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中国不動産バブル「2017年に崩壊しそう」な理由

2016-12-31 16:08:20 | 日記

中国不動産バブル「2017年に崩壊しそう」な理由

ZUU Online

2016年12月10日 19時13分


今年の秋ごろから、中国の不動産バブルが再熱しているとの指摘が増えている。

バブルは膨れ上がっても、はじけてしまっても経済成長には大きなマイナス。

中国政府も手をこまねいているわけではないが、うまく制御できていないようだ。

2017年中にもはじけるのではないかとの指摘もある。

■経済成長で生まれた不動産バブル

中国は、2010年に日本のGDPを抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった。

その前年ごろから住宅価格が高騰し、バブルのような様相を見せていた。

バブルとは、簡単に言えば、資産価格が通常の賃料や金利などから大幅に乖離して形成されてしまう現象のこと。

1980年代の日本の「不動産バブル」が世界初とされる。

その後、90年代の「アメリカITバブル」、2008年の「コモディティバブル」を経て、中国の「住宅バブル」は世界4番目と位置付けられた。

世界的な金融危機に対応するため、中国当局は銀行に融資拡大を奨励して景気を刺激したり、貸出総量規制を撤廃するなどして大幅な金融緩和を実施。

不動産市場に資金が大量に流れ込んだ。

また、経済成長に伴う労働力不足を解消するため、農村部から都市部へ人口を移動させたことで、住宅需要が一気に高まった。

結果、中国主要70都市の住宅価格は2010年、前年同期比で12.8%アップを記録。

北京や上海の一部では、住宅価格が普通の世帯の年間可処分所得の20~30倍にもなったところもあった。

ただ、実体経済と価格が乖離すれば経済に悪影響を及ぼすため、政府にはソフトランディングのための政策に乗り出した。

購入する住宅の頭金を2割から3割に引き上げたり、3軒目の住宅購入には銀行に融資させないようにするなど、大胆な抑制策を展開。

中国の経済成長は好調を続ける一方で、諸外国では実体経済を怪しむ声が絶えないのだが、この間、不動産バブルに関してはこれといって崩壊現象はみられなかった。

■この秋、再燃した不動産バブル

今年7月18日付の日経新聞電子版は

「中国の不動産市場の局所バブルに一服感が出てきた」

「背景にあるのは当局によるバブル退治の動き」と報じた。

主要70都市の新築住宅価格動向では、上昇した都市の数が62(3月)→65(4月)→60(5月)→55(6月)と減ったことなどが根拠だった。

ところが9月、その報道とは真逆の動きが伝えられた。

9月26日付のBloomberg Newsによると、同紙が政府統計に基づいて試算したところ、8月の新築住宅価格は前月比1.2%増と、約6年ぶりの大きな値上がりになったというのだ。

先述の主要70都市の新築住宅価格動向では、7月の51都市から64都市に上昇。

上海では新築価格が前月比4.4%増、前年同月比では31%と記録的な伸びとなっている。

北京でも前年同月比で24%となった。

こうした住宅価格急騰の主な原因として、

「不動産市場に投資資金が集中したため」とされる。

ここ最近の中国実体経済の低迷で株や債券やファンドなど金融商品の収益率が低下している。

このため、投資家の運用先が高い収益を得られる不動産市場に向かったのだ。

また、供給過多で生じた住宅在庫を削減するため、政府が住宅ローンの優遇措置を出したため、不動産界隈が活気づくとの観測もその動きを後押しした。

こうした動きに対し、政府も手をこまねいているわけではない。

ただ、抑制策はあまり効いていないようだ。

政府は9月、北京や上海など20都市で住宅購入や住宅ローンに制限をかけた。

結果、多くの都市で価格が下落。

江蘇州蘇州市の住宅価格は4日間で1平方メートルあたり2万2000元(約34万円)から1万3000元(約20万円)に急落した。

こんな動きに対し、国民からは、自己保有の不動産価値が下落するのを不安視する声が上がった。

政府は国民の不安に対処するため、共産党の党員幹部に対し、不動産の売却を禁じた。

中国では古来より役人に対する「わいろ」が文化として存在し、この時代でも共産党内で堂々と横行している。

結果、幹部たちは私腹を肥やし、投機目的で所有する住宅を10軒前後も所有している者もいるという。

実際、2013年に収賄や職権乱用などの容疑で逮捕され、2年の執行猶予付き死刑判決が出された鉄道部の元部長の収賄総額は6460万元(約10億7000万円)にも上り、世界を驚かせた。

