「6月27日にツアーで行った者ですが・・・」
530円で買った<ふりかけ>が入ってないと女性の声で電話があった。
「はぁ?・・・」耳を疑い、カレンダーに目を遣った。
かれこれ一週間になる。いったい、この人は何を言っているのだろう・・・?
話によると、焼き物の猫の人形と一輪差しを買って品物を受け取った。
更に、傍にあった<ふりかけ>を一つ追加したが、別の袋で受け取ったらしい。
急ぎ、留め置きしてあったバスに荷物を入れ、歩いて紫陽花坂を下ったとのこと。
記憶を辿って手伝いのI子さんが対応した事を思い出した。
店先は混雑していて、お客さんのその後の行動は分からないという。
互いに品物を確かめ合った記憶が定かではないのだ。
お客さんは一つにまとめてくれたと思ったと主張。
I子さんは荷は二つだったと記憶。
ツアーが帰った後に<ふりかけ>の忘れものはなかったと思う。
社会通念では一週間も経てからでは、幾らなんでも通用する話ではないはず。
が、電話の主は悪気もなく今朝食べようと思って袋を見たら品物がない。
で、電話をかけてみたというのである。
何とも納得がいかないが、当店は一歩退いた。【お客様は上(カミ)様です】もの。
<ふりかけ>一つのことで旅行会社にクレームをつけられたら堪らない。
送られてきたの送付先の住所のファックスに、
「気持ちよく対応してくれて、良かった~」と書かれてあった。
悪い人ではないのかも知れないと感じた。
「分かりました。御代を支払ったと仰るのでお送りします」
気分的にはスッキリしないのだが電話で言い合っても埒が明かない。
早速、宅配便を手配した。送り先は船橋市。送料は640円。
「紅葉の頃に又、お出かけ下さい」と一筆認めて・・・