ハッピー&ラッキー

コレクターズとピロウズとANATAKIKOU、その他音楽やいろいろ。

CHEMICAL BUMP SHOW! in名古屋E.L.L

2007-03-30 | ピロウズ
ケミバン行って来ました。3バンドとも楽しめたいいイベント。特に怒髪天が素晴らしかった。絶対私好きだろうなという匂いを嗅ぎ取っていましたが、予想以上にツボに入った! 5月のワンマンのチケット買っちゃったよー。

そんなわけでライブ前。開演を待っているとステージに人が現れました。サングラスにヨーヨーしながら登場したのはさわお。何てオーラの無さ。「今日一緒に出るアンダーザカウンターの謙太郎くんは、14歳年下の飲み友達です。怒髪天の増子さんとはもう、20年くらいの付き合いになるかなー。だから俺と増子さんが出会ったころは、謙太郎くんはまだ4歳なんだよね」などと、ちょっとした紹介をした後「最後まで楽しんでいってください」と退場しました。

その後登場したUNDER THE COUNTER。シンプルで王道の聴きやすいサウンドでした。ただ私が食らいつくほどのクセというかアクはなかったな。それがあると売れない気がするのでないほうがいいのでしょうが。あと、若いバンドに多い気がするんだけど、ボーカルが非常に小さくて聞き取り辛い。ギターやドラムがいい音出しててその点は好きなのですが、ボーカルがはっきり聴こえないと勿体ないなと思ったものです。

MCで「ハロー、バスターズ」と挨拶したり、高校生のころ僕はピロウズのコピーバンドをやっていて、まさかそのピロウズと対バンをする日が来るなんて、そのころは夢にも思っていませんでした、と可愛い発言も。あとさわおに関してのMCが面白かった。「下北沢にポップショコラってキッチュなガールズバンドがあって、それをさわおさんと見に行ったんですけど…僕もキッチュとかよく分からないで使ってますけど。そのあと飲みに行って、僕が飲みすぎてうつむいていたんです。そしたらさわおさんが『俺のうちに泊まっていきなよ』って言ってくれたんですね」と話したところで会場を見て、「いいだろー、みんなさわおさんのうち泊まったこと無いだろ?」と自慢げです。「それで、泊めてもらって、…僕けっこうバカなんですよ。バカだけど親からしつけはされてるので、借りた布団をたたもうとしたんですよ。そうしたらさわおさんが『いや、いいから』って言うんですよ。『いえ、これくらいやります』って言うのに『やらなくていいから』『いえ、でも』『俺のたたみ方があるから』って言われたんですよね」。さわおらしいオチに会場爆笑。「山中さわおという人間の、パーソナルな部分を見た気がしました」と振り返る謙太郎くんでした。

さて二番手は怒髪天。登場した増子さんはいきなり髪を櫛で撫でつけそれを会場に放ります。初めて見たのですがとにかく面白くて、しかも曲がカッコイイ! 自虐的で男くさくてユーモアがあってノリが良くて。MCいろいろ話してくれてたのですが、もう笑いすぎて細かいところ覚えてない(笑)。盛り上がってるフロアを見ながら「なんだよ名古屋優しいじゃん! 俺たちの味方なんて5人くらいしかいないって聞いてたのに!」とか「さっきのアンダーザカウンター、かっこいいね。あれくらいだとピロウズのファンも充分許容範囲だと思うけど、怒髪天を今日初めて見た奴はわかるからね。こんな顔してるから」と、ぽかーんと口を開けた表情をした後「そのあと二度見ね!」と、それも再現。「植木等死んじゃったね。無責任男がいなくなったら誰が責任取るんだよ。まあ俺がいるけどね!」と言うと振り返り、「サカさん!」 と振るのですがこれと言った反応が無かったことに「(高木)ブーさんもいることだし」と絶妙なオチを。名古屋といえば寿がき屋、ということで、「あの先割れスプーンプレゼントにもらったことあるけどね。ていうかそれ使用済みのだろ! しかもパクったんだよね。あれってこう、スプーンを手前じゃなく奥に向けてすくう形になってるじゃない。つまりスープをすくおうとするとこう…」と、体をひねってどんぶりの向こうからスープを飲む体勢を再現。何の意味が(笑)。「まあ、フランス料理だとスープは奥に向けてすくうことになってるけどね。今日のライブもそんな、まさにフランス料理のフルコースの中に、寿がき屋のラーメン出てきちゃったような感じで」とまとめるなど、もう自虐ネタなのにすごい面白くて笑いっぱなしでしたよ。途中で5月のワンマンの告知をしたときもよかった。「5/25に名古屋クアトロでワンマンライブをやります。これ…残念なことに、ここにいるみんなは強制です」とサラッと(笑)。「今ロッカーとかに入ってる荷物、全部スキミングされてるからね」。さらに「今日のライブが終わったあとでチケット売り出しますが、これを買った人全員にピロウズの新譜がおまけについてきます!」と無茶苦茶な告知に。「ライブ終わったら4人で、チケット売れますようにって(両手を組み合わせて)お祈りしてるからね。おでこつき合わせて。可愛いよ。山中に『もう終わりましたよ』って言われても動かないからね」と、どんどん加速。「そろそろ曲に行こうか。楽屋でシンちゃん寝ちゃうからね。山中はどんどんヨーヨーが上手くなっちゃうからね。そのうちヨーヨーのここがパカっと開いて、桜田門のマークが入るからね」のネタに受ける客席を見ると、「ネタが古いよ! 何でオマエラ知ってるんだよ!」とツッコミが。

