ボキャブラリー失調症！？

　　次女が髪を切ってきた。
「どぉう？」目の前でクルッと一回りした。
長かった髪を肩まで切詰めてあった。　「ウン、か～わいい！」
娘はニッコリほほ笑む。
なるほど≪ヤマダユウ≫に似ているわ・・・と思った。

　毎日のように≪ヤマダユウ≫に似ていると言われるらしい。
先日も電車の中で見知らぬ婦人に「タレントのホレホレ・・・」と、
名前が出ないらしく、何処を掘れと言うのじゃ～と思いつつ、
「ハイ、ヤマダユウですね」と答えたら、
「オ～～、ソレソレ」とイタリヤ民謡みたいに声を上げたと笑う。

　茶の間で帰りの遅い娘を心配しつつテレビを視ていた夫が、
「髪切って、何かあったんか？」と目を向けた。
すかさず娘が「かわいい～～ってくらい言ってよ！」と言った。
夫は「・・・・」　「まったく、ボキャブラリー失調症なんだから」と、　
娘は小さく拗ねて二階に上がってしまった。

　或るオーディションで合格者には【目ぢから】があると、
云われたそうだが、人を惹きつける瞳の輝きを、
増すことが出来るよう努力をして欲しい。

　父も母も、日ごとに‹ボキャブラリー失調症›とやらが、
重篤になりつつあるのだから、先ずは優しい娘でいてよ～～