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韓国大統領、徴用工「解決済み」と発言を修正

2017-08-26 10:41:19 | 日記

韓国大統領、徴用工「解決済み」と発言を修正

8/25(金) 22:33配信

読売新聞

安倍首相は25日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と電話で会談した。

 文氏は、1965年の日韓請求権協定で解決済みの「徴用工」の個人請求権が消滅していないとする17日の記者会見での発言を修正し、同協定で解決済みとの考えを示した。

 文氏は17日の記者会見で、「両国間の合意(日韓請求権協定)が個人の権利を侵害することはできない」などと述べ、元徴用工の日本企業への個人請求権が消滅していないとの考えを示していた。

韓国大統領府関係者によると、文氏は25日の電話会談で「この問題は韓日条約(日韓基本条約)で解決され、韓国政府も(元徴用工への)補償を行っている」と説明した。

 日韓請求権協定は両国の国交を正常化した日韓基本条約とともに結ばれた。

韓国政府はこれまで元徴用工の補償は請求権協定に基づいて日本が提供した資金に含まれているとの立場を示しており、文氏の電話会談での発言は韓国政府の従来の見解を踏襲する考えを表明したものだ。


韓国、「世界三大投資家」ロジャーズ氏が魅力ない国とバッサリ

2017-08-26 10:14:47 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2017-08-22 05:00:00

韓国、「世界三大投資家」ロジャーズ氏が魅力ない国とバッサリ

文在寅大統領に「失格通知」

朝鮮民族の「事なかれ主義」

 

ジム・ロジャーズ氏は、ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏と共に世界の「三大投資家」と呼ばれている。

そのロジャーズ氏が、韓国経済は投資する魅力のない国と切り捨てた。

私は、一貫して韓国経済のイノベーション能力」欠如を批判し続けている。

ロジャーズ氏からも同様の判断を聞かされると、韓国経済の将来に一層の不安を感じるのだ。

 

ジム・ロジャーズ氏とは、いかなる人物かを見ておきたい。

 初めての仕事は5歳のときのピーナッツ売りだったというから、子ども心に「ビジネスのコツ」を体得しているのだろう。

1964年に米エール大学を経て英オックスフォード大学へ留学。

奨学金で株式投資を行ったという。こうして、生粋の投資家としての経験を積んできた。1

970年代、ジョ-ジ・ソロス氏とともにヘッジファンドの先駆者となった。

 国際情勢、マクロ経済、金融政策、社会のトレンドなどによる需給の変化を徹底的に調査して投資対象を選び出す、「アカデミック手法」である。

1980年、投資稼業から引退して一時、コロンビア大学ビジネススクールの客員教授を務めたこともある異色の投資家だ。

 以上のような経歴が示すように、「投資家」という範疇を超えている。総合的に一国経済を調べる点で出色の存在だ。

そのロジャーズ氏が、韓国経済に投資魅力がないと「切り捨てた」のだ。韓国は、深刻に受け取らなければならない事態であろう。

 文在寅大統領に「失格通知」

『朝鮮日報』(8月12日付)は、「韓国はもはや投資の魅力ない国―ジム・ロジャーズ氏」と題して、次のように伝えた。

 ロジャーズ氏が、前述の通り国際情勢、マクロ経済、金融政策、社会のトレンドなどによる複合視点から判断して、韓国への投資魅力がないと言い切った。

(1)「有名投資家ジム・ロジャーズ氏は、『韓国は深刻な個人負債や所得の不均衡など、非常に危険な状況に置かれている』と韓国経済に対して警告した。

ソウル・鷺梁津にある考試村(大学入試・公務員試験の受験生用の勉強部屋を兼ねた簡易宿泊施設が多い地域)を訪れたロジャーズ氏は、『合格率が1.8%に過ぎない公務員試験に挑戦する若者たちの努力はすごいが、この現実は非常に残念だ。

