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韓国の若者がこぞって「公務員」を目指す事情 「希望」を失いつつある若者世代の閉塞感

2017-06-29 14:09:40 | 日記
韓国の若者がこぞって「公務員」を目指す事情 「希望」を失いつつある若者世代の閉塞感

東洋経済オンライン


午前中の授業が終わると、塾の建物から生徒がどっとあふれ出てきた。韓国で通称「公試族」と呼ばれる、公務員試験を目指す受験生(公務員試験準備生)たちだ。

「族」という言葉が表すように公務員人気は絶大だ。

2016年の韓国の就業準備生(65万8000人)のうち一般職公務員を目指す受験生は、全体の39.3%(25万6200人)にも上る(韓国・統計庁のデータ)。

一般職公務員の志望者は増加の勢いもすさまじく、2011年の18万0500人と比べると5年間で38.9%も増えている。

韓国の公務員は、9級、7級(一般公務員など)、5級(事務官級など)に分かれていて、9級公務員の志願者は約22万人と圧倒的な人気で、競争率が数百倍になる職種もある。

2年前には、韓国トップの難関大学であるソウル大学出身者が自身のSNSに「9級に合格した」と書き込むと、「9級にトップ大学出身者が参入してきた」と騒然となった。

これほど公務員に人気が集まる背景には、若者の深刻な就職難がある。

韓国新政権は、深刻な就職難を変えられるか

文在寅大統領も力を入れるのがこの若年層における就職難の解決で、5月10日に就任して早々、矢継ぎ早に政策を繰り出している。

就任初日に真っ先に指示したのも「働き口委員会」の設置で、これは公約の第1号である公共部門での「81万個の働き口創出」に基づくもの。

その後の5月末にも、警察官や消防員などの分野での公務員採用枠を今年の下半期(7月)から合わせて1万2000人増やすと発表した。

続いて6月末には、公務員試験では2005年から導入されている採用試験での「ブラインド採用」(面接試験で年齢、出身、学歴などを記載しない)について、

電力公社や鉄道公社などの公共企業でも下半期から始めることを決定し、さらには、公共企業で働く非正規職員をすべて正職員にする「非正規ゼロ」を宣言。

公共企業を突破口にして、雇用状態の改善を一般企業にも広げていく狙いがあるとみられている。


韓国の15歳から24歳の失業率は10.7%と日本の5.2%の約2倍(OECD2016年)に上り、勤労者全体に占める非正規職員の割合は3人に1人といわれる。「

肌で感じる"体感失業率"はもっと高いし、非正規職問題も年を追うごとに深刻化しています」と韓国の全国紙記者はいう。

「就職難が叫ばれてずいぶん経ちますが、大手企業は相変わらず狭き門。

どんなにスペック(資格など)を積み上げても思うような企業には就職できず、やむなく非正規職で働いても正社員になれる見込みはなく、未来がない。

文大統領が若年層から圧倒的な人気を得たのは、就職難を悪化させた前政権の悪弊を清算するという『積弊清算』のスローガンと働き口改善の公約を前面に押し出していたから。

今はそれを政策に落とし込んでいる段階です。効果が出るのは少し先でしょうが、今のところ政策については若年層を中心に歓迎するムードが漂っています」

こうした状況の中、数年前から人気が上昇したのが公務員だった。

塾の関係者は公務員人気の背景についてこう話す。

「長引く不況による就職難で、民間企業への入社をあきらめて公務員試験に挑戦する人が増えているだけでなく、若者たちの働くことへの意識も変化しています。

残業などでストレスの多い民間企業を最初から避ける傾向が顕著になってきています」。

公務員の魅力はどこにあるのか

また、「公務員は年金はもちろん、大企業並みのさまざまな福利厚生も得られます。

しかも一般企業の場合、50歳前に役員に昇進できなければほとんどが会社を退社せざるをえませんが、公務員なら60歳の定年を迎えるまで雇用が保障されるというその安定性に魅力を感じているようです」。

