生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

祝退院!!

2013-05-28 09:17:00 | 胆管狭窄の治療(移植後5年目)
昨日、肝機能などが低下しているため、退院となりました。

いろいろ治療を行い、結果的にはうまくいっていないのですが、採血データの改善があり、PTCDで体外からは拡張していない胆管を針で刺すことは難しいとのことで、今回退院となりました。

このまま、肝機能が落ち着いたまま無罪放免を期待しています・・・

以下に、今回の肝機能の悪化から、改善までの採血データを示します。



AST・ALTは肝臓細胞内に多く含まれる酵素で、幹細胞が破壊されると上昇してくる数値です。この数値が上がると、何らかの原因(ウイルス・飲酒・薬剤・外傷等)で幹細胞の破壊が起きていることを示します。

今回の、エピソードまでは正常値を4年以上維持していましたが、連休明けより上昇し再検査でも上昇してきたため、今回の治療となりました。

ALP・γGTPは胆管細胞に多く含まれる酵素で、胆汁の流れが悪くなったり身体に合わない薬剤を飲んだときなどに上昇します。AST・ALTと同様の傾向で上下しています。

ビリルビンは、胆汁から排泄される老廃物で、茶色から緑色の液体です。肝臓から丁の中に胆汁として排泄されますので、胆汁の流れが悪くなると血液中に残ってしまい、上昇します。3以上となると、だんだん黄疸の症状と、おしっこの色が茶色くなって来ます。

また、この色は便の色そのものですので、腸管内に出て行かないと便の色が灰色となり灰色便と呼ばれています。PTCD等で体外に胆汁を出している方は、便の色が灰色でびっくりされると思います(今回はそこまでは行きませんでした)。

アミラーゼは、消化酵素で唾液腺や膵臓に含まれています。ERBDの時に膵管に圧力がかかり膵炎を起こすために、ERBD後に上昇します。食事で悪化しますので、絶食管理となり膵炎を抑える薬剤(フサン・ミラクリッド等)の投与で改善してきます。今回も、1回目のERBD後は、絶食と薬剤使用で改善しています。2回目は、軽症で済みました。

この数字の変化をみてみると、1回目のERBDはあまり効果がなく、2回目の治療後に低下しています。ガイドワイヤーとダイレーターノ先端だけでも、胆管拡張が出来ていることがわかります。

しかし、確実な拡張ではないため、今後再狭窄のリスクは高いと思います。その時は、以前の記事に書いたように、治療方針を変更して対応するそうです・・・・・


今日は、1日お休みをいただき、明日より業務再開します。


皆様ご心配おかけして大変もうしわけありませんでしたm(__)m。

ちなみに、体重は、70kgから67kgまで減少し、少しおなかのぷよぷよがとれました。筋肉も落ちたようなので少し運動してみます。