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労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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雇用保険法等の一部改正について ①雇用保険制度の適用拡大 ②基本手当 ③就職促進給付(職業安定分科会雇用保険部会報告の報告を受けて)

2024-01-24 | 書記長社労士 法改正 労働関係
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○ 雇用保険の適用対象を週の所定労働時間が10時間以上の労働者まで拡大。(R4年度末時点の被保険者数は約4,457万人)
※ 給付は別基準とするのではなく、現行の被保険者と同様に、基本手当、教育訓練給付、育児休業給付等を支給。
<施行期日>2028(令和10)年10月


1 雇用保険制度の適用拡大について
〇現在、週の所定労働時間が20時間以上の雇用労働者を適用対象としている雇用保険制度について、雇用労働者の中で働き方や生計維持の在り方の多様化が進展していることを踏まえ、雇用のセーフティネットを拡げる観点から、週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働者にも適用することとし、事業主の準備期間等を勘案して、2028(令和10)年度中に施行することとすべきである。
 施行に向けては、雇用保険制度適用の意義や重要性、メリット等について十分な理解を得られるよう、労使双方に対して丁寧な周知を行うべきである。また、新たに雇用保険制度の適用対象となる労働者のより安定的な就業が促されるよう、能力開発や雇用管理改善等に取り組む事業主への支援を行うとともに、中小企業の事業主をはじめとして追加的な事務負担が生じることを踏まえ、事業主の負担軽減に資する申請手続きの簡素化やオンライン化を一層進めるなど、受給資格者の増加に対応すべく業務効率化等を着実に進めるべきである。

〇新たに適用拡大により被保険者となる者は、適用要件を満たした場合、現行の被保険者と同様に、失業等給付(基本手当等、教育訓練給付等)、育児休業給付、雇用保険二事業の対象とすることとし、給付水準も同じ考え方に基づき設定すべきである。現行の被保険者と同様の給付等の仕組みとすることを踏まえ、保険料率、国庫負担割合についても現行の被保険者と同等の水準として設定すべきである。

〇また、適用範囲の拡大後の基本手当の支給等に関する基準等については、基本的には現行の取扱いとその考え方を維持しつつ、従来の週の所定労働時間が20時間以上という適用基準が、その半分の10時間以上となることを踏まえて、以下のとおり、必要な見直しを行うべきである。

① 被保険者期間の算定基準 基本手当をはじめとする失業等給付の受給資格の判定の基礎となる被保険者期間については、現行のとおり、離職日から2年間に被保険者期間が12箇月以上(特定受給資格者又は特定理由離職者の場合は、1年間に6箇月以上)とすべきである。その上で、1箇月として被保険者期間に算入されるための基準について、現行の「離職日から1箇月ごとに区切っていった期間に賃金の支払の基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある場合」を、「離職日から1箇月ごとに区切っていった期間に賃金の支払の基礎となった日数が6日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が40時間以上ある場合」へと見直すべきである。

② 失業認定基準及び自己の労働により収入がある場合の取扱い 基本手当の支給に当たっては、受給資格者が失業状態にあることの確認(失業認定)をするため、4週間に一度公共職業安定所に来所を求め、過去28日間の各日に就業していたか否かを申告させているが、その日の労働時間が4時間(週20時間相当)以上であるか否かを基準として、原則として、労働した日のうち、労働時間が4時間以上の日については失業認定を行わず、4時間未満の日については、自己の労働によって得た収入額に応じて減額した上で基本手当を支給することとしている。
今般の適用範囲の拡大に併せ、この失業認定の基準となる労働時間を、1日当たり2時間(週10時間相当)とすべきである。
 また、現行の減額の仕組みを維持した場合、適用拡大後は、1日2時間未満の労働によって得た収入に基づき調整を行うこととなるが、2時間未満の労働で得られる収入は一般的には少額であることも踏まえ、簡素化等の観点からこれを廃止すべきである。

