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「取り上げられると困る機器」、トップは携帯電話 民間調べ

2008-08-31 16:35:45 | Weblog
「取り上げられると困る機器」、トップは携帯電話 民間調べ 2008年8月13日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080813AT3K1200C12082008.html
 携帯電話を通じたインターネット調査のネットエイジア(東京・港)は15歳から39歳までを対象とした携帯電話の所有に関する調査をまとめた。携帯電話、テレビ、パソコン、ゲーム機の4つの機器のうち「取り上げられたら一番困るもの」を尋ねたところ、どの年代でも携帯電話がトップになった。
 調査対象を5歳ずつに分けたところ、34歳以下の世代ではいずれも携帯電話と回答した人が過半となり、20代前半では66.3%に上った。同じ問いの2位は15―19歳と25―29歳では「パソコン」、20―24歳と30歳以上では「テレビ」になった。
 「携帯は何をするための道具か」との設問では、30代後半を除く年代で「メール」がトップで、「通話」は年齢が下がるにつれて順位が落ちた。



 少し前の記事ですが、とても興味深い調査を行っているので、当ブログでも報告書の詳細を紹介したいと思います。
 報告書によれば、『携帯電話(PHS)を初めて持った年齢』は「16歳~18歳」が23.2%、「20歳~24歳」が22.3%、「13歳~15歳」が18.7%で、15歳までに携帯電話を持った人の割合は24.2%、18歳まで年齢を引き上げれば47.4%。10代に絞れば、72.2%と7割を超える方が15歳までにケータイを保有しているようです。
 まあ、18歳になれば、大学に入るにせよ、社会人になるにせよ、個人間の連絡を取る意味でも携帯電話がないと何かと不便なのかな…とも思えるのですが、今の若い世代は中学卒業まで10人に7人以上が携帯所持している模様。
 政府のお偉いさんは小中学生の携帯の所持を規制しようとしていますが、既に7割の浸透率のものを今更なかったものにするなんて、そんな時計の針を元に戻すような芸当なんてとてもできないと思うんですけどね…。

 『携帯電話は何をするための道具か』を1つだけ選んでもらう設問については、全体では「メールするための道具」が31.5%、「話すための道具」が18.9%、「コミュニケーションするための道具」が17.1%、「生活するため絶対なくてはならない道具」が9.7%、「遊びができる道具」が6.1%、「仕事で必要な道具」が5.2%の順。
 ただ、10代に限れば「メールするための道具」が36.1%、「コミュニケーションするための道具」が16.5%、「遊びができる道具」が13.4%、「生活するため絶対なくてはならない道具」が12.4%、「音楽を聞く道具」が7.2%と、元々の用途であるはずの通話機能はあまり利用されていないようで…(苦笑

 『携帯電話、パソコン、ゲーム機、テレビのうち取り上げられたら一番困るものは何か?』の質問については、年代を問わず携帯電話を挙げる方の比率が高く、20-24歳では66.3%と3人に2人、最も少ない35-30歳でも43.5%が一番必須と考えています。ちなみに二番目に多い回答は、20-24歳、30-34歳、35-39歳でテレビを挙げているようですね。
 1カ月当たりの携帯電話の利用料金は「7000円」が19.4%、「8000円」が14.0%、「6000円」が13.5%、「1万円」が11.7%、「5000円」が11.5%の順。さすがに1万円を超えると負担になるということでしょうか…。

 そういえば、どのバックナンバーだったかは失念しましたが、日経ビジネスのあとがき欄で、日経ビジネス記者が、事前に取引先や上司・同僚への根回しをしたうえで、『携帯電話なしでどれだけお仕事ができるか』を実験したという記事があったのですが、『取引先からの理解を得ながらも、1週間も持たずに実験は中止せざるを得なかった!』という記事を読んだことがあるのですが、今のビジネスマンやOLにとって携帯電話は必須ツール。
 私にはパソコンも同じくらい大事ですが、パソコンの場合は、仮に自宅のパソコンが故障しても、イザとなれば自宅の古いパソコンを引っ張り出したり、ネットカフェを利用すればいいのに対して、携帯電話の場合は、『登録した電話番号が思い出せない』『携帯メールができないと営業に支障が生じる』『オンラインの金融取引を行っている場合は、紛失するとセキュリティ面が心配』といった思惑もあるのではないかと思います。
 とはいえ、職種によっては、別に家電があれば携帯電話がなくても仕事上の支障はそれ程ないお仕事も中にはあると思うのですが、これだけ携帯電話がないと困るという方が多いのは、驚くのを通り越して圧巻なものがありますね…。

