業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

接近困難事例レポート2

2007年10月23日 | 業務日誌
坂田三吉さん(仮名)70歳・要介護1。
目の前で玄関を閉められましたが、めげずに再度声をかけ、やっと玄関の中に入れてもらいました。
すぐに娘もやってきたので、居宅介護支援契約の説明を開始。
坂田さんが家の中に入っていくので、私もそれについて中へ。
中には
まるでゴミ処(自主規制)
酸味の強い匂いが
漂います。

納豆食べたあとウ(自主規制)て、そこを閉めきったような強烈な刺激臭です。

靴を脱いで上がってはみたものの、坂田さんは明らかに私が家に上がることを迷惑がっている表情。
「す゛み゛ま゛せ゛ん゛ね゛、
 介゛護゛保゛険゛は゛書゛類゛か゛多゛い゜の゛て゛、
 署゛名゛や゛印゛か゛要゛る゛も゛ん゛て゛、
 中゛て゛説゛明゜さ゛せ゛て゛下゛さ゛い゜ね゛」←(ずっと息を止めている)
と、めげずにダイニングにお邪魔しました。
坂田さんは印鑑と聞いて、2階へ探しに。
ふと気付くと、娘さんが家の中に上がって来ないんです。
(あとで聞いたのですが、娘さんはまだ33歳。2歳くらいのそれはかわいいお孫さんを抱いて連れてきていました)
どうして娘さんは玄関先に突っ立ったままなのかなと思ったら
「すみません、私は家に上がるなと言われているんです…この子も怖がるし…なのでここにいます」と。
咄嗟にこの状態はいけない、と思ったので、慌てて私も玄関先に移動。
印鑑を持って戻って来た坂田さんに
「や゛っ゛ぱ゛り゜こ゛こ゛て゛話゛を゛し゛ま゛す゛ね゛エ゛へ゛へ゛」
と言い、契約の説明を始めました。
が、
もともとヘルパーなんぞ要らんと思っている坂田さん、居宅介護支援契約の内容や重要事項説明など右から左へ受け流す
その目には徐々に怪しげな光が点りはじめました。
かなり説明を端折り、さっさと印鑑をもらい、最後に坂田さんに
「週゛に゛何゛回゛く゛ら゛い゜(ヘルパーを)来゛さ゛せ゛て゛も゛らえ゛ま゛す゛か゛?゛」
と尋ねると、
「月に1度」と。
…それはちょっと、と苦笑いしていると、横から娘さんが恐る恐る
「お父さん、週に2回とお願いしたでしょう」
と助けてくれました。
坂田さん、むっつりしながらも
「仕方ない」
と承知。
それだけ確認すればもう今日はお腹いっぱい、これ以上は耐えられないと判断し辞去。(坂田さんはさっさと鍵をかけてしまいました)

玄関の前で娘さんとお話。
娘さんは、坂田さんに、
「安否確認のために誰かが週に2回訪問すること」
は承知してもらったが、
「ヘルパーが来る」
とは言っていないそうです。
介護保険制度がどうとか、家事支援とか説明しても坂田さんにはおそらく通じないし、「掃除」の「そ」の字を言っただけでも興奮し、豹変するだろう、と。
つまり坂田さんにとって
坂田さん宅に来るヘルパーは、独居老人安否確認推進団体だかなんだかの物好きなオバちゃんであり、掃除や調理のためにやってきてはならないのでした。

一体どうすりゃいいんでしょう。
坂田さんのあの調子では、たとえヘルパーを組んだとしても、家の中には入れないでしょう。
安否確認だけで、しかも玄関先で、ヘルパーなんか派遣できるんでしょうか。

考えた挙句、私は、区の介護保険課に相談してみることにしました。

                        つづく