チャレンジ

楽しく、自然体で生活しながら、チャレンジし、感じ続ける記録です。

リーダーのコミュニケーション

2006-03-15 23:46:25 | リーダーシップ
 毎週1回水曜早朝5時15分から1時間、アメリカでリーダーシップワークショップに一緒に参加しているメンバー5人と電話会議をしています。

 リーダーとしての成長をお互いが支援することを目的として定期的なコミュニケーションを持っています。会議のテーマはその目的に沿って、毎回毎回、その回のリーダーが決めます。

 またリーダーは2人いるのですが、「今週のリーダーは私がやります」と立候補したこともあって、私が今日のアジェンダを決めました。アジェンダを決めるのは私にとってはそんなに苦にはならないのですが、リーダーとして会議を進行するのはたいへんな苦労が伴います。

 一つは言葉の問題です。そしてひょとしたら言葉の問題以上に大きな問題は、学習をうながすリーダーとしてのコミュニケーションです。タイミングや声の要素といったテクニカルなものからりーだーとしてのありかたそのものにも問題があるような気がしています。

 リーダーの最も大切な役割は「学習を促進する」ことです。このことを意識の底に常に横たわせておいて、常に場のエネルギーを感じながら、自身が適切と考えるエネルギーレベルとなるように会議をリードします。

 最近流行のファシリテーターと似ているように感じるかもしれませんが、似ているところもあるものの決定的な違いがあります。

 リーダーは明確な意図を持って、自身のインパクト(衝撃力)を使いながら、場のエネルギーを必要に応じて操作、自身が適切と考えるエネルギーレベルとなるように意識を働かせながら、参加者の持っている能力を最大限に引き出して、メンバーが大きな学びを得られるようにします。

 これは例えば、会議のような場で、リーダーは最初から答えを持っていて、その答えをメンバーに押し付けるといっているのではありません。
リーダーが答えを持っていたとしても、その場のエネルギーを踏まえて、答えそのものは、元のものと変えることにも柔軟に対応します。

 仮にリーダーの持っている答えが最善のものだったとしても、それをメンバーにおしつけて、メンバーがいやいややるよりは、最善でなかったとしてもメンバーが前向きに取り組めるものであるほうが、結果として成果が出る場合もあります。

 また、そのときだけが全てではないような場合、あえて失敗をする選択を方向修正しないという選択も時としてリーダーは行う必要があります。その失敗をメンバーの学習として、次にそのような失敗がなくより大きな成功が生めるようにメンバー自体が考えて行動できるようになればよいわけです。

 わかってはいるけれども、なかなか上手くはいきません。私の協働リーダーがいなければ今朝は大きな失敗をして落ち込んでいたかもしれませんが、幸い今日は助けられました。そして協働リーダーからたくさんのことを学びました。

ワークショップ6日目 私の決意

2005-11-13 23:34:45 | リーダーシップ
 ワークショップの最終日には、それまでの5日間を振り返り自分自身の思いを語る時間がある。

 ほんの2~3分の話。そして最後の締めくくりだから事前に準備しておこうと思えば準備できるかもしれないが、私はそれをするのが嫌だ。

 私の順番が回ってきたときに、その時に感じていることを心から出る言葉で語りたい。素晴らしいことは言えなくても、そのときの気持を心から語りたい。そう思っていた。

 事前に準備することは話す内容を考えるのではなく、自分の気持に問いかけて、自分の気持を高めていくこと。

 今回も貴重な体験を多くした。その中で最もよかったことは、人の素晴らしさを実感できたこと。ワークショップに参加したメンバーの一人一人の素晴らしさを強く感じることができた。

 一人一人が本当に素晴らしい。皆それぞれに私が持っていない素晴らしいものを持っている。そして、それがこの5日間でさらに輝きを増したように私には感じられていた。

 私自身はどうかというと、はっきりいってよくわからない。成長したといえばそのような気もするし、全然そうでない気もするし。ただ、私は常に精一杯努力したことだけは自信を持っていえる。自分自身を成長させたいと精一杯努力した。

 それが伝わっているのか、ここでは日本にいるときとは比べ物にならないくらい皆から注目を受けているように感じる。そして私が話をしている時に泣きながら話を聞いている人もいる。特別な話をしているわけでなく、その時その時に感じていることを心から表現しているに過ぎないが、それがなぜか響くようだ。

 「人を感動させるのに、子供と動物には勝てない」ということを映画スターが言っているのを聞いたことがある。私もそのてのものだと思う。不自由な英語を使いながら、じたばたしているところがどこか心に響くのかもしれない。