③ 賃金日額の法定の下限額、最低賃金日額 現在、法律で定められている賃金日額の下限額は、週所定労働時間20時間以上という現行の適用基準が労働基準法(昭和22年法律第49号)の法定労働時間(40時間)の2分の1であることを踏まえ、下方の屈折点(給付率が80%から逓減し始める点)の額の2分の1とされているが、今般の適用範囲の拡大の施行に合わせて、下方の屈折点の額の4分の1(週所定労働時間10時間が法定労働時間週40時間の4分の1であるため)とすべきである。また、雇用保険法(昭和49年法律第116号)第18条に基づき毎年賃金日額の範囲等を変更する際に比較する最低賃金日額(現在は、最低賃金(全国加重平均)で週20時間労働した場合を基礎として設定)についても、最低賃金(全国加重平均)で週10時間労働した場合を基礎として設定するよう見直すべきである。

〇複数の事業所で雇用されている労働者(マルチジョブホルダー)への雇用保険の適用については、現行では、複数の事業主との間で雇用保険の適用基準を満たす場合には、主たる賃金を受ける一の雇用関係についてのみ被保険者とすることとされている。適用の範囲を週所定労働時間10時間以上に拡大することに伴い、複数の雇用主との関係で被保険者要件を満たすケースが増加することが想定されることから、現場における取扱いに混乱が生じることのないよう、例えば賃金日額の高い方の事業所を主たる事業所とするなど、判断に当たっての基本的な考え方を施行までに明確化し、周知すべきである。

〇また、令和2年の雇用保険法改正により、65歳以上の労働者を対象に、2つの事業所での週所定労働時間がそれぞれ20時間未満であって合算して20時間以上となる場合に本人の申出を起点として雇用保険を適用する仕組みが設けられ、令和4年1月から施行されており、施行後5年を目途として検討を加えることとされていることから、給付の支給状況等この仕組みの実施状況の把握と検証を行い、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の在り方等について引き続き検討すべきである。
 この点について、労働者代表委員からは、その検討の際には、雇用保険において「失業状態」をどのように捉えるかについても合わせて検討する必要があるとの意見があった。
 なお、週所定労働時間10時間以上で雇用保険が適用されることとなることにあわせて、この65歳以上の労働者の適用の特例についても週所定労働時間の基準を見直すとともに、適用拡大の施行前にこの特例の適用を受け始めた労働者が不利とならないよう、所要の経過措置を設けるべきである。

〇さらに、雇用保険制度の適用範囲の拡大に伴い、結果として、雇用保険制度の対象とならない者を対象とする求職者支援制度でカバーされていた者の一部が同制度の対象者から外れることとなるが、第二のセーフティネットである求職者支援制度の果たすべき役割・機能を踏まえて、所要の措置を講ずるべきである。

〇なお、労働者代表委員からは、当分の間、任意適用事業とされている農林水産業の個人事業で常時5人未満の労働者を雇用する事業について、暫定任意適用事業の撤廃を含めて検討を行うべきとの意見があった。


○ 原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮する。ただし、5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合離職の場合には給付制限期間を3ヶ月とする。
○ 離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除。
<施行期日>2025(令和7)年4月


2 基本手当について
(1)自己都合離職者の給付制限期間等について
〇正当な理由がなく自己の都合により離職する者に対する基本手当の給付制限については、令和2年10月からその期間を3箇月から2箇月へ短縮しているところであるが、転職を試みる労働者が安心して再就職活動を行えるようにするため、令和7年度から、さらに1箇月へと短縮すべきである。その際、給付を目的とした早期退職行動を誘発しないよう、現行の5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合離職の場合には給付制限期間を3箇月とする取扱いは維持すべきである。

〇また、自ら教育訓練を行って再就職を目指す労働者が円滑に求職活動を行えるよう、離職期間中や、離職日から遡って一年の期間内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、令和7年度から、給付制限を解除して基本手当を受けられることとすべきである。

〇なお、基本手当の給付水準(給付率や給付日数等)については、基本手当受給者の再就職状況等に大きな変化が見られないこと等から、現時点で改正を行うこととはしないこととすべきである。
 この点に関し、労働者代表委員からは、セーフティネットの充実という観点に鑑み、給付水準を平成12年の雇用保険法改正前の水準に戻すことを検討することが必要であるという意見があった。


○ 雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付を2年間延長する。
○ 教育訓練支援給付金の給付率を基本手当の60%とした上で、2年間延長する。
※ そのほか介護休業給付に係る国庫負担割合を1/80(本則:1/8)とする暫定措置を2年間延長する。
<施行期日>2025(令和7)年4月


