ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

山形の老舗百貨店【大沼】 投資ファンド出身の社長らを解任

2019-03-24 09:45:49 | Weblog
従業員が山形の百貨店経営、増資も検討 再建策急務 2019年03月23日(日経)
「投資組合」大沼の新親会社に 地元執行役員ら設立 2019年03月23日(山形)


 山形市に本店、米沢市に支店を保有する山形の百貨店の大沼が経営不振に陥り、投資ファンドの傘下に入っていることは聞いていましたが、昨年4月に兵庫県姫路市の百貨店「ヤマトヤシキ」などの再建で知られるマイルストーンターンアラウンドマネジメントが大沼の経営を引き継ぐも、出資金を自社に還流させ返済や追加投資の約束を何度もほごにしたなどのトラブルが表面化したことから、従業員のつくった会社が経営権を投資ファンドから取得。投資ファンド社長を兼務していた大沼社長の早瀬恵三社長と取締役3人、監査役1人の全員を解任する騒ぎになっているようです。
 ん…。県内で全国百貨店共通商品券が使える百貨店は今はほぼこのお店だけですし、中合傘下の十字屋山形店は2018年1月に撤退。
 仙台市に本店のある藤崎が山形市や鶴岡市に保有する拠点は、サテライトショップやギフトショップ扱い。
 酒田市に展開している清水屋は一時中合に合流するも2012年に撤退してマリーン5清水屋として再出発するも、日本百貨店協会には非加盟の、百貨店扱いするにはやや無理がある運営形態な上に、内陸の山形市とは距離が離れすぎているだけに、山形県としては県民百貨店として生き残って貰うしか打つ手もないと思いますが、従業員主導で経営を立て直すと言っても、どう資金繰りを回し経営を立て直していくのか…。
 百貨店は何と言っても地域の顔で、その百貨店がなくなると地域そのものが衰退しているとも受け止められかねず、万が一にも県内に百貨店がなくなってしまうと贈答品需要など困る人も出てくるだけに、地域経済界も巻き込んで何とか経営を再建したい所ですが、今更大手百貨店が手を差し伸べるメリットも少ない(一時期三越伊勢丹グループと関わりがあったようですが、三越伊勢丹グループも自身の生き残りで必死でそれどころではないでしょう)だけに、どう具体的な再建策を構築していくのか難しい舵取りを余儀なくされることになるのではないかと思います。