 「お前はマジックだ」ということも何度も言われた。言うことや行動が予想外らしい。私自身人からそのように思われたいと意識していたわけではない、でも「マジック」という言葉を意識していたのは間違いない。

 このリーダーシップのワークショップに参加することを勧めてくれた素晴らしいリーダーが私には「マジック」という表現が似合うと伝えてくれて以来、そのことを意識するようになった。

 このような様々なことを考え、感じながら私の思いを語った。

 内容はほとんど覚えていない。ただ、ワークショップの1日目に言った、私がリーダーにとって必要だと思う要素である「人を愛する気持と自分自身を信頼する気持ち」を忘れないで失敗を恐れずチャレンジすると言ったと思う。自分はリーダーだという意識を持ってメンバーの顔をはっきりみながら話した。

ワークショップ5日目 星空のした

2005-11-12 23:33:36 | リーダーシップ
 プログラム最終日前日の夜の食事には、このワークショップ期間中唯一ビールやワインが出される。プログラムもほぼ終了したという安堵感に似た感覚や、そこに真剣に向き合ったという充実感も手伝って、久しぶりに飲むビールはとても美味しく、頭がクラクラする。

 食事の後に簡単なプレゼンテーションを終えると全員で木曜日にあったロープコースのビデオを見る。そんなに広くないリビングルームで、少しでも快適にビデオが見られるように皆がお互いのことにとてもよく気を遣う。

 少しポッチャリした体型のマイクは、横に座るカリに自分の体をクッション代わりに使わせてあげている。ソファーにすわりきれず床に寝転がる仲間には、誰かがクッションを取ってくる。「ビールかなにか、誰かいらない?」と席を立つ人は皆必ずたずねている。

 「モンキーのように木に登ってる。すごいね!」とか、ビデオの中で繰り広げられる動きの中での素晴らしい点を必ず誰かが取り上げて賞賛したり、笑いをとったりする。

 そして4時間近くのビデオ鑑賞会があっという間に終わった。

 疲れてはいたが最後の夜をこのまま寝てしまうのは惜しい気がして、一人でテラスに出て星空を眺めた。満月に近い月がとても大きく明るく、多くの星は見えないが澄んだ空にカシオペア座や白鳥座が見える。

 明るい流れ星が一つ流れた。

 「Oh! Shooting star(流れ星だ!)」 気がつくと、同じように最後の夜をゆっくり過ごしたい仲間もテラスに出ていた。6人で夜中のテラスでの話が始まった。

 「私はコンフリクト(対立)は嫌い。コンフリクトをメンバーに持ち込まないで欲しい。」メンバーの中で一番若いリンダが、パトリースに話し始めた。

 何を話したのか良く覚えていない。でも最後の夜まで皆お互いに真剣に関わっていた。

ワークショップ4日目 こんなの普通じゃない

2005-11-11 20:06:41 | リーダーシップ
 フランス人のパトリースはトヨタのアルファードのCMに出てくる俳優を少しカジュアルにしたようなイメージの人。

 夜のフリートークでそのパトリースが話し始めた。「俺はワークショップが始まって以来づっと気分がすぐれなかった。理由が何かはわからないがとにかく居心地が悪いのでリーダーと俺が感じていること全てを話した。」

 「リーダーは、あなたの言っていることはよくわかる。あなたが居心地悪く感じるのは、あなたに原因があるのではなく、このワークショップのメンバーのせいかもしれないと言われた。」

 「俺はそれを聞いて気がついた。そうだ、俺はここに来る前と何も変わっていない。変わったのは俺が接する人達だ。」

 「お前達はやさしすぎる。たまに問題を起こすようなやつがいれば「どうしたんだ、あなたは素晴らしい人だから気にするな」とかなんとかいってやさしくする。たとえ、そいつに問題があったとしてもそいつのいいところを取り上げて、そいつを勇気づけようとする。」

 「一人だけじゃない。ここにいる多くのやつがそんなことをする。俺に対してもやってきた。対立をおこさないで、優しく包み込むようなことをする。俺はそのことに違和感を感じている。」

 「俺達がいつもいる世界でこんなことがあるか?俺達のいる世界はいつも対立に溢れている。俺はいつもそんな対立のなかで生きている」

 「そんな俺がここにきて、お前らのペースに合わされて対立をすることを忘れていた。そのことが、俺を居心地悪くさせていた。でも、対立はあって当たり前だ。だから、俺は必要な対立をここでも起こすことを決めた。それが俺の役割だと感じている。」

