ひのっき

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テミスの剣は正義の難しさを描いた問題作

2017年06月15日 | 絵日記
テミスの剣 (文春文庫)
中山七里
文藝春秋

中山七里先生の「テミスの剣」を読みました。
面白かったです。考えさせられました。
本作品はいわゆる冤罪ものです。
冤罪がいかにして作られてゆくか、そしてそれが何をもたらすかを臨場感をもって描かれます。
一件の冤罪事件により、いくつもの人生が狂わされ破滅していきます。
そして取返しが付かなくなった後、冤罪の証拠をつかんでしまった刑事。
真実の告発の厳しさと代償の大きさが嵐のように描かれ、悲劇的なラストに帰結します。
誰も救えないことが分かっていても人は信念を貫くべきか、正義の難しさを描いた問題作です。