ばばの日記

団塊世代 仲良し夫婦の暮らし
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親の最後の願い

2014年07月19日 09時27分15秒 | 日常生活
7月18日(金)晴れ

毎日夜になると、我が家の裏にある溝?から

「クヮ~~~~ン、クヮ~~ン」というような声が聞こえる。

ある時、じじに「何の声?」と聞いたら

「カエルが鳴いているんだよ」と。

蛙の声って「ゲ~コ、ゲ~コ、ゲ~コ」と鳴くと思っていたから

最初ビックリした。

島にも、何種類かのカエルがいると思うが

ばばが子どもの頃は稲作が盛んだった徳之島、

水が張られた田んぼで鳴く蛙の声は、

「ゲ~コ、ゲ~コ、ゲ~コ」だった。

だから、夜な夜な「クヮ~~ン、クヮ~~ン」と聞こえる声が

カエルの声とはビックリした。

鳴き声の主を見たことは一度も無いが、

時折、昼間、我が家の花壇や塀の脇に

茶色のカエルがいるのを見かけるので、このカエルの声かと・・・・



で、カエルと言えば・・・・

母が話してくれたカエルの話を、未だに忘れられないばば。



ばばは、子どもの頃、兄姉の中で、一番のきかん坊だった。

・・・・・と自負する位だから、相当な我が儘だった。

一番怠け者だったばば。

実家は農家だから、1年中忙しい。

小学校上がる前から手伝いは山ほどあった。

牛の草刈り・豚の餌にする芋づるを刈り取り芋を掘り

田植えに稲刈りに脱穀、キビや落花生、麦等の収獲、

牛や豚の糞尿を畑に運ぶ・・・・等々

農作業は、ありとあらゆる事を手伝った。(手伝わされた)

兄や姉は大人しく真面目に一生懸命働いていたが、

末っ子のばばは、いかにして作業をサボるかということばかり考えていた。

そんなばばの性格も全て知っていたであろう母が、

ある雨の日、ばばに「お話」をしてくれた。

外では、盛んに雨ガエルが鳴いていた。

「○子、外でカエルが鳴いてるよね。

あのカエルは、雨が降る前とか、雨が降り出すと鳴くんだよ。

どうして、雨が降ると鳴くか知っている?」と話し始めた母。



「昔ね、ある所に雨、ガエルの母子がいた。

カエルの子どもは、親の言うことを全然聞かない子どもだった。

お母さんが、山へ行って木を切ってきてと言うと

川へ行って水を汲んできた。

川へ行って水を汲んできてと言うと、山へ行って木を切ってきた。

いつも、お母さんの言うことの反対のことばかりしていた。

何年か経って、自分の死期が近いことを知ったお母さんは、

自分が死んだら、山に埋めて欲しいと思っていた。

でも、子どもに山に埋めて。。。と言っても、

逆に川に埋めるだろう・・・・と考え、

お母さんが死んだら、川縁に埋めてねと頼んだ。

ある日、とうとうお母さんは死んでしまった。

お母さんが死んでから、子どものカエルは

今まで自分がしてきたことを泣きながら反省した。

しかし、もう、お母さんはいない。

せめて、お母さんの最後の願い・・・自分が死んだら川縁に埋めて

という願いは叶えてあげたいと思い、実行した。

しかし、翌日から大雨が降り出し、何日も続いた。

カエルの子は、川縁に埋めたお母さんが大雨で流されてしまうのではないか

と、心配で心配でたまらなくなり、ずっと鳴き続けた。

だから・・・今でも雨の前とか、雨の日になると

雨ガエルの子は鳴くんだよ・・・・」と、母は話を締めくくった。



最後の最後で心を入れ替えた雨ガエルの子どもだけど、

時既に遅し!



母は、ばばの性格を知っているからこそ

意図的に、この話をしてくれたと思う。

ばばは幼かったけれど、母のこの話に強い衝撃を受けた。

その時は「お母さんの言うことをしっかり聞いて、良い子になろう」と

真面目に思った。

その気持ちがずっとずっと続けば良かったんだけど

いつの間にか、まただんだん「怠け者&きかん坊」ばばは徐々に復活。

未だに、その性格は治っていないかも。

だから、現在、一番の被害者はじじ。

ごめんよ~。



ばばが、この話を聞いてから、既に半世紀以上過ぎた。

母が亡くなってから18年経った。

しかし、未だに、母が話してくれた「雨ガエルの親子」の話は忘れられない。

時々思う。

ばばの両親は、未だに忘れられない色々な話をしてくれた。

ばばの人生を決めるような話も幾つも・・・・

ばばは、自分の娘達の心に響く話を1つでもしてあげただろうかと・・・・



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