ランチの穴場を日頃から探しているが、中々見つけられない。穴場の定義という程ではないが、①比較的空いていて12時過ぎでも席が確保できる、②料理の味がいい、③店の雰囲気がいい、④値段がリーズナブル、⑤便利な立地である、と言った条件が整ったお店ならば穴場と言ってもいい。
中央通りを三越本店からCOREDO室町テラスに向かって歩くと野村コンファレンスの2つ先のビルに地下に降りていく階段が現れる。店の名前は『鶏や海と食堂』とどこで区切ればよいか分からない名前。店に置いてある名刺を見ると『海と(カイト)食堂』とある。
ランチのメニューは鶏(山形さくらんぼ地鶏)の唐揚げ・照り焼き・油淋鶏、トンカツ、豚の生姜焼き、天丼(蕎麦付き)は800円、海鮮丼のみ1200円と比較的リーズナブルである。
通されたのが白木のカウンター、中には板前さんもいる。すぐにお茶とおしぼりを仲居さんが持って来てくれる。注文は悩んだが、さくらんぼ地鶏に惹かれて『鶏唐揚げ定食』にする。
同じカウンターには先客が1名、私と同じ鶏唐揚げを食べているようだ。まさに割烹のカウンター、面白いのは注文は奥の厨房に伝え、板さんは手持ち無沙汰のようでしきりにうろうろしている。
7、8分待つと注文の品が到着。お盆の上に乗っていたのは鶏の唐揚げ、大きめの肉片が5つ、ごはん、お味噌汁、小鉢は茄子の煮物、冷たい茶碗蒸し、漬物と揃っている。
鶏の唐揚げにはちゃんとマヨネーズも付いていて見るからにカリッと揚がっている。
一つ齧ると中からジュワっと肉汁、さくらんぼ地鶏は美味い。しかも5つあってもマヨネーズなどを付けると味変して食が進んでいけない。外はカリッと、中はふんわりがやはり一番旨い。
冷たい茶碗蒸しは具はないけどしっかりと出汁を感じる味つけ。茄子の煮付けもいい。
漬物は大根の味噌漬、一品ごとに味が工夫されている。味噌汁はワカメであった。
夜は懐石もできるという。落ち着いて人と話をしながら飯を食うにもいい。鶏が名物ですかと聞くと店の人はお魚も得意なんです。海鮮丼も美味しいですよと言われてしまった。一等地でこの価格、この量、この雰囲気、この味と揃った名店である。ご馳走さまでした。
鶏と海と食堂
中央区日本橋室町3ー3ー3
0332417339