クライスラー、高馬力スポーツ車「バイパー」事業の売却検討 GMは中型トラック事業売却白紙に

2008-08-31 16:25:12 | Weblog
クライスラー、高馬力スポーツ車「バイパー」事業の売却検討 2008年8月27日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080828AT2M2800I28082008.html
 米自動車大手クライスラーは27日、高馬力のスポーツ車「ダッジ・バイパー」事業について売却など事業見直しを検討すると発表した。高馬力のスポーツ車は米国で人気が高かったが、ガソリン価格の上昇で長期的な成長は見込みにくい。クライスラーはより低燃費の新車開発に経営資源を集中する。
 バイパーは1990年代初めに生産を開始。ミシガン州デトロイトの工場で1日10台弱の少量生産を続けてきたスポーツ車。V型10気筒の大排気量エンジンを積み、走りを楽しむ自動車ファンに根強い人気がある。今年は今までに約700台を販売した。
 ロバート・ナルデリ会長は「バイパーに関心を持つ第三者が接触してきた」と説明し、他社への売却を視野に入れていることを明らかにした。

GM、中型トラック事業売却白紙に 景気減速で需要低迷 2008年8月21日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080821AT2M2100K21082008.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080821/biz0808211555010-n1.htm
 米ゼネラル・モーターズ(GM)は20日、中型商用トラック事業を米商用車大手ナビスター・インターナショナルに売却する計画が白紙になったと発表した。昨年12月に両社が基本合意していたが、米国内の景気低迷などの影響を受け、条件面で折り合わなくなったとみられる。手元資金の積み増しが必要なGMにとっては、目算がはずれた格好だ。
 GMの中型商用トラックの主力は「GMC・トップキック」など。ミシガン州フリントの工場で生産し、ダンプトラックや配送車両に使われている。昨年末には、事業資産などの売却手続きを2008年中に終えることで合意していたが、米景気の減速などで商用車の需要が低迷。基本合意時とは市場環境が一変していた。
 GMとナビスターの条件交渉は不調に終わり、20日に両社が基本合意契約を更新しない方針を表明した。GMは中型商用トラック事業を続けるが「ナビスターとの交渉継続も含め、戦略的な選択肢を考える」(GM)としており、売却を含めた事業見直し策を検討していく考えだ。



 格付けが投機的水準にまで下がるなど、苦境に瀕している米ビッグスリーですが、投資ファンド傘下に入ったクライスラーが高馬力スポーツカーである「ダッジ・バイパー」事業について、売却など事業見直しを検討すると発表しました。
 ただ、自動車会社の部門売却は、平時でも売却価格やその時々の当事者間の思惑などから、この手の話はなにかと流れやすいものですし、現に先週もGMの中型トラック事業の売却が白紙になったばかり。
 バイパーに関心を持つ第三者とやらも、当然ながら買い叩こうとしてくることが予想されますが、果たして売却話は成立するのでしょうか…。
 経営統合までいくかどうかは別にしても、今のアメリカ国内の車の需要水準から考えて、ビック3全体の供給能力は明らかに過剰ですし、ビッグスリーが、米政府に計250億ドル(約2兆7000億円)以上の低利融資を求めるという話もある(http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080823-OYT1T00616.htm)中、何らかの生産調整なり外資への売却は、本体が生き残るためにも必須でしょうし、ビッグ3各社が得意分野に経営資源を集中することで、会社を立て直すことができるのかどうか、非常に注目されるところではないかと思います。

