放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

唐豆腐

2007年01月14日 02時36分51秒 | Weblog
 唐豆腐(からどうふ)をつくりました。
 
 これは黄檗宗(※おうばくしゅう)の寺院に古くから伝わる普茶料理のなかの一品です。「黄檗豆腐」とも「豆腐羹」ともいいます。
 黄檗宗は17世紀に中国の臨済禅宗が隠元禅師によって再輸入されたもの。それゆえ、異国(唐)情緒たっぷりです。
 当時伝えられた「唐物(からもの)」といえば、煎茶、木魚、隠元豆、スイカ、タケノコ(孟宗竹)、レンコン、ホテイさま、そして明朝体。まあ、一種の「黄檗ブーム」のようなものが江戸時代初期に起こったと考えられています。
 仙台では、茂ヶ崎山に大年寺が創建され、黄檗ブームがもたらされました。
 仙台に黄檗宗が残していったもの、広瀬川の灯篭流し、「閖上」という当て字、あとはなんだろ? 食品で今残っているのは唐豆腐くらいかしら。(一説によれば「おくずがけ」も黄檗の普茶料理にルーツがあるとか)
 
 で、「唐豆腐」。
 さぞかし中華料理独特の脂っぽい食品を連想されているかもしれませんが、実際にはシンプルで低カロリーです。
 
 まず豆腐(木綿豆腐がオススメ)の水気を切ります。やりかたはというと・・・。
 やや斜めにしたまな板のうえに豆腐を置き、さらに板と重しを豆腐の上に乗せて豆腐の水気を切ります。だいたい2-3時間。豆腐が半分の高さになるまで水分をしぼり出すのです。
 鍋に水を張り、コンブだしと醤油、みりんで味を整え、そこにこの豆腐を入れます。
 あとは味がよく染み込むまでことこと煮込むだけ。経験上、煮る―さます―煮るを繰り返すと味の染み込み方が濃いようです。
 煮込んだら、暑いうちに引き上げて、また傾斜のついた板の上において水気を切ります。今度は重し不用。
 そのまま冷まして、一口大に切り分けたら出来上がりです。

 是非お試しあれ。
 豆腐本来の旨さを再発見できる味です。
コメント
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