正しさは数学的厳密さでも証明されたように思われ、社会体制として自由民主主義が究極であるという意味で歴史の終わりまで語られたのに、テロも犯罪も貧困も金融危機もなくならないばかりか増大している感じだし。振り子が振れるのも当たり前。

で、自由というのはそもそもそんなに善いものなのかという問いかけがこの本の始まりです。20世紀でも、公民権運動などの例を持ち出すまでもなく、先進国でも皆が自由を保証されていた訳ではないので、最近の自由な社会はとても歴史の短いものだと言えるでしょう。だいたい、不自由というか、何らかの制約がないと自由というのは定義もしにくい。何でもありと自由は違うというのは、直観的に皆が思うところでしょうし。
8章構成ですが、私がよいと思ったのは以下の章。
第1章: 問題提起的な内容を含みつつ、自由というのは人・社会が持つ・追及する価値の1つである、あるいは1つに過ぎないことが示される。私流に読めば、リベラリズムの行き過ぎは、実は自由ではなく平等という価値に重きが置かれた結果と見られる。自由と功利主義や、精神の自由など自由の意味や定義の広さ、制度としての自由など、抽象的な自由という言葉を具体的な社会現象の中で考えるヒントをたくさん示している。
第5章&8章: 教える自由と学ぶ自由が、余暇や恒産などの中産階級をイメージする話と連携される。現代では学問も功利主義的・経済的・短期的な成果を求められるために専門化が進み、一方で教養は雑学と混同されているが、元々はリベラル・アーツこそが学問の要であり、それを支えるものは自由な時間や自由を確保するために十分な資力などであるという話。かなり私自身の社会の見方に近く、共感できる章。
第6章: 言論・表現の自由ということで、情報が誰からでも溢れてくるインターネット時代では身近な話。そして、公正な自由はどこまで認められるのか線引きがしにくい話。これに対し、自由を獲得するにあたっての歴史的な経緯が国や文化によって異なるので、それが言論・表現の自由をどこまで認めるのかについて大きく影響しているという視点は新鮮だった。

でも、結びを読むと、筆者が日本を意識して自由を考える時、一番大事なのは第4章の信仰と自由、宗教と政治の話なのだと分かる。確かに、日本社会では立身出世的に自分の置かれた環境を克服して(抜け出して)、既存の社会システムの中でさらに上を目指すという方向は共感されるものの、自分の置かれた立場とそれ以外の立場を戦わせることで自由を勝ち取るような方向はそもそも考えの枠の外に置かれがちだと思う。しかし、自由の獲得とはそもそも戦いを伴うものであった歴史があり、社会のシステムを是とした中で自由を考えることには限界がありそうだ。

最後に現実世界の話に戻ると、中道路線は各国で修正を迫られていて、それは与党と言うか最大議席を確保しているのが中道右派や中道左派的なものであっても、極右・極左が昨今の総選挙では躍進するのが証左。今月のドイツの総選挙でも、極右とされるAfDの躍進(得票率13%)が日本では伝えられるけど、極左のLinkeも得票率は9%と健闘。自由以外の価値に、これまでと比較して重きを置く流れが確実に存在する訳です。
私は、トランプ政権の行く末はともかく、アメリカが25~30年後も今のままの合衆国でいられる可能性は低いと思っているし、欧州統合も今のEUよりは小さい規模でしか成し遂げえないと思っています。日本の社会も格差はどんどん拡大するだろうし、自由と平等を等価あるいはほとんど一緒の意味に捉えてきた流れは崩壊するでしょう。
それはともかくとして、猪木先生のこの本は、明確な結論を示すよりも考え方を提示して問題意識を芽生えさせ、更なる読書へ導くいい本だと思います。

秋の夜長にDVDで映画鑑賞 リドリー・スコット監督作品を2つ

2017-09-26 21:39:58 | 息抜き
英国人映画監督のリドリー・スコット(Ridley Scott)。エイリアンやブレイドランナーなどの往年のSFの大名作や、松田優作、高倉健らが出演したブラックレインなどで知られるハリウッドの大監督です。が、こういったある意味で古典と言えるような作品だけ終わっているのではなく、最近までずっと作品を作り続けている人でもあります。それでも、昔の作品に比べるとそこまで話題性もなかったせいか、この15年くらい彼の作品を見ていませんでした。映画館でもDVDでも。それが、今年は2作品をDVDで見ました。まあ、たまたまなんですが。1つは「オデッセイ」(原題 The Martian) でもう一つは「テルマ&ルイーズ」 (原題 Thelma & Louise) 。オデッセイの方は2015年の作品で、DVDになってからまだ時間もあまりたっていません。アカデミー賞にもノミネートされ、興行的にも成功した作品です。こっちが話題になっていたのでレンタルで借りて見て、良かったので全然違うモチーフの作品なんだけど有名なテルマ&ルイーズも後から借りてみたというわけ。結論的には、両作品ともお勧め。秋の夜長に見てもよいと思います。

