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その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

ねこやなぎ

2013年02月21日 | Weblog

 

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ねこやなぎ

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川べりや水辺に野生する柳の一種

日本全国どこにでも見られます

根元から枝をだし雪解けの2~3月頃、葉よりも先に銀ねず色の

つやつやした毛の密生した花穂をつけます

今年もこの花が咲き始めました

子猫を思い出させることからついた名前

ヤナギには楊と柳があり、ねこやなぎは楊

ほかにも、ハコヤナギ、ドロヤナギというのがあります

万葉集には4種詠まれています

刈っても刈っても芽を吹くネコヤナギを

断ち難い恋心にたとえたものです

江戸時代までは、カワヤナギと呼ばれていたそうです

明治以降にネコヤナギと呼ばれるようになったそうです

 

「汀いつも声あり猫柳」 伊藤敬子

「低声にしたしき言葉猫柳」 柴田白葉女

 

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下萌(したもえ)

2013年02月20日 | Weblog

 

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下萌

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すべてが枯れ色に染まった冬が行き

早春のころに、地面から草の芽などが萌えいずることをいいます

まるで枯れ草を押しわけて、雪国では残雪の中から

僅かながら新芽が顔を出し

日の光をすこしでも沢山浴びようとしているような

その生命力あふれる瑞々しい芽吹きは春の到来を感じさせます

萌え出た草が青々することを「草青む」といいます

冬に枯れてしまった草が

春になりよみがえることを「若返る草」といいます

古くから和歌にも詠まれ「したもえ」の語感から

恋歌に発展させ、人知れず恋焦がれる

「下燃え」という意味を持たせた歌などもあります

「くるしさや恋の下萌ほの緑」 正岡子規

「下萌や石をうごかすはかりごと」 高浜虚子

 

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猫の恋

2013年02月19日 | Weblog

 

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猫の恋

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 猫の発情期は三カ月周期ですが、最も盛んなのが春先

発情した雄猫は、赤ん坊のような切なげな鳴き声を上げて

昼夜を問わず雌猫を求めて探し回ります

相手が見つかるまで、食事もしない何日も続きます

家と外を自由に行き来できる飼い猫だと

何日も家を空け、やつれ果てて帰ってくることもあります

昼よりも夜の方が静まり返っている分よく聞こえます

あちこちから聞こえる鳴き声

雄たちが一斉に鳴くときなどは、豪快な争奪戦が繰り広げられます

古人は、このような猫の姿を人間に例え

「猫の恋」以外にも「猫」がつく季語をたくさん生みだし

数々の名句を詠みました

「さかり」ではなく「恋」としたところに

猫と人に通じ合うものがあり、品が保たれています 

「はるかなる地上を駆けぬ猫の恋」 石田波浪

「恋猫の闇に連なる動きかな」 真鍋蟻十

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雨水(うすい)

2013年02月18日 | Weblog

 

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雨水

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陽暦の2月19日ごろを雨水といいます

積もった雪や氷が解けて水になり、降る雪が雨に変わる頃

でも今年は少し趣が違うようで・・季節的の遅れてますね

暖かい地方では農作業を始めるころですがどうでしょう

冬の気圧配置が崩れ、大雪の出る地域もあるのですが

このころに降る春の最後の雪をなごり雪ともいいますが

えてしてドカ雪となり交通機関も乱れます

先日の東京の雪がこれに当てはまるようです

なごり雪という表現では、少し名残惜しむ気持ちも

込められている気がしますが、ドカ雪はお断り

淡雪程度で終わってほしいけれど・・もう雪も終わりかもしれないですね

 

「鉢物のさっと水吸う雨水かな」 佐藤一城

「沢庵の樽臭くなる雨水かな」 本間のぎく 

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週末コラム 17

2013年02月16日 | Weblog

 

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週末コラム 17

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今週も鳥の話題で「世界の鳥文化」

世界的に文化的ポテンシャルの高い一神教で

最初に登場するのはカラスのようです

旧約聖書の世界では、大洪水の折、ノアの方舟の上で

最初に放たれた鳥は、カラスでした

しかし、カラスは方舟には戻らず、次いで放たれたハトが

オリーブの若葉をくわえて戻り、ノアの期待にこたえました

航海の際に、鳥を放して陸地を探索するのは

古代バビロンの航海術で、ウト・ナピシュテムという賢人が

ノアの方舟とまったく同じやり方で、大洪水から動物たちを救護しています

カラスは、旧約聖書では「悪い鳥」の筆頭に挙げられていますが

環太平洋モンゴル文化では

(シベリアから北アメリカのインディアン、南米アステカ文化)

