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韓国の賃金格差は、気を失うほど大きな

2023-06-12 10:53:51 | 日記
韓国の賃金格差は、気を失うほど大きなものがある。大企業を「天国」とすれば、中小企業は「地獄」である。この原因は、大企業労組の戦闘的な賃上げで強引に引上げる反面で、中小企業は大企業への納品で買い叩かれている結果だ。

韓国大企業には、財閥制度が生きている。出資と経営が分離されない前近代的経営システムである。日本は戦後の民主化で財閥制度を廃止して、出資と経営を分離させた。これが、戦後の高度成長の基盤を形成した。韓国は、日本の捨てた財閥制度を取り入れた点で、最初から戦前の日本経済システムが生かされている。

これによって、韓国は大企業と中小企業との賃金格差を生んでいる。その実態は驚くべきものだ。50代では、大企業と中小企業との賃金格差がなんと2.5倍もある。卒倒するほどの格差だ。この裏には、大企業による中小企業搾取が働いている。大企業労組の「年功序列・終身雇用制」が影響を及ぼしているのだ。その犠牲が、中小企業で働く労働者の賃金へしわ寄せされている。

以下の記事は、数字が多く煩雑であるので、コメントだけでも読んでもらえれば、韓国企業の実態が、日本の賃金と比較可能と思われる。

『Wowkorea』(6月11日付)は、「中小・大企業の所得格差、50代前半で2.5倍」と題する記事を掲載した。

韓国の大企業と中小企業労働者の所得格差が、年齢が高くなるほど広がることがわかった。20代前半1.4倍から、50代前半には2.5倍まで広がった。

(1)「11日、韓国統計庁によると、2021年大企業労働者の平均月所得(報酬)額は563万ウォン(約61万円)で、中小企業労働者(266万ウォン、約28万円)の約2・1倍だった。年代別に見ると、19歳以下は大企業と中小企業労働者間の報酬格差が1.3倍だったが、20代前半(20~24歳)1.4倍、20代後半(25~29歳)1.6倍、30代前半1.8倍、30代後半2.0倍、40代前半2.2倍、40代後半2.3倍など徐々に広がりを見せている。大企業と中小企業労働者間の報酬格差は50代前半2.5倍がピークで、50代後半2.4倍、60代序盤・65歳以上各1.9倍と、狭まる傾向を見せた」

韓国の2021年の平均月収(全年齢平均)は以下の通り。
大企業  61万円     100
中小企業 28万円      45.9
(韓国統計庁調査)      格差

日本の2021年6月の平均月収(残業料を除く:全年齢平均)
大企業  27万1000円  100
中企業  25万2500円   93.2
小企業  23万5000円   86.7
(厚生労働省調査)       格差

上記のように、日韓の賃金比較をすると、韓国の格差が極めて大きいことが分る。日本は格差が縮小している。韓国では、「貴族労組」とされる戦闘的労組が、中小企業労働者に回る賃金原資を奪い取っている結果と見るほかない。

(2)「月平均所得を見ると、中小企業労働者の30代前半は267万ウォン(約28万8800円)、50代前半は299万ウォン(約32万3400円)だった。一方、大企業の労働者の場合、30代前半は476万ウォン(約51万5000円)、50代前半は760万ウォン(約82万2100円)だった。30代前半の大企業労働者は同年齢の中小企業労働者より209万ウォン(約22万円)多く稼ぎ、50代前半の大企業労働者は同年齢の中小企業労働者より461万ウォン(約49万8700円)多く稼いだわけだ」

韓国の中小企業労働者       韓国の大企業労働者   日本の大企業労働者
30代前半  28万8000円   51万5000円    27万8900円
50代前半  32万3400円   82万2100円    47万7600円

日本の大企業労働者は、30代前半では韓国の中小企業を下回り、50代前半では韓国の中小企業と大企業の間に挟まっている。日本の賃金は所定内給与であるから、残業料もボーナスも含んでいない。
(3)「賃金格差がこのように大きいうえ、中小企業は福利厚生など他の労働条件も大企業ほど整っていない場合が多く、求職者の間では大企業を希望する現象が明白だ。だが、2021年全体の雇用件数2558万のうち、大企業の雇用は424万件(16.6%)に過ぎなかった。他に中小企業が1588万件(62.1%)、非営利企業が546万件(21.3%)だった。前年比増減を見ても大企業は17万件増えるだけにとどまり、中小企業は49万件、非営利企業は19万件ずつ増えた」

韓国は、相対的に見て大企業の賃金が飛び抜けて高く、中小企業と格差が極めて大きいという特色がある。これは、決して褒められたことでなく、大企業による中小企業搾取という古典的な構造が温存されていることを伺わせている。企業間競争の公正さを維持させなければならない。

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