こうした実例をみれば、共産党幹部が保有する資産総額は膨大であることは容易に想像できる。

彼らの資産を市場に流出させないことは、「身を切る姿勢」を示して国民のガス抜きにはなったが、経済にとっては、ブレーキの踏み込みを甘くしたようなことになっている。

■バブル崩壊はいつ起こる?

そんな経緯で今年、再燃した住宅バブルだが、投資家の関心はいつ、何をきっかけにバブルがはじけるのかの一点だろう。

バブルの絶頂期を指摘するのはプロでも難しいとされる。

おまけに中国は共産党による一党独裁国家なので、崩壊の時期を読むのはとてつもなく難しい。

ただ、バブルがはじけた順で言うと、アメリカではなく、日本パターンと言えそうだ。

すなわち、アメリカでは不動産バブルがはじけた後に株バブルがはじけたのに対し、

日本では逆。

日経平均株価は1989年12月29日をピークに暴落に転じたが、地価が下落を始めたのは1992年になってから。つまり、2年のブランクがあった。

中国では2015年夏には株バブルがはじけたとされている。

日本のケースがそのまま当てはまるかは不明ではあるが、中国の不動産バブル崩壊は2017年になるのではないかという指摘にはある程度の合理性があるといえよう。

今年4月、リーマンショックを予言したとされる資産家で著名投資家のジョージ・ソロス氏は

「中国経済は世界的な景気後退に拍車がかかる前の2007~2008年当時の米国に似ている。

皆が予想する時期よりも後に転換点を迎える可能性がある」と指摘した。

発言から12月でもう8か月が経過している。

2017年の間と考えておいたほうがよいのではないだろうか。(飛鳥一咲 フリーライター)

韓国経済に忍びよる危機 〜財閥企業の苦境に加えて政治まで大混乱

2016-12-31 15:39:12 | 日記

韓国経済に忍びよる危機 〜財閥企業の苦境に加えて政治まで大混乱

このままでは不安定な状況が続く

2016年 12月5日

信州大学経済学部教授

真壁 昭夫

韓国の大統領、朴槿恵(パク・クネ)が政治生命の危機に直面している。

長年の友人、崔順実(チェ・スンシル)の国政介入などを巡って大統領側近が起訴される中、検察からは大統領本人の共謀も認定されている。

12月上旬にも野党は弾劾案を採決する方針で取りまとめを急いでおり、大統領が一段と厳しい状況に追い込まれるのは時間の問題だろう。

韓国では大統領経験者やその親族が、民間企業から不正資金を受け取るなどしてスキャンダルに発展した例が多い。

今回も、崔被告の設立した企業や財団に便宜を図るよう、大統領が財閥企業などに圧力をかけたことが報じられている。

そこには、身内の利益を重視する文化、そして、一部の財閥企業による経済の支配、という韓国特有の事情が影響している。

すでに財閥傘下の韓進海運は、積極経営が裏目に出て経営破綻に陥った。

世界の需要が低迷する中、スマートフォンや液晶テレビ、自動車などの輸出主導で業績を拡大してきた財閥企業の経営は行き詰りつつある。

そこに政治の混乱が加わることで、韓国経済は厳しい状況に直面する可能性が高い。


財閥が牛耳る韓国経済

韓国経済の成長率は、サムスンや現代などの財閥企業の業績動向に大きく左右される。

世界経済が好調である場合は、輸出の増加を通して財閥企業の業績が拡大し、経済成長率が高まってきた。


実際、韓国には50万社程度の企業が存在するが、全体の純利益の40%程度を10大財閥が占めている。

そして、韓国の輸出依存度(GDPに対する輸出の割合)は50%程度と、国際的にも高い。

財閥と外需に依存した経済構造を整備したのが、現大統領の父親、故朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領だ。