 パトリースの言葉は私を目覚めさせた。私も心のどこかで同じような違和感を感じていることに気がついた。

 私自身も周りの優しい人に影響された変に物分りのよい優しい人になっていたことに気がついた。でも私はそんなに優しい人ではない。

 リーダーにとってもっとも大切なものが何か、それはメンバーを愛する気持。そのことは良くわかっているが、私の愛情表言は、今日まで私がここでやってきたものとは違う。そのことに違和感を感じていたことに気がついた。

 対立は大いに結構。そしてそんな中で、私には私の人の愛し方、接し方がある。

ワークショップ3日目 ロープコース

2005-11-10 20:36:21 | リーダーシップ
 今日は1日屋外で高い木に登ってロープを使った様々なアドベンチャーをした。前回のワークショップでもロープコースがったが、前回と今回は明らかな違いがある。それは、今回のアドベンチャーは全て二人で行うということ。

 全てのアドベンチャーが二人いないと成立しないようになっている。

 一つ目のアドベンチャーは地上10m位の木に張られたロープ上でおこなわれた。一本の木から二本の離れた木に二本のロープが張られている。少しずつ距離が離れる二本ロープを二人で重心を内側に倒し手と手を合わせたバランスをとることで、距離が離れていく二本のロープを少しでも遠くまで二人で進んでいく。

 お互いがパートナーに対して強い信頼を持ち、100%の力で接しないと途端にバランスをくずし先まで進めない。

 5組10人でこのアドベンチャーを行った。皆、恐怖心を押さえ少しでも遠くに行くことを目標にして取り組んだ。

 予定よりも早く全員のアドベンチャーが終わったため、リーダーのキャロラインは2組だけ、もうウ一度やりたければやっても良いことを告げた。
 このワークショップが終わった後にプロジェクトを一緒に組むジェイが「せっかくだから一緒に一度やってみよう」という話を持ちかけ、私はあまり気が乗らないものの手をあげた。

 そうすると、もう一人だけ女性が手を上げた。彼女は「男同士でやるよりもカップルでやったほうがよい、私がジェィとゆる」といって半分冗談、半分真剣に主張した。

 私は正直なところ、心の中で「これでやらなくて済む。よかった!」と安心していた。

 そうしたところリーダーのキャロラインは、「誰かヒロシと一緒にやりたい人はいない?」とメンバーに尋ねた。2度聞いても誰からも返事がないと、キャロラインは「私がやる」と言い出した。「ここ何年もやったことはないけれど私がやる」といい出した。

 私はその時、誰も私とパートナーをやりたいという人がいないと、私が傷つくことを気にしてキャロラインは自分がやると言い出したと直感的に感じた。

 私は「いいです。私はそんなにやりたいわけではないから」とキャロラインに話した。

 そうするとキャロラインから思わぬ答えが返ってきた。

 「私はあなたとやりたい。だから一緒にやろう。」キャロラインの目はとても真剣だった。それを見て私の気持が突然変わり、そして「やってください」とお願いした。

 木の上に上ったキャロラインは本当に怖そうだったように感じた。でもそれを隠すでもなく、とても自然に振舞っていた。

 私たちはお互いを信頼し、体を相手に預け、ほとんどロープの最後のところまで進むことができた。

 キャロラインが私と一緒にやると言ったのは、最初私が思ったような「私とやりたいと名乗り出る人がいないと私がさびしく思うからではないことが」終わった後に感じることができていた。

 キャロラインが伝えたかったことは、きっと「リーダーとして自分の言葉に責任を持つこと、そしてリーダーは皆完璧ではなく恐怖も感じる、でもそれにどのように対峙するかでリーダーの価値が決まる。」

 他にもいろいろあるかもしれないが、このことが私にとてもやく伝わってきた気がする。

 リーダーとは何か、そしてその役割をキャロラインは教えてくれていた。

ワークショップ2日目 インプロ

2005-11-09 20:36:54 | リーダーシップ
 "Creating from others" というのが今回のワークショップで学ぶ重要なテーマ。「他者から創造する」がこの言葉の直訳だが、その意味するものは自分以外の人の能力を活かしその人の力を100%引き出すとともに、自分自身も100%の力でその人に接することで両者の力を足した以上の力を生み出すこと。

 どちらかの力が強すぎたり弱すぎたりするとバランスが崩れ、大きな力を創造することができない。したがって相手にあわせるともなく両者の力をバランスすることが重要となる。

