ひのっき

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大塚康生「作画汗まみれ」は戦後アニメ史を体感できる名著

2017年06月12日 | 絵日記
作画汗まみれ (文春ジブリ文庫)
大塚康生
文藝春秋

大塚康生先生の「作画汗まみれ」を読みました。

面白かったです。勉強になりました。

本作品は、大塚先生が厚生省麻薬取締官を辞めて東映動画の一期生として入社し、その後数々の作品を作っていった体験を描いた自伝です。

自伝と言っても戦後の名作と言われるアニメ作品の多くにかかわっているので、そのまま日本のアニメーション史として楽しめます。

「白蛇伝」「シンドバッドの冒険」「太陽の王子ホルスの冒険」「長靴をはいた猫」「ムーミン」「ルパン三世」「パンダコパンダ」「ガンバの冒険」「元祖天才バカボン」「侍ジャイアンツ」「俺は鉄兵」「未来少年コナン」「じゃりん子チエ」「カリオストロの城」・・・

卓越した作画能力と抜群のセンスで関わる作品を次々と名作に仕上げ、「大塚アクション」とも称されるダイナミック&コミカルなアニメ手法を日本アニメーションの基礎技術として浸透させていく様子が活き活きと描かれます。

また宮崎駿監督はじめ、今や日本アニメ界の重鎮となったお弟子さんたちの若手時代の様子も多く描かれ楽しく読めます。

戦後の日本アニメ史を臨場感もって体感できる名著です。