生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

今までの経過について

2008-11-24 14:17:24 | 移植まで

【全体の経過】
 
母子感染によるB型肝炎ウィルスキャリアー⇒慢性肝炎⇒肝硬変⇒肝癌

【細かい経過】
 
高校2年  献血でのHBs抗原陽性の通知
      内科受診でキャリアーである診断
肝機能問題ないため経過観察
 
大学2年  慢性左肩関節脱臼に対する手術
      HBe抗原陽性であるキャリアーである事を指摘される
      肝機能問題ないため経過観察
 
大学4年  黄疸・全身倦怠感にて急性増悪(AST/ALT 1500台 総ビリルビン17台)
      2ヶ月入院加療で改善
      肝生検で慢性肝炎の急性増悪の診断(軽度肝硬変)
      インターフェロンによる治療を外来施行(治療費400万以上)
      HBe抗原の陰性化(セロコンバージョン)せず

医師1年目 急性増悪のため2ヶ月入院
      点滴のみで肝機能改善し退院
 
医師2年目 研修先病院にて、急性増悪
      肝生検施行し慢性肝炎+肝硬変の診断
      2ヶ月入院で、点滴のみで肝機能改善し退院
 
以後、急性増悪を認めず、29歳のときに結婚し2人の子供授かる
 
2007年11月までの定期採血では、AFP・肝機能などは正常範囲
画像系の検査は施行せず

今年5月 出張先の病院で、テスト患者としてCT施行
     自分でS5の腫瘤を発見
     消化器内科受診し、CTと採血
 
(そのときのCT結果)
造影CTにてS5~6にかけて約35mmの肝癌と思われる病変あり
その背側にも約17mmの娘結節あり
左葉外側区背側辺縁にも約20mmの同様の病変を認める

AFP 33.9(0-8.5)
PIVKAⅡ 1021(0-40)

多発HCCの診断 T3N0M0 病期Ⅲ期 
child -Pugh分類 A

この時点での治療方針
①動脈塞栓術+抗がん剤の動注 または 外科切除
②動脈塞栓術+抗がん剤の動注後に、ミラノ基準を満たしたら生体肝移植

ウィルス血症に対してバラクルード内服開始

5月上旬 血管造影による精査および治療目的に消化器内科入院
     血管造影検査+塞栓・動注療法施行
     S6の病変に対しA6より動脈塞栓術+抗がん剤の動注
    (lAコール5.0ml+ジェルパート0.3ml)
     S2の病変に対しA2より動脈塞栓術+抗がん剤の動注
    (lAコール0.1ml+ジェルパート0.1ml)
 
7月下旬 術前1ヶ月でのCTで縮小認め、ミラノ基準満たす
AFP・PIVKAⅡ陰性化
ドナーは兄が適応で承諾を得る
 
8月25日 外科入院

8月27日 生体肝移植施行(保険適応なしのため自費)


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