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抱かれたアヒル? その正体は… 

2008-08-29 15:56:28 | Weblog
抱かれたアヒル? その正体は… 2008年8月28日 毎日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080828mog00m040023000c.html
 滋賀県東近江市佐野町、無職、前家正典さん(67)方の畑で25日、アヒルにそっくりな形をしたカボチャが取れ、「食べるのは惜しい」と26日、同市に届け、市役所本庁ロビーで展示されることになった。
 前家さんは定年退職し、休耕田を借りて野菜を栽培しており、今年5月ごろ、実家近くの石川県羽咋(はくい)市の知人から苗を分けてもらい、育てたところ、細長い実がついた。
 カボチャは長さ約60センチ、重さ1570グラム。「宿儺(すぐな)カボチャ」という種類で、元々、細長い実がなる品種という。
 前家さんは「実は、おいしいと言われますが、ちょっと癒やし系なので、見て楽しんでもらえれば」と話している。


 この宿儺カボチャ。なんでも飛騨の伝統野菜だそうで、ヘチマのように長細く、栗のようにほっこりとした味わいが特徴だとされている(http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s24909/dentouyasai/sukuna.htm)のですが、確かに写真(http://mainichi.jp/select/wadai/news/images/20080828mog00m040019000p_size5.jpg)を見る限り、通常の宿儺カボチャよりも白っぽく、遠目にはアヒルにしか見えませんし、食べるのが勿体無く、市役所のロビーで展示してもらおうという気持ちになったというのもわかる気がします。
 これを機に、この伝統野菜がもっともっと日本全国に広く知られることになると良いといいですね。

年金給付額:物価上昇でも据え置き見通し 厚労省 

2008-08-29 15:51:20 | Weblog
年金給付額:物価上昇でも据え置き見通し 厚労省 2008年8月27日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080827k0000m010050000c.html
 厚生労働省は26日、09年度の年金給付額について、物価が上昇しても据え置かれるとの見通しを示した。04年年金改革で導入したマクロ経済スライドが初適用される可能性があることなどを踏まえた判断。これを受け自民党厚労部会は、年金受給者だけでなく、低所得者や障害者、母子家庭を対象に一時的な現金給付を補正予算で行うよう政府に要望することを決めた。
 従来、年金は物価に連動させてきたが、マクロ経済スライドは物価が上がっても給付額の伸びを抑える仕組み。05年度以降は物価が伸びず機能しなかったものの、09年度は適用される見通しという。
 一方、00~02年度は計1.7%物価が下がったが、与党主導で年金額を下げなかった。04年改正では、今後物価が上昇してもこの1.7%分は相殺することが決まっている。マクロ経済スライド分と合わせ09年度は物価上昇率が2.5%を超えないと、年金は増えない計算となるが、08年1~6月の物価の平均上昇率は1.2%だった。



 実は、このマクロ経済スライドの仕組みそのものは、平成16年度の年金制度改正により、平成17年4月から既に導入されているのですが、2000年度から2002年度までの物価変動率分▲1.7%については、年金額を減額しなかったため、その分を吸収するまではマクロ経済スライドの適用そのものが凍結されていたのですが、食料品などを中心に物価が上がり始めたことで、いよいよこのマクロ経済スライドによる調整が来年度から始まってしまう可能性が非常に高いようです。
 とはいえ、このマクロ経済スライドという仕組。元々の仕組みが非常に複雑な上に、▲1.7%分の吸収という更にややこしい計算が加わるため、ほとんどの方にとっては理解不能な複雑な仕組みだと思うのですが、本来の実施予定から4年も経ってからの実施では、ほとんどの方はそんなものが導入されたこと自体忘れているでしょうし、これまでのように物価の上昇と比べて年金額が上がらない(概ね物価の上昇から0.9%を引いた水準しか年金額が上がらないとお考え下さい)ために、生活の苦しさを訴えて政治に不満を持つ年金生活者が急増することは確実でしょうし、これまで責任説明を十分に果たしてこなかったツケが来年度以降一気に噴出す形になるのではないでしょうか…。
 ごくごく個人的には、付加給付的な厚生年金はともかく、生活費の支給的性格を持つ老齢基礎年金にまでこの規定の適用をすることはどうしても賛同できませんし、小額を削って生活保護の申請及び窓口の事務処理が増えては元も子もない(年金支給総額を減らしたければ、単純に老齢厚生年金の支給水準を減らせばよかっただけのことではないでしょうか…)と思うのですが、後期高齢者医療制度の導入だってあれだけ大混乱したのだから、日常の生活費となる年金支給額の規定の見直しは、もっと大きな混乱になりそうな危惧をどうしても感じてしまいます。

