かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(79)――朝日歌壇・俳壇から(2022年9月11日~2022年12月18日)

2022年12月19日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

広島の朝の石段座りて須臾(しゅゆ)「死の人影」となりし人の名は
       (京都市)森谷弘志  (9/11 永田和宏選)

原爆忌われらふたつを負うており広島は夏長崎は秋
       (八尾市)水野一也  (9/11 永田和宏選)

魚たちに養われてるにもかかわらず人間は海にトリチウム流す
       (いわき市)守岡和之  (10/2 高野公彦選)

被爆者の証言こそが抑止力になるとて今日もズームで証言
       (アメリカ)大竹幾久子  (10/2 馬場あき子選)

しおりには原爆ドームを描いたのに修学旅行は延期になった
       (奈良市)山添葵  (10/9 高野公彦、馬場あき子、佐佐木幸綱選)

戻らぬと決めて双葉に墓参り十一年の歳月重く
       (横浜市)角田英昭  (10/30 永田和宏選)

プーチンは「ヒロシマナガサキ」使いおり三度目脅す材料として
       (観音寺市)篠原俊則  (11/6 高野公彦選)

ウクライナの新聞記事に目が潤む浪江からいわきに避難してる吾は
       (いわき市)守岡和之  (12/18 佐々木幸綱選)

 

福島を離れぬ蛇や穴に入る
       (岡崎市)澤博史   (10/16 長谷川櫂、高山れおな選)

原爆の日に始まりし秋終わる
       (横浜市)三玉一郎   (11/20 長谷川櫂選)

血を汚し天を穢(けが)してクリスマス
       (藤沢市)一色伽文   (12/18 長谷川櫂選)

福島のただ過ぎてゆく年惜しむ
       (福島県伊達市)佐藤茂   (12/18 長谷川櫂選)

 

(写真と記事は関係ありません)

 

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