ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

路上の子どもとドラッグ

2009年07月18日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

路上の子どもたちが最も入手しやすいドラッグの1つとして、「ラグビー」があります。これは、家のタイルや木材をくっつけるためなどに使われる接着剤で、近くの雑貨屋や本屋でも簡単に安く手に入る化学製品です。

「ラグビー」は、ガソソリンのような臭いがし、中毒がひどくなると記憶障害や精神障害を引き起こし、脳や肺に取り返しのつかない致命的な影響を与えます。それでも子どもたちは現実の問題や空腹感を忘れるためにラグビーを吸引します。常習的に吸引する子どもたちが「ラグビーボーイ」と呼ばれるくらい、ラグビーの吸引は子どもたちの間で広まってしまっています。

この「ラグビー(ドラッグ)」の危険性を子どもたちに理解してもらうため、ミンダナオ通りの子どもたち21人に、ドラッグについての勉強会を開きました。



まず子どもたちは知っているドラッグの名前と値段、どこで買えるかを模造紙に書いて発表します。2チームに分かれて書きましたが、両チームともほぼ同じ内容で、子どもたちはこのような知識を正確に持っていることが分かりました。



次に、路上のセッションを担当するリチャードが、ドラッグの影響を紙芝居のようにして説明します。どうすればドラッグの使用を避けられるかをみんなで考えました。



ドラッグは、過酷な路上で生きていく中で日々表面化する問題を忘れられたり、空腹を全く感じなくさせる効果があります。しかし、ドラッグによって一時的に現実を忘れたとしても、結果的に子どもたちの問題はさらに深刻化します。子どもたちがドラッグを吸引する際に、ドラッグについての正しい知識がブレーキとなるように情報を伝えると同時に、私たちの精一杯の愛情を示すことによって、子どもたちが「自分自身を大切にしたい」と強く感じてもらうことがとても大切です。

そして、私たちがすべきことはそれだけではありません。ドラッグを売るのは、「大人」です。大人の自覚が、子どもたちを深刻な状態に追いやっています。私たち大人が作っている世界は、本当に子どもにとっていい世界なのか、私たちは自問し続ける必要があるようです。

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