伊アリタリア航空が経営破たん、負債総額約1800億円

2008-08-31 16:21:53 | Weblog
伊アリタリア航空が経営破たん、負債総額約1800億円 2008年8月30日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080830-OYT1T00267.htm?from
朝日夕刊 http://www.asahi.com/international/update/0830/TKY200808300070.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080830k0000e020009000c.html
 巨額の債務を抱えて経営難に陥っていたイタリアのアリタリア航空は29日夜(日本時間30日未明)、会社更生手続きを申請し、経営破たんしたと発表した。
 負債総額は7月末時点で11億7200万ユーロ(約1800億円)。今後は管財人の下で、不採算部門を分割して清算する一方、ローマ―ミラノ間の運航など採算が見込める短・中距離事業を中心にテコ入れし、早期再生を目指す方針だ。
 ロイター通信によると、採算事業の再生計画では、イタリアの財界人らの投資家グループが10億ユーロを投入して新会社を設立する案が有力だ。さらに、仏・オランダ系のエールフランス―KLM、ドイツのルフトハンザ航空とそれぞれ資本・業務提携交渉も進める。新会社は最終的にイタリアの航空会社エア・ワンに統合される可能性がある。
 破たんに伴い、地上職員などの大量解雇の可能性があるため、アリタリア航空株の49・9%を保有する伊政府も週明け以降、労組の説得にあたる。
 アリタリア航空は、格安航空会社との競争激化や、ストライキの多発などで赤字が続いていた。プローディ前政権下で昨年から身売り先を探し、エールフランス―KLMが有力候補となったが、1月の政権交代の影響や労組の反対で交渉が決裂し、迷走が続いていた。

アリタリア航空、分割救済策受け入れ 欧州航空大手と提携へ 2008年8月30日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080830AT2M3000630082008.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080830/biz0808300932004-n1.htm
 経営危機に陥っているイタリアのアリタリア航空は29日、同国の政府・経済界による救済策を受け入れることを決めた。同社を採算性のある事業部門と不良資産処理にあたる部門に分割。存続する事業部門は同国2位の航空会社エアワンと合併し、欧州の航空大手と提携し出資を受ける方針。提携先として仏蘭エールフランス―KLMとルフトハンザ・ドイツ航空が有力と伝えられている。
 アリタリアは同日、取締役会で救済策の受け入れを決め、前提となる破産法適用の手続きを開始した。存続する事業部門の受け皿となる「イタリア航空(CAI)」には、アパレル小売り大手ベネトンなど有力企業の投資家グループが10億ユーロ(約1600億円)の資本を注入。会長は企業再生の実績がある二輪車大手ピアジオのロベルト・コラニーノ会長が務める。




 読売・朝日・毎日は経営破綻、日経・産経は分割救済案の受け入れと、報道内容に若干のニュアンスの違いがあるようですが、経営が迷走していたアリタリア航空が、採算性のある事業部門と不採算部門を分割し、存続する部門をルフトハンザ航空と関係の深い国内第二位のエアワンと合併させた上で、長距離路線については欧州の航空大手に提携・出資してもらう再生案を考えているようですね。
 とはいえ、アリタリア航空と言えば、労働組合運動が激しい航空会社としても非常に有名で、今回提携先として期待されているエールフランスーKLM航空がかって出した買収案も、一度は労組の猛反発で断念に追い込まれていますし、イタリア紙の報道によると、新会社は約1万9千人の従業員を5千~7千人削減し、現在の190路線を140に縮小する模様。
 従業員の4分の1強~3分の1強も人員整理するそうですから、リストラが進みそうな国際線の従業員を中心に猛反発を招くことは確実でしょうし、かなり強引なストライキを強行したり、あるいは(かって日本でも国鉄が民営化されるときに国労組合員が引き起こしたような)リストラされた従業員に裁判を起こされたりしたら、ますます顧客離れが進んでしまうリスクもあるかと思います。
 国際航空会社はどこもガソリン代の高騰などで経営が厳しいだけに、ある程度のリストラは避けられないと思いますが、問題はどこまで人員整理を強行できるかどうか…。国の威信をかけたナショナルフラッグの会社だけに従業員のプライドも高そうですし、再建策は決まったもの、その実施にはかなりの困難が伴いそうです。