若者たちに『挑戦』より『安定』を追い求めさせる社会では革新が起こりにくい』と指摘した。

そして、『韓国はアジア通貨危機の最中も躍動的だったが、今は少数の財閥に資本と権力が集中していて、官僚的・閉鎖的な経済構造に陥った。

(韓国経済は)否定的というよりも停滞している。これまでの20~30年間とは違い、韓国は今、躍動的ではない』と診断した。

また、『投資と技術革新を妨げる規制や個人負債を解決することが韓国経済の喫緊の課題だ』と助言した」

 ロジャーズ氏は、韓国の積年の病弊を鋭く指摘している。以下では、氏の発言を個別に取り上げ、コメントを付けたい。

 ① 「韓国は深刻な個人負債や所得の不均衡など、非常に危険な状況に置かれている」

 この点は、私のブログでも取り上げてきた点である。

家計債務が、個人営業を含めると対GDP比100%以上にも達している。

勤労者の約4分の1が個人営業であり、不安定な経済状態に置かれている。

元外交官が「うどん屋」を開業するとか、元裁判官が花屋を営むとか、日本人から見ると、「えっ」と思うようなことが起こっている。

再就職先がなかったのか。個人の趣味でやっているのか理由は不明だが、労働市場としての流動性が欠けていることは事実だ。

 労働市場が流動化されていれば、不本意でも定年まで務める必要はない。

労働市場の流動化で転職が可能になる。

労組が、終身雇用制と年功序列賃金制を「死守」する体制で動きがとれないのだ。

文政権も労働改革に踏み出す意向はゼロで、労組寄りの姿勢である。要するに、韓国の労働改革への動きは止まったままだ。

 ② 「合格率が1.8%に過ぎない公務員試験に挑戦する若者たちの努力はすごいが、この現実は非常に残念だ。若者たちに『挑戦』より『安定』を追い求めさせる社会では革新が起こりにくい」

 韓国では大学生が何年間も浪人して、公務員試験に挑戦するのが普通である。

これは、朝鮮李朝時代の公務員試験「科挙」の流れを汲むものだ。

「科挙」に合格すれば一生、安泰な生活が保障されていた。

これは、中国でも清朝時代まで続いていた行政試験である。

中韓は、儒教社会特有の「過去回帰型文明」である。

現代の共産党員は、「科挙」によって選抜された「高級」公務員と変わらない存在であろう。

誤解ないように言えば、中国でも公務員試験は行なわれている。

 ③ 「韓国はアジア通貨危機(注:1997年)の最中も躍動的だったが、今は少数の財閥に資本と権力が集中していて、官僚的・閉鎖的な経済構造に陥った。(韓国経済は)否定的というよりも停滞している。これまでの20~30年間とは違い、韓国は今、躍動的ではない」

 1997年のアジア通貨危機では、韓国も巻き込まれてIMF(国際通貨基金)の管理下に置かれた苦い経験を持っている。

その際、徹底的な産業再編成を行ない、企業合併が政府主導で強行された。

確かに、これにより財閥間での過当競争は消えたものの、企業の活性化が進まなくなった。

「イノベーション」(革新)の動機がなくなったのだ。これは、韓国経済にとって死活的な問題である。企業は、過当競争が消えて一定のマージンを維持できる。それに安住し過ぎたのだ。

 その典型例が自動車業界に見られる。

起亜自動車は1998年に経営破綻して現代自動車系列入りした、韓国第2位の自動車メーカーである。

現代自・起亜グループは、韓国の自動車市場で70%以上の市場シェアを持つ寡占状態をつくりだした。

これが、「労働貴族」と呼ばれる世界最強の労働組合を生み出し、ここ6年連続のストライキを行なっている。

ストライキは労働者の権利である。当然、批判には当たらない。

問題は、生産性を上回る賃金要求を実現し、企業の収益(営業利益率)が著しく悪化する事態に陥っていることだ。正常な利益すら維持できなくなれば、研究開発費支出にも響く。こうして、最終的に消費者利益を害する事態を迎える。

 韓国が、「労働貴族」という言葉を生むほどの最強労組を出現させた背景には、「事なかれ主義」という消極性が存在する。

労使関係の平穏ばかりを望む、独特の精神構造が横たわっているはずだ。

企業は、最後に労組の法外な賃上げ要求を受け入れてきた。これは、企業側の「事なかれ主義」に基づくものだ。

 労使関係の長期的な安定を得るには、一時的な労使関係の悪化も覚悟して、野放図な賃金要求を断固拒否すべきだった。

労組のビヘイビアを改善させることも必要である。これも、広義の「イノベーション」であろう。

韓国起業には、こういう積極性が存在しない。

「労働貴族」の出現が、韓国の経済や社会にいかなる弊害を及ぼしてきたか。その点について、思い至らないのであろう。

 朝鮮民族の「事なかれ主義」

「事なかれ主義」は現在、韓国政府にも顕著である。北朝鮮のミサイルと核の開発に伴う安全保障政策において、その対応遅れに現れているのだ。

 『朝鮮日報』(8月11日付)は、「韓国社会の油断が生む『異様』な平穏さ」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の論説委員である朴正薫(パク・ジョンブン)氏だ。

