切手シリーズ その46。日本の記念切手で花を描いた切手は多いが、その中で最も回数が多いのは桜、これは普通切手の図柄としても採用されている。さらに古くは菊、もちろん紋まで数えたら最も回数は多い。
しかし、意外に梅を描いた切手も数多く、今回はそれを紹介したい。最初に登場したのは1961年花シリーズの第2回目、この年は1~12月まで郵便創業90周年事業として発行されたもので1月水仙から12月山茶花まで毎月12種類の花の切手が発行されたものである。
次に登場したのは1964年2月発行の鳥シリーズ第5回のウグイスがとまっているのが白梅である。
第3回目は1966年2月の名園シリーズの第1回目、水戸偕楽園に描かれている。因みに岡山後楽園は鶴、金沢兼六園は雪の灯篭である。
4回目は1969年9月の国宝シリーズ(第1次)第7集江戸時代で取り上げられた尾形光琳の紅梅白梅図である。これは熱海MOA美術館に収蔵されているが、本当に素晴らしい作品である。
5回目は1971年10月の第26回国民体育大会(和歌山県開催)にテニス選手の背景に灯台と梅が描かれている。
6回目は1976年5月発行の国土緑化運動で茨城県で植樹祭が開催されたため、図案は『杉林と筑波山に梅』が採用された。
7回目は1994年1月発行の四季の花シリーズ第4集の1枚に尾形光琳画の『扇面貼付屏風梅図』が採用されている。
その後1989年からはふるさと切手が発行され、花の図案は大変増加、特に1990年4月発行の47都道府県の花の切手では大阪府(梅とサクラソウ)、和歌山県(梅)、 福岡県(梅)、大分県(ブンゴウメ)と4カ所で図柄に採用されている。
ふるさと切手では何度となく花の切手が出ているため省略するが、2006年9月に発行された関東の果物シリーズで茨城県の梅の実が出ているのは珍しい。
桜以前は花と言えば梅であった時期もある位日本の春を告げる梅がこれだけ切手の図柄に採用されている如何に愛されているのかと実感。やはり梅の香りは夜香り中々いいものである。