 これを学ぶためのツールとして2人で行うインプロが取り入れられていた。向かい合った相手の動きに合わせて、ミラーリングで自分も同じような動きをとる。リーダーとフォロワーの関係。

 次にリーダーとフォロワーを入れ替わる。そして最後はお互いどちらがリードするということもなく、お互いで新たな動きを創造する。どちらもがお互いにリーダーという関係。

 お互いにリードしていることを全く意識せずに二人で創造できると素晴らしいのだが、初心者のためか、実際には一瞬一瞬をとらえるとどちらかがリードを取っている場面が多いように思う。

 短い時間でリードする立場の交換を繰り返すことで、結果として調和が保たれ、新たな動きが創造されている。

 動きを伴うインプロの後は、プレゼンテーションを2人でリードすることに取り組んだ。全く原稿のない即興のストーリーを二人で作り上げる。これは想像以上に難易度が高かった。

 相手が話すのを頭の中でボイスミラーリングしながら、そこから創造されるストーリーを相手の少しの間を捉えて話し始める。「そうですね、それから...」という形で話をつなげていく。

 難易度が高いだけに、とても挑戦心があおられる。何度やっても上手くいかないが何度でも挑戦したくなった。

ワークショップ1日目 再会

2005-11-08 15:51:14 | リーダーシップ
 サンフランシスコ郊外セバストポルのMother Tree(研修会場)に向かうバスで16名の仲間と再会した。前回からの3ヶ月間をお互いにどのように過ごしてきたのか、そしてお互いにどのように成長したのかをその話の内容や表情など話以外のさまざまな情報でも確かめていた。

 皆、前回会った時に比べてとても自然体でそして自信が表面にでてきているように感じられた。なぜ僧思うのかは説明できないし、単に私がそう思いたいだけなのかもしれないが、とにかく変化を感じていた。そして2.5時間の移動があっという間に済んだ。

 Mother Treeにつくと、もう一人の仲間とリーダーのイレイン、キャロライン、アシスタントのキャスリン、フィンが待っていた。

 荷物を部屋に入れ、テラスのベンチに腰掛けると、前回からの3ヶ月の時間があっという間に巻き戻る。少し日差しが柔らかくなり涼しくなったこと、以前は目の前の野原一面に咲いていた小さな野花があまり見えなくなっていることにきがついた。それでもまるで昨日までここにいたような不思議な感覚になってくる。

 少しの休憩の後、昼前からワークショップがスタートした。

 リーダーのイレインとキャロラインは、一人一人に前回からどのような変化があったのか、そして今何を期待しているのかを質問することから始めた。

 「リーダーにとって必要なものは何か」を私は問われた。私は「人を愛する気持と、自分への自信」と答えた。

 これは前回のワークショップ、そしてその後今日に至るまでの間、一緒に学ぶ仲間と私とを比べて私に一番欠けていると感じたことであり、これを今回のワークショップで身につけたい、少なくとも深く考え/感じたいと思っていたこと。

トム・ピーターズとの対話

2005-09-19 13:51:34 | リーダーシップ
『トム・ピーターズのマニフェスト(2) リーダーシップ魂』トム・ピーターズ 氏(著), 宮本 喜一氏 (翻訳)、ランダムハウス講談社、2005を読んだ。

 私はそれなりの数のビジネス書を読むが、私のビジネス書のこれまでのイメージは「どこか堅苦しくて真面目な書」だった。あまり面白くはないけれど、読み終えたときに自分自身が賢くなったような気がするから、なんとか頑張って最後まで読む。それが当たり前だと思っていた。

 この本は、そんなビジネス書とは完全に一線を画した、全く新しいタイプのビジネス書。とにかく楽しい、そして「私もリーダーになりたい、絶対になりたい」という元気と勇気が湧いてくる。
 
 楽しさの理由としては、全ページカラーで写真も多用され、パラパラとめくっているだけで楽しい気分になれることもその理由の一つ。でもこれはその一部に過ぎない。
 
 楽しさの理由、そして元気と勇気が湧いてくる理由は、本を通じて行うトム・ピーターズとの対話。本を読み進めていくうちに、いつしか本を読んでいるのでなく彼と直接会って対話をしている気分になる。

 彼は極めて簡潔な言葉で、強烈なエネルギーを放ってくる。ビシビシ問いかけをしてくる。これらの言葉や問いはトム・ピーターズの心から発せられた言葉であるためか、私の頭にではなく、心に直接響いてくる。