オデッセイは、マット・デイモン主演の映画で、私の評価としては彼の好演というか彼の役がとてもよかったと思う。絶望的な状況設定なのですが、常にポジティブというかしぶとい。リドリー・スコットのSFにはこうした人が映えるような気がする。また、テンポがよい。NASAなどの大組織の論理や国際関係、科学者の立場やチームワークなど、どれも古典的というかありふれた要素が詰め込まれていて、ともすればありきたりのストーリーで退屈になってしまうところだと思う。が、そこはテンポよく、小気味いいセリフなどで話がダレることなく進む。アメリカ映画なのでハッピーエンドを約束されていると思いつつ、最後まで飽きさせない。エイリアンやブレイドランナーの時代に比べると、流石に科学に対する理解も現代的で、少なくとも科学者ではない私にとっては十分楽しめた。そして、基本的に本当に悪い奴が登場しない映画。これは精神衛生上とてもよろしい。

テルマ&ルイーズは、SFとは関係ないアメリカ人女性二人のロードムービー。しかも別に若くはない。アーカンソーいう南部のド田舎に住む二人の女友達。おっとり型の主婦テルマには相性の良くない夫がおり、現実派のルイーズはある理由もあって独身。一晩二人でバケーションに出たらアクシデントによって殺人を犯してしまう。そして、出頭せずに逃避を選んだことでさらにアクシデントが重なる。その過程で二人の言動にも変化が出てくる。これもとてもテンポがよい。あり得ないような話だけど、十分あり得るアクシデントなので臨場感がある。ちなみに、若い時のブラッド・ピットが出ていて、女性から見るとお宝映像らしい。私としては、ハーヴィ・カーテイルやマイケル・マドセンが重要な役で出ていて嬉しい。登場人物は多くないのに、とても印象に残る役が多いと思う。91年の作品とは思えない。心理描写は全然古くない。ラストシーンは伝説になったのだと思う。DVDでは、監督自身の解説を踏まえた映像があるので、それを見るといろいろ考えさせられて面白かった。

一応、Amazonのリンクを以下にのっけておきます。

オデッセイ


テルマ&ルイーズ

秋の夜長の読書 「インタビューズ」

2017-09-20 20:06:57 | 息抜き
久しぶりに本のご紹介。C. シルヴェスター編集「インタビューズ」。



文庫本で3巻になるので結構なボリュームですが、興味によってその一部を読むだけでもよいでしょう。1巻は19世紀末にインタビューというジャーナリズムの様式が確立された時期から第一次大戦前までの時期。2巻は第一次大戦からアメリカ黄金の1950年代まで。第3巻は変化と混乱の1960年代から冷戦後の90年代まで。インタビューに収録されている著名人を幾人か挙げると以下の通り。

1巻: マルクス、エジソン、セシル・ローズ、トルストイ、ウッドロー・ウィルソンなど
2巻: ジョルジュ・クレマンソー、アル・カポネ、ヒトラー、スターリン、フルシチョフ、ヘミングウェイ、ヒッチコックなど
3巻: ケネディ、毛沢東、マリリン・モンロー、サッチャー、ジョン・レノン、ナボコフなど

インタビューされる個人としてのインタビュー内容も興味深いですが、私が感じたのは時代の空気。質問の内容や話題だけでなく、部屋の様子やアポの取り方なども含めた背景描写なども含め、その時代の空気が感じられて勉強になりますし、面白いです。第一次大戦や第二次大戦、禁酒法時代や赤狩り時代、冷戦、ハリウッドの全盛期や文学の新たな潮流の時代など、生の声でそれが伝わってきます。
下手な歴史書より面白い。意外な人物の発言にとてつもない知性が閃き、著名な政治家や芸術家が驚くほど赤裸々に愚かな発言をしていたりするのも興味深いです。私は3巻から2巻、1巻と時代を遡って読みました。
私としては、最近は第一次大戦の歴史的な意義や第二次大戦後の世界の復興過程についていろいろと考えることが多いので、第2巻が特に面白かったです。

檜原村の薫るはちみつ

2017-05-13 23:10:36 | 息抜き
珍しくお土産のご紹介。
奥多摩、というか正確には檜原村の山域をハイキングした時には大体数馬の湯に寄って温泉を楽しみます。ここでは村の特産品を多くお土産として売っているので、買い物も楽しみです。特にお勧めなのは「薫るはちみつ」。檜原村の自然の中で育った木の花からミツバチさんが集めた蜜を使った、自然100%のハチミツです。
ちなみに、ウェブサイトはこちら


幾つかの木の種類があって、比較的スッキリした香りのものもあればこってり系もあります。どれもとてもピュアで美味しい。フレンチトーストに合わせるのが好みです。冬に風邪気味の時は、経験的にハチミツレモンを作って飲むと治ります。
写真にあるのは大瓶で、1,620円。安くはないですが、完全オーガニックだし美味しいし、東京という意味では檜原村も地元だし、贔屓なので十分の価値を感じます。
なお、一番右にあるのは「たまみつ」という別のブランドで、これは檜原村の木の花という訳ではありません。つるつる温泉などで売っています。薫るはちみつほどの特徴はないですが、こちらも美味しいと思います。
いずれもお勧めですが、やはり「薫るはちみつ」が一押しです。

春の奥多摩 笹尾根と御前山

2017-05-07 21:15:37 | 息抜き
春はスミレなどの小さい花が楽しい奥多摩。体慣らしで週末に時々ハイキングに行きます。GWも新緑やツツジが綺麗なはずなので行けばよかったのだけれど、後半の5連休はちょっと仕事も入ったりして機会を逃してしまいました。まだ5月中に行くことはあるかもしれませんが、4月に行ったハイキングの記録をアップ。

