上善如水

ホークの観察日記

保存療法は「ほったらかし」ではない

2019-06-21 10:07:08 | 介護

大腿骨頸部骨折の利用者さま。

過去に何度か骨折しており、年齢的にも手術すると歩行困難になる恐れがあるため、ご家族が保存療法を選択されました。

要するに、骨折したまま病院から帰ってみえました。

もうね、毎晩コールの嵐です!

 

「痛い」「助けて」「何とかして」

 

そりゃあ骨が折れてれば痛いわなぁ。

保存療法の場合、疼痛(とうつう)コントロールをはかりながら、一方で廃用症候群の予防も考えねばなりません。

でもうちの担当NS(ナース)。

サマリーを送ってきただけで、利用者の顔も見にこない!

当然現場の介護士への指示もほとんどなし。

さすがに他のNSが気を使って、様子を見に来てくれたのですが、その際いくつか質問したところ、後になって主任さんからお叱りが。

「あのNSはパートだから私はあえて質問しなかった」「パートの指示で動くとあとあと問題になってNS間でケンカになるから担当NSに直接聞くように」

 

だって、その担当NSが説明に来ないじゃん!!

 

質問したのは、足はある程度固定した方が良いのか、クッションなどで安楽な姿勢をとらせたい、移乗の際の注意点など。

パートNSはクッションなどを使ってもいいと言って色々アドバイスをしてくれましたが、後日さっそく担当NSから指示書が。

「クッションなどを使う必要なし」(ここでも直接説明にはこない)

 

なんですかね、派閥争い?

NSの力関係なんて知らないよ。利用者さん第一で考えてよ。

 

利用者さんは認知症もあるので、自分が骨折していることも忘れて立ったり、動こうとして痛みを訴えます。

特に夜間、横になった姿勢が辛いのか、毎晩「痛い、痛い」と泣き叫び、他の利用者が心配したりうるさくて眠れなかったりで、結局個室に移されました。

それでも担当NSは薬のみで疼痛コントロールをするよう指示してきます。

 

毎晩泣き疲れて日付が変わった頃に眠りますが、朝は6時には痛みで目が覚める様子。

起きている間は連続コールで「何とかして」「もう死んだ方がいい」「痛い、痛い」と訴えるので、一人で他の利用者さんも見なくちゃいけない夜勤さんは大変です。

 

まだ自分なりの対処法を身につけているベテランさんはいいとして、新人さんたちがつぶれてしまわないか心配。

心に余裕が無くなると、他の利用者さんへの対応もおろそかになってしまいますからね。

優先順位を間違えると事故も起こりやすくなります。

 

ちなみに私はパートNSを普段から個人的に一番信頼しているので、クッションを使って楽な姿勢をとってもらいました。

一時間ほど痛みの訴えもなく寝ることができましたが、その後やはり痛みで起きてしまいました。

なかなか難しい。

 

本来なら、NSと介護員、関係部署で話し合って、今後の介護方針や介護計画を立てるべきなんですが、うちは残念ながらできていない。

せめて介護員同士で話し合って、新人さんへのフォロー、情報や技術の共有ができればいいのですが、それすらできない。

一応主任さんには提案してみたんですが、うやむやに受け流されてしまいました。

みんな自分のことで手一杯なのかな。

あぁ、今夜も「痛い、痛い」の悲鳴が続く・・・