 このコラムでは、私が言うところの「事なかれ主義」に陥っていることを証明している。

米朝による緊迫した威嚇が応酬されている状況下で、韓国の大統領以下がのんびりと夏休みを取っていることに驚かされるのだ。

日本であれば、マスコミから批判の集中砲火を浴びるであろう。

こういう韓国政界要人の精神構造は、「何事も起こらないだろう」という消極的な期待感に裏打ちされているに違いない。

これぞまさに、「事なかれ主義」の極致である。

 (2)「韓国の平穏さは一種のミステリーとして定着しており、今では韓半島(朝鮮半島)で戦争の危機が高まるたびに、海外メディアからいつも同じように報じられている。

米国のトランプ大統領が『世界が見たこともないような炎と怒りに直面する』と述べ、これに北朝鮮が『グアムを攻撃する』などと応酬したが、昨日と一昨日、外信各社は先を争ってソウル市内の様子を伝えた。

米国のある新聞は『驚くほどだらだらしたソウル』などの言葉で市内の現状を伝えている」

 韓国では、日本の方が北朝鮮の動向にビリビリしていると冷笑している。

安倍首相が、北朝鮮問題を大げさに扱い、軍備拡張の理由にしていると言った報道まで出ている。

韓国では、北朝鮮が同じ朝鮮民族であることから韓国に非道なことをしまい。

そういう合理性のない前提を置いているのだろう。

ならば、朝鮮戦争はなぜ起こったのか。北朝鮮の侵略であるからだ。

要するに、合理的に物事を判断する能力に欠け、情緒的に物事を見る習慣ができあがっている。「感情8割、理性2割」という韓国人独特の思考回路が、事態の正確な認識を妨げている。

 (3)「識者の多くは、『安全保障を米国に依存した状態が長く続き、また20年以上にわたる緊張状態のためこれにも慣れてしまい“戦争など起こるわけがない”という一種の現実逃避心理が形成された』などと指摘する。

数年前に行われた世論調査によると『有事の際に逃げ込む避難所を確認している』と答えた韓国人はわずか1%だった」

 日本でも「平和ボケ」と言われる層が存在する。

口で平和主義を唱えていれば、平和が自然に実現できると考える人々である。

平和を実現するには、合理的・積極的な平和主義が前提にある。

韓国では、日本以上に「米国が駐留しているから大丈夫」と安心しているのだろうか。

ならば、THAAD(超高高度ミサイル網)も積極的に導入して、安保体制を確固たるものにすべきだが、そういう行動は取らない。

韓国は、口先だけの平和主義者が充満している。文政権も厳密に言えば、ここに分類されている。

(4)「韓国の政治家たちのDNAには『油断遺伝子』が組み込まれているという。

目前に危機が差し迫っても『まさか』と思い続けて結局、全てを失ってしまうのだ。

壬辰倭乱(文禄・慶長の役)が起こる直前、当時の朝鮮王・宣祖は『倭国(日本)が侵略するかも知れない』との報告を黙殺し、国全体が火の海になった。

6・25戦争(注:朝鮮戦争)が起こった日の朝、当時の李承晩(イ・スンマン)大統領は景福宮内の慶会楼で釣りをしていた時に戦争の報告を受けた。

以前から38度線周辺で何度も小さな衝突が起こっていたため、警戒心が薄れてしまったのだろう」

 韓国の政治家には、「油断遺伝子」があると指摘している。

これは、「感情8割、理性2割」という韓国社会共通の現象のはずだ。

政治家だけが特殊の遺伝子を持っている訳でない。物事を理詰めに考えれば、韓国政府が安保問題で最悪事態を想定して行動することが不可欠であろう。

そういう「万一に備える」ことのない韓国政府は、「最悪事態は起こらない」という消極的現実肯定主義者になっている。

 北朝鮮も、底に流れている精神は同一の「事なかれ主義」と見る。

中国は、北朝鮮がいくらミサイルや核を開発しても、最終的にそれを受け入れるだろう。

「血の同盟関係」があるからだと信じている。

米軍も先制攻撃しまい。韓国に多大な被害が出るので、米国は最後に、米朝の交渉テーブルに着く。そう見ているに違いない。こ

れも、消極的現実肯定主義の現れだ。

 (5)「米国と北朝鮮の対立が本格化する中、韓国政府は今完全に休暇の雰囲気だ。

李洛淵(イ・ナクヨン)首相や金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官らはすでに休暇に入った。

