ばばの日記

団塊世代 仲良し夫婦の暮らし
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島民劇・北緯二十九度線

2009年12月26日 10時14分34秒 | 日常生活

12月25日(金)曇り時々小雨

今,PCの前に座っていても、しぜんに「♪太平洋の潮音(しおのと)は~~♪」

と口をついて出てくる「日本復帰の歌」。

「日本復帰の歌」の歌と言っても

「何?それ?」って言う人が多いと思う・・・・・・・

2時開場、2時30分開演。

じじと、ばば、そして姉で、初めての島民劇「北緯29度線」見てきました~。

 

観客、役者さんが「一つの大きな輪」になった約1時間40分。

笑いあり、涙あり、そして大きな感動をありがとう~~~。


思えば、今年初め頃からこの島民劇の噂は聞いていた。

裏方さんも含め、全く素人の総勢約170名の島民が見事な舞台を作り上げた。

福岡に本拠を置く?劇団道化の皆さんの指導の下、練習を繰り返し

最近はみんな帰宅が午前1時頃になることも多かったそうだ。

劇は群読あり、合唱あり、島の芸能あり、劇中ショーあり・・

と盛りだくさんで観客を飽きさせなかった。

今回、この島民劇に参加した方々にとっては

生涯忘れることのできない貴重な体験となることだろうな。


奄美諸島が米軍政下に置かれていたことは小さい頃両親から話も聞いていた。

しかし、米軍政下でも明るく逞しく生きた奄美の人々。。。。

昭和28年、12月24日アメリカからのクリスマスプレゼントとして

翌25日、奄美の日本復帰が実現したそうだ。

日本復帰の日、島民は手に手に日の丸の旗を持って打ち振りながら

提灯行列をしたそうだ。

ばばは、両親から話に聞いたことがあるが

じじは、提灯行列を微かに憶えているそうだ。

ばばは「日本復帰の歌」は憶えているし歌える。

きっと両親や兄姉が歌っているのを聞いて自然に憶えたのだろう・・・・

歌詞はとても難しいけれど、

今読めば当時の島民の固い決意と思いが分かるような気がする。


奄美の復帰運動は泉芳朗さんを抜きにしては語れない。

「自分はガンジーにはなれないが、奄美のために何か出来ることがあれば力を尽くしたい」と

いうセリフが今日の劇でも出てきた。

5日間の断食も決行した。

泉芳朗さんの熱意に打たれ島民99%の署名が集められ島民一丸となって勝ち取った日本復帰。

芳朗さんは昭和34年に54歳の若さで亡くなられたが

今日の会場には芳朗さんの弟さんもいらしていた。

芳朗さんがご存命なら現在の奄美群島をどう見るだろう?


芳朗さんの強い理念とリ-ダーシップ

そして私たちの先輩たちの強い思いがなければ

今のばばたちの生活はなかったかも知れない。

 

今回の島民劇は昼、夜2回公演だが、

どちらも各600席のチケットは早々に完売したと言うことで

昼の部でも会場は満員で、立ち見がでるほどだった。

今は、夜の部の公演が行われている時間だ。

又、満場の観客を感動の嵐が包んでいることだろう。。。


演劇の見事さもさることながら、今日のパンフレットに書かれた文言に感動したばば。

ここに書き記しておきたい。

時代を超えて、島の人たちに受け継がれるこの明るさと逞しさはどこから・・・。

島の歴史を尋ねると私たちが見えてくる!

あの戦争の後、私たちの島は日本から引き離され米軍政下に置かれました。

食べるものも着る物も不足し困り果てた暮らしの中で島の人たちは必死に働きながらも

決して明るさを失わず逞しく生きてきました。

昭和28年12月25日、ついに念願の日本復帰を果たしました。・・・後略

 

島「泉芳朗詩集より」

わたしは島を愛する
黒潮に洗い流された南太平洋のこの一点の島を
一点だから淋しい
淋しいけれど消え込んではならない
それは 創世の大昔そのままの根を かっちりと海底に張っている
しぶきをかけられても 北風にふきさらされても 雨あらしに打たれても
春夏秋冬一枚の緑衣をまとったまま
じっと荒波のただ中に突っ立っている
ある夜は 微かな灯台の波明かりに沈み
ある日は 底知れぬ青空をその上に張りつめ
時に思い余ってまっかな花や実を野山にいろどる
そして 人々は久しい哀れみの歴史の頁々に
かなしく美しい鯉や苦悩の歌を捧げて来た
わたしは この島を愛する

南太平洋の一点 北半球の一点
ああ そして世界史の この一点
わたしはこの一点を愛する
毅然と己の力いっぱいで黒潮に挑んでいる この島を
それは二十万の私 私たちの島
わたしはここに生きつがなくてはならない
人間の灯台をを探ねて


日本復帰の歌(作詞 久野 藤盛・作曲 静 忠義)

1 太平洋の潮音(しおのと)は
  我が同胞の血の叫び
  平和と自由をしたいつつ起てる民族二十万
  裂裂祈る大悲願


2 我らは日本民族の
  ホコリと歴史を高く持し
  信託統治反対の
  大スローガンの旗の下(もと)
  断固と示す鉄の意志

3 目指す世界の大理想
  民族自決独立の
  われらが使命つらぬきて
  奄美の幸と繁栄を
   断固護らん民の手に

4 二十余万の一念は
  諸島くまなく火と燃えて
  日本復帰貫徹の
  のろしとなりて天を焼く
  いざや団結死闘せん
  民族危機の秋(とき)ぞ今