川のほとりに小公園がある。その公園の桜はいつも遅めに咲く。地域の祭りに間に合ったことがない。今年も明後日の祭りには到底間に合わないだろう。
祭りは、山の中腹にある神社で、当番が担当して祭礼をとり行うのが慣わしである。当番以外の町内は、それぞれの持ち場を飾り、祭りの宴を催すしきたりである。宴の内容はその都度それぞれでそれぞれの都合を勘案して決められる。
ぽかぽか陽気になった今日、男どもの思いはすでにお祭りにモードになりかかっている。川のほとりの小公園の状況も、それぞれのアンテナで正確にキャッチしているはずである。祭りのあとにもう一度“桜まつりをひらこまいか”と何処そこの誰々が言い出すだろうことも、皆の予定に組み込まれている。