hokutoのきまぐれ散歩

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東日本大震災後の鉄道復興を考える

2015-03-18 05:00:45 | 日記

鉄道シリーズ その96。東日本震災後4年が経過し、復興も進み、目に見えるようになってきたが、福島県内の常磐線と岩手県内の山田線を除く各線は一部BRTになったものも含め、今年の夏までにはほぼ復興する。


その中でも被害がひどく、さらに利用者の多い仙石線の再開は地元の産業も含め、観光の観点からも影響は大きい。地震発生後、もちろん運も味方をしたが、乗務員の誘導で鉄道内での犠牲者がゼロ(ただし、避難後津波の影響で犠牲となった方はいたが。)というのは凄いことだが、とくに仙石線野蒜駅周辺の写真にはその無残なすがたが信じられない程であった。


しかし、4月15日には一部区間で運転再開し、5月28日にはあおば通駅~高城町駅は開通した。石巻よりも陸前小野駅~矢本駅は2012年3月に再開した。だが、路盤が流された高城町~陸前小野は途中の東名・野蒜駅を移設するなどして今年5月末から再開できる予定である。

さらに画期的なのは平行して走る東北本線塩釜~松島、仙石線松島海岸~高城町に両線を接続する線を敷設し、5月末には『東北仙石ライン』として東北本線経由で高城町以北と相互運転できるようになる。

逆に今までできなかった理由は仙石線は宮城電気鉄道という私鉄が開通させた路線に対して東北本線は旧日本鉄道が開通させた路線と2つの異なる会社が作り、いずれも国有化したという歴史的経緯がある。しかし、それだけでなく、仙石線は直流電化に対して東北本線は交流電化という問題があったためだが、それをハイブリッド気動車を活用することから可能になったもので、画期的なニュースである。

このほかにも再開の目処がなかった山田線の釜石~宮古間もJRが140億円かけて原状回復させ、南北に分断されている三陸鉄道が経営することで再開する案を昨年12月に地域自治体も受け入れ2018年には復旧させる目処がついた。
また、石巻線女川~浦宿間は3月21日に再開予定となり、文字通り目処が立っていないのは常磐線のみとなった。

その放射能汚染が気になる常磐線は現在、竜田駅~原ノ町、相馬~浜吉田が不通のままだが、後者は2017年には再開する予定である。再開の工事関係者のリスクを考えるとなかなか簡単には行かないことはやむを得ないのかも知れない。

ただ、4年前のあの無残な状態から4年で放射能汚染の影響の残る常磐線以外、何とか再開の目処がついたことだけ取っても関係者、自治体、国、鉄道会社などの大変な努力のおかげで道路と共に日本の血管とも言える鉄道路線を回復にこぎ着けたこと自体、素晴らしく、募金程度しか協力できないが、その偉業は世界に誇れるものと感じた。