九州最大手の明林堂書店、民事再生手続

2008-08-29 15:38:56 | Weblog
九州最大手の明林堂書店、民事再生手続き 2008年8月26日
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/0826/SEB200808260010.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080826/biz0808261149003-n1.htm
 九州最大手の書籍販売業「明林堂書店」(本社・大分県別府市)が、大分地裁に民事再生法の適用を申請し、25日、保全命令を受けた。負債総額は約153億円とみられる。営業を続けながら経営再建を目指す。
 同社は九州・中国地方の11県で書店92店舗を展開しており、07年9月期の売上高は約163億円で、九州では業界首位。信用調査会社の東京商工リサーチによると、同社は1982年に創業し、ゴルフショップや焼き肉店などの異業種にも参入。最盛期の01年には、書店120店舗、ゴルフショップなど20店舗を展開して売上高約211億円を計上した。
 だが、本業の書籍販売額の減少に加え、牛海綿状脳症(BSE)騒動による焼き肉店の売り上げ低迷やゴルフショップの不振が響き、07年時点での借入金が約105億円まで膨らんで資金繰りを圧迫した。一部店舗の閉店や人員整理などにも取り組んだが、改善には至らなかったという。
 監督委員の弁護士によると、今後は支援企業への事業譲渡も視野に入れながら、不採算の12店舗を順次閉店するなどして再建を目指す。



 書籍関連の経営破綻では、今年に入ってからは1月9日に出版社である草思社が民事再生法を申請し、7月31日に洋書輸入販売会社である日本洋書販売が自己破産を申請するなど、本屋ばかりでなく出版業界までもが不況に突入しているといった感さえあるのですが、中国地方と九州地方の各県(ただし、沖縄・鳥取の両県には店舗なし)に広域展開する明林堂書店が本業以外で足を引っ張られる形で民事再生法の申請に至ったようです。
 それにしても、全く理解できないのがどう見ても本屋とは関係のない異業種への進出…。まだ焼き肉店は大方『儲かりそうだから…』といった単純な理由で参入したのだろうと推測がつきますが、ゴルフショップなんて素人が参入して生き残っていける程甘い世界ではありませんし、本業はまあまあ順調なのに、副業で大赤字を出したあげく、経営破綻するなんて、いかにオーナーが暴走していたかを立証するようなものだと思います。
 支援企業を探すといっても、ゴルフショップや焼肉店など閉鎖してもらわなければ同業の本屋さんなどとても怖くて支援に入れないと思うのですが、店舗閉鎖は全てで12店舗。
 手厳しいことを言うようですが、本気で民事再生を行うつもりがあるならば、それなりの覚悟は見せて欲しいもですね。

29日の日経平均は304円高の13072円で終了

2008-08-29 15:31:43 | Weblog
日経平均大引け・大幅続伸――9日ぶり1万3000円台を回復 2008年8月29日 日経夕刊
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/summary.aspx?site=MARKET&genre=m1&id=AS3L2904L 29082008
 29日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅続伸。終値は前日比304円62銭(2.39%)高の1万3072円87銭と、18日以来、9営業日ぶりに1万3000円台を回復した。前日の米株式相場が景況感の改善や金融不安の後退を受けて大幅高となったことを好感。国内でも7月の鉱工業生産指数や新設住宅着工戸数など経済指標が改善し、相場を支えた。月末でドレッシング(お化粧)買いの観測もあった。
 東証1部の売買代金は概算で2兆298億円(速報ベース)と13日以来、2週間半ぶりに2兆円台を回復した。