故朴元大統領は、“開発独裁”と呼ばれる政策を進めた。

その中で、独占取引権の認可などを通して財閥企業の成長を支え、海外需要の取り込みを軸とする成長戦略が採られた。

第二次世界大戦、朝鮮戦争の混乱の後、短期間で経済を立て直すためには、一定の経営基盤があった財閥企業を重用する意義は大きかったのだろう。

この政策は“漢江の奇跡”と呼ばれる経済成長をもたらした。

同時に、財閥の重用は政界と財閥企業の癒着につながり、一部の権力者と財閥に属す者が富み、それ以外の人は成長の恩恵を享受しづらい状況が続いてきた。

それは、韓国の経済が、公正に富を配分する機能を備えていないことの裏返しである。

また、外需依存度の高い経済は海外経済の変調に弱い。

1997年のアジア通貨危機の中、韓国は外貨建て債務の返済に行き詰りIMFの支援を要請した。

その後、韓国は為替介入でウォン高を抑えつつ、財閥企業の収益を支えて経済を成長させた。

そして、韓国企業はヒット商品を生み出すよりも、海外の技術を模倣し価格競争を仕掛けて成長してきた。

それでは、世界経済の需要が低迷し、輸出が伸び悩む環境に対応することは難しい。

韓国経済史から消し去りたい2016年

2016-12-31 10:40:52 | 日記
韓国経済史から消し去りたい2016年

朝鮮日報日本語版 12/31(土) 8:59配信

2016年は韓国経済が過去半世紀にわたり築き上げてきたパラダイムから脱却し、大規模な構造改革と構造調整によって体質を改善すると同時に、新たな成長の基盤を築き上げねばならない年だった。

経済成長率が世界全体の成長率を下回り、製造業稼働率、投資、家計負債比率など主要な経済指標がどれも1997年のアジア通貨危機直前以上に悪化したとなれば、これはどの国であっても何らかの手を打たねばならないはずだ。

ところが今年も様々な経済政策が行われはしたが、その結果はどれも上記のような惨憺たる数値となって帰ってきた。

このような状態で年の瀬を迎え、新たな年を迎えねばならないのが残念ながら今の韓国経済の実情だ。

 過去半世紀にわたり韓国経済を成長に導いた貿易立国というスローガンは、昨年と今年の2年連続で1兆ドル(約117兆円)からの後退という現実を突きつけられ大きく揺らいでいる。

特に輸出は58年ぶりに2年連続のマイナスを記録し、年間の輸出額は5000億ドル(約590億円)に届かなかった。国内消費もとりわけ9月以降は大きな壁に直面し急速に冷え込んでいる。

 経済成長率は昨年に続き今年も2%台にとどまり、若者たちは働く場所も機会もなく雇用氷河期の真っ只中にある。

その結果、今年11月の若年失業率は8.2%を記録し、これもアジア通貨危機直後となる1999年11月の8.8%以来最も高くなった。

家計負債の急激な増加の原因は働き盛り世代の無理な住宅購入だ。

韓国には高額の保証金を家主に預け、その運用益で家賃を賄う「伝貰(チョンセ)」と呼ばれる賃貸制度があるが、この保証金がここ数年暴騰している影響で、30-40代の働き盛りが無理な住宅ローンを組んで住宅の購入に走り、その結果家計負債が過去最大規模の1300兆ウォン(約126兆円)にまで膨れ上がってしまった。

家計負債の額は1家庭あたりに換算すると6655万ウォン(約644万円)となり、これは1年前に比べると6.4%も多い。

100万ウォン(約9万7000円)の収入があれば、そのうち26万ウォン(約2万5000円)は借金の返済に充てねばならない計算になる。これでは消費が活性化することなど到底あり得ないだろう。

今年の経済政策はどれも落第だった。韓国政府は経営難に苦しむ造船や海運業界の構造調整に乗り出したが、世界第7位の韓進海運を閉鎖した

だけで、海運業界全体の競争力は逆に一層低下した。

これも悲惨な失敗の一例と言わざるを得ない。

造船業も状況は同じで、構造調整は何の成果も出せず足踏み状態だ。

今や完全な既得権となった大企業や公共施設などの貴族労働組合は、今年も自分たちの利益を得ることしか考えなかった。

鉄道労組による過去最長のスト、現代自動車労組による12年ぶりの全面ストなど、組合員たちは韓国社会の中ではすでに非常に高収入を得ているにもかかわらず、ストがストを招く悪循環を自分たちで呼び起こしている。