ある閣僚は、『休暇は率先して楽しむ』と言った。

もちろん誰でも休むべき時は休まねばならないが『なぜ今?』という疑問の声も相次いでいる。

すでに形骸化していた民防衛訓練も10カ月にわたり中断している。

韓国大統領府はつい先日、『韓半島危機説には同意しない』とコメントした。まさかの事態に備えるのは政府の仕事だ。政府だけは油断していないことを信じたい」

 韓国の「安保鈍感主義」が、遡れば朝鮮戦争を招いた遠因であろう。

まさか、同じ民族の北朝鮮が、韓国へ攻め込んでくるはずがない。

そういう思い込みが、北朝鮮の侵略を許したのだ。

「共産主義」という軍事優先主義国家への警戒感が足りなかった結果だ。

思想は人間を変えるものである。「赤化主義」という懐かしい言葉を思い出した。

共産主義には、常に他民族を巻き込んで勢力拡大を狙う野望が秘められている。

中国や北朝鮮が「牙」を剥くことは、常に想定しておくべき必須マターである。

哀しいことながら、これが現実世界の常識である。平和は、合理的・積極的な平和主義によって守られるものである。天から降ってくるものではない。

 

(2017年8月22日)


日本外相「文大統領の徴用被害者発言に抗議」…「訪韓しない」

2017-08-26 10:01:09 | 日記

日本外相「文大統領の徴用被害者発言に抗議」…「訪韓しない」

8/26(土) 7:38配信

ハンギョレ新聞

 

河野太郎日本外相

産経新聞「河野外相、当分訪韓保留」報道 隣国での会議に日本外相の不参加は「異例」

 河野太郎外相が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の強制徴用被害者請求権発言に抗議する次元で、8月29日~9月1日に釜山で開かれる「東アジア-中南米協力フォーラム」外相会議に参加しないと産経新聞が25日報道した。

 同紙は複数の日本政府関係者の話を引用して、河野外相が今月7日、フィリピンで開かれたASEAN地域安保フォーラム(ARF)で韓国のカン・ギョンファ外相に強制徴用者問題に関する韓国政府の対応に抗議したと伝えた。

だが、文大統領が17日、三菱など日本企業に対する被害者の損害賠償請求権は生きているという立場を明らかにすると、河野外相が訪韓を「当分保留」したと報道した。

同紙はこれに先立って韓国政府が招請状を送ったとし、「隣国で開催される会議に日本の外相が参加しないのは異例」と伝えた。

 強制徴用者問題が1965年の両国政府間による韓日請求権協定ですべて解決されたと主張する日本は、文大統領の発言に対して韓国政府に抗議したことがある。

21日には日韓議員連盟日本側代表団を率いて訪韓した額賀福志郎会長が文大統領に「強制徴用被害者関連発言に対して日本で憂慮する国民が多い」と話した。

 


他人のせいにする韓国 反転できる要素見当たらぬと大前研一

2017-08-21 10:39:17 | 日記

他人のせいにする韓国 反転できる要素見当たらぬと大前研一

2017.04.30 07:00

NEWSポストセブン

韓国経済はかつて、「日本を追い抜く」「世界を牽引する」と喧伝された。それが今、苦境に喘いでいる。なぜ韓国は、経済の面で先進国になりきれないのか? 大前研一氏が解説する。

 * * *
 一般的に1人あたりGDPが2万ドルを超えると中進国、3万ドルを超えると先進国とされる。

だが、3万ドル経済に向かおうとする中進国は、しばしば為替や労働コストが高くなって競争力を失い、3万ドルに近づくと落ちるという動きを繰り返す。これが「中進国のジレンマ」だ。

 韓国経済も、調子が良くなるとウォンや労働コストが高くなり、そのたびに競争力を失って落ちるという悪循環に陥っている。

韓国が「中進国のジレンマ」から抜け出せない最大の理由は、イノベーションがないことだ。

 では今後、韓国は何らかのイノベーションによって「中進国のジレンマ」から抜け出せる日が来るのだろうか?