7月の鉱工業生産0.9%上昇 「弱含み」判断は据え置き 2008年8月29日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080829AT3S2900G29082008.html
 経済産業省が29日発表した7月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は前月に比べ0.9%上昇し、107.9となった。欧州や中東向けの自動車生産の増加が寄与した。ただ米景気の減速など先行きには不透明感が増しており、7―9月期の指数はマイナス予想で、3四半期連続の低下を見込んでいる。同省は基調判断を「生産は弱含みで推移している」に据え置いた。
 7月の指数は2カ月ぶりに前月を上回り、事前の市場平均予想(0.2%低下)に比べても高かった。業種別では乗用車やトラックなど輸送機械工業が前月比4.0%増と2カ月ぶりにプラスに転じた。電気機械工業も7月の猛暑でエアコンが伸び、1.8%上昇した。
 出荷指数は自動車関連が増え、108.6と1.6%上昇した。在庫指数は0.2%低下し、105.7となった。


 29日の日経平均は、NYダウの200ドルを超える上昇や、鉱工業生産指数が予想を上回ったことや、月の新設住宅着工が前年同月比19.0%増と13カ月ぶりに増加したことなどを素直に好感し、午前は13000円台をキープして終了。
 午後に入った直後に若干調整する場面もあったものの上昇基調は続き、結局前日比304円62銭も上昇し、13072円82銭で終了しました。
 まだまだ売買代金は少ないのですが、300円を超える上昇幅は素直に評価しても良いと思いますし、急落直後の反動以外では久しぶりの大幅上昇になった印象があります。

関東・東海・北陸で天気が大荒れ、岡崎市では全域に避難勧告

2008-08-29 12:22:47 | Weblog
集中豪雨、愛知・岡崎市で1人死亡1人不明…400棟浸水 2008年8月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080829-OYT1T00253.htm?from=top
 前線の影響で愛知県内は28日から29日未明にかけて集中豪雨に見舞われ、同県岡崎市では29日午前2時までの時間雨量が、同県で観測史上最多となる146ミリを記録した。
 岡崎市は午前2時すぎ、市内全域約37万6000人に避難勧告を出すとともに、同30分ごろ、自衛隊に災害派遣を要請、県を通じて国に災害救助法の適用申請を行った。
 29日午前3時10分ごろ、浸水した岡崎市伊賀町の男性(79)方で、妻(76)の行方がわからなくなったと119番があった。同市消防本部で捜索したところ、水につかった屋内から女性の遺体が見つかり、岡崎署は不明になった男性の妻とみて身元の確認を急いでいる。当時、男性方は1メートル50から2メートルほど浸水していたという。
 岡崎市災害対策本部によると、市内3河川が氾濫などしており、床上浸水400棟、床下浸水32棟、道路冠水27か所などの被害が確認されている。

関東・東海・北陸に大雨、河川氾濫…高尾付近で京王線脱線 2008年8月29日 
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080828-OYT1T00692.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY200808280243.html
 前線の影響で28日、関東や東海、北陸を中心に激しい大雨に見舞われ、河川が氾濫し、住民が避難するなどの被害が多発した。
 神奈川県相模原市城山町川尻の風戸橋付近で28日深夜、境川の水があふれ、周辺住民に避難勧告が出た。付近の小学校に避難している。
 東京都八王子市でも初沢川が増水、周辺133世帯に避難勧告が出された。京王電鉄によると、同市高尾町の京王高尾線で、普通電車(8両編成)が土砂に乗り上げ脱線。乗客はいないという。JR中央線高尾駅では構内が浸水し、29日午前1時現在、八王子―高尾駅間で運転を見合わせている。東京都町田市でも2棟が床上浸水した。
 栃木県では同日午前0時現在、足利市と鹿沼市などで1棟の床上浸水と26棟の床下浸水が確認されほか、裏山で土砂崩れの危険があることなどから、鹿沼市と宇都宮市で計7世帯15人が自主避難した。群馬県でも床上2棟、床下32棟の浸水被害があり、車44台も浸水。
 富山県南砺市では、土砂崩れで国道が通行止めとなり、杉尾地区の7世帯が孤立状態になっている。