ギョーザ事件、中国側が「国内混入の可能性」に言及&臨時工を集中聴取

2008-08-31 16:16:54 | Weblog
ギョーザ事件、中国側が「国内混入の可能性」に言及 2008年8月30日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080830-OYT1T00388.htm
 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国側が今月28日、日本の外務省に対し、中国国内で6月に中毒を引き起こしたギョーザが中国の一般市場で流通していなかったことを伝えてきた際、毒物が中国国内で混入した可能性が高いことを初めて正式に認めていたことがわかった。
 政府関係者が明らかにした。中国側はこれまで「中国で混入した可能性は極めて低い」と中国混入説を強く否定しており、自国内での混入に言及するのは初めて。
 政府関係者によると、中国側は28日、日本外務省に対し、問題のギョーザが市場では流通しておらず、製造元の「天洋食品」(河北省)の関係者らの間だけで出回っていたと説明。その上で、有機リン系殺虫剤メタミドホスが自国内で混入した可能性が高いことを認め、天洋食品の製造過程なども含めて捜査を進めていることを明らかにした。
 さらに、昨年末から今年1月にかけて千葉、兵庫両県の3家族10人が被害にあった日本の中毒事件についても、中国国内でメタミドホスが混入した可能性があるとして捜査を進めていることを伝えたという。
 冷凍ギョーザ中毒事件をめぐっては、中国政府は2月末、中国国内でのメタミドホス混入を否定する見解を表明。しかし、7月の北海道洞爺湖サミット直前になって、中国でも6月中旬に同じギョーザによって中毒が起き、健康被害が出ていたことを日本側に通告していた。

中国「ギョーザ中毒は工場内犯行」 臨時工を集中聴取 2008年8月31日 朝日
http://www.asahi.com/international/update/0830/TKY200808300197.html
 千葉・兵庫両県で1月に発覚した中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国公安当局が製造元の「天洋食品廠公司」(中国・河北省)の製造過程で農薬成分が故意に混入された内部犯行の可能性が高いとみて、同社の臨時工を集中的に事情聴取していることがわかった。中国側はこれまで「工場での混入の疑いはない」として、製造過程での混入を指摘する日本側と意見が対立していたが、中国側が捜査姿勢を一転させたことで両国の捜査協力が前進し、真相解明に向けて動き出す可能性が出てきた。
 さらに今回、6月中旬に中国内で起きたギョーザ中毒事件では、天洋食品が冷凍庫に保管していた回収品を同社の関係者が横流しし、それを食べた別の4人の同社関係者が中毒症状を起こしたことが新たに判明した。公安当局がそのギョーザを鑑定した結果、日本で中毒事件を起こした製品と同じ農薬成分「メタミドホス」が検出され、その濃度が極端に高かったことから、いずれも天洋食品の工場内で何者かが故意に混入させた疑いが濃厚と判断した。
 中国筋によると、公安当局は同社から押収した消毒液のほか、薬物の管理記録や生産管理記録を再度捜査。さらに、従業員の出勤状況などが記されている人事管理簿や、工場内に設置されている防犯カメラの映像を分析した。これまでに従業員55人の事情聴取を終え、聴取の範囲を退職した臨時工にまで広げて集中的に捜査している。
 また、中国で発生したギョーザ事件では被害者4人の中に子どもも含まれ、重症患者もいるという。横流しした天洋食品の関係者は調べに対し、「特に安全性に問題はないと思って、冷凍庫から持ち出して複数の知人に安値で販売した」と供述している。ギョーザはいずれも天洋食品の関係者にしか渡しておらず、中毒を起こした4人以外に被害者を確認していないという。
 中国公安省の捜査責任者は28日、日本政府側に対して、中国で起きたギョーザ事件の製品は同国内の市場には流通しておらず、天洋食品の関係者らの間だけに出回っていたと説明していた。
 日本側のこれまでの捜査では、具材からはニラの残留検疫基準の6万倍を超える農薬成分が検出され、包装袋の外側から染み込んだ可能性はなく、日本での流通過程で混入された可能性は極めて低いと判断し、国内での捜査を終了していた。
 ギョーザ事件は、中国製食品への不信感や中国に対する日本の国民感情を悪化させる要因ともなっていた。今後、日中両国の警察当局は証拠や捜査情報の交換を進めていくことになる。