 残念ながら、当面は難しいだろう。

なぜなら、戦後日本は財閥解体で従来の秩序が崩壊して経済にダイナミズムが生まれたが、韓国は未だに財閥支配で縦方向の秩序が固まっているからだ。

 その秩序を壊してイノベーションを起こすためには、松下幸之助氏や本田宗一郎氏のような学歴がなくてもアンビション(野望)のある起業家が必要となる。
 
 しかし、韓国は極端な学歴社会だから、アンビションを持っている人でも、いったん受験戦争に負けたら這い上がることが難しい。つまり、イノベーションが起こりにくい硬直した社会構造なのである。

 また、受験戦争に勝って財閥企業に入った人たちも、ファミリー企業なので出世に「ガラスの天井」があるし、近年は45歳くらいでリストラされるケースも多く、すんなり定年までエリートの道を歩むことが難しくなってモチベーションが低下している。

どこをどう切っても、反転できる要素が見当たらないのだ。

 韓国の根本的な問題も指摘しておかねばならない。それは自分たちの問題を何でもかんでも日本のせいにする、ということだ。

日本が高度成長した時に我々は朝鮮戦争で発展が遅れてしまった。

その原因は日本の植民地支配だ。そういう“エクスキューズ(言い訳)文化”だから、自分たちも努力すれば日本に追いつき、追い越すことができるという発想が生まれにくい。

ここが同じく日本の植民地だった台湾との大きな違いである。

 台湾の場合は“ノーエクスキューズ文化”である。

は韓国にも台湾にも200回以上行っているが、台湾で日本の植民地支配のせいで発展が遅れた、などと言う人には会ったことがない。

それどころか、台湾の人たちの大半は、日本のおかげでここまで成長できた、と感謝している。

 そういう姿勢で素直に日本に学んできたから、サムスンをはじめとする韓国企業が壁にぶち当たって突破できないでいる一方で、

鴻海精密工業や半導体受託生産企業のTSMC(台湾積体電路製造)、「格安スマホの仕掛け人」と言われる半導体メーカーのメディアテックといった台湾企業はますます世界を目指して成長し、新しい企業も続々と誕生している。

 韓国は日本をエクスキューズに使っている限り、前に進めないと思う。

自分の中に成長できない理由を見つけ、それを乗り越える努力をしなければ、「中進国のジレンマ」から抜け出して先進国になることはできない、と思い知るべきである。

※SAPIO2017年5月号

 

文在寅政権になっても「財閥の呪縛」が続く韓国経済の悲哀

2017-08-20 17:12:37 | 日記

文在寅政権になっても「財閥の呪縛」が続く韓国経済の悲哀

加谷珪一(経済評論家)

  韓国大統領選は事前の予想通り、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選した。
 
文氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の側近だった人物であり、盧氏と同じく人権派弁護士出身である。
 
文氏の経歴などを考えると、文氏の政権運営は、盧武鉉時代の再来となる可能性が高い。
 
本稿では主に経済面に焦点を当て、文政権の政策と日本への影響について考えてみたい。
 
 今回の大統領選は、文氏と野党第二党である「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏による事実上の一騎打ちとなった。
 
実はこの2人は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が当選した前回(2012年)の大統領選でも熾烈な争いを演じている。
 