このような状況で野党は労働、公共、金融、教育の4大改革の全てを反対した。

とりわけ労働改革に関して言えば、野党は組合側が改革の反対を訴えれば全く身動きが取れないほど無力だった。

グローバル企業と言われる大企業は政経癒着によって対外的なイメージが失墜し、その上検察の捜査が今も続いている影響で今後の経営戦略さえ立てられない状況だ。

9大グループのトップ全員が一度に国会の聴聞会に呼ばれるという前代未聞の事態も起こった。

1961年に設立された全国経済人連合会は権力者による強制募金の窓口となり、影響で今や解体に追い込まれそうな状況にある。

このように今年あったことを並べてみると「2016年は韓国の経済史から消し去ってしまいたい年」だと言っても決して過言ではないだろう。


中国、「元安相場防衛」米国債の最大保有国トップは日本へ

2016-12-30 15:13:35 | 日記
2016-12-30 05:00:00

中国、「元安相場防衛」米国債の最大保有国トップは日本へ

勝又壽良の経済時評
日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


エコノミック・ショート・ショート

中国にとって、米国債保有で1位の座にあることは、「愉快」なはずだった。

08年のリーマンショック以来、米国財政は大赤字を続けて大量の国債発行を余儀なくされてきた。

中国は、米国債の最大保有国として、陰に陽に「債権者」として高飛車に振る舞ってきた。

その中国も、人民元安相場を守るべくドルを使った関係上、米国債保有1位が10月末で途切れた。代わって日本が1位に浮上したのだ。



『ロイター』(12月15日付)は、「米国債最大保有国が中国から日本に、元安防衛で外貨崩し」と題して、次のように報じた。

この記事によって、中国は人民元相場安が続いているので、防衛のため米国債を売却して資金繰りを付けている実情がよく分かる。

昨年夏以降、人民元安を阻止すべく買い支えを続けてきたが、従来は手元資金で対応してきた。

それも限界を超え、「虎の子」の米国債売却に手を付けざるを得なくなった。中国が、経済的に追い込まれている実態が明白になった。



中国ではこれまで、米国への報復手段として米国債を売却すれば良い、とする話がよく出ていた。

その際、私はその非現実性を指摘してきた。確かに、中国が大量に米国債を売却すれば米債券市場は混乱する。

だが、中国自身も値下がりによる損失が及ぶのだ。



米国債の発行残高は市場で取引されているもので約14兆ドル。

このうち6兆ドル強を米国外の投資家が保有しているという。

日本と中国は、2カ国合わせて海外勢の持ち分の約4割を占める大口所有国である。

中国は、2008年8月に世界最大の米国債保有国となった。

ところが、2015年2月に為替介入のために米国債の持ち高を減らし、6年半ぶりに首位の座を明け渡したことがある。

それ以降、再び1位の座を守ってきた。それが、再度の陥没である。首位復帰は難しい情勢だ。人民元安相場が続いている結果である。



(1)「中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。

下落が続く人民元を支えるために外貨準備を取り崩しているからで、円安が進むのを好ましく思っている日本と正反対の事情が背景にある。

投資家は中国の米国債保有動向から目が離せない。

もしも大規模な売りがあれば、ただでさえ上がっている米金利に一段の上昇圧力が加わり、それがドル高/人民元安の加速をもたらしかねないからだ。

米財務省が15日発表したデータでは、10月の中国の米国債保有額が1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になったことが判明。

減少は5カ月連続で、10月までの1年間の減少規模は1392億ドルと12カ月ベースで過去3番目の大きさを記録した」。



10月末の中国の米国債保有額は、1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になった。減少は5カ月連続である。人民元安相場を買い支える資金として、米国債売却資金が充てられたもの。日本