 う~ん。サミットが開催されるまでは、中国製冷凍餃子の中毒症状を巡る一連の問題については、中国側はかなり傲慢な態度をとっていたのに、ここにきてこの態度の急変は逆に気持ち悪いですね…(滝汗  まあ、
1)日本国内の事故だけでなく、本来ならば『要厳重保管&持ち出し厳禁』となっているはずの証拠物件が関係者(従業員? 元従業員?)によっていとも簡単に持ち出され、あげく中国国内でも同様の中毒事件が発生してしまい、問題を隠蔽しきれなくなったこと。
2)国の威信をかけて行ってきたオリンピックが終わったことで、失うものがなくなったこともあり、今度は主要輸出品の冷凍食品の信頼を取り戻すことが優先順位として相対的に高くなってきた。
 といったこともあるのだとは思いますが、日本に損害賠償を求めると息巻いてきた、某夢見る名前の工場長さんのその後の行方さえ伝わってこないようなお国柄ですし、実行犯?を何人か逮捕して『厳重処罰する』と通告してきて、具体的処分は一切伝えないといった、これまで通りのなあなあな対応になりそうな嫌な予感がしますね…。
 まあ、日本を含めた中国から食品を輸入している国にとっては、実行犯の処罰よりも、今後どう安全な食品を提供してくれる体制を作ってくれるのかが大切ですし、食料自給率の低い日本以外のアジア各国にとっては、中国の態度が変わらなければ、食料の調達先を他の国に変えればいいだけのこと。中国がそこまでの危機感をもって、本気でこの食品の安全性の問題に取り組むことができるかどうかが、私には将来のこの国(中国)の経済成長率さえ左右するのではないかと見ています。

大田農相問題 今度は親族会社に家賃支出が発覚 交付金から3647万円 他ニュース2本

2008-08-31 16:10:35 | Weblog
太田農相、事務所費内訳を公表「適正に処理と確信」 2008年8月29日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0829/TKY200808290134.html
 太田誠一農林水産相(自民、衆院福岡3区)の政治団体が秘書の自宅を「主たる事務所」として届け出て、05、06年に計約550万円の事務所費を計上していた会計処理をめぐり、太田氏は29日午前、農水省で記者会見し、両年の事務所費の内訳を公表した。「私の政治活動のためにすべて適正に使われたと確信している」と述べた。3年間の保存義務がある1件5万円以上の領収書を同日午後、報道陣に公開する。
 不透明な支出があったのではないかと問題視されていたのは、政治団体「太田誠一代議士を育てる会」。東京都内の政策秘書(現・農水相秘書官)の自宅を「主たる事務所」と届けていた期間のうち人件費なども含む経常経費として、00~02年に約2484万円(うち事務所費約948万円)、05、06年に2346万円(同約550万円)を計上。このうち05、06年分が、領収書などの保存義務期間に該当していた。
 太田氏は会見で、05、06年の支出のうち経常経費の内訳を示した資料を配布。家賃をゼロとしていたため「不透明」との見方が出ていた事務所費の内訳は2年間で、電話代78万1514円、郵便・宅急便代423万7988円、交通費11万1320円、新聞代25万1319円(06年のみ)、そのほかにテープ起こしの費用などとして14万1251円だった。
 領収書を取る義務のない人件費を除いた経常経費総額の約9割分の領収書が残っており、そのうち1件5万円以上のものについてはすべて保存してある、と説明した。
 同会の事務所については、秘書宅と議員会館、地元の福岡市早良区の計3カ所にあると説明。それぞれの場所で使った費用を計上したという。
 秘書宅を「主たる事務所」としたことについては、「東京を中心に活動している」「議員会館には(衆院議院運営委員会の決定で)資金管理団体の事務所しか置けない」と説明した。
 臨時国会を前に野党が追及の構えを見せ始めたこともあり、政治資金規正法では公開義務がない当時の領収書をあえて示すことにして、関連資料の整理にあたっていた。
 太田氏は会見で、領収書公開の理由について「前例があったため」と述べ、「多くの国民に納得して頂けると思う」と語った。

太田農水相陳謝「不徳の致すところ」 2008年8月30日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080830/stt0808301255003-n1.htm
 太田誠一農水相は30日午前、地元の福岡市で開かれた自民党福岡県連の会合であいさつし、事務所費問題が指摘されていることに関し「誠に不徳の致すところでおわび申し上げたい」と、支持者らに陳謝した。会合後、太田氏は記者団に「(事務所費問題は)法令上は何も問題がない。昨日すべての書類を公開したので、それを見て判断してほしい」と強調した。