京王線、大雨で脱線 東京・八王子、乗客なし 2008年8月29日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200808280302.html
 28日午後11時55分ごろ、東京都八王子市高尾町の京王高尾線高尾山口―高尾間で、高尾山口発高幡不動行き上り普通列車(8両編成)が脱線した。京王電鉄と警視庁高尾署によると、大雨のため現場近くの土砂が崩れたのが原因で、1両目が脱線したという。終電の1本前の列車で、乗客はおらず、乗務員にもけがはなかったという。
 現場は高尾駅から西に約250メートルの地点。
 京王高尾線は29日午前1時20分現在、北野―高尾山口間で上下線とも運転を取りやめている。数十人が復旧作業をしているが、運転再開のめどはたっていない。
 大雨の影響で、他の鉄道のダイヤも大きく乱れた。
 JR中央線は高尾駅(八王子市)でポイントが雨による冠水で故障し、一時運転を見合わせた。
 東海道新幹線は愛知県内の大雨で、浜松―三河安城間の上下線で一時運転を見合わせるなどダイヤが乱れた。

京王高尾線 脱線の影響で運転見合わせ 2008年8月29日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200808290022.html
 京王高尾線は28日深夜に東京都八王子市内で起きた脱線事故の影響で、北野―高尾山口駅間の上下線が始発から運転を見合わせている。復旧の見通しは立っていない。

JR中央線、八王子―大月間で運転見合わせ 夜には復旧 2008年8月29日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200808290011.html
 東京都八王子市のJR高尾駅構内のポイントが大雨によって故障し、JR中央線は29日の始発から八王子―大月駅間で運転を見合わせている。八王子―高尾間は午後1時ころ、高尾―大月間は午後7時ころ復旧の見通し。快速電車は東京―八王子間で折り返し運転をしており、通常の6割程度の運転本数。新宿―松本間の特急列車は午前中の運休が決まっている。また、JR青梅線も立川―拝島駅間で始発から運転を見合わせていたが、午前7時42分に運転を再開した。
 中日本高速道路八王子支社によると、28日午後11時すぎから29日早朝にかけて、中央道の上野原~八王子ICの上下線、圏央道の青梅~あきる野IC間の内外回りなどで通行止めになった。全区間とも29日午前8時半すぎまでに通行止めは解除されている。




 昨晩は天気が崩れると聞いていたので、ある程度の覚悟は決めていたものの、関西地方ではほとんど雨が降らずに拍子抜け。それだけに、朝のテレビのニュースの映像で、東海地方で川が氾濫して愛知県岡崎市の全域で避難勧告が出ていることや、関東各地でも大きな被害が出ていることを知って吃驚しました。
 それにしても岡崎市といえば、山間部でもなければ決して小さな自治体でもなく、あのトヨタの発祥である豊田市にも隣接する自治体であり、当然ながら豊田市のベッドタウンとしての機能ばかりでなく下請け・孫請け企業も多数あるわけで…。
 家内に浸水された方も、後片付けがかなり大変ですし、この大雨でお亡くなりになられた方やその家族の方には心からお悔やみ申し上げますが、車のエンジンの高さまで水があふれた地域もあると聞いていますし、個人的には二次・三次あるいはそれ以下の孫請け企業などの製品や設備機械に被害が出ていないかも非常に心配です。
 また京王高尾線も八王子市内で発生した脱線事故の影響で、北野―高尾山口駅間の上下線が始発から運転を見合わせ。JR中央線も八王子以西は朝までに復旧できずに、東京―八王子間も快速電車の本数がいつもの6割程度に減らされたようで、この路線で通勤されている方にとってはさぞかし大変だったのではないでしょうか…。
 今日も急に天気が変わる可能性も高いようなので、お出かけされる方は十分お気をつけてお出かけ下さい。

