それはともかく、中西準子さんの雑感「食品安全に関する国際問題とリスク評価」に「グローバル化なくして、食品の安定供給はない。もし、自国主義、或いは地域主義に拘っていれば、先進国でも飢餓がありうる。それにも拘わらず、どこか遠くで生産されるということで不安を持つ。これは、現代の先進国におけるひとつの病気ではないか」という記述があって、なるほどねぇ・・・と思いつつ、“自国主義”“地域主義”にもフードマイレージって文脈では肯定的にみるべきじゃない?って思ったりする。無論、中西さんは先刻ご承知なんだろうけれども。
面白かったのは、「リスクに対する嗜好(?)に国民性がある」として「病害虫による汚染、生物汚染については、米国は神経質なほど厳しく、私から見ると、気分が悪くなるほど消毒が行われている。ところが、欧州は、俗な言い方をすると不衛生である。しかし、殺菌などのために使われる薬品は嫌う(薬品や添加物のリスクは気にする)傾向がある」というところ。
一般に市民団体などの言う食の安全は、その“嗜好”が米国でなく、欧州が理想とされてるわけで、GMもそう。要は反米・反グローバリズムの立場。
でも一概にEUの<食の安全>が優れてるのかって言えるのか?アメリカとEUの対立には貿易紛争で、それぞれの“国益”を主張してる面があるわけで、一方に肩入れして良いのかな・・・って疑問がずっと付きまとっているんだ。
天然系の甘味料でよく批判されるステビア。発がん性の疑いが否定されていないので流通禁止されてるのに日本では使用が認められてるとネガティヴによく紹介されるんだけれども、添加物としては認められてないが、食用は認められてるそう(安心!?食べ物情報-Food-Review-231号)。そこは手続き上の問題というから、一概に安全・危険って決め付けるのはよくないってことだろうか。要は文化の違い。その一方の“文化”を正しいって言うのはどうなんだろう?形を変えた西洋礼賛かなとも思っちゃうんだけども。
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