はドル高円安を歓迎しているが、中国は人民元安が外貨資金の流出をもたらすために防止するという、真逆の関係にある。



この関係こそ、日中経済の実力差が遺憾なく現れている。日本は円安になっても外貨資金が流出する懸念はない。むしろ、日本株の高値を見込んで流入しているほど

だ。世界一の対外純債権を保有する日本が、ドル高でも微動だにしない底力を見せている。

中国はこれまで、人民元高を狙った投機資金(ホット・マネー)が流入して、外貨準備高を押し上げてきた。その人民元相場は先安予想となれば、先の投機資金は流出する。よって外貨準備高も減少するという流れになった。

従来の「中国経済万歳論」が、皮肉にもお手上げの「万歳」に直面している。



(2)「10月の日本の米国債保有額は1兆1320億ドル。

落ち込み幅は中国よりずっと小さかった。

2008~09年の金融危機以降、日本の米国債保有が中国を上回ったのは、これまで昨年2月のたった1カ月だけだった。

シンガポールのフォーキャストPteのエコノミスト、チェスター・リャウ氏は『中国は人民元相場維持のためにドル(資産)を売っているが、日本は円安を喜んで放置している』と指摘した。

人民元の対ドル相場は15日、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げと来年の想定利上げ回数の上方修正を受け、8年ぶり余りの安値に沈んだ」。



10月の中国の米国債保有額が、1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準。

日本の米国債保有額は1兆1320億ドルである。この日中の差は170億ドルである。

中国の減少は5カ月連続で、10月までの1年間の減少規模は1392億ドルにも上がっている。

この傾向から読むと、中国の米国債売却は今後とも続くと見られる。

すでに、中国経済の最盛期は過ぎた。その何よりの証拠がここにある。



中国が外貨準備高でピークを付けたのは、2014年6月の3兆9940億ドルであった。

この頃は、中国経済が最も輝いた時期である。

世界中が「中国詣で」をした。

競って、中国へ企業進出してきたのだ。

中国政府も「中華の夢」を大々的に語って見せた。

あれから2年半弱で、米国債保有1位の座も下りて、人民元相場安にかむ外貨資金流出阻止に全力を上げるという環境急変に見舞われている。「奢る者久しからず」だ。



(3)「こうした中でエコノミストによると、中国は保有米国債の削減を続ける見通しだ。

コメルツ銀行のシンガポール駐在エコノミスト、ゾウ・ハオ氏は『中国は人民元を守るために意識的に米国債保有を圧縮しており、この流れを止めるのは難しい』と述べた。

11月の中国の外貨準備は2014年6月のピーク時から9420億ドル減って、6年ぶりの低水準の3兆0520億ドルとなった。

この間、保有米国債を1110億ドル削減した。

人民銀行(中央銀行)は人民元支援に向けてさらに外貨準備を取り崩す公算は大きいが、同時に国外への資金流出対策として外貨準備をある程度維持しなければならないという困難なかじ取りを迫られている」。



中国政府は、有り余ると信じていた外貨準備高で、過去の栄光を取り戻せると錯覚していた。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)を創設した。

すでに、日米主導のADB(アジア開発銀行)が存在する。

その向こうを張って、中国経済圏づくりを始めたのだ。

「一帯一路」も壮大な開発プロジェクトである。中国国内の過剰生産(鉄鋼・セメント・アルミ・石炭など)の輸出ハケ口に狙ったものである。

こうして金融とセットにして、「中華の夢」を描いたが、肝心の外貨準備が減り続ける現実に遭遇している。「中華の夢」は、絵に描いた餅と化してきた。



戦前の日本が、「大東亜共栄圏」なる夢を描いた途端に戦況が傾いて水泡に帰した。

「中華の夢」も同じような流れである。「胴元」の中国が、外貨準備高で右往左往する状態では、とてもAIIBの求心力は保てないのだ。

「一帯一路」プロジェクトも、中国が「身銭」を切ってやらねば進むはずがない。

相手国から高い金利を取り立てるようなプロジェクトに、どこの国が乗るのか。

すでに、タイ政府が「ノー」を突きつけて実証済みである。

一時の「成金感覚」で始めたAIIBなどの新企画は、中国の外貨準備高の減少と共に低迷を余儀なくされる運命であろう。日本は、こうしたプロジェクトに参加せず命拾いした。