まずは4月16日の笹尾根。高尾山から三頭山(奥多摩三山の一角で、東京と山梨の県境の山)まで伸びる長大な尾根ですが、今回歩くのは上川乗から槇寄山まで。2年前にはさらに短い笛吹(うずしき)から槇寄山まで歩いています。
上川乗のバス停から南秋川を渡ってしばらく歩くと登山道へ。関東ふれあいの道に指定されているということは、整備されていて道迷いはまず起こらない道ということ。


小鳥さん。種別判断不可。奥多摩は野鳥の声がいつも聞こえていて楽しいです。


安定の杉植林帯を行きます。暗めの道になってしまうのが難点ですが、奥多摩の杉並木は香りがいいのでそれほど嫌いではありません。まあ、広葉樹の自然林の方が趣はありますが。


登山道に入ると直ぐに、杉の落ち葉の上に春の花が。これはヨゴレネコノメ。ネコノメソウの中では、ハナネコノメのような可憐なものに人気が集まりますが、実は奥多摩でよく見られるのはこのヨゴレネコノメだと思う。


スミレも登場。葉の形からコスミレと思われる。それにしても、スミレの種類を見分けるのは困難。まったく断定はできません。ご参考程度にして下さい。


これはタチツボスミレかな。一番メジャーな薄紫のスミレ。


ナガバノスミレサイシンと思われます。白くて葉の長いもの。結構よく見かけます。


ニリンソウも登場。春の里山と言えばスミレとニリンソウが代表という気がする。が、本当はイチリンソウ、あるいはサンリンソウなのかもしれない。


コスミレの白花だと思われる。葉の形や花の大きさから判断。しかし普通は青紫の花のはず。ということでフモトスミレかもしれない


白いスミレの代表選手、マルバスミレと思われます


小さいお花と小鳥の声を楽しみつつ順調に登ります。この時期はまだまだ涼しいので歩きやすいですね。GW後半は東京でも25度以上の夏日になってしまい、早くも温暖化の影響で酷暑を予想させる展開ですが。
さて、てくてく歩いていると最初のチェックポイントである浅間峠に着きました。笹尾根に出たということですね。


ここからは尾根歩き。浅間というのは富士山を信仰している時にできた言葉らしく、浅間尾根とか浅間峠とかいう場所が各地にあります。そして、それらの場所からは富士山が眺められます。今回もお約束の富士山。樹間からですけど。


標高1,000メートルに満たないところですが、それでも新緑にはまだ早くて木々は裸の状態。日差しは結構暖かく感じます。


ミツバツツジもちょっと葉が膨らんできた状況。


スミレさんは笹尾根にも所々咲いていて、飽きさせることがありません。






これはエイザンスミレかな。葉の形的に。


眼下には集落が見えます。笹尾根は神奈川県および山梨県と東京都の県境の道です。昔は集落と集落をつなぐ峠道だったんでしょう。農産物とか炭とかを運んだのかな。


こういう標識が多いのは、関東ふれあいの道ということで整備されているからということもあると思うけど、やっぱり集落と集落をつなぐ道だということなのでしょう。上野原町というのは山梨県の上野原市のことでしょうし、檜原村人里(へんぼり)というのは今もそのままの地名です。まあ、その峠の標識がトレランコースの標識を兼ねているのが現代ではあるのだが。


お地蔵さまもいらっしゃいます。道祖神ということで、旅の安全を守る神様。


尾根道。


ちょっと開けたところに出ました。カラマツが大きいですが、その向こうに奥多摩三山の一角である御前山(左側)と大岳山(右側)がよく見えます。


檜原村のハイキングコースはこの時期は気持ちいいですね。空気が澄んでいて。夏になると標高が低めなので暑くて歩けませんけど。笹尾根はアップダウンはそれほど激しくないですが、それでも久しぶりの山歩きだと結構つかれます。小ピークの土俵岳に到着。


それを越えると、今度は山梨県側の集落に下りる道も出てきます。


笹尾根らしい笹の道。


丸山という小ピーク。何だかんだ言って、アップダウンのせいで累積標高差は優に1,000メートル越えていると思うので、いいかげん疲れてきます。


と、ここで黄色い花をつけた木に目が行く。ちょっと香りもいい感じ。


ダンコウバイという木の花のようです。綺麗ですね。知らない木だったのですが、今回のハイキングでは一番の収穫でしょう。






さて、歩き続けます。槇寄山はあと1時間くらいのはず。とは言っても出てくるのは相変わらずの標識。


ここで、笹尾根の終着点である三頭山が見えました。超頑張ればあそこまで登ることもできるでしょうが、今日は気持ちがそんなモードではない。


三頭山から右奥に見えるのは雲取山ですかね。


更に歩く。数馬峠というところ。とにかく峠とその標識が多いです。この後も二つほどの峠を越えました。


左側には、時々開けて富士山が見えます。




尾根道にダンコウバイ再び。




いい加減に疲れてきたところでいきなり今回の目標地点の槇寄山の山頂に到着です。今回の最高地点なのですが、直前の登りはあまりきつくなかったので山頂にいきなり着いた感じです。