(2)令和6年度末で期限が到来する暫定措置について
〇リーマンショック時に講じられた措置に端を発する、雇止めによる離職者について所定給付日数を特定受給資格者並みの水準とする措置等と、雇用情勢が悪い地域に居住し、かつ、重点的に再就職の支援が必要であると公共職業安定所長が認めた特定受給資格者等に対する所定給付日数を延長する措置(地域延長給付)は、いずれも時限の暫定措置とされており、累次の延長を経て現在は令和6年度末までの措置とされている。

〇このうち、雇止めによる離職者について所定給付日数を特定受給資格者並みの水準とする措置等については、暫定措置の対象者の基本手当支給終了までの就職割合が、特定受給資格者全体と比べて低くなっており、その要因に関する更なる分析及びその分析のための支給状況等の検証を行うこととし、当該措置については令和7年度から2年間延長すべきである。
 この点に関し、労働者代表委員からは、この暫定措置の対象者の再就職の状況は変化しておらず、取り巻く環境も大きくは改善していないことから、恒久化も含めて検討すべきとの意見があった。

〇また、地域延長給付については、対象地域が固定化しつつあり、対象者もわずかとなっている。地域によって産業構造や経済情勢が様々である中、地域ごとに生じる雇用の変化への臨機応変な対応が求められる一方で、地域ごとの雇用失業情勢の悪化に対しては、地方自治体による取組も含めた産業政策や雇用機会の開発を進めるとともに、広域での就職支援により対処していることや、他の延長給付により災害や個別の事情に配慮して所定給付日数を延長することが可能であることも踏まえ、その必要性も含め、地域延長給付の在り方に関する更なる検証を行うこととし、当該措置については令和7年度から2年間延長すべきである。
 この点に関し、使用者代表委員からは、今後の検証の際には、廃止も含め検討すべきであるとの意見があった。

(3)その他
〇雇用保険法第18条に基づく賃金日額の上限額等の改定等に当たって用いる、毎月勤労統計調査を基礎として算定する平均給与額の前年度からの上昇又は低下の率について、分かりやすさ等の観点から、公的年金制度の改定に用いられている数値や毎月勤労統計調査で公表されている数値の取扱いを参考に、令和6年度から見直すべきである。


○ 就業手当を廃止するとともに、就業促進定着手当の上限を支給残日数の20%に引き下げる。
<施行期日>2025(令和7)年4月


3 就職促進給付について
(1)就業手当について
〇就業手当は、求職活動中に短期間就労することは、受給者の労働習慣が維持され、求職活動への意欲や再就職先への適応力の向上に効果があることから、基本手当の受給資格者が安定した職業以外の職業に就いた場合に基本手当の3割相当額を支給するものとして平成15年改正により創設された給付である。しかしながら、受給者数が極めて少数であり、さらに減少傾向にあることや、我が国が直面する人手不足の状況下においては安定した職業への就職を促進していくことが求められることを踏まえ、令和7年度から廃止すべきである。

(2)就業促進定着手当について
〇就業促進定着手当は、再就職後賃金が離職時賃金より低下する者を対象として、再就職6箇月後に離職時賃金と再就職後賃金との差額の6月分を一時金として追加的に給付することにより、賃金低下による再就職意欲の低下を緩和し、早期再就職を更に促すとともに職場への定着を促すことを目的として平成26年改正により創設された給付である。人手不足の状況が今後も一層深刻化することが見込まれる中、賃金の低下が見込まれる再就職にインセンティブを設ける必要性が薄れている一方で、早期再就職を行った者への支援として一定の役割を果たしていることを踏まえ、制度は継続した上で、令和7年度から、その上限(現在は、再就職時の基本手当支給残日数に応じてその40%相当額又は30%相当額)を、一律、基本手当支給残日数の20%相当額とすべきである。


○ 専門実践教育訓練給付金(中長期的キャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練講座を対象)について、教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合には、現行の追加給付に加えて、更に受講費用の10%(合計80%)を追加で支給する。
○ 特定一般教育訓練給付金(速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練講座を対象)について、資格取得し、就職等した場合には、受講費用の10%(合計50%)を追加で支給する。
<施行期日>2024(令和6)年10月



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