2013年(李明博元大統領時代)には、高校卒業者に有利なように、

試験科目に大学での専攻科目の行政学や行政法のほか、高校教育で学ぶ社会、化学、数学が加わり、このため、高校卒業者の志望生がぐんと増えたという。

さらに、2012年には公務員試験を受ける年齢制限が廃止されたことから、最近では30~50代の「公試族」も出現している。

実際に今年、58歳の合格者が出たことで、話題も呼んだ。

しかし、「公試族」は増加しても、公務員の採用枠はそのまま。

そのため競争倍率は高まる一方で、公務員試験準備生の中で合格する割合は、わずかに2%ほどだ。

文大統領が警察などの分野で公務員採用枠を広げると発表した背景には、こんな過酷ともいえる公務員試験の現実がある。

「公試族」を象徴する街が「鷺梁津(ノリャンジン)」だ。ソウル市内中心部から電車で20分ほど。

ここの水産市場はソウル随一といわれ、かつては大学入試のための塾が集まる街としても知られた。

それが激変したのは2000年代半ばからで、大学入試に代わって公務員試験のための塾が次々と開校した。

この一帯には、「公試族」が住む考試院とよばれる自炊ができるアパートのほか、若者好みの飲食店やカラオケ店、ビリヤード店なども軒を連ねている。

ちなみに、考試院の「考試」は司法試験などの国家公務員上級試験のことだ。

公務員試験を受ける人たちに話を聞こうと、塾から出てくる生徒に声をかけたが、皆忙しそうに首を振って、けれど丁寧に一礼して足早に立ち去って行く。

「ほんの少しなら」とようやく話をしてくれたのは、この街に来て1年という男子学生の李さん、28歳だった。

考試院でアルバイトをしながら勉強しているという。警察官志望だという李さんは韓国第4の都市、大邱(テグ)の出身だ。

「本当は弁護士になりたかったんですが、3年がんばったけれどだめでした……。

一般企業に入社するには年齢が不利ですから、それなら警察の知能犯罪科で働ければと思い、勉強しているところです。

親にはもう迷惑もかけられないので、考試院の費用だけでも負担しようと思い、アルバイトしながら勉強しています」

公務員試験の受験生が住む「考試院」

考試院は自炊できるアパートで、トイレ・シャワー、台所は共同。ひと月の家賃は20万~40万ウォン(2万~4万円)ほどだ。

考試院でのアルバイトは、電話の応対や新しい入居者との手続きなど。地方出身者がまず住居を探すのが、塾が立ち並ぶノリャンジンだという。

ただ、最近ではほかの街で住居を探す人も多いようだ。

ノリャンジンで塾近くに店を構える飲食店経営者は「ここは誘惑も多いから、意志が弱いと流されてしまう。

何人かで固まって遊んでいる子も多いですよ。だから、わざわざ別の場所に住居を探すのでしょう」と話していた。

ノリャンジンを歩き回ってみて、1人で黙々と行動する人が多い印象があった。

なるほどそんな事情もあったのかと思っていると、李さんは、「準備生は、同じ境遇ですが、みなライバルで一分一秒が惜しいのです。

だから過度に敏感になっていて、スタディルーム(自習室)で少しでも音を出すとクレームが来ます」と教えてくれた。

韓国のことわざで言うところの「天の星をとる」ような難関を突破した合格者にも話を聞いた。

2年前に公務員試験に合格した30歳の女性、呉さんは、ソウル市内の大学を出た後、6年間、公務員試験の受験生活を送った。それでも、呉さんが公務員にこだわったのはこんな理由からだ。

