goo blog サービス終了のお知らせ 

その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

春めく

2013年03月05日 | Weblog

 

***

春めく

***

 

今日は啓蟄

虫もそろそろ動きだす頃 

寒さが緩み、いかにも春らしい気候になってきたことをいいます

「めく」は、それらしくなるという意味の接続語

春に限らずそれぞれの季節で使われますが

特に「春めく」が一番なじみ深く

人の心情がもっともよく現れる言葉ですね

風は射すような冷たさが消え

空模様は晴れと曇りが行ったり来たり

くるくると目まぐるしく変わり、野にも庭にも

あちらこちらに下萌があることに気づきます

目にするものすべてが春色に生き生きと映ります

春が動き出したことを五感で感じ

浮き立つような気持になってきます 

「春めくや藪ありて雪ありて雪」 小林一茶

「春めいて孤独であるを忘れけり」 田村邦夫 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


梅の花

2013年03月04日 | Weblog

 

***

梅の花

***

 

再登場梅の花

ようやく花が開いてきて見ごろが近づいています

今年は2週間ほど遅れています

待ち焦がれた花も咲き始めると一気です

甘い香りが微かに風に乗って鈍い鼻にもとどきます

梅の花をじっくりと見ると、その一つひとつが

とても精巧な作りで、特に白梅は雄しべの黄色と

萼の赤色と花びらの白色が見事に整って

春めいた光を受けると輝いて美しい

そして、何よりも周辺にはそこはかとない良い香りに包まれます

梅の花を見るたびに、本当に気品のある花だと思う

「春もややけしきととのふ月と梅」 芭蕉

「暗闇に猫の登りし梅匂ふ」 横山房子

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」

 


週末コラム 19

2013年03月02日 | Weblog

 

***

週末コラム 19

***

 

雛の間に春風道をつくる三月です

特に都会では、さまざまな風習が消えてゆくことが

多くなっていますが、例外は雛まつり

特に女の子のいる家庭では

春の使者のように美しいお雛様が箱から姿を見せます

菱餅や桃の花を供え、白酒で祝う雛まつり

別名を「桃の節句」として親しまれています

もともとは中国では、古来、桃の実がめでたい果実であり

邪気を払う力を持っていると考えられていたため

桃を飾るようになったといわれています

この由来を抜きにしても、人形の傍らで

ほころぶピンクの花は、春の女の子のお祭りにふさわしいですね

春一番が吹いて、日本海側でも日光を取り戻し

太平洋側と気候の違いも小さくなってきます

うらうらと晴れた日、雛飾りのある部屋の窓を開けると

軟風が流れ込みます

暮らしの中に「やわらかさ、やさしさ」が戻ってくる三月です

 

「箱を出て初雛のまま照りたまふ」 渡辺水巴

「連れてきし小さき友や雛の客」 中田幸枝

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


キズイセン

2013年03月01日 | Weblog

 

***

キズイセン

***

 もうキズイセンの咲いているお庭を見つけた

例年なら3月に入ってから咲く気がしていましたが

早い花もあるんですね

この水仙も江戸時代にやってきた花

黄色の花を咲かせる水仙ということでついた名前

水仙は総称ではなくて

このキズイセンは独立した品種の一つだというのは

大人になってから知った

水仙の中でも花は小型ですが最も香りが高く人気があります

野性の水仙は冬の季語になりますが

その他のスイセンは春の季語になります

 

「黄水仙ひしめき咲いて花浮かぶ」 高浜年尾

「卓上に家庭百科と黄水仙」 遠藤梧逸

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


揚げ雲雀

2013年02月28日 | Weblog

 

***

揚げ雲雀

***

 

雲雀(ひばり)はスズメより一回り大きく約17cmほどです

日本各地の草原や河原で見かけます

見かけは地味ですが、ピーチュルピーチュルと楽しげに

囀る声は大変美しいです

鶯とともに春を告げる鳥として親しまれています

美しい囀りは、雄の縄張り宣言でもあります

今年は鳥が沢山やってきてるので、ひときわ精力的にさえずっています

殆どの鳥は枝などに止まって囀りますが

雲雀は天に向かって垂直に飛びあがりながら

又は上空を飛びながら囀る特徴があります

この急上昇を「揚げ雲雀(あげひばり)」といいます

天高く飛ぶ様を「舞雲雀」

石ころが落ちてくるような急降下は「落雲雀」と呼ばれています

「物草や太郎の上や揚雲雀」 夏目漱石

「凭れ合ふうどんの玉や揚雲雀」 山本あかね

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


クロッカス

2013年02月27日 | Weblog

 

