感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

大きな苦難と苦悩を乗り越えた先に待つ未来とは?

2013-02-02 21:14:59 | モノづくり挑戦物語
今週も何とか乗り切れた事に今は胸が安堵感で一杯です。

毎日ができるか?できないか?とギリギリの瀬戸際での仕事が続いた綱渡りのようなスリリングな一週間の最終日はメインイベントの倉敷市玉島で前代未聞のサイズの木製扉の組立・取付作業に当たります。

幅5.5m、高さ3.0mという木造の扉では当社がつくる扉の中では過去最大の大きさに、前もって扉の重量、其れを支える躯体のサイズや扉を開閉させる金物の強度など様々なデーターを集め計画してきた筈。

しかし机上の計算だけでは決して測れないのが「ものづくり」の現場であり、どんな不測の事態が待ち受けるか解りません。

それでも今は自分たちの腕を信じて出来る限りの技と工夫を凝らし、「しんちゃん」、「まっちゃん」、「信くん」と共に組立作業にあたります。

その中でも一番不安に感じるのが、扉を支える蝶番金物。これは扉の重量に耐えれなくなって外れてしまう可能性もあるので扉の下にタイヤをつけて蝶番の負担を減らします。

蝶番を取り付ける躯体側にも工夫は必要で柱の足元の固定は土間にアンカーボルトを用いてガッチリと固定した上に既存の単管と固定、さらに上部はワイヤーで補強。

次に使っていく内に出てくるであろう扉の歪みですが、これはターンバックルを使用して将来的にも扉の歪みを調整できるように工夫。

勿論、扉の骨組も大工技術と家を組み立てる時に使用するゴツイ金物を使いしっかりと組み合わせています。

そんな様々な工夫と技を使って組立られた扉が取り付き、始めて開閉させる時はもうただ祈るだけ・・・

そこから二度、三度・・・・と何度となく試運転をおこない、大きな問題がない事が確認できた時、共に取り組んだ仲間たちと喜びを分かち合い幸せを共有できた時間は至福の時。

後は板金屋さんが扉の面材を張り付け、私たちも付属の金物などの取り付けを済ませ作業終了。

とりあえず現段階では大きな問題は起きていませんが、これから先も長く使われるこの大型扉は制作に立ち会った私たちが見守り続ける義務だと思っています。

今後も不具合などがあればお早めにご連絡いただければ幸いに思います。

それでも「今」、前代未聞の「ものづくり」が無事に終えた事に今朝まで重く伸し掛っていた両肩の荷が一気に軽くなったような気がしています。

さて今夜は少しリラックスした気持ちで帰路に付くことができる事に共に取り組んだ仲間たちに感謝です。

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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