「女性にとって、定年が保障されるだけでなく、育児休暇もとれるなど福利厚生も厚い職業のひとつが公務員でした。

中小企業に就職した友人もいますが、残業やきつい仕事に追われているのにお給料は低いし、育児休暇もなかなかとれないとぼやいています。

公務員ならばそういう悩みはありません。それに公益のために働けることにも魅力を感じました。

最初の1~2年目くらいまでは民間企業に入る選択肢もまだ残されていましたが、それ以降は年齢がネックになりましたし、勉強していた時間を無駄にしたくなかった」

ソウル出身の呉さんだが、ノリャンジンにある塾には通わず、塾が運営しているインターネット講座を自宅で聞いて勉強した。

塾ではインターネット講義も運営していて、移動時間がもったいないという理由やリアル授業よりも価格が低廉なために、利用する生徒も増えている。

呉さんの6年という受験期間の中でいちばんつらかったのが「未来が不確実だという不安」だったという。

そんな呉さんは机に幼い頃の写真を置いて気持ちを奮い立たせたそうだ。

「何年も就職浪人してしまい両親に申し訳ない思いでした。私が幼い時に両親は私にどんな思いを託していたのだろう、きっと幸せであることを望んでいただろうと、幼い時の写真を見ながら自分に言い聞かせていました。

公務員試験の勉強に費やす時間を、絶対に無駄なものではなく、自分に投資した時間にするためには合格しなければいけないと思って勉強しました」。

念願かなって公務員になった彼女は、今の環境にとても満足しているという。

呉さんのように晴れて合格できた人もいるが、そうでない人のほうが圧倒的に多いのが現実だ。

前出の李さんが言う。「『公試族』は他につぶしがきかないですから、結局、時間を浪費して引きこもりや世捨て人のようになってしまう人もいます。

そんな不安も抱えながらみんな勉強しています」。

李さんには、5年間司法試験の受験生をして、結局あきらめた先輩がいたが、「最近どうしているかなあ、と連絡をとってみたら、なんと『アパート経営者になった』と言うんです。

僕のように考試院でアルバイトしていたら、そこの経営者に「君には資質がある」と言われたそうです。

それでその気になり、アルバイトで貯めたおカネに加えて、親からも借金して小さな考試院を建てて、その経営者に収まったそうです。

人生わからないなあ、と思いました。あっ、でも、僕はやはり公務員になりますよ(笑)」。

悩みが深まるばかりの韓国の若者世代

韓国では、2010年代初頭には、就職ができないため「恋愛」「結婚」「出産」ができない20~30代を「3放(放棄)世代」と言っていたが、やがて「就職」「家」もあきらめた「5放世代」となった。

