感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

歴史という最も信頼できるデーター

2013-04-24 21:29:29 | 住宅新築現場物語
大安吉日の本日は岡山市中区での住宅新築現場にて棟上げ作業。

生憎の雨空ですが道路使用許可の期日の関係もあり棟上げ決行、大工さんも勢ぞろいで各々に雨合羽を着込み作業開始。

敷地に限りがあるために構造材の前組みは不可能という事で先ずは事前に敷き込んでおいた土台に心を込めて柱を建てて行きます。

ひと通り柱が立てると次に横架材をクレーンで吊り上げ組み立てていく作業。大きな梁や桁が一本づつ所定の位置に組み上げられ頑丈な骨組みを作り上げ接合部分をボルトで補強。

所謂、木造軸組工法の最もスタンダードな構造体、昨今は他にも合板や鉄骨などを組み合わせたりして耐震性や耐久性などを向上させたと謳う様々な工法もあります。

それでも、私たちがこの木造軸組工法に拘るのは、日本建築では歴史が古く様々な部分で長所も短所も解っているからでもあり、自分たちの建てる建物の性能はもちろん、長所、短所が解らないものを作るほどの勇気はとてもではありませんが私にはありません。

弱点が分かればそれを強化させる方法もハッキリと分かり、長所が分かれば其処を存分に活かす事も可能。

岡山の地に創業以来60年間、根付く大工の営む工務店として私たちにはこの木造軸組工法と岡山の気候風土を知り尽くし、実績という最も信頼できるデーターを元に家づくりを提案していく事が使命だとも思っています。

家はお客さんにしてみれば一生に一度の大きな買い物、その売り手でもある私たち住宅会社が失敗したとなれば・・・

住宅会社にしてみれば何百棟の中の一件の失敗なのでしょうが、そこに暮らす人にとっては一生に一度の失敗につながります。

経営者の顔が見えず、担当者が転勤などで不定期に代わる大手メーカーとは違い、私たちの様な小さな工務店は生涯、その自分たちの手がけた家を見守り続ける義務があるのです。

住宅リフォームからも住宅会社側には悪気はなく良かれと思って提案した、その時々の最新工法で建てられた家で後悔しているお客さんも多く見てきました。

当時は目新しかったモノも30年という月日に手の負えない様な老朽化を辿る家をまだまだ多くあるのも事実、地域に根付き「つくり手」の顔の見える工務店としては机上のデーター頼りの最新の工法に安易に手を出し失敗する様な事があっては決してならないのです。

その為に日本古来から着々と受け継がれてきた歴史というデーターを元に建てる家づくりには間違いがないのは、誰もが疑う事のない事実だと・・・

私たちの様な小さな工務店は年間に何十棟と家を売る必要はないのです。売らんが為の目新しい工法に惑わされる事なく、例え1~2棟でも解る人だけが解る歴史から学んだ最も堅実な家づくりを実践する事を続けなければ・・・

さて、無事に棟上げもひと段落して大工さんたちが帰宅した後、大工の小野くんと倉敷の美容サロンさんへ物置のナミイタ屋根の増設計画をいただき現地を調査。

こちらも梅雨時期までには完工して欲しいとのオーナーさんの希望に少しでも早く工事に移れるよう準備を進めていきますので、暫くのご猶予の程をお願いします。

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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