ひろきち劇場NEO

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サクソン人の話

2010年08月04日 | ◆日記とか
先日書いた「侵略の話」ですが、あのとき英語とドイツ語の関係についてイギリス人の同僚が「英語の方がドイツ語に影響を受けているんだ、サクソン人の侵略を受けたからね」と言っていたのを覚えていたのでこのサクソン人についてちょっと調べてみた。すると面白いことが分かった。

英語っていうのはつまりEnglishですね。イングランドの言葉だからイングリッシュ。で、このイングランドって言葉はどこから来ているかと言うと、アングル人の土地を意味する "Engla-land" から来ている。さらにこのアングル人というのは誰かと言うと、ゲルマン人の仲間なんですね。5世紀頃にゲルマン系のアングル人とサクソン人がブリテン島に渡って、先住民族であるケルト系ブリトン人を制圧してしまうわけです。彼らはそこに定住し、そしておそらく彼らの言葉が土着の言葉と混ざり合って英語となっていったというわけです。

彼らは後に「アングロ・サクソン人」と呼ばれるのですが、特にサクソン人たちがイングランドの基礎を築いたため、アングロ・サクソン人のことを単にサクソン人と呼ぶのだそうです。だからイギリス人の同僚が「サクソン人の侵略を受けた」と言ったのは、正確にはアングル人とサクソン人(とあとジュート人もいたとのこと)から侵略されたということなのですね。

本当はもっと複雑な事情があるのでしょうけど、超簡単に言うとこういうわけでゲルマン系の言葉が英語の起源ということになるようです。長い月日が経って名詞の性とか、無駄にややっこしい動詞の活用などは使われなくなったようで、そのおかげで英語は今ではすっかりシンプルな言語になっています。ドイツ人の同僚に言わせれば英語とドイツ語は「日本語よりは似ている」程度の言葉だそうですが、英語はドイツ語をベースに出来上がったと言ってもいいのかもしれません。

ちなみに「侵略」の話を始めたイギリス人の彼の一家はおじいさんの時代にフランスから渡って来たそうです。フランス人の多くはゲルマン系らしいので、彼もブリテン島を侵略したかの民族と同族だったのかもしれません。その後ブリテン人もフランク人も他の民族と混成化してしまっているので今さら「元○○系」というのは意味がないのかもしれませんが。

サクソン人の侵略を受けたケルト系の人々も元はといえば中央アジアからヨーロッパへ渡来した集団のようで、数千年のオーダーで見るとなかなか面白い話だなあと思います。




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