 そして彼の言葉を受け止め、質問に反応しているうちにまるで目の前にいる人と対話をしているような気分になる。そしてまたこれは単なる対話ではない、私自身がリーダーになるための対話、その気持があるかどうかを厳しいけれどもとても暖かい心で問われている。

 今の時代に生きるリーダーが絶対に読むべき本。読まないと後悔する。

 訳者宮本喜一氏のあとがき「トム・ピーターズの世界。 読者諸賢にとって、それは全身の血が沸騰する知的ワンダーランド。 訳者にとって、それは、全身の血が凍りつく、地獄のワンダーランド」という言葉は、この本の内容と、そこから受け取るものを極めて端的に示している。

リーダーの表情

2005-09-11 22:49:39 | リーダーシップ
 真面目に?選挙に行ってきた。

 私が投票する小選挙区では、選挙をやる前から勝敗がほぼ明らか。私自身もその勝者以外に興味をそそられる人がおらず、私が投票に行っても行かなくても影響がないと思うと、あまり積極的に投票に行く気にはなれなかった。

 比例区も同様。与党を積極的に支援したいとは思わないものの、それ以外の政党に惹かれるものがないことから、やはり勝利する政党に投票することになるのだと思うと、投票に行く面白みがあまりわかない。

 でも、実は今回の選挙はそもそも解散のきっかけがつまらないと感じているので各党の主張は聞く気にもならず、よく知らない。
電車の中吊り広告で、特定の候補についてのゴシップ的記事を見たくらいなのと、政党のTVコマーショルをたまたま何度か見たぐらい。

 YVコマーショルについては、民主党のコマーシャルが暗すぎる。テレビを思わず消してしまいたくなるようなそんな気分になる。岡田代表の闘志やエネルギーを感じてもらおうとういう意図があるのだろうが、何か私にはピンとこない。どこかで何かがずれている気がする。

 別の政党の「いかんざき!」とかいうコマーシャルもかなり間抜けな印象を受けるが、それでも少なくともネガティブな気持にはならない。
 
 岡田代表はコマーシャルだけでなく、ニュース番組などで見る表情もどこか陰気くさくていい感じがしない。
党の代表になるような人だからきっと素晴らしいリーダーだろうと思うのだが、あんな表情をしている人を応援しようという気持にはなれないし、一緒に何かをしようという気には個人的にはなれない。

 岡田代表を批判することが私の目的ではなく、リーダーたるもの自分自身が相手に与える影響をもっと考えるべきではないかと、岡田代表を見ていていつも感じていた。

 野球では巨人軍の監督もそう。最近4連勝と調子はいいが、あんな陰気くさい表情をしている監督とは選手もあまり近づきたいと思わないのではないだろうか。

 リーダーの表情って大事だと思う。

2つのリアルワールド

2005-08-15 10:41:20 | リーダーシップ
 リーダーシップ研修を受けていた昨日までと今日、どちらも同じ一日のようで全く違う一日。

 リーダーシップ研修という場は、日常環境とは異なるとても安全な環境が作られ、そこに参加している人達がその環境において、自分自身をめい一杯表現できる場となっている。
 「研修は究極のエンターテイメント」という言葉を思い出したが、まさしく研修の場では実体験をすることが難しい状況を次々にアーティフィシャルに再現し、そこから学びを得ることを手法として用いている。

 では昨日までの世界はアーティフィシャルだったのか?

 私はそうは思わない。他の研修参加者も同じように思っていると想像する。アーティフィシャルな環境に最初は若干の違和感を感じていた人もいたようだが、研修が進むにつれ、皆与えられた環境をリアルに捉えていた。私自身もそうだった。

 ただ、日常体験ではあまり得られないような環境が次々起きるので、感情面が大いに揺さぶられ、日常よりも感情的な部分が表面に多く表れてくる。

 昨日セバストポールからサンフランシスコに戻ったあと、同じホテルに泊まった5人で中華料理を食べに行った。いつも泣いてばかりいたケレンサ、感情面の揺さぶりと冷静に考えようとする思考のはざまで大きく揺らいでいたデーブ、最後の最後は感情がおさえられなくなったフランク、自分自身を発見しきらめきを取り戻したカリ、ほんの数時間前と同じようで皆それぞれ違っている。