曲に絡めて「ロックやってる奴なんて、若くてもダメな奴多いからね。でもさっきのアンダーザカウンターの彼が、彼女に『オレ…ロックしか出来ないんだ…』なんて言ったらかっこいいけどね。俺なんかだと『ごめん~俺ロックしか出来ないんだよ~』ってなっちゃうからね!」とのMCも。前者をかっこよく、後者を情けない感じで言ったのにも爆笑でした。

坂詰さんはオチ担当なんだなと即座に理解できる扱い(笑)。「サカさん今日はアンダーザカウンターのドラムが若い女の子だって知ってはりきっちゃって。『俺のいいところ見せてやる!』って、言ってたんだよ。でもバスドラにスナッピーってばねを巻いたのが付いてるんだけど、それのネジを閉め忘れてて、かっこよく叩いたら「コン!」って言ったからね」とのネタや、頭部を指して「アンダーザカウンターのドラムの子と、髪の量一万倍くらい違うよね!」といじめたりしてました。

MCの面白さもさることながらほんといいバンドでしたよ。すごくいいライブだった! さっきもちょっと書いたのですが、若い子のバンドってライブでどうもボーカルが聞き辛い気がするんですよ。おそらくドラムやギターの音を大きくしてしまうがゆえに負けてしまうという状態じゃないかと思うのですが、ベテランってちゃんとその辺のバランスが取れてるんですよね。でしゃばらないのに存在感のあるサウンド、って、言うのは簡単だけど実際やろうとしたらとんでもなく難しいことなんじゃないだろうか。怒髪天も増子さんの歌が、歌詞もクリアに聞き取れる音量でありながら、演奏陣も上手くてすごい聴き応えがあったのに感動でした。上原子さんのギターかっこよかったー! 

トリはピロウズ。最初にやったインストは聴いたことなかったけど、最後にキャンディーストリッパーって言ってたからそれに提供した曲だと思われます。続いてロージーヘッド、シナーズ、ディジェネレイションと短めのイキのいい曲が連発。怒髪天がMC長くて曲数が少なかった気がするので、ただでさえ短い曲の多いピロウズがいっぱいやってる印象です。一曲目終わったくらいで、マイクスタンドの位置を調整するさわお。「どうしてもマイクの位置が高いんだよな…」と言いつつ低くしていると、「俺も」と真鍋さんが同じくスタンドを下げています。「でも真鍋くんはこうやって歌うのが好きじゃないか」と、背伸びしてぴーちゃんのマネをするさわおでした。

アンダーザカウンターのMCを受け、客席から「布団のたたみ方教えてー!」との声が。それに対し「たたむって言うか、こう…なんて言うか、難しいんだよ」と説明しにくい様子。腕をポールに見立て、バスター君タオルをかけて「うちのマンションはこういう風に布団をかけて仕舞うようになってるから」と言うと、客席から微妙に不満そうな声が。すると「なんだよ、いいだろお前らが泊まりに来ても俺が布団たたんでやるって言ってるんだから! 今日から順番に俺んち泊まりに来るか?」と、変な逆ギレしてました。

「今夜はほんとに楽しい夜だな!」とごきげんさわお。「二階から見てて、始まる前に燃え尽きそうだよ。もうMCで張り合うのは絶対無理だ」と、笑ってます。「俺増子さんのスゲー伝説いっぱい知ってるんだよなー。話していいかな、怒られるかな」と言いつつさわおが語った話がすごかった。「増子さんってどんなときもユーモアを忘れない人なんだ。昔大阪で、小指が無いような本物のヤクザと掴み合いのけんかになりそうなときに、『かかってこい、カニ!』って言った人だからね」。とてつもないエピソードに場内爆笑。確かに「どんなときもユーモアを忘れない」のはいいことですが、まさかそんな危ないことしてるとは。恐ろしい人です。