他の海外経済関連ニュース まとめて5本

2008-08-29 12:15:18 | Weblog
仏クレディ・アグリコルの4―6月期、純利益94.1%減 2008年8月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080828AT2M2802T28082008.html
 フランスの大手銀行クレディ・アグリコルが28日発表した2008年4―6月期決算は、純利益が前年同期比94.1%減の7600万ユーロ(約122億円)だった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に絡んで6億9300万ユーロ(1100億円強)にのぼる損失を計上したことが響いた。
 大幅減益の主因は8億5500万ユーロの赤字となった投資銀行部門。同部門は昨年10―12月期から3.四半期連続の赤字で、4―6月期は米国のモノライン(金融保証会社)の信用力低下による評価損が膨らんだ。
 同行は昨年10―12月期に8億5700万ユーロの巨額の赤字を計上した後、今年1―3月期はいったん8億9200万ユーロの黒字に回復していた。今回の大幅減益決算は、金融市場低迷の影響がなお続いていることを浮き彫りにした。

デンマーク中銀、中堅銀行を救済買収 2008年8月26日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0826/TKY200808250361.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080826/fnc0808260043000-n1.htm
 デンマーク中央銀行は24日、デンマークの中堅銀行「ロスキルド銀行」を、同国内の銀行団と共に救済買収すると発表した。民間だけでは買い手が見つからず、国内の金融システムに悪影響が出る可能性があるとして異例の買収に踏み切ることにしたという。
 AP通信によると、ロスキルドはサブプライム問題の影響や国内の住宅ローンのこげつきで経営が悪化していた。

日米欧、ドル防衛で秘密合意 3月の金融危機時 2008年8月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080828AT3S2702D27082008.html
 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけにした米金融不安でドルが急落した今年3月、米国、欧州、日本の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していたことが明らかになった。ドル暴落で世界経済に大きな混乱が広がるのを回避するためで、為替市場の安定に向けた緊急共同声明も検討された。米ブッシュ政権はかねて介入に慎重姿勢を貫いてきたが、深刻なドル離れで方針転換を余儀なくされた格好だ。米国主導のドル防衛策は過去にほとんど例がない。米住宅公社の経営問題などでドル不安はなおくすぶっており、各国当局が再び連携を探る可能性がある。
 複数の国際金融筋によると、各国当局がドル防衛策の詰めの作業に入ったのは、米証券大手ベアー・スターンズの経営危機が表面化した3月中旬。金融システムの動揺が収まらず、世界的なドル安、株安に歯止めがきかなくなっていた。

不良債権処理、過去最高の1.5兆円 米中小金融機関 2008年8月28日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/business/update/0828/TKY200808280227.html
 米財務省の貯蓄金融機関監督局(OTS)は27日、住宅ローンを主要業務にする貯蓄機関の4~6月期の経営状況を発表した。不良債権処理の貸し倒れ引当金は過去最高の総額140億ドル(約1兆5千億円)にのぼり、資産に対する引当金の比率は前年同期より3.30ポイント多い3.68%に急増した。
 全米829の金融機関(資産総額1兆5100億ドル)が調査対象。サブプライムローンの焦げ付きによって、延滞債権などの不良資産の割合は前年同期の0.95%から2.68%に急増。中小金融機関・貯蓄貸付組合(S&L)危機があった90年代前半以来では、最高水準となった。
 不良資産の81%は住宅ローンに集中。赤字総額は過去2番目に多い54億ドル(約6千億円)で、黒字(38億ドル)だった1年前から暗転した。財務悪化が目立つ問題行は17あり、3カ月間で5行増えた。