農相支部:親族会社に家賃支出 交付金から3647万円 2008年8月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080830k0000m040181000c.html
 太田誠一農相が代表を務める自由民主党福岡県第3選挙区支部(福岡市早良区)が、太田農相を顧問に迎えていた不動産会社に対し、96年から家賃を支払い続けていたことが分かった。06年までの総額は計3647万円に上る。家賃は政党交付金から支出されており、税金である交付金の一部が会社を経由して農相の収入になっていたことになる。総務省は、政治団体が家賃相当額の寄付を受けたものとして収支報告書に記載すれば、家賃を支払う必要はないとしている。
 政党交付金使途等報告書によると、同支部は96年以降、事務所の家賃として毎年94万~378万円を不動産会社「九州勧業」(福岡市博多区)に支払っていた。
 九州勧業は太田農相の実父が取締役を務めていた親族企業。太田農相は、07年から農相就任直前まで同社の顧問として報酬を得ていた。額については明らかにしていない。太田事務所は「法的に問題はない。通常の商取引として近隣相場の額で賃借している」と説明している。
 政党交付金が政治家側に流れたケースとしては、渡辺喜美・前金融担当相、魚住裕一郎参院議員がそれぞれ代表を務める政党支部が、政党交付金から親族企業や本人に対し、家賃や車のリース代を支払っていたことが昨年、明らかになっている。渡辺氏らは「法令にのっとって処理している」と説明していた。
 政党交付金制度は、企業献金への依存から脱却し、政党や政策本位の政治を実現することを目的として95年に導入された。国民1人あたり250円の税金を、直近の国政選挙の得票数と議員数に応じて各政党に配分する。



 太田農相の政治団体が秘書官宅を事務所として費用計上していた問題ですが、氏は領収書の大半を公開した上で、支持者に陳謝したようです。
 とはいえ、太田氏については、領収書の保存期限を過ぎた00―02年にも2483万円計上していたことが発覚していますし、この事務所の定義を巡る費用計上については、大田氏だけでなく、元農水元次官である福井照衆院議員についても、秘書宅に事務所経費を計上していたことが発覚済(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080828k0000e040048000c.html)。
 しかも、大田農相については、親族が運営する不動産会社に家賃を払い込んでいたことも新たに発覚したようです。事務所側は「法的に問題はない。通常の商取引として近隣相場の額で賃借している」と説明しているようですが、こちらも家賃は政党交付金から支出されており、税金である交付金の一部が会社を経由して農相あるいは親族に流れ込んでいるわけで、さすがにここまで農林水産省絡みで不祥事が続くようだと、野党の追及もますます強くなるでしょうし、大田農相はますます厳しい立場に追い込まれていくのではないでしょうか…。
 それにしても福田総理はいつまで大田氏を農相として置いておくつもりなんでしょうね…。総理としては下手に太田氏を斬れば、福井元農水元次官だけでなく他の次官にまで同様の問題が広がりかねないだけに、中々決断ができないのかもしれませんが、政治不信が続けば自民党そのものの信頼まで更に失墜してしまいかねませんし、そうなると総選挙に突入しても不利な戦いを強いられそう…。次の政権を不必要に不利にしないためにも、党の最高経営責任者である総理には決断の時が迫っているように思いますけどね…。