山頂ではおにぎりなどのいつものコンビニランチを取りながら、富士山を眺めて過ごしました。数人の登山者がいるだけで静かでした。




さて、下山は温泉施設、数馬の湯を目指します。奥多摩エリアの温泉施設の中では小さいほうですが、檜原村特産のハチミツを売っているので時々行きたくなるところです。
途中、これまた黄色い木の花を見つけました。ダンコウバイとは違いますね。アブラチャンでしょうか。群馬県の水上地方などでは、アブラチャンの枝でかんじきを作ると聞いたことがあります。里山の資源ですね。




暫く行くと、別の黄色っぽい木の花が。これはキブシですね。春の花はいろいろあります。




どんどん下山して人里が近くなると、スミレなど小さい花が出てきます。名前の特定は難しいのですが。黄色いのはツルキンバイかな。








ということで、体慣らしの笹尾根はスミレと黄色い木の花を愛でるハイキングでした。何だかんだ言っても14キロメートルくらいは歩いたように思うので、それなりに疲れましたが。新緑の頃も楽しい道だと思います。

次は4月30日の日曜日に行った御前山。奥多摩三山の一角ですが、この時期に来るのは3回目。春の女王と言われる上品な花、カタクリが自生しているので。
今回は奥多摩駅からバスには乗らずに直接御前山を目指します。鋸山へと続く鋸尾根を登り、途中から大岳山~御前山の稜線に道に出る予定です。ということで、いつもの氷川橋からの多摩川の眺め。新緑が綺麗。


このコースは、最初に愛宕山の急な階段があったりして結構タフです。まあ、奥多摩の登山道は実は急登が多くてどれも楽ではありません。序盤はペースが上がらないので、花などを見ながら行きます。サトイモ科のミミガタナンテンショウがありました。


標高の低いところでは新緑が美しい。1,000メートルを越えるようなところではまだまだ冬の木の様相でしたけど。


ツツジはミツバツツジもヤマツツジもGW後半くらいからが見頃の模様。




鋸尾根は、鎖やハシゴが登場してそれなりにキツい尾根ですが、どんどん進んでいると日当たりのいいところではミツバツツジが咲いている所もありました。咲き始めですけど。




開けたところからの眺望。六石山方面だったかな。お天気には今回も恵まれています。ただし、この日は結構暑くて、汗は出るしペースも最後まであまり上がりませんでした。


足元にはスミレが。ナガバノスミレサイシンだと思います。相変わらずスミレの種類の同定は困難。




杉の植林帯も多いのですが、広葉樹の自然林では新緑が美しい。


そして、鋸山山頂方面と御前山方面の分岐まで来ました。ここまで来れば山頂は直ぐなんだけど、今日は素直に御前山方面へ。ここから大ダワと呼ばれる、林道との合流地点に至る道は少し切れ落ちていて注意が必要です。


でもスミレさんが多い。タチツボスミレかなあ


ヒナスミレだろうか


エイザンスミレだろうか


などなど観察しているうちに大ダワに着き、ここから厳しい急登が再び始まります。御前山への道です。急登だし、途中にそれなりにアップダウンがあるので、累積標高差は結構あると思います。普通は下山で使われる道だと思いますが、このシーズンはカタクリを見ながらゆっくり行くのも悪くないと思います。カタクリは下向きに咲いていて写真に撮りにくく、そもそも保護するために近くに寄るのは難しいのですが、幾つかましな写真をアップしておきます。






上品な花だと思います。ニリンソウなどもそうですが、スプリングエフェメラルと呼ばれる地下茎を持つ花の一種ですから、この時期にだけ地上に葉と花を見せてくれます。花が散ると葉も散ってしまい、地下に隠れて次の春を待つという、まさに春の妖精。
最後の急な階段道を登り切ると、奥多摩三山の一角である御前山山頂です。多くの人で賑わっていました。GW前半の週末ですからね。


山頂からの眺望。2週間前の笹尾根方面からその奥に丹沢。


ここで軽くおにぎりなどを食べ、小河内峠方面に向かいます。今回は下山路を長めに取り、小河内峠から檜原方面に抜けて月夜見山、風張峠、浅間尾根とつないで2週間前と同じ数馬の湯に下る予定です。ちょっと下った所からは北側の展望が開け、冬に雪山登山した鷹ノ巣山が見えます。


こちらの道はカタクリの生息地が完全に仕切られていますが、その中にはかなりの密度で咲いています。




スミレも所々に。ナガバノスミレサイシンでしょう


途中、惣岳山という小ピークで道が分岐し、御前山のメインルートを外れて小河内峠方面に向かいます。人の混雑度が全然違います。こっちはいつ来てもマイナールートですね。広葉樹が結構あって、とても気持ちのよいハイキングコースだと思うんですけどね。


杉の植林帯と広葉樹の自然林が左右でハッキリ分かれる道。


小さいお花も登場し続けています。ニリンソウでしょう


フデリンドウ。これは正しいはず。


タチツボスミレでしょう


遠くに三頭山が見える。とてもあそこまで歩く気にはなれないな。


それなりに順調に歩いていたのですが、気温が高いせいかどうもペースが上がらない感じで、疲労感も出てきました。ここは小河内峠から直接藤倉の集落の方に1時間程度で下ってしまおうかとも思いましたが、まだ時間的にも1時半頃だったので意を決して数馬を目指します。
月夜見山への道は平たんな部分が多く、標高的に新緑が見頃で気持ちがよかったです。