 皆何かがふっきれたようなとてもよい表情をしていた。
 「さっきまでとは違う世界に返ってきたね、別のリアルワールドだね。」という話をした。

 一日たっても私の中にははっきりと昨日までのリアルワールドが残っている。そして今日からの別のリアルワールドを生きてゆく新たな勇気も沸いている。

 今日は日本に向けて出発する。14:00発のノースウエスト航空、新たな出発点に立つ気持ち。リアルワールドからリアルワールドへの旅。

リーダーシップ研修最終日~また戻ってくる

2005-08-14 18:02:09 | リーダーシップ
 最終日もいつもと同じように5時におきて、シャワーを浴び食事をして、皆のためにコーヒーを作った。

 私を含めた20人のメンバーとは次第に強いつながりができていった。格好のいいところだけでなく、格好の悪いところもさらけ出し、強さも弱さもみせながら関わって来たメンバー。最初に感じていた距離感はいつしかなくなり、一人一人がとてもかけがえなのない人に感じている。

 研修の最終日ということもあってか少し感傷的になっている部分もあるかもしれない。

 でもそれだけでもない。この研修を通じて、私はメンバー一人一人の成長を見てきた。最初はどこかとっきにくさを感じていた人も、それが次第に消えていき、素晴らしさが見えてくる。一人一人皆違う、その人のリーダーとしての側面を感じられるようになってきた。

 また私にとっての始めての経験は女性よりも男性とのつながりに強い価値を見出せたこと。声が大きく典型的なカウボーイアメリカンというタイプのジェイやアメリカの頑固オヤジという感じのエルモ、どこか神経質なところが気に入らなかったフランス人のパトリース、「この人達とは全く合わない」と思っていたのだが、彼らと離れるのは本当に辛かった。

 最後の最後に一人づつ、言葉は話さず体にも触らず、目と目を合わせて感情を伝える場面があったが、目を見ていると涙を抑えられないのが、この3人だった。そしてこの感情は3人にも十分に伝わっていることがとてもよくわかった。

 リーダーのキャロラインも私に強烈な印象を与えてくれた。その言動一つ一つに私は影響を受けた。
私もこのようなリーダーになりたいと強く思うが、今の私がどうすれば、このようなリーダーになれるのかは想像がつかない。

 ただ、リーダーシップ研修はまだ終わっていない。私はまだあと3回ここに戻ってくる。少しでもキャロラインに近づくためには、今日からが私のチャレンジだと強く思っている。

リーダーシップ研修5日目~リーダーの背中

2005-08-13 17:36:39 | リーダーシップ
 リーダーとは何かが少しづつわかってきたような気がしている。私はこれまでたくさんのリーダーに会っていると思うが、リーダーというものを例えば社長だとか役員だとかというタイトルで見ていたような気がしている。

 でもリーダーはタイトルではない。リーダーかどうかは内面できまる。たとえ社長でも役員でも内面がリーダーでなければリーダーではない。
タイトルが何にもなくても内面がリーダーならばその人まぎれもなくリーダーだと思う。

 昨晩の夕食の時、横に座ったマリアがロープコースを手伝ってくれたトムを指差して「あの人は本当のリーダーだ。私はこれまでにあんなリーダーを見たことがない」と話してくれた。
トムはロープコースを通じてリーダーシップについて学ぶ機会を提供することや、コンサルタントを職業としている。
私は最初はぴんとこなかったが、トムをじっとみていてだんだん「トムは素晴らしいリーダーだ」ということが感じられてきた。

 もちろん内面を見ることができたのではない、内面から出てくるものが、その目や表情から伝わってきた気がした。
同様のことが、トムだけではなく、今回のトレーニングのリーダーを務めているエレインやキャロラインからも強く感じられるようになった。2人とも女性だが、この2人がかもし出しているリーダーのパワーを強烈に感じるようになった。

 今日は朝からこれまでの研修の学びを振り返るプログラムがあり、夕食はパーティーだった。この研修の期間中始めてアルコールが飲める日。

 でも、ただアルコールを飲むだけではない。ここでもリーダーシップのトレーニングがあった。リーダーはアルコールを飲む場面でスピーチをする機会や乾杯をする機会が多いので、その時にどうすればよいかを教わった。この研修の中で始めてHow to的な内容であったが、興味深かった。

 この場で、リーダーの1人キャロラインが、同じリーダーのエレインに対して乾杯を行うスピーチをした。「自分自身が参加者としてエレインから学んだ時から、エレインはリーダーとは何かを背中で教えてくれていた」という内容がスピーチだった。

 このスピーチを聞いたそのすぐ後に、エレインの背中を見て私はぞくぞくとするものを感じた。ここにいる人はまぎれもなくリーダー、私はそのリーダーの背中を見ていることを強く感じた。