間に曲を挟みましたが「じゃあ増子さん伝説もうひとつ言っちゃおうかな」とのMC。「昔北海道で、後輩に悪いことばかり教えたり、ライブハウスの売り上げとか持っていっちゃう悪い先輩がいたんだよ。困るんだけどナイフとか持ってるから逆らえなくて。そのことを増子さんに『こういう風なんで困るんですよね…』ってちょっと愚痴ったんだ。そしたら『ふーん』とか言って、増子さん夜中の2時とかに車に乗ってどっか行っちゃったんだよ。その翌日、その悪い先輩が俺のところに来て、『あっ、山中くん。僕ちょっと北海道にいられなくなっちゃったんで』って言ったんだよ!」とのこれもすごいエピソードを教えてくれました。増子さんすごいー! おおー、と感動するフロアと対照的に「やばいかなー、怒られないかな。これ言っちゃっていいのかな」と心配するさわおでした。

途中でさわおの様子がおかしいことに気付きます。きょろきょろして何かを探してる様子。淳も一緒になって床を見ているところを見ると、どうやらコンタクトを落としてしまったようでした。コンタクトってそんなに簡単に落ちるの? とか、昔ライブは裸眼でやってるって言ってたのに? と疑問に思いつつ見守っていると、ぴーちゃんもさわおのマイクスタンドあたりを覗き込みに来ます。そこで発見したらしく、つまんでさわおに差し出す真鍋さん。「あーありがとうこれで見えるってオイ!」とノリツッコミさわお。「俺初心者だから鏡とかないと入れられないんだよ」と、コンタクト無しのままライブ再開です。「もう何にも見えない…今日は可愛い子多いな!」と、楽しそうでした。

「来月4/4にシングルが出ます。そのあと、5月にアルバムが出て、全国ツアー。名古屋に来るのはちょっと遅くなっちゃうんだが、9/8にzeppで」との告知に客席が大喜び。しかし「あの…分かってるだろうな? zeppって正直がんばりすぎちゃってる気がするから…一人じゃどうしようもないんだよ、絶対来いよ!」と、弱気なくせにえらそうなお願いを。「zeppのチケットを買ってくれた人には、怒髪天のベスト盤がつきます!」と、さっきの増子さんに対抗していました。その後、「去年の夏あたりからやってるシングル曲です」と「スケアクロウ」へ。PVとか見てすでに音源としてのサウンドは聴いているのですが、この曲断然ライブのほうがいいな。真鍋さんの太いギターが素晴らしすぎる。思い入れの深そうな歌詞といい、バラードなのに非常に好みの曲で好きです。

続いて始まったイントロに震えました。「日々のうた」! 大好きな曲ですがライブで聴いたことなかったのですごく嬉しかったです。ああーいい曲だ、ピロウズのファンになってすぐくらいの時期にものすごいハマって、何度も聴いたのを思い出します。

そのあと「じゃあ、ニューアルバムから新曲を」と始まった曲、これもよかった。勢いのあるかっこいいロックサウンド、Aメロのボーカルが今までになく低くて、ぴーちゃんのギターがまた骨太ですごい良かった。間奏のところで、さわおがバッキング、ぴーちゃんがさらにカッティングのギターを入れるという掛け合いがあったのですがこれもすごいいい! 早く新譜で聴きたいです。

サードアイ、GOOD DREAMSと名曲が続いたところで本編終了。しかしすぐさまアンコールで再登場です。さわおは「さっき終わってステージをはけたら、すぐに増子さんがおつかれー、ってそこにいたから、殴られるんじゃないかと思った」と弱気な発言。コンタクトはまだ入れてないらしく、おぼつかない足取りを大げさにしてみたりしてます。

そしてフロント3人が楽器を前に向けて構えました。初めて見るけどこれが噂のカルベロ! もうすごいかっこよくて感動しましたよ。その構えのまま演奏するとは思ってなかった。しかしあんな状態で弾けるほど、簡単なコードで出来ているとは思えないかっこいい曲ですね。盛り上がりも最高潮となったところで「じゃあ最後はこれを聴いてくれ!」と始まったのは「リトルバスターズ」! もう文句なしの最高のライブです。この曲のときはメンバーもすごく楽しそうでいいんだよなー。

そこで終了かと思いきや、終わらないアンコールの拍手。でも名古屋でダブルアンコールなんてどうせないよ…とふてくされながらも動けないで待っているとメンバーが登場! うわあああ諦めててごめん!! 「アンコールありがとう。ケミカルバンプショウ、この名古屋で最後だから」と、さわおのごあいさつのあと、「アドバイス」があってライブは終了しました。

怒髪天は大当たりだったし、ピロウズのライブもメニュー含めて素晴らしかったしアンカウは心地よいサウンドと人の良さそうなメンバーで非常に好感の持てるバンドでした。3バンド出演イベントで、全部のライブが楽しめたってすごい打率だ。3の3だ(言ってみたかった)。最高に楽しい夜でした!