それが最近ではついに、長い就職浪人で友人とも連絡を絶つなど「人間関係」をあきらめ、「希望」も捨てた「7放世代」とまで呼ばれるようになった。

若者の閉塞感が深刻であり、改善されるどころか悪化してさえいることが伝わってくる。

先の呉さんは言う。「文在寅大統領の政策が一般企業にも広がって、こんな言葉がなくなるといいのですが……」

ただ、民間企業も視野に入れた非正規職の縮小など、文大統領の政策に一般企業は困惑ぎみという報道も流れる。

将来に強い不安を抱く若年層からの期待を集める文大統領だが、実際に就職難などの問題は改善されるのか。

少なくとも、政策に関する評価は早ければ今年下半期にも表れる。

【米韓首脳会談】トランプ氏別荘には招待せず

2017-06-28 17:27:48 | 日記
2017.6.26 09:43更新

【米韓首脳会談】

トランプ氏は文在寅氏を「値踏み」へ 対北朝鮮政策など連携に疑念、別荘には招待せず

【ワシントン=黒瀬悦成】

トランプ米大統領にとって、韓国の文在寅大統領との初会談は、

米国の安全保障上の最大懸案である北朝鮮の核・ミサイル開発問題や貿易問題の解決で

「信頼に足るパートナー」になり得るかを「値踏み」する機会となりそうだ。

北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を深刻視するトランプ氏は、

文政権が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備について、

環境影響評価が完了するまで本格運用を先延ばしする方針を明らかにしたことに強い懸念を抱いている。

また、安倍晋三首相と中国の習近平主席が先の訪米でフロリダ州パームビーチにあるトランプ氏所有の会員制リゾート「マールアラーゴ」に招かれたのとは対照的に、

米韓首脳会談がホワイトハウスに設定され、「実務対話」としての性格が強調されたことも、トランプ氏が文氏に対して抱く「疑念」の一端が透けてみえる形となった。

トランプ氏としては、対北朝鮮などで「日米同盟重視」をいち早く打ち出した安倍首相や、北朝鮮への経済的圧力強化を約束した習主席のように、文氏が米国との「連携強化」を明確に表明することを期待する。

トランプ氏はさらに、本来は韓国防衛が目的のTHAADの本格運用に水を差すような言動の真意を問いただす構えとみられる。

一方、2016年に270億ドル超となった米国の対韓貿易赤字の問題でも、是正に向けた取り組みを文氏に確約させたい考えだ。

【日韓】「両国とも関係改善を望んでいない」~木村幹、神戸大教授インタビュー

2017-06-27 17:53:46 | 日記
2017年06月07日18:36

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【日韓】「両国とも関係改善を望んでいない」~木村幹、神戸大教授インタビュー

4強外交の中で最も難しい懸案に選ばれるのが対日外交だ。

ムン・ジェイン大統領は安倍晋三総理にシャトル外交を提案し、関係改善の意志を表わしたが、韓日日本軍慰安婦合意と独島(ドクト、日本名:竹島)領有権問題など外交課題が山積している。

安倍内閣はムン・ジェイン政府で韓日関係をどのように眺めているのだろうか?日本で韓半島専門家として知られた木村幹(写真)神戸大学教授を取材した。

木村教授は自民党で韓日関係に対する講演をするなど日本政治家たちの対韓外交諮問の役割を果たしている。


▲木村幹、神戸大学教授

●安倍内閣はムン・ジェイン政府での韓日関係をどのように眺めているのか?

○安倍総理と韓日関係を分離して考える必要がある。安倍とその側近らはムン・ジェイン政府を信用するのは難しいと見ている。

ムン大統領の特使団が安倍総理に会った時、慰安婦問題をめぐる異見もあったし、ちょうど独島(日本は竹島と主張している)問題もあったので第一印象が良くなかった。

しかし、それ以外に協力できる領域が広いから円満な関係を維持しようとするだろう。

北朝鮮問題で互いに情報を交換する必要もあり、対話を持続しようとするだろう。

特に外務省次元で協議を持続するものと見られる。他の所で聞いた話だが、安倍とその側近らは外国で韓国と対話するのは好きでないという。

パク・クネ前大統領がバラク・オバマ米国大統領と安倍総理との3者会談で無視する行動を見せたこともあって、国際社会で日本を非難する形で韓国が外交を広げる可能性があり、対話を敬遠していると聞いた。

●ムン・ジェイン大統領は韓国国民大多数が感情上韓日慰安婦合意を受け入れずにいると明らかにした。

安倍総理がこれについて理解するというジェスチャーを送ったと理解している。

安倍内閣の本心はどうだと考えるのか?安倍内閣が合意補完に出る可能性があると評価するか?

○日本外務省にも「コリアスクール「(Korea school)があるが、今、直ちに日本総理官邸は韓日関係が悪くなってもかまわないという立場だ。

外務省は現場にいるから韓日関係の重要性を知っている。そして慰安婦問題をめぐっては韓国なりに国内問題がありえると考えている。

しかし、日本政府の立場では確実に再度議論するインセンティブはないと考えている。

●最近、日本の対韓イメージが急激に悪化した。韓国は韓日関係悪化が慰安婦合意をしても「真の謝罪」をしない日本の表裏不同を原因に選んでいる。

日本政界は何を韓日関係悪化の原因に選んでいるのか?