両氏は野党候補として立候補を表名したが、候補者一本化のため、安氏が出馬を断念した。
 
 安氏はIT起業家として成功した人物で、政治不信が著しいといわれる若年層からの支持が厚いとされてきた。
 
出馬を表明してから支持率が急上昇したものの、結局は息切れし、文氏にリードを許す結果となった。
 
現代の若者の意識を体現しているであろう安氏が2度にわたって勝利できなかったという事実は、韓国社会を理解する上での重要なポイントとなる。
 
 よく知られているように韓国経済は財閥とその関連企業に大きく依存している。
 
中でも携帯電話など電子機器で圧倒的なシェアを持つサムスン電子の存在感は極めて大きい。
 
サムスン電子の2016年12月期の売上高は約202兆ウォンであり、同社が生み出した付加価値は約82兆ウォンに達する。
 
同じ年の韓国におけるGDPは1637兆ウォンなので、サムスン1社で全GDPの5%を生み出している計算になる。
 
これに加えて財閥の関係会社や下請け企業が重層的な産業構造を形成しているので、韓国経済に対する財閥の影響力はさらに大きい。
 
 極論すると現時点では、サムスンの経営が好調であれば韓国経済も成長し、サムスンがダメになれば韓国経済も下降するという図式になっている。
 
リーマンショック後、世界経済の不振が続いたにもかかわらず、韓国が何とか成長を維持できたのはサムスンの競争力のおかげである。
 
だが、経済運営が財閥に依存しているということは、国内のマネー循環も財閥中心になるということを意味している。
 
経済が好調で財閥やその関係会社が潤っても、その恩恵はなかなか全国民にまでは回らない。
 
韓国では格差が常に社会問題となっており、これが時に激しい感情となって政治を左右する。
 
現代的でソフトなイメージを持つ安氏よりも人権派弁護士である文氏が勝つのは、弱者のための政策を国民が強く望んだ結果である。
 
 では、文氏は反財閥的で左翼的な政権運営に邁進するのかというと、おそらくそうはならないだろう。
 
先ほど筆者は、韓国は格差社会であると書いたが、日本でイメージされているほど韓国の格差は激しくない。
 
 2016年における韓国の1人あたりのGDP(国内総生産)は約2万8000ドルと、徐々に日本に近づいている(日本は3万9000ドル)。
 
11年における韓国の相対的貧困率(OECD調べ)は14.6%となっており、16.0%である日本よりもむしろ良好だ。
 
また、社会の格差を示す指標である「ジニ係数」を見ても、韓国は0.307、日本は0.336とほぼ同レベルとなっている。
 
高額所得者による富の独占についても同様で、所得の上位10%が全体に占める割合は、韓国は21.9%、日本は24.4%とあまり変わっていない。
 
 韓国は欧州各国と比較すれば、かなりの格差社会ということになるが、日本と比較した場合、それほど大きな差ではないというのが実情である。
 
確かに韓国では格差問題は重要な政治テーマだが、それは財閥という一種の特権階級に対する反発というメンタルな部分が大きい。
 
日本において格差解消や弱者救済が具体的な政策になりにくいのと同様、韓国でも急進的な格差是正策がスローガンとして掲げられることはあっても、現実的な施策にまでは至らないことが多い。
 
 これは盧武鉉政権が格差是正という急進的スローガンを掲げながらも、財閥という韓国経済の基本構造に手をつけなかった(あるいは手をつけられなかった)という事実からもうかがい知ることができる。
 
 一般的に盧武鉉政権は経済運営で失策が続き、これが企業出身である李明博大統領の誕生につながったと言われているが、必ずしもそうとは言い切れない。
 
盧武鉉時代の後半はウォン高が進み、輸出に依存する財閥の経営が苦しくなったが、李明博政権では為替はウォン安に転じ、これが経済を下支えした。
 
続く朴槿恵政権も同様である。
 
李明博政権以後、韓国の輸出は急激なペースで伸びており、2016年の輸出額は約66兆円と日本(約70兆円)に迫る勢いとなっている。
 
これはサムスンなど財閥企業の業績が好調であることに加え、ウォン安がかなりの追い風となっている。
 
韓国経済は結局のところ、政治的イデオロギーよりも財閥の経営状態と為替に左右される部分が大きいわけだ。
 
文在寅政権は、盧武鉉政権と同様、格差是正や反財閥を掲げながらも、経済的には従来と同じ路線を継続する可能性が高い。
 
北朝鮮政策がどうなるのかという政治的側面を除外すれば、今後の韓国経済を左右する要素は、為替と米国経済ということになる。
 
 日本と韓国を比較した場合、日本企業の方が高付加価値の製品を作っている割合は高いものの、基本的なビジネスモデルは類似している。
 
日本や韓国は基幹部品を製造・輸出し、アジアや中国で製品として組み立て、最終的には米国市場で販売する。
 
トランプ政権の経済政策が効果を発揮し、米国の好景気が続けば、韓国経済もそれなりの水準で推移することになる。
 
トランプ氏が掲げる減税とインフラ投資が実現すれば、理屈上、ドル高が進むので、これは韓国経済にとって追い風となる。
 
リスク要因としては、やはり日本と同じく金利上昇ということになるだろう。
 
 
 日本の場合、金利上昇の影響を受けるのは政府債務だが、韓国の場合には家計債務である。
 
韓国は、政府の財政状況は良好だが、家計債務の比率が極めて高いという特徴がある。
 
 ここで金利上昇が進むと家計の収支が苦しくなり、これが内需の低迷をもたらす可能性がある。
 
低所得層のローン返済が滞れば、金融危機が発生するリスクもゼロではない。
 
結局のところ、日本も韓国も、トランプ政権に左右されてしまうという点では似たような状況にある。