ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

去ってしまった30人が戻るためにできること

2010年01月30日 | 先住民ブラアンの子どもたち
たくや@ミンダナオ

アイキャンが活動を展開するサンホセ地区には、現在6つの小学校の他に、2つの分校があります。徒歩圏内に学校がない場合、新たに学校を開校するニーズが生まれますが、新しく学校を作る決済権が首都マニラの教育省となるために、時間がかかります。そのため、フィリピンの農村では、地方の教育省で判断できる「分校」という形で、開校し、その後に「学校」として独立する手法がよく取られます。多くの場合、一つの部屋に、一人の教師が、複数の学年の授業を同時に行っています。

マリガヤ村にある分校も、そんなの教室の一つです。

村が集会場を仮教室として提供することで、ついに教育省からマリガヤ村に教師が一人派遣されたのが2009年6月。アイキャン給食校であるアスパン小学校の分校として位置づけられました。


【村集会場を間借りしているマリガヤ分校】

開校したのは小学1~3年のみですが、入学者数はすぐに70人に達しました。しかし狭い部屋を黒板で仕切り、一方に3年生もう一方に1・2年生が座り、一人の教師が70人に対して実りある授業を展開するのは困難なことです。また教室設備や教材教具も整っていません。このような環境のためか、通学する子どもの数は徐々に減り、毎日通学する子どもは今では40人前後まで減ってしまいました。


【開校当初の様子。文具を持たない子どもがほとんど】

子どもには教育を受ける権利があり、大人たちにはその権利を保障する義務があります。本来その大人たちとは「コミュニティ(保護者)」「教育機関(学校)」「行政機関(教育省)」などを指しますがが、様々な要因によりその大人たちが義務を果たせない、または果たすことを怠っている、または三者の連携が取れていないとしたら・・・。アイキャンは上記三者の代わりを果たすことは出来ません。しかし外部者として三者と連携を図り、子どもたちの置かれている現状を改善してもらうきっかけや方向性を提案することはできます。

アイキャンは現在のマリガヤ分校のような状況下でもなお学校で勉強することを望む子どもたちに対して、アイキャンが本校であるアスパン小学校に提供した文具の一部をマリガヤ分校にも配分するようお願いし、アスパン小学校は快く引き受けてくれました。


【アスパン小学校から配付された文具を使って授業を受けるマリガヤ分校の子どもたち】

そして教育環境を改善するため、アイキャンは2010年マリガヤ分校に、新しい校舎建設の可能性を模索しています。

【マリガヤ校舎建設候補地】

また、たとえ立派な校舎が建てられても、教育の担い手となる教師が不足していては意味がありません。そこでアイキャンは教育省と交渉し、アイキャンが校舎を建設した際にマリガヤ校の教師数を増やす約束を取り付けることに成功しました。

通学を望んだにもかかわらずマリガヤ分校を去ってしまった約30人の子どもたちが再び学校に戻れるように、まだまだできることがあります。

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