***

クロッカス

***

 ヨーロッパ原産で、秋に植えたのを忘れていた球根

朝庭に出て気がついた新芽が沢山出ていた中に

花が一つ咲いている

いよいよ出番が来たようだ・・

黄色の鮮やかな色が朝日に美しい

例年花が遅れ気味だったので、鉢から地植えに切り替えた

すっかり忘れていたのを思い出させてくれました

今年は紫色のを探したいと思っています

「日が射してもうクロッカスが咲く時分」 高野素十

「クロッカス倖せという日の射して」 玉木春夫 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


ヒヤシンス

2013年02月26日 | Weblog

 

***

ヒヤシンス

***

 

幕末のころ日本に来た、シリア、レバノン原産

音読みで「原信子」の字を当てます

観賞用に花壇や鉢植えにされるほか、水栽培にも

小学生の頃、水栽培観察日記を書かされたのを覚えています

花の色が沢山あって、種類をそろえて植えると豪華

文学にもたくさん原信子で使われ

趣のある呼び名に想像を豊かにした記憶があります

秋に植えた球根に芽が出て花を咲かせ始めています

「西伊豆の春は駆け足ヒヤシンス」 清水基吉

「淡き香は風のおとづれ風信子」 文挟夫佐恵 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


スハマソウ

2013年02月25日 | Weblog

 

***

スハマソウ

***

 

キンポゲ科の多年草

毎年2月頃になると、1cmほどの小さな花を

雪を割って出てくるのでユキワリソウと呼ばれますが

正しくは、スハマソウ、ミスミソウといいます

スハマソウは葉が3つの山形で

飾りもののせる州浜台に似ていることからついた名前

ミスミソウは葉の先がややとがっています

花弁は実は萼片

季語としては、どちらも雪割草として扱っています

「州浜草鞍馬はけふも雪降ると」 後藤比奈夫

「雪割草古き落ち葉のかげに咲く」 山口青邨 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


週末コラム 18

2013年02月23日 | Weblog

 

***

週末コラム 18

***

 

男雲・女雲

出勤途中で見上げた空に、いくつもの積雲(別名わた雲)が

早春の光に輝きながら沸き立っていました 

その上の青空には、白い絵の具を履いた様な

絹雲(別名すじ雲)が流れています

そして、積雲からは、落下中の氷の結晶と思われる

尾流雲が斜めに尾を引いたように下がっています

「種蒔き雲」と「畑雲」がそろっている

こういうときはぱらぱら降ってきます

と考えているとやはり、白い霰が道の転がり

朝日に光りながら溶けてゆきます

この日の朝の雲を「種蒔き雲」と見立てたのは

雲は浮かび、雨や雪が落ちてくる

浮かぶ雲粒と落ちる雨滴の違いは、その大きさで決まります

一粒の雨滴は、雲粒百万個ほどに大きい

零度以下でも水滴の状態にある雲の中に

氷の結晶ができると急成長して落下し始め

途中で溶けて雨滴になります、溶けずに落ちれば雪です

殆どすべての雨が、真夏でも、まず氷晶として出発

雪の形を経過します

空高く流れる絹雲は氷晶の雲

低い空に浮かぶ積雲は水滴の雲です

それが上下重なると、絹雲は積雲に氷晶の種まきをします

そして、積雲が降水をおこします

その意味で、絹雲は「種蒔き雲」積雲は「畑雲」なんです

この雲たちの重なり具合で、豪雨や豪雪がおきます

 

「天井に宴ありとや雪やまず」 上村占魚

天井の宴は、「男雲」と「女雲」の宴なのかもしれない

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」


木瓜の花

2013年02月22日 | Weblog

 

***

木瓜の花

***

 「木瓜は春咲き」という人も多いですが

カレンダーでは早春ですが、空には時雨雲が出ているころ

例年3~4月頃あちこちで花が咲いてるのを見ますが

もう花が咲き始めている木もあって

ひと足早く咲き始めの花をアップします

中国原産の唐木瓜や真木瓜は高さが3mにもなります

日本原産の草木瓜は1mどまり

淡いピンクの花が咲き始めていますが

やや小振りで少し寒そうにも見える(笑)

一瞬の春の陽気に誘われて急ぎ過ぎた顔をしています

 

「初旅や木瓜もうれしき物の数」 正岡子規

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館入口  「my Favorites photo」