かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(80)――朝日歌壇・俳壇から(2023年1月15日~2023年2月5日)

2023年02月07日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

40年を根拠なく70年に ならば議事堂前に原発を
     (京都市)森谷弘志  (1/15 高野公彦選)

あれだけの地獄を語るヒバクシャの声おだやかであるが尊し
     (アメリカ)大竹幾久子  (1/22 永田和宏選)

原発は可能の限り低減と言ひしが今は増設を言ふ
     (前橋市)荻原葉月  (1/29 佐々木幸綱選)

「なぜ原発推進ですか、あたしまだ避難中です」フクシマの人
     (埼玉県)大久保知代子  (1/29 高野公彦選)

双葉町の帰還かなはぬ屋内にのこる暦は前の卯の年
     (埼玉県)酒井忠正  (1/29 永田和宏選)

聴こえます底の底ひに固まりて呻(うめ)くデブリの重たき声が
     (福島市)美原凍子  (2/5 高野公彦、馬場あき子選)

年末に今年の漢字が「核」の字にならないことをひたする願う
     (市川市)末長正義  (2/5 馬場あき子選)

 

福島のただ過ぎてゆく年惜しむ
     (福島県伊達市)佐藤茂   (1/15 長谷川櫂選)

ふるさとをなくしたままの冬ふかし
     (福島県伊達市)佐藤茂   (1/22 長谷川櫂選)

核の無き八十億の春を待つ
     (福島県伊達市)佐藤茂   (1/29 長谷川櫂選)

福島の来ぬ春を待つまちぼうけ
     (福島県伊達市)佐藤茂   (2/5 長谷川櫂選)

(写真と記事は関係ありません)

 

 

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