ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

水害の後にレプトスピラ病 

2009年10月24日 | ごみ処分場の子どもたち
ゆきよ@まにら

 アイキャンが現在JICA草の根事業を行っているパヤタスごみ処分場では、台風の発生時大洪水は起きたものの、直截的被害は最小限で納まっているとみられていました。しかし、最初の台風から1ヶ月弱が経った現在、被害が拡大してきています。

 パヤタスでは現在水害が原因でレプトスピラ病という細菌感染症が発生しており、先日また1人が亡くなりました。この男性は、当日屋根に取り残された近所の子どもたちの救助にあたっており、汚染されたごみ処分場の川の中で溺れている人を助けたときに、水を飲んでしまったそうです。29歳の男性は、二人の子どもを残してこの世を去りました。

 この病気は、ねずみなどの排泄物が口や傷口を通して体内に入ることによって発症する病気で、高熱、発疹、目の充血、黄疸、嘔吐などの症状があり、肝臓、腎臓、脳に障害を起こし死にいたることも少なくありません。フィリピンでは、都会の洪水の際に発生することは珍しくない病気でもあります。日本では家でねずみを見かけることは滅多にありませんが、フィリピンでは日常茶飯事にねずみが家や事務所の部屋の隅を走っています。先週だけでもマニラ首都圏の病院でレプトスピラ病で亡くなった人の数は、通常の十倍に膨れ上がっています。

 また相次いだ台風で100世帯ほどが避難をしたほか、水害により家財道具を失った家庭も出てきています。アイキャンでは、パヤタスでも通常の保健・医療活動を強化して、アウトリーチ(センター外診療)を地区内の被災者に対して行っているほか、救援物資の提供を行っています。






【水はこの家の1階の天井のところまできました。】

以下、住民の声です。

 「水が屋根まで来たあの日、私も溺れそうになりました。私たちはみんな近所の人たちと一緒に屋根の上をつたって、助け合いながら泳いで逃げました。教会に辿りついてようやくそこで寝ることができました。」

 「あの日、朝にはすでに腰まで水が上がってきていました。それでもこここまでひどいことになるとは思わなかったです。その後、背の高さよりもずっと上まで水が来て、私たちは屋根にあがって助けを待ちました。ご飯もずっと食べられませんでした。小学校に避難して食事できたのは、夜中でした。家財が水に流されて、たくさんなくなってしまいました。家族が欠けることなくみんな命が助かり、本当によかったです。」

「私の家は、つぎはぎだらけの壁なので、家のものはみんな流されたり、濡れたりして、使い物にならなくなってしまいました。テレビや子どもたちの教科書もです。夜には教会に避難して寝ましたが、みんな持ち物をほとんど失ってしまって、悲しい気持ちでした。」

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