太陽の中に3本足のカラスがいるという神話があります

インドからインドネシアにかけては、鳥面人身のガルータというワシが

神格を備え、国営ガルータ・インドネシア航空のマークでおなじみですね

古代エジプトの文化では、ハヤブサが神格を備え

隼面人身の図柄が有名ですね

鳥を神格化する文化は、ほかにもまだ沢山あります

聖書に登場する鳥は30種類、万葉集に詠まれる鳥は57種

人間の文化と深いかかわりがある動物なんですね

 

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おおいぬふぐり

2013年02月15日 | Weblog

 

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おおいぬふぐり

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空色小花

空色の花をつけるオオイヌフグリ

和名の起こりは実の形から発しています

学名はペロニカ・ペルシカといい、ペルシャのぺロシカの意味

ペロニカとは、処刑されるためにゴルゴダの丘にひかれてゆく

イエスに布を捧げたパレスチナの女性の名前

そして、その布はイエスの血に染まります

「夕づける風冷えそめぬみちばたの

   空色小花みなみなつぼむ」  木下利玄

千葉県柏では、花を愛でるどこかの団地の主婦たちが

提案して「ホシノヒトミ」と名付け、広まっているとか

明治の半ばごろ日本に入ってきた帰化植物ですが

今ではすっかり春の花として定着しました

いよいよ春の花が足元の草から木の枝から競い合って

花を咲かせようとしています

待ちに待った春が間もなく開演です

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紅梅

2013年02月14日 | Weblog

 

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紅梅

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 平安時代に中国から渡来した紅梅

白梅よりも一般的に少し遅れて咲きます

今年は白梅が咲いて、2日目に紅梅が咲きました

白梅の気品高さに比べると、あでやかで幹もほっそりと優しいですね

剪定の時に知ったのですが、枝を切ると

木の髄も紅色をしてるんですね

紅梅といっても品種が沢山あって多彩です

一重から八重、枝垂れなど、又花色も紅、濃い紅、深紅

バリエーションが豊かな花です

白梅は実も取りますが、紅梅はもっぱら鑑賞用

そしてあでやかな分香は白梅に劣ります

「くれなゐのゆく手となりぬ梅の道」 井沢正江

「紅梅に引寄せられて歩みけり」 赤羽からす

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スノードロップ

2013年02月13日 | Weblog

 

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スノードロップ

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地中海原産の球根草

水仙に似た葉の間から10cmほどの茎が伸びて

白い3弁の花びらが下を向いて一個開きます

スノードロップとは雪の雫の意味で、雪のあるうちに咲くので

ユキノハナとかマツユキソウの和名があります

似た花にスノーフレークがありますが

この花は背が高く、3~8個の花をつけます

白い花が清楚ではかなげで・・雪の雫のようですね

今年は昨年よりも随分と背が低く5~6cmほどで

雨の雫で地面の土が花びらに跳ね返ります

「スノードロップ雪なき年は小さく咲く」 谷野夏山

「スノードロップ夜は涙のかたちして」 早崎信子

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鶯(ウグイス)

2013年02月12日 | Weblog

 

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鶯(ウグイス)

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梅に鶯といえば散り合わせの良い二つのものの例です

どちらも古くから日本人に好まれ

鶯には、「春告鳥」「匂鳥」「歌詠鳥」「花見鳥」など

沢山の異名があります

2月頃の、ホーホケキョの鳴き声は、雄が雌を誘う囀りで

その第一声を「初音」と呼び珍重します

「経読鳥」の呼び名も、この鳴き声を法華経に引っかけたものです

ケキョと鳴くのは「鶯の谷渡り」といい

時鳥8ほととぎす)が生んだ卵を鶯の巣に託す習性から

模倣性の強い鶯が時鳥の声を真似るためといわれています

鶯に関連する季語に「老鶯(オイウグイス)」がありこれは夏の季語です

又冬の季語には「笹鳴(ささなき)」というのもあります

「鶯の啼くや小さき口明けて」 与謝 蕪村

「うぐひすや一寸鳴いてみ隠れてみ」 藤森かずを 

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蕗の薹(フキノトウ)

2013年02月11日 | Weblog

 

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蕗の薹(フキノトウ)

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キク科の多年草 早春に川岸や田畑の土手など

毎年違った場所で発見して、こんなところにもあったと

見つけては春が来ていることを喜びます

土や折り重なった木の葉を押し上げて顔をお出します

これは、花茎で、大きな鱗状苞が重なっています

これが次第にほぐれて、小頭花が散房状に集まって開きます

雌雄があり、ふっくらとしているのは雌の花茎、雄の花茎は細い

植物園にも咲くのですが、見つけた翌日また写し直しに行くと

もう摘まれていて跡形もなくなっています

植物園ですからちぎって持って行くのはやめてほしいものですが

平気で持って帰って食すんですね・・さぞや苦いだろうと(笑)

小川の土手に咲くフキノトウは早春の水音を交えて音楽的です 

「見つけたる夕日の端の蕗の薹」 柴田白葉女

「長病みの母に摘みけり蕗の薹」 青柳照葉 

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