米倒産、歯止めかからず 7月5600件に急増、3年ぶり高水準 2008年8月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080828AT2M2701H27082008.html
 米企業の倒産ペースが加速している。7月の倒産件数は前年同月比57%増の5664件と、法的整理の条件が厳しくなった2005年10月以降、単月として過去最高だった。個人消費の冷え込みを映し、小売り、外食企業の倒産が目立つ。8月に入っても住宅、自動車関連の不況業種の倒産が続出。金融機関が融資基準を厳しくしていることもあり、当面は倒産件数が高止まりするとの見方が支配的だ。
 企業が裁判所に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)や清算などを申請した件数を、米民間調査会社ジュピター・イーソーシズがまとめた。7月の倒産件数は直近のピークだった5月(5319件)を上回り、3年ぶりの高水準。倒産件数は年初は月4000件台で推移していたが、ガソリン高による個人消費の伸び悩みや住宅公社の経営問題を受けた信用収縮を背景に件数は増加傾向にある。




 28日のNYダウは、GDPの大幅上方修正もあり、200ドルを超える大幅上昇。29日の日経平均も大幅上昇で29日午前は13000円を超えて終了しましたが、海外からは景況感の悪化を示す、あまり歓迎したくないニュースが続々入ってきています。
 まず、アメリカ以外の海外ですが、フランスの大手銀行であるクレディ・アグリコルの2008年4―6月期決算で純利益が94.1%の大幅減少。前々期ですっかり膿を出して前期の大幅黒字がそのまま定着するものと思われていただけに、米国のモノライン会社の信用力低下による評価損という特殊材料はあったものの、サブプライム損失の問題が本国以外でもいまだに決着がついていないことを立証する形になってしまったと思います。
 また、経営不振に陥っていた国内10位のロスキルド銀行をデンマーク中央銀行が国内の銀行団と一緒に救済合併することを発表。どうやら単独では引き受け手となる民間銀行が見つからなかったようですが、国内の金融システムを混乱させないとはいえ、民間銀行を中央銀行が救済するのは決して好ましいことではありませんし、やむをえない措置とはいえ、ヨーロッパ株式には不安材料となりそうな嫌な予感がしますね。

 一方、アメリカ関連では、3月の金融危機の時に、米国・欧州・日本の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していたことが判明。あのプライドの高いアメリカが?と、この秘密合意にはただただ驚くことしかできないのですが、そこまで当時の金融市場にはドル急落のリスクが高まっていたということでしょうか…。
 また、大手の投資銀行だけでなく、中小の本来投資(投機?)とは全く関係のないはずの金融機関にまで不良債権が増加しはじめているのですが、その中小の金融機関の不良債権処理は過去最高の1.5兆円に…。アメリカの中小の金融機関の中には、日本で言えば地方の信用金庫クラスの支店が数店しかない地方銀行もありますが、その一部は耐え切れなくなって、今年になって経営破綻しはじめているということなんでしょう…。
 そして、7月の倒産件数は前年同月比57%増の5664件と3年ぶりの高水準に…。28日こそNYダウは大幅上昇となったものの、今後も引き続き株価の回復につながるかは、かなりの不安材料を抱えていることがわかります。

NYダウは11715ドル、NY原油は115.59ドル、日経平均午前終値は13047円で終了

2008-08-29 12:10:18 | Weblog
米国株大幅続伸、ダウ終値212ドル高 原油は反落 2008年8月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080829AT3L2900229082008.html
 28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続伸。前日比212ドル67セント高の1万1715ドル18セントで終えた。4―6月期の実質国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.3%増となり、市場予想(2.7%増)を上回った。さらに早朝は高値圏で推移していた原油先物相場が午前中ごろにかけて急落したことも好感され、幅広い銘柄に買いが入った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。前日比29.18ポイント高の2411.64で終えた。
 一方、28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は4営業日ぶりに反落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前日比2.56ドル安の1バレル115.59ドルで終えた。一時22日以来の高値となる120.50ドルまで上昇した後、利益確定売りに押された。

