午後になって降り始めた雨は、夜になっても止む気配がない。世の営みに付随した生活の音を、まとめて包み込んでしまったように、静かに音もなく夜は更ける。
まれに街からやって来て、初めて山里の夜を迎える人は、≪音もない音がする。ほら、すーッと、どこまでも広がって行き、吸収されてしまうような。≫と言う。
春蘭フライング、まだ背丈が伸びてからよ
立ち上がったフキノトウ
初顔のカキドオシ
子だくさん、ホトケノザ
ツバキ、落下
群れ咲く花