ツツジも所々で咲いていました。


しかし、月夜見第2駐車場へ至る最後の登りがキツくて一気に体力を削られる。月夜見山の山頂はどうでもよくなり、奥多摩周回道路の車道と山道を交互に通りながら風張峠を目指すことにしました。


そして、やっとのことで風張峠。


まだここから先は1時間以上あって、浅間尾根への取りつき口まで車道を行かなくてはなりません。山道もあったのだと思いますが、入口が分からなかった。車道からはキブシのきれいなところがありました。


ついに浅間尾根へ。


最後までスミレが。アオイスミレでしょうか。葉の形的に。


いつものナガバノスミレサイシンだと思われます


浅間尾根はカラマツが多く、黄葉のシーズンはいいでしょうね。まあ、杉も多いんですけどね。


でも、今の時期は広葉樹の新緑でしょう。やはり。




数馬の湯方面への最後の下りは相当な急坂で、疲れているのに最後まで気の抜けない道でした。最後の最後で色の濃いスミレが咲いていました。なにも付かない普通のスミレだと思います


やっと温泉に到着。ゆっくり体を休めました。いつもの檜原村特産の薫るハチミツと舞茸、漬物を買って帰りました。


奥多摩は急登、激下りにやられがちですが、野鳥も花も新緑もとても魅力的ですね。5月にも2回くらいは行きたいです。

Maurice Ravel - Deutsche GrammophonのPanoramaシリーズ

2017-04-04 22:32:37 | 息抜き


Maurice Ravel - Panorama (2枚組)
このPanoramaシリーズは安価で名演奏を聞くことができてとてもお得なのですが、Ravelはこれまでほとんど聞いたことがなかったところにこれを買ってからは特にピアノ協奏曲のファンです。最近はこればかり聞いている。

クラシックと言うと、重くて押しつけがましいイメージがあると思われますが、真逆。軽快。しかしとても深い。だから知的で楽しい。Jazzの即興性に通じるものがある。
それにしても、ピアニストもオーケストラの各パートの演奏者も、とても大変だと思うけど。難しいでしょ、この曲。YouTubeで名だたるオーケストラやピアニストの演奏シーンが幾つか見られますが、どれもバカテク爆発。
ベートーベンやブラームス、マーラーなどのドイツの作曲家をイメージしてクラシックに踏み込めない方には是非聞いていただきたい。フランスはJazz大国だけど、クラシックももちろん素晴らしい。

久しぶりに奥多摩 - 雪の鷹ノ巣山を楽しんだ

2017-02-26 19:22:54 | 息抜き
2月12日の日曜日、お天気も良かったので久しぶりに奥多摩に行くことにしました。お天気がよかったのはあくまでも東京の話で、北関東や長野などのメジャーな山々は雪でした。典型的な冬型の天気ですね。奥多摩は東京在住の私にとってはホームグラウンドのはずですが、何故かこれまで冬には山歩きしていません。冬はメジャーな雪山という先入観があったとも思えませんので、理由は今一つ不明です。自分のことですが。それはともかく、冬場は当然寒いので夏場のように暑さにやられて汗だくになって苦しむことが、基本的にはありません。つまり、夏場には暑さでやられがちな急登の山に行くには丁度いいと言えます。ということで、これまでは急登とそれに伴う暑さを嫌気して避けていた奥多摩の名峰、鷹ノ巣山に初めて行ってきました。


冬場とは言え、ホリデー快速奥多摩号は登山者が多く乗り込んでいます。そのため、奥多摩駅から奥多摩湖方面に向かうバスはやはり混雑。まあ、それでも皆さん着席できるレベルではありました。鷹ノ巣山と言えば、奥多摩でも一番の急登ルートである稲村岩尾根が有名ですが、実は今年の2月は通行止め。そのため、奥多摩湖畔の倉戸山を経由する榧ノ木尾根のルートを取りました。まあ、このルートも倉戸山の山頂までの標高差600メートル強はかなりの急登です。

バスを倉戸口のバス停で下りたら、早速登り始めます。快晴で奥多摩湖も綺麗。


直ぐに温泉神社という神社が現れます。奥多摩は温泉が多く湧いていて、この辺りも地名で熱海とかいうところがあるくらい。温泉宿もあります。


さて、その後は落葉したブナの樹林帯を行きます。気持ちのいい青空と冷たい空気ですが、地図にあるように結構急な坂で、直ぐにベースレイヤーとその上のシャツだけでも汗が出るくらい。


そして、比較的直ぐに雪が現れます。気温が適度に低いのが幸いしてアイスバーンにはならずにグズグズに溶けてもいない、比較的歩きやすい雪質でした。そこで、無理にチェインスパイクはつけずにツボ足で登ります。結果的に、この日は一日ツボ足でした。


途中2,3人の方とすれ違ったり追い抜いたりしましたが、全体的に人は少なめでした。落ち着いた山歩きができます。かなりの急登でしたが、何とか1時間15分くらいで山頂まで来ました。


