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すこしふしぎ

2007-03-21 | その他
昨日の記事を書いてるときに思い出したのですが、子供の頃図書館に置いてあった、子供向けSFシリーズを読むのが大好きでした。調べてみたところ岩崎書店のSFこども図書館というシリーズだったようです。しかし私の記憶にある「落ちてきた月」ではなく「ついらくした月」になってたりするのが気になるところ。でも他のラインナップに記憶もあるしやっぱりこれかなあ。版が違ってタイトルが微妙に変化しているのかもしれません。「合成人間ビルゲ」とか「合成怪物」とか「27世紀の発明王」とか「光る雪の恐怖」とかどれもこれも怖かったのを思い出しました。でも面白かったんだよなあ。あ、「27世紀の発明王」は普通に痛快活劇みたいな話でトラウマ性は薄いか。でもそれ以外はトラウマ要素すごかった。「合成怪物」は、主人公の科学者夫妻が死ぬところから始まるショッキングな内容でしたが、それよりもその夫婦が脳だけになった状態で生かされていて、彼らが自分たちの敵を探るため造り上げた生き物の名が「合成神経細胞群塊」、略して「ゴセシケ」というものだったことが衝撃的でした。ちなみに作者はアメリカ人で翻訳された作品なのに、思いっきり「ゴセシケ」と日本語の頭をとった単語のセンスは翻訳者によるもの。このゴセシケの作者の名前でさらに調べてみたところ「超人集団」という作品も彼のものであることが判明しました。これって歳を取るスピードが異様に遅いミュータントが自分の娘と再会したとき、すでに彼女はミュータントの母親くらいの年齢になっていた、ってシーンが印象深いアレかな。これもけっこう救いのない話だったような気がする。

「合成人間ビルゲ」は有名な作品なので知ってる人も多そうですが、死体を加工し首だけになって生きている博士と、その研究所で生き返ることとなった女性の出てくる物語ですね。首から下は別人の体なので、その女性はいつも首飾りをして首にある縫合あとを隠してるという設定が妙に怖かったものです。

ホームズの作者として有名なコナン・ドイルの「恐竜の世界」も懐かしいな。タイトルがちょっとコレっぽいし(笑)。ミステリや推理ものは全然読まなかったのですが、SFだと抵抗なく手にしていたものもありましたね。

もちろん定番のアシモフもあったのですが、今調べたら「くるったロボット」ってタイトルだった。すごい直球。今だったらもっとソフトなタイトルになってるんだろうな。というか「われはロボット」とは違うんだろうか。ロボット三原則の出てくる、あまりに有名なSFですが、意外に内容は忘れてる私。一応家にハヤカワSF文庫の「われはロボット」はあるのですが。そういえばSFに限らず、海外の映画などではよく「ロボットが自我を持って人間を攻撃してくる・人間を滅亡させようとする」というテーマがありますが、これをフランケンシュタインコンプレックスというそうです。でも日本の作品におけるロボットって、友達だったり仲間だったりというケースが多いですよね。これはほんとにアトムの影響なんだそうですよ。手塚治虫が鉄腕アトムという存在を造ったことにより、日本人の意識にはロボット=友達が、強く刷り込まれてるわけですね。そのおかげで日本のロボット工学が最先端であるという事実があることを思うと、なんとも素晴らしく誇らしい気持ちになります。

SFは、その本職の科学者が書いたものが名作として名を残してたりするものも多い面白いジャンルですね。それだけSFという分野が、荒唐無稽な絵空事と見えて実は現実に非常に近い世界であるということなのだと思います。その分「核戦争後の近未来」みたいな世界設定にリアリティを感じてしまって怖くなることもあるのですが。しかし現実に近いとはいえ手塚治虫の想像力すら、現実に届かなかったという面もあるのも面白いです。だってアトムも黒電話使ってたんだよ。

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