○韓国は慰安婦問題が韓日関係悪化の原因と見るが、日本には「韓国幻滅」気流で悪化した部分もある。

なぜそうなったかといえば、韓国外交ラインが相手国を非難する外交を広げてきたためだ。

外交は知られているように円満な関係を維持しながら意見を調整する業務だ。

毎度非難だけ行えばいくら相手国が誤りの有無を別にしても対話したくないはずだ。

そのため、接近法を再考する必要があると考える。

韓日両国が重要な隣国であることを知っているが、あえて関係を改善しなければならない必要性が感じられない。

慰安婦問題も重要だが、その問題にはまっていては円満な韓日関係を通じての外交的に重要なことが何か分からなくなる。

韓日関係がなぜ重要なのかに対する説明が必要な状況だ。

韓日メディアの報道姿勢も懸念として残る。韓国と日本のメディアはどちらも両国関係を揺さぶる報道ばかりを多くしている。

相手国に対する報道内容を調べればとても攻撃的だ。韓国の読者は日本に、日本の読者は韓国に先入観を持つほかない。

●韓国に望むことがあれば?

韓国は倫理、道徳を非常に重視する国だ。

「正しい国」、「国らしい国」という文句は韓国国民の道徳的目線が高いことを見せる。

だが「正しい」という表現は言い替えれば一つの基準だけを適用するということだ。

良い点もあるが国際関係に適用するには狭い見解になりかねない。

他の国家の道徳性を問題視し、非難を加えたら問題が解決するわけではない。他の戦略も苦慮すべきと考える。

ムン・ジェヨン記者

ソース:ヘラルド経済(韓国語) [木村幹教授インタビュー]「韓日全部関係改善望まなくて」(一部抜粋)

http://biz.heraldcorp.com/view.php?ud=20170607000052

「脱原発」「脱石炭」に走る韓国、文政権はアンチ・ビジネスか

2017-06-27 17:18:29 | 日記
2017.6.13 05:30更新

【経済裏読み】

産経

「脱原発」「脱石炭」に走る韓国、文政権はアンチ・ビジネスか

韓国がエネルギー政策の転換に向けて動き出した。

「脱原発」の方針を掲げて当選した文在寅大統領の意向を先取りして、原発運営会社、韓国水力原子力が建設予定の2基の原発の設計を中断。

文氏は、深刻な大気汚染を軽減するために老朽化した石炭火力発電所の閉鎖に踏み切る方針だが、電力の安定供給への懸念はくすぶっている。

雇用拡大と所得分配の見直しを重視する文政権の「Jノミクス」には、アンチ・ビジネスの印象が深まっている。

石炭火力発電所を停止

先月15日、文氏は石炭火力発電所8基を6月から1カ月間、停止すると発表した。対象は稼働から30年以上たった老朽石炭火力発電所だ。

5月は、中国やモンゴルから飛来した黄砂の影響で、大気中の粒子状物質の濃度が跳ね上がるシーズンで、8基の停止で「PM10」の発生が1~2%程度、低下させられるという。

停止を発表したのはソウルの小学校で、大気汚染による子供への健康被害対策としての意味を強調するためとみられる。

来年以降は、3~6月に老朽火力発電所を停止させる計画だ。

聯合ニュースによると、稼働中の石炭発電所は計59基で、うち10基が稼働してから30年以上が経過している。

文氏は、政権任期中に10基を閉鎖する一方で、液化天然ガス(LNG)燃料や二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーに切り替える考えだ。