ここからは榧ノ木尾根を行きますが、雪はそれまでの道よりもずっと深いです。トレースがついているので問題ないですが。ちょっとした雪山気分も味わえるというお得感。


実際にはもっと雪深いゾーンもありましたが、この程度は積もっていました。


動物の足跡も幾つかありました。奥多摩の自然は残していきたいですね。




榧ノ木尾根は比較的緩めの道なので辛くはないのですが、それほど歩いている人もいないのか所々でトレースが不鮮明でした。尾根道なので迷いにくいですが、一応気を付けていきました。


目指す鷹ノ巣山も見えてきました。


石尾根に合流。帰りは石尾根から奥多摩駅を目指す予定。


石尾根の下り方面にもかなりの雪が残っています。


さて、鷹ノ巣山山頂を目指します。ここからは20分くらいの道なのですが、山頂直下は雪や凍った土(霜)が溶けてドロドロの状態でした。この泥が滑る滑る。雪よりよっぽど厄介で、転ばないように注意が必要でした。


ここまで来ると、南側は開けていて富士山の眺望が素晴らしい。それにしても、富士山は圧倒的に大きい。




奥多摩や丹沢の山並みも綺麗です。


そして、12時ちょうどくらいに鷹ノ巣山に登頂。約3時間、標高差1,200メートルくらいで適度に厳しい道でした。澄んだ空気が気持ちよかった。非常にいいルートだと思います。ブナ並木が多かったので、新緑の頃にも歩きたいところ。


一応自撮り。


山頂からの富士山も美しい。




これは雲取山方面だったかな。写真を見直しても今一思い出せず。


登ってきた榧ノ木尾根越しに、御前山など奥多摩の山々。


その向こうには東京の街も見えます。


山頂では30分くらい、昼食を取りながら数人の登山者の方々とルートの雪の状態などの情報交換をして過ごしました。そして、12時半ごろに石尾根を下り始めました。順調にいけば3時間強で奥多摩の町に着くはず。山頂直下のドロドロゾーンだけは注意ですが。


雪は膝下近くまで積もっているところも稀にありましたが、全体的にこんな感じ。


シュカブラのようなものも。


激下りゾーン。奥多摩の尾根は急な箇所が多いので、実は下手なアルプスや百名山より厳しいと思います。


御前山と大岳山がよく見える。


小鳥の声が道すがらほとんどずっと聞こえていて、冬の森歩きも悪くない。と言うか、かなり楽しい。


シジュウカラかな。野鳥の姿は見えつつも、写真に撮るのは至難の業。


落ち葉ゾーン。実は滑りやすいし、落ち葉の下に石が隠れていたりして結構危険。


杉の植林帯まで下りてきました。ここまで来れば町はもうすぐ。


結局、3時過ぎには下山完了することができ、3時半前にはいつものもえぎの湯の温泉で温まりました。かなりいいペースで歩けました。この分なら、天気を見て白毛門とか唐松岳にも挑戦できそうな感じ。


ゆっくりと1時間ほど温泉を楽しみ、地ビールや川海苔の佃煮を買って、帰りもホリデー快速で帰りました。
鷹ノ巣山、確かに奥多摩の山の中では楽な部類ではないと思いますが、少なくともこの時期なら暑さにやられない分だけ登りやすいと思います。そして、ルートの広葉樹林は見事。眺望も素晴らしい。自分の中では、一気に奥多摩の中では贔屓の山に躍り出た感があります。春、初夏、秋にも行ってみよう。

春の奥多摩ハイキング

2015-05-10 13:45:01 | 息抜き
新緑が見事なのは5月に入ってからですが、4月中はスミレが多い奥多摩。また、4月の後半には御前山のカタクリが魅力。
ということで、体調を崩したのと多忙を極めていたために2月の蓼科山以降途絶えていた山歩きを最近再開。
最大の目的は、GWに計画しているテント泊装備での熊野古道の大雲取越、小雲取越の準備ですが。事前に体力確認しておかないと、単独行の縦走は怖いですから。

そういう訳で、いずれも好天に恵まれた4月18日の土曜日に東京と山梨の県境に当たる笹尾根を槇寄山まで歩くという体慣らしの楽チンハイキング、26日の日曜日に大岳鍾乳洞の登山口から大滝を眺める沢筋を登って大岳山に至り、そこから御前山に縦走して小河内峠に抜け、最後は陣馬尾根を下るという18キロくらいの長めのハイキングをしました。

まずは笹尾根を行く槇寄山の記録。
5時代前半の電車に乗って出発ですが、この時期は町でも花がきれいに咲くころですね。緑道ではハナミズキが見頃でした。


武蔵五日市の駅に7時少し前に着くと、各登山口へのバスが7時過ぎに出るので便利です。この日は数馬方面に向かい、笛吹(うずしき)という難しい読み方の登山口を目指します。秋川の源流の方ですね。秋川は清流でとても好きです。
行政区としては東京都桧原村にあたるところですが、奥多摩の山並みを理解するには多摩川の北側と南側を分けて考えるのが分かりやすいと思います。北側は雲取山からの石尾根が鷹ノ巣山や六石山に伸び、他に川苔山がメジャーです。南側は三頭山、御前山、大岳山の奥多摩三山の主稜線がまずそびえており、そこから北秋川を挟んで浅間尾根、さらに秋川を挟んで山梨県との県境になる笹尾根というのが大雑把な地形です。
地形が大体わかってくると、この沢はどこからきてどこへ向かっているのかとか、この道はもっと行くとどの山のどの尾根につながっているとか、いろんな想像ができて楽しいです。