リーダーシップ研修4日目~ロープコース

2005-08-12 17:15:56 | リーダーシップ
 ここに着てから毎日しているのと同じように朝を過ごすところから始まった。

 3日を終えて、英語には少しづつ慣れてきた。特に短いフレーズで、スピードに慣れずに聞き取れなかった音もずいぶんと聞き取れるようになってきた。
ただ、単語はききとれても、フレーズ全体の音はとれてもそれが何を意味しているのかがわからないことがよくある。全ての単語はわかっているのに、その組み合わせが何を意味するのかがわからないということがまだ頻繁にある。

 自分の思いもまだ半分も伝えられないし、ましてやここでおきるさまざま状況、怒りや悲しみや混乱や、においてチームのメンバーにかける気の利いた言葉は一切でてこない。

 また、言葉の問題だけでなく文化や習慣の違いも、言葉を理解したり、話しかけたりすることを難しくしている部分もある。
昨日までは時として孤独を感じることも多かった。何か打ち溶け合えないものも感じていた。本当にここにきたことは正しい判断だったのだろうかと半分後悔するような気持も感じていた。

 でも、この気持は今日大きく変わった。

 今日は一日森の中で研修があった。10人のチームに、トレーナーのステーシーとリーダーのキャサリン、アシスタントのサンドラがついて1日森の中で過ごした。

 森の中では、木の端に立ちメンバーが手を組んで待っているところへ背中から倒れていくことや、木に登り10メートル位のところから飛び降りることや、さらに高い木に登り、そこにつるされた5メートル位の狭いはしごを渡り、最後はブランコで降りてくることをした。

 私自身は正直なところ恐怖心はほとんど感じることはなかったが、多くの人にとってこの経験は恐怖の体験。恐怖心で動けなくなる人も多い、そしてその後には恐怖を克服し、感動したり、涙を流す。
全ての挑戦は基本的に自分との戦い、自分の恐怖との戦いだが、命綱を他のメンバーが支えたり、準備を手伝ったりと、ここではチーム全員で挑戦するような仕組みがなされている。

 私自身が挑戦をする場面でも、命綱を持ってもらったり、声援をしてもらったりとチームメンバーから支援してもらっているのはまぎれもない事実だが、最初のうちは私自身がそれをあまり強く意識していなかった。皆と一緒にいながら一人でいる、どこか一人で挑戦しているような感覚もあった。

 でも私の感情は徐々に変わっていった。恐怖心を感じるようになったのではなく、楽しめることを感じるようになった。
一人でもできる挑戦かもしれないが、チームメンバーが応援し、支援してくれると、自分ひとりの挑戦ではなくなる。皆で挑戦しているような気持になれる。とても暖かいものを感じた。

 この気持は、私自身が応援、支援をしている時にさらに強く感じるようになっていった。大声で応援し、声だけでなく体中でそれを表現する。命綱だって一人ででも支える気持になっていた。

 そして恐怖を克服し、喜んだり泣いたりしている人には、肩をよせたり、抱きしめたり私自身の体を使って気持を表現していた。

 一日が終わった後、今朝の私はもういなかった。言葉の壁はあるけれど、少なくとも感情の壁はそこにはもうなかった。始めて皆と一緒にいることを実感し、そのことを心から喜べた。

リーダーシップ研修3日目

2005-08-11 23:38:20 | リーダーシップ
 夜早く眠ること、そして日本に電話をしたいということもあって朝は早く目覚める。5時にはおきて電話をして、シャワーを浴びて、台所に置いてある果物やパンで早めの朝食をとる。
私よりも早く起きる人はいないので、起きたついでに皆が飲む朝のフレッシュコーヒーを作りポットに入れておくことを昨日からしている。

 朝食は7時からで、多くの人はこの時間ぎりぎりまで眠っている。
 
 私は朝食まで含めて一足早く済ませているので、朝の時間はたっぷりある。自分自身を振り返り、気づいたことをノートに記した後は、8時の体操まで少しの時間近くの森の中を散歩する。

 森では野生動物に出会う。雉の群れ、ウサギ、リスの大きなような動物、何かの野生動物に出会う。

 「今日は何があるのだろう」という正直なところ不安な気持ちも、大木に覆われた森を一人で静かに歩いていると少し安らぐ気がする。

 朝の体操の後、今日の研修が始まった。昨日のタイプ分けの続きだった。

 タイプ分けとは、チャーム(可愛い、愛嬌のある)、セックス(性的なアピールのある)、ビューティー(美しい)、ユーモア(おもしろい)、デンジャー(危険な)、エキセントリック(激しい)、インテリジェンス(賢い)という6つのタイプのどのイメージがあるかを、さまざま質問に受け答えする態度などを自分以外のメンバーが見て、その人のタイプを投票により決めるもの。

