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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

古市古墳群をあるく(藤井寺市編)⑬ ~野中宮山古墳・はざみ山古墳~

2017-06-17 15:12:14 | 史跡を歩く
 稲荷塚古墳から少し北へ行くと府道堺羽曳野線に出る。そして東へ府道を歩いて、外環状線を越えたあたりに野中宮山古墳とはさみ山古墳が道を挟んで府道に沿うような形で並んでいる。まず、南側にある野中宮山古墳から探索することにした。野中宮山古墳は東西に、前方部を西に向けて造られている。古墳へは前方部の方から近づいていく。古墳の北側には、周濠が残っている。

 

 前方部の端には、藤井寺市立の幼稚園が立っている。そういえば、鉢塚古墳の所にも幼稚園が立ってたよなあ。古墳の活用方法としては、ちょっとありかも。少なくともこれ以上古墳が破壊されることはないだろうし、古墳に対する興味をもたすこともできるだろうしね。ちなみに古墳の南側は、周濠が埋め立てられていて児童公園になっている。

 

 幼稚園の横に階段があり、そこから古墳の前方部には登ることができる。

 

 前方部に登ると、前に一段高い感じで後円部が見える。後円部には古墳の名称のもとになった野中神社が立っている。

 

 野中神社の創建は、あまりよくわからないが、境内にある改築の記念碑によると、明治になってから、近くにある辛国神社に合祀されたが、昭和25年に住民の要望と浄財により現在地に復元されたと書かれている。本殿の横には遥拝所があった。
 後円部から北側の方の濠を見ることができる。意外と濠に水のある所を墳丘側から見ることってあんまりないような気がする。何となく三段築造のように見える。

 

 野中宮山古墳については、墳丘長154m、後円部径100m、高さ14.1m、前方部幅90m、高さ10.1m、三段築造の前方後円墳である。築造は、出土した埴輪などから5世紀の前半と考えられている。古市古墳群だと墓山古墳などと同時期の古墳と言えそうである。

 

 埋葬施設は、不明であるが、後円部に板状の石材が落ちていることから竪穴式石室があったと考えられている。

 

 古墳の見せる姿は、北側と南側で全く違っている。この場合は、特に意図していないのだろうから、ちょっと不思議な感じである。

 

 野中宮山古墳から、はざみ山古墳へは、府道を挟んで北側にある。歩いてもほんの少しだけの距離である。実際どれぐらいの距離なんだろう。地図上で直線で測れば100mほど、かなり近い。

 

 外環状線からすぐのところにはざみ山古墳の説明板が立っている。

 

 はざみ山古墳は、墳丘長103m、後円部径60m、高さ9.5m、前方部幅66m、高さ9.1m、三段築造の前方後円墳であり、一部埋め立てられているが、ほぼ全体を盾形の周濠が覆っている。後円部の一部がかなり後世の改変を受けている感じである。この古墳は、南側の一部を除いては、ほぼ綺麗に一周できる環境にはある。

 

 特に北側は農地になっていて、古墳全体を眺めることができる。住宅が密集していることが多い古市古墳群の中では稀有の光景である。古墳は、前方部を東に向けおり、西向きになっている野中宮山古墳とは正反対の方向を向いている。

 

 はざみ山古墳が造られたのは5世紀の中ごろ(藤井寺市と羽曳野市と共同して作った冊子「古市古墳群を歩く」では5世紀前半になっている。)、野中宮山古墳よりも少し遅れて築造されたようである。ただ、両古墳が非常に接近して造られているので埋葬された人物は、互いに密接な関係にあったことは想定できそうである。

 

 埋葬施設は明らかではなく、後円部に盗掘の穴らしいものがあり、組合せ式の石棺があったと言われている。また、野中宮山古墳とはざみ山古墳がある地域は、はざみ山遺跡と呼ばれる遺跡が広がっており、飛鳥、奈良、平安時代から室町時代まで続く集落の跡が見つかっている。

 

 はざみ山古墳は、古市古墳群の中でもほぼ周濠も含めて残っている中規模の古墳であり、国の史跡に指定されている。また、この古墳で特筆すべきことは、古墳のそばを外環状線が通っているが、実はこの古墳を守るために若干湾曲している。やればできるんじゃないかあ。設計の工夫で何とかできるいい例がここにもあるのである。

 古市古墳群の現存している古墳で、残るは、雄略天皇陵に治定されている島泉平塚古墳と高鷲丸山古墳、隼人塚古墳の3基となった。時間はすでに3時前、日が暮れるまでに行かないと・・・。
 先を急ごう。

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