この日はよく晴れていました。民家の裏手に回るような形で登山道に入りますが、里と山の境の辺りには小さな花がたくさん咲いていました。
ミヤマキケマン。


ニリンソウ。


ヒメオドリコソウ。


スミレもたくさんありましたが、種類が多いので特定するのが難しいです。


登山道は奥多摩らしい杉の植林帯を行きます。やや暗い森なので樹林帯を好まない人もいるようですが、私は木の香りなどが好きです。


あと、奥多摩の樹林帯のよいところは小鳥の声が絶えないところですね。ウグイスやシジュウカラの声がずっと聞こえています。写真に収めるのは難しいですが、小鳥の姿を目で捉えるのはそんなに難しくないくらい多く飛んでいます。
順調に高度を上げていくと、森林を伐採して一部はげ山状態になっているところに出ます。
こういう場所は奥多摩には時々ありますが、眺望が開ける反面ちょっと自然がかわいそうな気がしてしまうところです。
それはともかく、北側を眺めると浅間尾根越しに御前山と大岳山がよく見えました。奥多摩三山として指定されているだけに、目立つしこの辺りの山の中では風格がありますね。


下をよく見ると、木の芽が出てきています。伐採した後に自然がちゃんと戻ってくるように、気を付けて踏まないようにして進みます。




伐採地帯を越えて右側に道なりに進むと、ややトラバースするようなところに出ます。落ち葉で滑りやすくなっているところもあるので注意しながら進むと、今度は三頭山が正面に見えました。この日は奥多摩三山を眺めるには絶好の日和でしたね。


暫く行くと笛吹峠に出ます。標高は990メートル。


新緑にはまだ少し早いですね。ブナもカラマツも、やっと芽吹き始めたところでした。


一方、桜がまだ少しだけ残っていました。


笹尾根というだけあって、笹に囲まれた尾根道を行きます。槇寄山への道で、針葉樹の多い地帯がありましたが、あれは槇のきだったのでしょうか。


途中の見晴らしの良いところからは富士山や丹沢がよく見えました。




お昼前には標高1,188メートルの槇寄山の山頂に着き、体力的には余裕を感じましたがこの日は無理をせずに数馬の湯方面に下山しました。温泉に入って舞茸やお味噌など地元のものを少し購入して帰りました。夜は予定があったので、4時過ぎには帰宅していました。

奥多摩の中でも桧原村方面、川で言うと秋川流域の尾根は、それほどきついコースではないものの花も木々も小鳥の声も楽しいし、晴れていれば富士山も望めるということで、普段山歩きをしない人でも気軽に楽しめるよいハイキングコースだと思います。

ここからは大岳山からカタクリの咲く御前山までの縦走の記録。18キロくらいのコースだと思うので、私レベルでは日帰りとしては結構な距離ですね。
出発は前週と同じで、7時ごろに武蔵五日市駅に着く電車に乗ります。ここからのバスが違って、今回は養沢行きのバスに乗って大岳鍾乳洞入口のバス停で降ります。
バスを降りるとトイレがあるので便利。養沢神社にお参りして、山行の安全を祈願します。


ちなみに、今回のこのコースは大滝という落差30メートルほどの立派な滝を見ながら沢沿いに行く道で、2年前に登山を始めたころに大岳山の下山コースとして使いました。その時は5月半ば過ぎで、ウツギやヒメレンゲがとても綺麗でした。

本格的な登山道に入る前に、大岳鍾乳洞やキャンプ場を越えて林道を20分ほど行きます。この道に小さな花がたくさん咲いていました。
ムラサキケマン。


クサイチゴ。


カキドオシ。


そして、お気に入りの沢沿いの登山道に入ります。写真にするとなかなか良さが伝わらないのですが、この道は本当に気持ちが良くて奥多摩のハイキングコースの中でも個人的な贔屓です。


ところが、ここでアクシデント。なんと、道が崩れているので通行止めではないですか。


せっかく早起きしてここまで来て、しかも翌週の熊野古道テント泊の準備の意味もあるのに、ここで引き返すのは何とも痛い。ということで、本当はいけないことですが、取りあえず進んでみて道が本当に危険な状態だったら引き返すことにしました。まあ、褒められた行為ではありません。

大滝までは順調。結構落差があるし近くで見られるので、迫力あります。


そして、滝を見るポイントを越えて暫く行くと、沢沿いの道が険しくなっているところに出ました。もともと沢沿いは岩々しい道なので、特に気にすることもなくストックを難所の先まで放り投げて、手を使って3点支持に気を付けながら越えました。後から考えると、ここが通行止めの理由となった危険地帯と思われます。たしかに、一歩踏み外すと沢沿いの岩のところに数メートル以上の落差で落下するので危険ですが、この時は首尾よく越えられました。