4―6月の米GDP改定値は3.3%成長 1.4ポイント上方修正 2008年8月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080828AT3K2801D28082008.html
 米商務省が28日発表した4―6月の実質国内総生産(GDP)の改定値は季節調整済みの年率換算で前期に比べ3.3%増えた。成長率は7月末に公表した速報値(1.9%)を1.4ポイント上方修正した。市場予測の平均(2.7%)も上回った。速報よりも輸出の伸びが高まった半面、輸入の落ち込みが大きくなり、輸出から輸入を差し引いた外需の押し上げが顕著になった。
 米国の成長率は昨年10―12月(マイナス0.2%)、今年1―3月(プラス0.9%)の低迷が続いた後、3%超の水準に復帰した。4―6月は減税を柱とする景気対策も個人消費や設備投資を下支えした。ただ、内需は盛り上がりに欠け、減税の効果が薄れる7月以降は外需頼みの構図がさらに強まりそうだ。
 4―6月のGDPの改定値で全体の約7割を占める個人消費は1.7%増え、速報値よりも伸び率を0.2ポイント上方修正した。設備投資は速報値とほぼ同じ2.2%増だった。輸出は13.2%の大幅増。輸入は逆に7.6%減った。速報値に比べ輸出は伸び率を4.0ポイント高め、輸入は下落幅を1.0ポイント拡大した。

NY原油、4日ぶり反落 10月物は115.59ドル 2008年8月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080829ATQ2INYPC29082008.html
 28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は4営業日ぶりに反落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前日比2.56ドル安の1バレル115.59ドルで終えた。一時22日以来の高値となる120.50ドルまで上昇した後、利益確定売りに押された。
 熱帯低気圧「グスタフ」がメキシコ湾岸の石油精製施設へ与える被害などへの懸念から、朝方は買いが優勢だった。その後は利益確定売りに加え、被害が生じた場合に戦略備蓄が放出されるとの見方が売り要因となった。
 BNPパリバのシニア・エネルギー・アナリスト、トム・ベンツ氏は「熱帯低気圧が実際にメキシコ湾岸に上陸するのは3、4日後と見られており、相場上昇の後で様子見姿勢が強まった。週間の天然ガスの在庫が前週比で増加したこともエネルギー需要の減少を意識させ、売りを誘った」と述べた。この日の安値は114.08ドル。
 ガソリン、ヒーティングオイルも4営業日ぶりに反落。

日経平均大幅反発、午前終値279円高 鉱工業生産改善で不安後退 2008年8月29日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080829AT2D2900529082008.html
 29日の東京株式市場では日経平均株価が大幅続伸。上昇幅は一時280円を超え、取引時間中としては19日以来約8営業日ぶりに1万3000円を回復した。午前の終値は前日比279円37銭(2.19%)高の1万3047円62銭。
 前日の米株高に加え、朝方発表された7月の鉱工業生産指数が市場予想を上回ったことから内外景気の先行き不安がひとまず後退。銀行、建設などの景気敏感株に買いが入った。ただ国内物価の上昇を警戒して積極的に上値を追う動きは乏しく、買い一巡後は高値圏でもみ合った。



 28日のNYダウは、4―6月の実質国内総生産(GDP)の改定値が、ドル安の影響で輸出をかさ上げし輸入を減らしたこともあり、市場予想(2.7%)さえ大幅に上回る3.3%(速報値からは1.4ポイントの上方修正)の成長となったことや、この日の前半に上昇していた原油相場が後半になって急落したこともあり、前日比212ドル67セント高い11715ドル18セントと、200ドルを超える大幅上昇で終了しました。
 これまでは株価の回復から取り残される形になっていた金融保証(モノライン)会社も、MBIAが新規契約の再保険の契約を結んだ(前払保険料として7億ドルの現金を受け取ると言われています)ことが好感され、前日比34.8%の大幅上昇、アムバックも41.6%の大幅上昇となったようです。
 一方のNY原油はハリケーンがメキシコ湾岸の石油精製施設へ与える被害等への懸念から、一時120.50ドルまで上昇。その後は利益確定売りや、実際に被害が生じた場合には戦略備蓄が放出されるとの思惑から急落し、前日比2.56ドル安い1バレル115.59ドルで終了しています。
 一方、29日の日経平均はNYダウの予想以上の急上昇を好感して開始直後に13000円近辺まで上昇し、その後多少調整したものの、再び上昇に転じ、午前は前日比279円37銭高い13047円62銭で終了。午後もこの13000円台をキープできるかどうかが要注目でしょうか…。