ひーさんの散歩道

道には、様々な歴史や文化が息づいている。
歴史に触れ風景に感動し忘れていた何かを探したい。

桃太郎神社/宮城県桃生郡河南町 その2

2008年03月31日 21時08分39秒 | 宮城の散歩道(仙台を除く)

一話はこちらです

この伝説について、得た情報はわずかなものでした。
唯一出版されてた、佐々木徳次郎さんの昔話の本は絶版で取り寄せることも出来ず、
他の本を探しましたが、発見出来ませんでした。

河南町は、近年の合併により石巻市に統合され旧ホームページもクローズされてしまいました。
しかしHPには、伝説については記されていましたが、神社については触れていなかったようです。



この石碑の裏には、
霊峰旭山に鎮座する 桃太郎神社は、日本人の心をあたたかく護る 
ふるさとの宮居であります。
この度、北村、大沢出身で旭川市の相田利治氏の郷土愛に燃ゆる
篤志御寄付により鳥居を奉献し神域を尊嚴に整えることが出来れた
茲に氏に徳を讃え謹してみて録します。
昭和46年5月
旭峰  斉藤荘次郎 識




内閣総理大臣 岸 信介さんの書のようです。 


神社の社殿については、全く記されておらず、祀られた時期もわかりません。
中の神棚は新しくしたようですね。
気になるのは、右側の削られた「田xx神社」の文字???
有志の方々が祀られたのでしょうか?・・・しばらくこれは宿題と言うことでお時間下さい。
私が行った時は、歌碑はなかったのですが、
祠の側に歌碑が建っていましたが、裏側に昭和32年斎藤荘次郎建立と刻まれてありました。
と言う記事のHPがあります。


それでは、どんな伝説だったのでしょう


この地域の物語の流れは、ごく一般的なもののようです。
しかし、違うのは後日談があるようです・・・・
 標準語に訳させていただきます。

桃太郎は・・・・・鬼ケ島に行って鬼征伐をして、犬、猿、雉を連れて帰って
来て、お爺さんとお婆を喜ばせ、めでたしめでたしで終るのが殆どの桃太郎
話ですけれど、その後の桃太郎はね、日本で俺くらい強い者はいないと慢心
して、犬や猿や雉を相手にして、毎日酒盛りして遊んでいたそうです。
鬼は、悪い事をして貯えた物だけれども、あんな若僧に持って行かれてしまった。

いつも酒ばかり飲んで悪事をしてきた罰だけれども、
このまま引っ込んではいられない、と思い虎の皮の褌を引き締めて、
捩り鉢巻きで一所懸命働いたそうです。
そうして、すっかり準備ができてから、舟を仕立てて宝物を取り返しに
行ったそうです。
桃太郎は毎日酒ばりくらっていたので、体がなまってしまい、
犬も猿も雉も酔っ払っていましたから、鬼共に負けてしまったそうです。
鬼共は宝物を取りかえし、意気揚揚と帰って行ったそうです。
桃太郎をはじめ、犬と猿と雉は傷だらげになって、それから桃太郎は
心を入れ替えて、一所懸命働いたんだとさ。

     
佐々木徳次郎さんの著書を見ると、昔話を話してくれた人達のお名前や地名が
書いてあります。
この話も、実際の話を録音され、それを活字にしたようです。


何故、この地に桃太郎伝説が生まれたのでしょう。
これは、私がもしかして・・・・・と思った。
理由と同じなのかも知れません。

それは、まず地名です。
この河南町周辺は桃生郡と言います。

発音は『モノウグン』です。

お隣には、桃生郡桃生町もあります。

「桃から生まれる町」なんて誰でも、桃太郎を想像するのでは、ないでしょうか

それから、大事な『鬼ケ島』の存在ですが

牡鹿半島沖に金華山と言う島があります。

3年続けて参拝すると、お金に不自由しないと言われております。
私も数回行きましたが、船着き場から、すぐ山になり鹿がたくさんいます。
フンだらけ
神社は、もちろん山の上なので、キツイかも?
日本で最初に金が発見されたところと一般的に思われてますが、最初に発見され
奈良の大仏さんに使われたのは、同じ宮城県ですが涌谷と言うところです。
そこには黄金山神社が鎮座してます。

この記事はここです日本で最初の金は

話がそれました。 と言うことで近くに絶好な島もあったのです。

私以外にも、同じ事を考えた人がいたのでしょうね。

実は、この地名の桃生(ものう)は、残念なことに・・・・・

「ものう」とはアイヌ語で「流域の丘」を意味する「モムヌプカ」が

モムノフモノウと訛ったもので、漢字は当て字であり、

桃太郎とは無関係だというのが定説のようです。

伝説とは何なんでしょうね?

都などで聞いた話を郷の者に言い伝え、変化し伝説になったり、消えてしまったり

でも、伝説は人を楽しませ、想像を膨らませてくれますね。

だから歴史はおもしろい




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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
りひとさんへ (ひー)
2016-03-02 16:01:28
観音堂ですね。この日は行かなかったのですが、よくあんな山の上に造るものです。
山形の立石寺(山寺)は千段以上の階段を上りますが、あそこに建物を建てる大工さんの苦労が身に染みてわかります。

金華山が「鬼ヶ島」ということです。ここを発見する以前から噂だけは聞いていました。
返信する
うわ、桃太郎伝説あったんですね。 (りひと)
2016-03-02 09:02:34
紹介して頂きありがとうございました。
桃生ってとてもびっくりしましたね。
私の馴染みの地には柿生(かきおと読みます)がありますので。神奈川県で日本最古の甘柿が見つかったとか?このあたりはかなり昔から栄えていたのでは?と。ついこないだまでは未開の地、今でも神社や公園学校等で緑は多いとは思いますが。

桃が生まれると書いてものう、柿が生まれると書いてかきお、もうとおって似てる気がしますよね。感じありきで音は似た音で残ったのか?

