高齢者の貧困率は先進国の約3倍日本の倍のスピードで高齢化する韓国
2022年3月10日
韓国の統計庁が、2020年の韓国の高齢者貧困率が38.9%だったことを発表しました。
30%台に下がったのは初めてのことで、前年の2019年よりも2.5ポイント低下したそうです。
しかし、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均の約3倍にあたることから、韓国の高齢者の経済状況が悪いことに変わりはないようです。
目次
- 1. 貧困率が前年よりも減少するも…
- 2. 経済成長と社会保障の板挟み
貧困率が前年よりも減少するも…
韓国の日刊紙「中央日報」が「統計庁が2020年の韓国の高齢者貧困率を公表した」と報じました。
それによると、韓国の65歳以上の高齢者の相対的貧困率(その国の生活や文化を基準にした貧困率)は、38.9%。2019年よりも2.4%減少しており、30%台になったのは調査開始した2011年以降初めてのことです。
韓国の高齢者貧困率は、2011年の46.5%からは低下傾向にある様子。2016年には43.6%となり、2018年は42%まで減少しています。
とはいえ、先進国から見るとかなり高いと言わざるを得ません。
2019年のOECD加盟国の高齢者貧困率は平均13.5%なので、3倍近い数字であることがわかります。
ちなみに、日本の高齢者貧困率は20%。
韓国ほどではないにしても、日本も平均よりも高いですね。
このように韓国や日本の高齢者貧困率が高い理由は、高齢化が進んでいることにあります。
2020年時点の高齢化率は、日本で28.4%、韓国で15.79%。
当然、韓国の方が高齢者の割合は低いのですが、韓国はこの10年で毎年平均4.2%高齢者の人口が増えているそうです。
日本は2.1%の増加率なので、日本の2倍の早さで高齢化が進んでいます。
さらに、韓国が年金制度を導入したのが他の先進国に比べて遅かったこともあり、制度の拡充が高齢化のペースに追いついていないのが現状のようです。
韓国と日本の年金については、こちらの記事でも紹介しています。
高齢者が貧困に苦しむ韓国。貧困率や自殺率もOECD加盟国トップ
今月13日、韓国の日刊紙「東亜日報」が、経済開発協力機構(OECD)に加盟する38ヵ国の中で、韓国の老人 ...
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3989/
経済成長と社会保障の板挟み
韓国の高齢者貧困率の高さは「経済成長を急いだ反動」とも言われています。
というのも、韓国で年金制度の施行が遅れた理由は、経済成長を優先させたから。
社会保障を充実させると企業の負担が増えるため、経済成長の足かせになると考えたようです。
しかし経済成長を優先した結果、セーフティネットの整備が遅れて高齢者の貧困率が高くなってしまいました。
そうした現状を見て、国の将来を支える若者が希望を持てなくなってしまっています。
”今”の経済も重要ですが、”将来”の自分である高齢者が安心して暮らせる政策を実行してもらいたいですよね。