その後もこんな橋を通ったり、注意を要するところが幾つかある道です。しかし、沢の音だけでなくウグイスやシジュウカラの声も楽しいよい道だと思います。


徐々に高度を上げ、沢から離れて行きます。まだこの時期ではウツギなどは咲いていませんでした。それは残念。


しかし、スミレは花畑状態でした。タチツボスミレでしょうか。




エイザンスミレも。


これはヨゴレネコノメ。名前が可哀想な感じですが、可愛い花です。


見上げると、一部で新緑が美しい。この日もよく晴れていました。


結果としては特に問題なく、尾根道まで登ってくることができました。樹間からは前週歩いた秋川方面の尾根が見えます。


ここから大岳山の山頂までの道は既に何回か歩いていますが、花が多くて好きな道です。本当はツツジが綺麗なのですが、今回は少し早かったです。ちらほら咲いていましたが、ほとんどつぼみ状態でした。




いいお天気の中順調に歩いて大岳神社まで来ました。いつもながら、鳥居の周囲の杉の木が神秘的な感じで好きな場所です。


山頂まではちょっとした岩場を通ります。それを越えて10時半くらいに大岳山の山頂へ。霞んでいて富士山は見えませんでしたが、眺望がよい場所です。


この日は御前山への縦走とカタクリの花が目的なので、山頂ではおにぎりを一つだけ食べて早々に出発します。
まずは鋸山方面に昨年の5月に通った道を逆方向から行きます。ナガバノスミレサイシンが綺麗でした。




今回は山頂はパスしてトラバース道を行き、大ダワと呼ばれる鞍部に到達します。ここは林道と交差していてトイレもあります。
大ダワを過ぎると直ぐに御前山への急な登りが始まります。奥多摩って東京近郊なので軽く見られがちな気がしますが、実は多くの登山道が相当な急登で、かなり厳しいと思います。
しかし、この日は大ダワを過ぎるとカタクリの花が多くみられ、山頂付近も含めてとても綺麗でした。今年はカタクリの当たり年なんじゃないですかね。
高山植物の春の女王と言われるだけあって色も美しいし、うつむきかげんの咲き方も上品です。花びらを一周するように濃い紫の線が入っているのが芸術的。




御前山への厳しい道をなんとか登り切ったものの、カタクリシーズンということで山頂は団体登山客などで占められ、食事をとる場所はありません。
仕方ないので少し下ったところで昼食を取りました。その後は、奥多摩湖方面ではなく小河内峠を目指します。帰りに瀬音の湯という桧原村の温泉施設に寄りたいので、そのためのバスに乗るに藤倉のバス停を目指します。

小河内峠への道は、左が杉の植林帯、右がブナの原生林とハッキリ分かれていました。


そして小河内峠に到着すると、大きなヤマザクラの木が。まだまだ花が残っていました。


小河内峠からはまっすぐ進むと月夜見駐車場方面に下山する道に入ってしまうので、陣馬尾根を下って藤倉のバス停を目指す場合は注意が必要です。少し切り返すような形で下山道に入るので、見落としがちです。実際、団体の登山者が小河内峠のベンチで休憩していたので、陣馬尾根への道がブロックされていて15分くらい間違った道を行ってしまいました。


陣馬尾根は初めて歩きましたが、趣ある道だと思います。一部で登山道が崩落物に覆われていて道がなくなっていて危険ですが、慎重に進めば大きな問題はないでしょう。
杉の植林帯もありますが、ブナの林がかなりあって新緑のころや紅葉の頃はとても綺麗だと思います。紅葉の穴場なんじゃないでしょうか。


この日は、落ち葉がたくさんでした。


花もスミレをはじめとして結構見ることができて、大物としてはヒトリシズカが10株くらい見られました。初めて見ました。


フデリンドウも咲いていました。


基本的に樹林帯なので、下山中は眺望はありません。しかし、ほぼ下り切ったあたりで開けた場所がありました。春の里山はのどかで癒し作用があると思います。


標高が下がってくると新緑が綺麗です。1,000メートルから1,500メートルくらいのところは5月を待たないといけないようです。


藤倉方面に下山していくと最後の道は非常に急な舗装道になります。これ、普通に下山するのも楽じゃないレベルの坂。ここから登り始めるのはちょっと考え物。


そして、下山したところにも神社があったので今日の安全を感謝しました。狛犬が強そうだった。


神社にはお約束のように大木が。奥多摩は巨樹と清流の地だと思う。


30分くらい待つことになりましたが、3時24分発のバスに乗って4時10分くらいに十里木バス停で降りて瀬音の湯に向かいます。瀬音の湯に直行するバスは少ないので、最寄りの十里木から歩くのが良いです。バス停を下りて少し戻ったところに写真のような標示があり、秋川にかかる橋を渡っていきます。




それにしても、秋川は本当に清流。


3時ごろまでは激混みで入場制限されていたようですが、さすがにこの時間では大丈夫でした。露天風呂からは山々の緑が眺められて好きな温泉です。
堪能して5時19分のバスで武蔵五日市駅に向かいました。
熊野古道テント泊の準備としての体慣らしにもなったし、春の晴れた日に奥多摩の自然を楽しめてとてもよかったです。
GWの熊野旅行はそのうちアップします。

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