(4)「一部の市場参加者の見方では、人民銀行にとって外貨準備の3兆ドルが心理的に重要な節目になる。

もっともこのままドル高/人民元安が続くようなら、外貨準備が急減するリスクがある。

トランプ氏が中国の貿易政策や通貨政策を批判し、台湾と接触していることなどから、中国が報復的に米国債売りに出るのではないかとの懸念もある。

しかし中国政府の政策アドバイザーは、たとえ中国が米国に仕返しをしたいと考えているとしても、米国債売りは選択肢にならないと考えている」。



人民銀行にとって外貨準備高の3兆ドルが、心理的に重要な節目になるという。

となれば、今年の12月に3兆ドルを割る公算もある。

私は2兆5000ドル見当までは「心理線」にはならないとみるがどうだろうか。3兆ドル割れは、格好の話題に違いないが、週刊誌の話題止まりでないかと思う。



中国が、トランプ氏の「一つの中国論」への対抗策として、米国債売却で報復するとの見方はうがちすぎている。

中国自身も米国債売却による値下がり損を被るからだ。

一部のアナリストは、「こうした動きは、戦争に次ぐ最悪のシナリオと認識している」(『ロイター』12月13日付)と言うのはその通りだと思う。

あからさまな敵対行為であり、米中関係は決定的なひび割れになる。それこそ、中国は米国から全面的な経済的報復を受けるに違いない。



(2016年12月30日)

韓国大統領選:米誌「文在寅・李在明が当選すればトランプと衝突」

2016-12-29 13:51:33 | 日記
2016/12/29

韓国大統領選:米誌「文在寅・李在明が当選すればトランプと衝突」


朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

米外交専門誌、在韓米軍撤退の可能性を指摘

韓国の次期大統領選挙で最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表や京畿道城南市の李在明(イ・ジェミョン)市長が当選したら、

在韓米軍の経費問題でトランプ米次期大統領と衝突し、在韓米軍が撤退する可能性があるという寄稿文が、米国の外交専門誌「フォーリン・ポリシー」に掲載された。


 米国のシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」のマックス・ブート上級研究員は27日(現地時間)、フォーリン・ポリシー誌に掲載された「トランプ氏のアジア中心戦略」という寄稿文で、

「文在寅氏は左派、李在明氏は『韓国のトランプ』と呼ばれるポピュリスト(大衆迎合主義の政治家)だ。もし、

どちらか1人が大統領に当選し、トランプ氏が韓国の在韓米軍防衛費分担金を増やせと要求したら、韓国は米軍が(韓半島〈朝鮮半島〉から)去ろうとするのを止めない可能性がある。

駐韓米軍が撤退すれば、アジア・太平洋地域での米国の地位は下がるだろう」と述べた。


 ブート研究員はさらに、「朴槿恵(パク・クネ)大統領と日本の安倍首相は米国に好意的な人物で、

2人はトランプ氏の防衛費分担金増額要求を受け入れる可能性があるが、

朴大統領に対しては現在、弾劾手続きが進められている。

その後に続く野党の先頭走者が文在寅氏と李在明氏だ。

この2人は親米傾向があまりなく、北朝鮮とは対決ではなく和解を模索しようとする傾向がある」と評した。


 この寄稿文は、米国の次期トランプ政権と韓国の野党との間で亀裂が生じる可能性を指摘したものだ。

野党は早くも事実上、大統領選挙戦の火がついた状況で、路線の違いをはっきりさせるため相次いで北朝鮮に対して融和姿勢を見せている。

戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐっても、文在寅氏らが「配備を延期または見直しすべきだ」と主張しているのに対し、

トランプ氏に次期安全保障担当大統領補佐官に指名されたマイケル・フリン氏は「米韓同盟の象徴」として撤退する意思がないことを表明した。

その上、米共和党が北朝鮮問題に対して基本的に強硬な姿勢を取っていることを考えると、韓国の次期大統領選挙で野党が勝利し、「太陽政策」を復活させようとすれば、韓米間で衝突が起こるかもしれないということだ。


 ブート研究員は「トランプ氏が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を白紙に戻したことで、米国の太平洋地域に対する影響力は低下した。

トランプ氏は自分が同盟国に対して抱いている(防衛費分担金などへの)反感について考え直さなければならない」と言った。


ワシントン=趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員