そうそう、柿生と奈良は柿の付く人麻呂さんで関係ないか探ってますが、確か塩釜にも祭神のお一人としているんでしたよね?

ふふふ、生と書いてノウかオっていうのも何かのヒントのなりそうです。
浦島太郎さんより桃太郎さんのが古いイメージがするのでとても役立ちます。
ありがとうございました。2918、観音数字かあ、桃太郎神社の近くで観音堂だっけ?鼻節の方だっけ?

またじっくり読みたいです。
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いっくぶぅさんへ (ひー)
2008-04-04 21:45:41
どうもですう。
わかります・・・・
そんなときは、面倒だから、はいそうです。
だね!
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やっと読みました (いっくぶぅ)
2008-04-04 12:26:31
この脇の道路、何度も通ったことありますよ
そういえば、神社あったね
まったく気にしてませんでした

『桃生郡』って住所をいう時に不便でね~
漢字を説明するのに

「桃が生きるで、ものうぐんです」
「ももうぐんですか?」
「も・の・うです

って会話を何度やったことか…

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ミモザさんへ (ひー)
2008-04-01 11:37:02
そうですね。
深く追求するより、豊かな心でこの伝説を守ろうとする人々の気持ちを大切にしたいと思います。
そして、語り継いでいかなければならないのですね。
桃太郎もゲームにしないと今の子供達は、見てくれないのでしょうか?
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あーさんへ (ひー)
2008-04-01 11:32:08
柳田国男先生の遠野物語は読んでいないのですが、遠野には何度も伺いました。あの遠野物語を書くために滞在した旅館が移築され保存されてます。
遠野では、鬼の話は聞きませんでしたね~
近いうちに河童に会って来たいと思います。
語り部のおばぁさんの話、聞ければいいなぁ
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維真尽(^^)さんへ (ひー)
2008-04-01 11:25:37
出雲風土記には、「目一鬼」(まひとつのおに)というのが出て来るそうで、この地方に目一鬼が人を取って食ったという伝説があるらしいです。
でもこれは、製鉄の神、天目一箇神(あめのまひとつのかみ)と関連があるのでは? あ~私には難しい~
日本海に鬼伝説は多いと聞きます。
秋田の「なまはげ」も神の使いとされています。
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虎龍さんへ (ひー)
2008-04-01 11:08:46
私も、外人説は大いに同感ですね。
そう思います。
ただ、鬼にも種類があるようで悪役になっている昔話の鬼と、祭りや行事・踊りになっている鬼とは、またチョット、ニュアンスが違うような?
例えば、秋田男鹿のなまはげは神の使いとされています。あそこにも鬼が階段を作る面白い話があるのですが、いずれ写真を添えて記事にしたいとおもいます。
日本海側に鬼の話が多いようですね。
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かにちゃんへ (ひー)
2008-04-01 10:58:50
私も、教えだと思います。
昔話や民話は遠回りにいろんな教えを伝承しているのかもしれませんね。
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桃源児さんへ (ひー)
2008-04-01 10:54:24
鬼を語ると、またまた深みにハマリそうですね。
実は、鬼に関する神社もあり、それも調べようかと思いましたが、区切って考えることにしました。
鬼にまつわる、祭りや伝説は、日本中にありますからね・・・
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伝説は楽しいです! (ミモザ)
2008-04-01 08:04:08
おはよう御座います~♪
朝から楽しく桃太郎伝説を拝読しています。
やはり伝説って明るくて楽しい物はいいですね
桃太郎神社の石碑に書かれている
(日本人の心をあたたかくし護るふるさとの宮居)
良い言葉ですね
返信する
皆さんの (あーさん)
2008-03-31 22:38:19
コメントを拝読していると、今は中央から離れた地域になってしまったところの諸伝説への関心が高まってきます。

柳田先生なんかは、ここに触れてないのかなぁ?
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桃源児さんが言われる様に (維真尽(^^))
2008-03-31 22:27:34
鬼とは~何かということですよね
権力者が
正当化のために
そういう風に 

そうしてみると
出雲の国譲り~ますます 謎ですね (^_-)-☆
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Unknown (虎龍)
2008-03-31 22:23:27
日本に残る鬼伝説は、私は全て流れ着いた外国人の不幸な話だと思っていました。
昔は日本人の平均身長は低かったでしょうから、赤ら顔の外国人は全て赤鬼にみえたのだと思います。
だから、鬼伝説は海岸沿いに多い。

こうやって考えると伝説も面白いですよね。
ひーさんの記事もいつも勉強になります。
返信する
酔っぱらい? (かにちゃん)
2008-03-31 22:22:15
ももたろうも色んな方向から見ると面白いですね

でも、桃太郎が猿・キジ・犬と飲み明かして

なまくらになって鬼にやっつけられたなんて

昔話は何かの教えなんですね。
返信する
伝説誕生? (桃源児)
2008-03-31 21:49:55
地名から生れた伝説ということですか。面白い。
後日談もそうですが、考えてみれば、鬼が島の鬼は、何も悪さはしてないんですよね。
ただ、鬼というだけで桃太郎の征伐を受けて、宝を取り上げられる。
子供の頃は、鬼は無条件に悪い奴等だと思っていましたが、今にして思うと、侵略の正当化?
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