ハッピー&ラッキー

コレクターズとピロウズとANATAKIKOU、その他音楽やいろいろ。

夜明けと未来と未来のカタチ

2005-04-01 | コレクターズ
今更ですが、アルバム感想行きます。

恋することのすべて
一曲目からイキナリですが、この曲は実はそんなに好きじゃない…。あまりに美しく真っ当な歌詞にちょっと違和感が。加藤さんの書くこういう、ストレートなラブソングは、出来は素晴らしいとは思うのですが自分には合わないな。あとホーンのSEもきらきらしすぎて仰々しすぎ。あえてそれを狙ったのかもしれませんが。ただ、CDプレイヤーに落として音が鳴った瞬間、あまりの歌の上手さに久しぶりにビックリ。普段CDやライブで聴いてても、あらためて新曲聴くと驚きます。

未来のカタチ
一番好きな曲です。歌詞の世界観からメロディラインまですべてが愛しい。「君がいれば迷わない未来がどんな形でも」って、こんな美しく強い歌をどうして書けるんだろう。初めて聴いたのは確か、去年のリーダーの誕生日熊谷だったと思うのですが、そのときからずっと大好きです。音楽を聴いて魂が震えるという状態は本当にありえるのですね。コーラス部分も好きです。けして平坦ではなかったハズの、加藤さんの音楽を続けてきた人生の中で、この曲が生まれた意味は大きいと思います。

マイチェルシーブーツ
これも始めてライブでお披露目したときから、すごく好きだったなあ。歌詞が力強くてかっこいい。冒頭のベースの入り方とかすごく男前。レコーディングにあるまじき少ない音数で録った曲らしいですが、そんなことを感じさせない迫力と音のよさ。ライブで聴くのがとても好きな曲です。サビを歌い上げる加藤さんの声すごくいいな。


冬の観覧車
加藤さんがアコギを弾いてレコーディングし、ライブでもアコギを弾きながら歌うちょっとレアな曲? この曲は、歌う人がギターを弾いた方がいい、ってわざわざコータローさんがリーダーに弾かせたってのが印象深いですね。それに加え、CDのエクストラにあったレコーディング風景では、ものすごく細かくフレーズに指示を出している加藤さんに、それに従うコータローさんが意外でした。刑事ってもっと奔放に、好きなようにやってると思ってたけど、あんなにちゃんと加藤さんの言うこと聞くんだ(失礼)。ライブでのアコースティックな雰囲気もとても好き。歌詞もぴったりでいいですね。

グレートアメリカ
反戦歌か…反戦歌という、そこにイデオロギー色がかけらでも入ってしまう存在は好きとか嫌いとか言う以前に(好き嫌いで言えば嫌いなんですが)なんか感想を身構えてしまうので困ります。その「困る」という抵抗がすでに気持ち良くないんだよな。ただコレクターズには「がんばれG・Ijoe!」という、例外もあるので(アレはとてつもなく好き)好きになることは可能なんだろう、という前提を踏まえつつ(長いな)この曲はわりと好き。メロディーがキャッチーで可愛いし、歌詞の内容も適度にバカで面白いと思います。FC会報で加藤さんが「書き終えたあとで反省した」という言葉もなんだか分かる様な気がします。それでも書いた気持ちも大事ですね。

愛してるというより気にってる
「気にってる」だと一発変換できない…。それはともかく、初めてこのタイトルを文字で見たのは公式の加藤さんの日記だったと思うのですが、「気にってる」を見てもあーまた誤字だね、と思ってスルーしてしまっていました。正式タイトルだったとは。ノリが良くてポップで楽しい、いい曲ですね。加藤ひさし節、とも言える、コレらしい曲。気にってます。

バック トゥ トゥモロー
オトナの歌ですね。いや子供には理解できないとか言うわけじゃないですが、「懐かしく幸せなあの日も いいことばかりじゃなかったハズさ」なんて歌詞、子供には考えられないだろうしそんな子供はいやだ。でもこの言葉は、言われなければ気付かないけど、言われると誰もが思い当たる普遍さがありますね。こういう言葉のセレクトに、加藤さんのセンスはすごいとあらためて思わされます。でもこの言葉すごく前向きで、変なポジティブ信仰よりよほど胸に沁みると思います。

恋のけむり
レコ発ツアーでやらなかったことを未だに根に持ってます。SE使うから、ライブで再現が難しいのは分かるんですが、恋することのすべてはやったじゃないですか! ってこんなところで文句言ってもしょうがないか。最初からサビの来る、しかもそのサビがすごくキャッチーでいい。「恋のしわざ」とかに通じる、可愛さと色っぽさのあるいい曲ですね。

ハッピー&ラッキー
このブログのタイトルにも使わせてもらいました、コータローさんボーカルの曲。もー最初聴いたときに、とにかく歌詞に受けまくり。「君よりちょっと背が高くてラッキー」「ガツガツするなよ モテないぜ」ですよ! カッコイイ~! しかもそれが嫌味に聞こえないところがまたいい。いや、嫌味か!? どうなんだ刑事!? (リーダーに聞けよ)加藤さんは、コータローさんが女の子にもてることを、どこかで楽しんでそうだなあ、と以前から思っていたので、この歌詞はまさにそれの裏付けが取れた気分。187センチに「君よりちょっと背が高くてラッキー」とか、バレンタインにチョコレートを大量にもらって、電車乗っていたら業者に間違われたという人に「ガツガツするなよモテないぜ」とか言われたら降参するしかないよなー。あそびがなきゃダメさ、余裕がなきゃダメさって言葉遊びも楽しい。ライブでは、引退したと言われていたリッケンバッカーファイヤーグロー「陽子」で演奏されて、驚いたと共に嬉しかった曲です。

ファーザーアウェイ
これもスゴイ好きな曲だー。パパがいなくなっちゃったって歌詞なのに、どこか明るくて可愛いのもコレの魅力。「ママが言うには ジーザスだって 片親だから 心配ない」は「ガツガツするなよモテないぜ」を僅差で抜いて、このアルバムのベストワードですよ。私の中で。加藤さんは、離婚をテーマにシリアスに書いた歌詞だとインタビューで言ってましたがなんとも愛嬌のある、素敵な歌になってますね。だから内容の重さにかかわらず、曲としてとても魅力的な大好きな歌です。

ファイナルラウンドボクサー
SSSの「沈みゆく船」を聴いたときにも思いましたが、コレって希望を歌わせるとすごくいい歌を歌う分、絶望を歌わせてもスゴイ重みがあるな…。でも「負け」を歌っても、どこか達観しているように思えるのが、加藤さんの人柄か。コレクターズを「売り上げ」だけで語った場合、確かに長年やっているのに売れてない、ってことで一般的には「負け」なのかもしれないけど、それがどんなに愚かな判定かはファンならみんな分かってると思う。ここまでの才能と、決して足を止めない姿勢、どこまでもバンドとライブを愛しているその姿がもし「負け」なら、それは音楽というものの否定でしかないと私は思います。「まだ終わりを告ぐ ゴングは鳴らない」コレクターズは年を追うごとに、成長している素晴らしいバンドだと思いました。

アルバム発売からかなり経ってしまってますが、感想書きたかったので満足。更にさかのぼって、過去のアルバムも語るかもしれません。また長文になる予感。

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