新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も

2008-08-31 16:03:15 | Weblog
新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も 2008年8月31日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080830-OYT1T00796.htm
 経営難に陥っている新銀行東京(東京都新宿区)の融資に絡み、少なくとも5人のブローカーが介在していたことが読売新聞の調べでわかった。
 一部のブローカーは、仲介の見返りに、出資法が定める上限(5%)を超える手数料を融資先の中小企業側から受け取ったほか、融資の審査が通るよう決算の改ざんにかかわった疑いがある。ブローカーが自民、公明両党の都議らに口利きを依頼したケースもあった。都が1400億円を投じた新銀行で、不透明な仲介ビジネスの存在が初めて浮かんだ。
 新銀行を巡っては、甘い審査実態がすでに判明。ブローカーの介在が新たに明らかになったことで、現在検査を進めている金融庁の対応が、厳しいものになる可能性が強まった。
 融資を受けた企業側などの証言によると、5人のブローカーは、「簡単に融資が下りる」「政治家に顔が利く」などと持ちかけ、新銀行の融資が実行されると見返りを要求していた。
 仲介は、〈1〉ブローカーが都議らに新銀行側への口利きを依頼〈2〉ブローカーが企業に助言しながら新銀行に融資を申し込む――などのパターン。5人がかかわった融資は、少なくとも約20件に上る。判明しただけで、企業側はそれぞれ3700万~300万円の融資を受け、融資額の約7~1%(150万円~20万円)の手数料をブローカー側に支払っていた。融資後、経営破たんや休眠状態に陥り、返済が延滞している企業もある。
 都内の飲食店経営会社は2005年6月、知人に紹介されたブローカーの男性から「政治家を動かせるので、融資を受けられる」と持ちかけられた。同社幹部はこのブローカーを通じ、都議らに口利きを依頼した後、新銀行へ融資を申し込んだ。翌7月に3000万円が融資され、同社はブローカーに150万円の手数料を支払った。昨年末ごろから返済が滞っている。
 05年冬、別のブローカーから「赤字会社でも融資が受けられる」と誘われたという、機械設計会社の社長。赤字の決算書類を預け、約10日後に戻ってきた決算書を持って新銀行で融資を申し込むと、1週間後に満額2000万円が融資された。社長はこのブローカーに60万円を支払ったことを認めたが、「決算がどのように変わったかは覚えていない」としている。
 別の食品加工会社の社長は、06年に受けた300万円の融資の謝礼に約7%にあたる20万円をブローカー側に支払ったことを証言した。同社は昨年から休眠状態で、返済が延滞している。
 新銀行東京・総合企画部の話「融資にブローカーが関与しているかどうかは把握できない。法的な問題があるなら、刑事告訴など厳しく対処したい。議員から融資先の紹介を受けることはあるが、審査は厳正に行っている」

新銀行東京:37億円の赤字 08年4~6月期 2008年8月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080830k0000m020172000c.html
 新銀行東京(東京都新宿区)は29日、08年4~6月期決算を発表した。不良債権処理額が前年同期比約2倍の43億円となったことなどが響き、税引き後損益は37億円の赤字となった。赤字額は今年9月中間決算では73億円と見込んでおり、既にそのほぼ半分に達したことになる。
 融資・保証残高は今年3月末より171億円増えたが、中小企業向けについては164億円減少した。都は7月に実施した1016億円の減資に伴い、603億円を減債基金に積み立てる義務が生じている。現在の積立残高は63億円で、残る540億円の積み立て分を補正予算案として9月議会に提出する。
 会見で石原慎太郎都知事は、銀行の現状について「うまくいっていると思う」とし、「9月にはある形の方向を、年内にはさらに進んだ段階の展開を報告したい」と述べた。



 新銀行東京といえば、29日に発表された08年4~6月期決算で、税引き後損益が37億円の赤字になることを発表したばかりで、融資の杜撰さもかなり指摘されていますが、少なくとも5人の怪しげなブローカーが暗躍して、決算書を偽造したり政治家を介在させたりすることで、本来ならばとても融資できない企業にまで融資を引き出したあげく、その見返りにブローカーも最高で7%の手数料を獲ることで、結果的に銀行の不良債権を増加させていたことが発覚しました。
 まあ、日本の場合、会社が潰れると債権者が資産の全てを奪い取ってしまうことから、資金繰りに窮した会社オーナーが、闇金や商工ローンだけでなく、こういった怪しげな融資に走ってしまうのも心情的には理解できなくもないのですが、粉飾決算は犯罪で、最悪実刑判決もあり得る重罪だということくらいは、経営者ならば理解しておいて欲しいもの。
 加えて、商工ローンや消費者金融のフリーローンでさえ借りられないような会社の場合、そもそも会社の経営そのものが中長期的に成り立たないことをその経営者は自覚して、取引先にかける迷惑をいかに最小限にしながら会社を閉鎖することを考えていくべきではないでしょうか…。
 それにしても、当の銀行の総合企画部の『融資にブローカーが関与しているかどうかは把握できない。法的な問題があるなら、刑事告訴など厳しく対処したい』というコメントも、銀行経営そのものがかなり危険な状態だというのに、実に呑気というか、経営に対する危機感がないというか…(呆れ
 コンピューターが診断するスコアリングモデルは、所詮は融資を申し込んだ企業が決算書を偽造していないことが大前提になりますし、決算書の不自然さは本来融資担当者が見抜かなければならないもの。他の銀行は早期に融資体制を見直したのに、新銀行東京だけは融資実績を増やしたいがために、融資方針を変えずに不良債権を生み出し続けた…。当人達に自身の責任への自覚がないのが、一番重症だと思います!!!