ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

一組の制服 -サンイシロ・キッズ アップデート①

2008年05月29日 | 先住民ドゥマガットの子どもたち
まい@まにら。
 ICANが教育支援を行っているアンティポロ市サンイシロの事業地より、キッズたちのアップデートが届きましたので数回に渡ってご紹介します。今回は、アンティポロ市の山岳地サンイシロに暮らす先住民の女の子(14歳)のストーリーをお届けします。



**********************************************************************
リンリンちゃん(仮名)は、おばあちゃんから、自分の祖先はドゥマガット族であるということを聞きました。リンリンちゃんは8人きょうだいの5番目。リンリンちゃんの一家は自分達の土地を持っているので、そこでお父さんは農業で生計を立てており、野菜(豆、オクラ、サツマイモ、カボチャなど) を栽培し、米を育てています。お母さんは収穫した作物をサンイシロ内の村で売っています。また、にわとりとヤギも育てています。食べる米が無い時はサツマイモをゆでて食べますが、通常はお米と野菜料理を食べています。また、自分達の畑で収穫した野菜とココナツや米を近所で交換してもらうこともあるそうです。

両親は子どもたちの教育をできるだけサポートするため、家族のために本当によく働きます。おねえちゃんは宗教関連団体の教育支援を受け、マニラ南部のカビテの高校に通っています。リンリンちゃんの家族も、お金を貯めてたまにおねえちゃんを訪ねてカビテに行くようです。

リンリンちゃんは、1~5年生まで通っていた小学校は6年生のクラスはないため、その後サンイシロにある小学校に転校しました。リンリンちゃんはその後アンティポロ市立高校の分校に進学し、この新学期から2年生のクラスで勉強しています。学校がある日はいとこ達と学校の近くに下宿しており、毎週末および夏休みには実家に戻るといいます。 リンリンちゃんは家から学校まで1時間弱歩いて登校します。学校で使う制服とカバンなどはお姉ちゃんからのおさがりを使っています。(小学生の頃はおさがりもなかったので、いとこやお姉ちゃんから借りていたそうです。)

リンリンちゃんは現在、授業の内容が難しく、ついていくのがとても大変だといいます。学校での成績もあまりよいとはいえないのですが、絶対に勉強を終らせたいと話しています。

実は、学校の勉強についていけない子、苦労しているのはリンリンちゃんだけではなく、他のサンイシロ・キッズからも耳にします。その理由としては、夜間は電気がなく翌朝も早朝に起きて家事をすませなくてはなりません。学校から帰ってきても、復習や予習をする前に翌日のために当日着ていた制服を洗濯し、家族の夕食を準備しなければならないこともあげられます。

続く…。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。