 さらにそのタイプ分けの後に、各々のタイプごとに設定した言葉の中から、さらにその人の強みを発揮している言葉を投票により決める。

 これらを通じて、その人のタイプ分けとそのタイプにおける強みを明らかにする。

 私は、Beauty(美しい)というタイプとなり、charm(愛嬌のある) magical(魔術的な)、 plyaful(遊び心のある)が私の強みとなった。
この結果について最初はピンとこなかったが、時間がたつにつれなかなか自分にあっている気もしてきた。

 今回のメンバーは、とても多様性に飛んでいるために、多面的に見た結果として今回の結果になったこともとても興味深い。

 今回のメンバーは20人の内、10人がアメリカ人、残りの10人がアメリカ人以外(カナダ人、イギリス人、ノルウェー人、スウェーデン人、デンマーク人、フランス人、日本人)。
10人が男で10人が女性。年齢は一番若い人が25歳、最高は60歳で35歳~45歳のレンジに多くの人が入っている。
職業はさまざまな業種の会社員/会社経営者、コンサルタント、トレーナー、コーチなど。
コーチの資格を持っている人が7名、資格は持っていないがトレーニングを受けた人が11名いる。

 午後からは今日も外にでて、迷路のゲームをした。私は最後まで迷路から出ることができず、その一方でこの結果には何の不満もなかったし、一方で学びもなかった。でもこれはゲーム直後の話で、この後さまざまな思いが私の中にこみ挙げてきた。

 夕食後の夜は、昨日に引き続き自分自身のストーリーを話す会があった。 

リーダーシップ研修2日目~とにかく疲れた

2005-08-10 23:01:54 | リーダーシップ
 今回参加している研修はリーダーシップの研修。ワールドクラスのリーダーを育成することを目的としている。

 私自身リーダーシップについては大学院で研究をしたり、仕事でも深く関わっていること、また今年の2月から別のリーダーシップの研修に参加し継続的なフォローアップ研修も受けていることからリーダーシップには親しみがあり多少の知識もある。
でも本当のところリーダーシップについてはよくわかっていない気がしていた。

 リーダーシップとは何かを知る、いやそれよりも自分自身がリーダーになりたいと思っているからここに来た。

 2日目の研修は朝8時の体操から始まる。全員で外で輪になってストレッチ体操をした後、SHINTAIDO(神体道)を東西南北、天地、中央に対して行う。
神体道とは一種の感謝を捧げる身体の動きのようなもの。大きな息を吸って「アエイオウ」と声を出しながらきまった動きをする。

 その後午前中は部屋で車座に座り、自分自身について知るための議論をした。
 午後からはまず外にでて、ロープを使ったゲームのようなもをする。

 ここセバストポールの天気は午前中は太平洋から上がってくる水蒸気で作られた雲が低く垂れ込め、霧につつまれた状態になる。それが昼前に風に流されて、晴れ渡った晴天になる。

 午後のロープゲームはかんかん照り太陽のもとで行う。かんかん照りといっても湿度が低いので、からっとしてとても爽快。直射日光はそれなりにきついがとても快適。

 一方でロープゲームそのものは、混沌としている。そもそもリーダーシップの研修の中でのロープゲームなので、たんなるロープゲームではなく、そこでさまざまな心理的な側面が試されている。

 詳細は書かないが、とにかく混沌としている。全員で与えられた課題を解決するために取り組むのだが、『船頭多くして船山に登る』という状態。
とにかく皆が自分の意見を主張し、コンセンサスがとれない。
正直な印象として、日本人だけならばこのような混沌とした状態にはまずならないと思った。

 自分の意見を主張することに価値を見出す文化の中で、いかにコンセンサスをとるかはたいへんな労力とスキルがいることを痛感した。それとともに、そのような場で自分自身が何も役割を果たしていないことにも気づいた。
確かに言葉の問題はあるが、それ以上に混沌とした状態を解決しようという意思がなかったことに後になって気がついた。

 この日は、この後自分自身のタイプを知るゲームのようなものと、自分自身のストーリーを語ることをやって一日が終えた。

 昨日に引き続いてとても疲れた。