文氏は、韓国世論を背景に打ち出した大気汚染対策にまっしぐらだが、発電コストの増加は避けられそうにない。

韓国の発電供給量に占める原発・石炭の依存度が7割に達する中、再生可能エネルギーへの転換は容易ではない。


「脱原発」…インフラ輸出に暗雲

韓国は、原子力政策の見直しにも入る。文氏は公約の柱に「脱原発」を掲げ、選挙中には、新規建設の原発計画の再検討を打ち出していたからだ。

文氏の公約を忖度するかのように韓国水力原子力は韓国東南部の慶尚北道に建設予定だった原発2基の計画を中断した。

東亜日報によると、計画通りなら、1基は2022年12月、もう1基は23年12月に完成する予定だったという。

韓国では原子炉25基が稼働。29年までに36基に増やす計画を立てていたが、見通しは、まったくたたなくなった。

とりわけ、関心を集めているのは、文氏が意欲を示していた新古里5、6号機の建設中止の行方。

韓国紙・東亜日報(電子版)は「政権が代わったからといって、建設中の原発の工事中断は世界的にがない」と疑問を呈した。

5、6号機と同モデルの原発はアラブ首長国連邦にも韓国から輸出されているだけに、自国での建設中止は韓国の原発産業の信用にかかわる事態だ。

韓国メディアでは、「脱原発」への懸念の声があがる。

さらに同紙は「現実的代案なし脱原発を主張するのは考え直さなければならない」と提言。

韓国経済新聞(電子版)も、「韓国はエネルギーの離れ島だ」と指摘した。

脱原発の政策。原油が出ないうえ、欧州のように国境を越えた電力供給のネットワークも持たない韓国の現実を見定めるように訴えた。

中央日報は脱原発に向けたロードマップの策定の方向性は評価しつつも、「公約という理由で原発と火力発電所を相次ぎ閉鎖すれば、混乱は避けられない」と指摘。

「むやみに原発・火力を減らしていけば、電気料金の爆弾を抱える」とし、エネルギーミックスの重要性を訴えた。

韓国は、日本と並ぶ原発先進国であり、原発の海外への輸出が活発。こうしたインフラ戦略も見直しを迫られる可能性がある。

Jノミクスは、韓国世論の不満の声をくみ上げた政策だが、ポピュリズムに陥る危険性がつきまとう。

脱原発は韓国のエネルギー安全保障にとって有益なのか。よくよく見極めなければ、また中国に足もとをみられるだけである。


韓国経済は外貨不足で自滅する?

2017-06-26 11:18:32 | 日記
韓国が保持するスワップ

ただ、韓国側が「スワップの規模は500億ドルだ」と報じたのには、彼らなりの根拠があるのです。

韓国が現時点で保有する通貨スワップ(BSA)は、米ドル換算で約700億ドル少々ですが、その8割程度を占めるのが中国とのスワップです。

韓国が保有する通貨スワップ(BSA)

新宿会計士WEB抜粋

韓国経済は外貨不足で自滅する?

配信日時:2017/06/26 00:00 | カテゴリー : 日韓スワップ, 金融


相手国

失効日

韓国ウォン

相手国通貨

米ドル換算額

オーストラリア 2020/2/22 9兆ウォン 100億豪ドル 約76億ドル

マレーシア 2020/1/24 5兆ウォン 150億リンギ 約34億ドル

インドネシア 2020/3/5 10.7兆ウォン 115兆ルピア 約86億ドル

中国 2017/10/10 64兆ウォン 3600億元 約524億ドル

合計 88.7兆ウォン ― 約721億ドル

(【出所】各種報道および各国中央銀行ウェブサイト等より著者作成。米ドル換算額は概数)

昨年9月時点の韓国メディアは、「中国とのスワップが500億ドルを超える水準にあるから、日本がメンツのために中国に対抗して500億ドルのスワップを提供するに違いない」とでも考えたのでしょう。

ただ、冷静に考えればわかることですが、韓国が保持しているスワップについては、豪ドル建てスワップを除けば、いずれの通貨も「ソフト・カレンシー」、つまり「緊急時には使い物にならない通貨」ばかりです。

韓国が通貨スワップを発動する時といえば、韓国ウォンが国際的な投機筋から売り浴びせられ(あるいは資本流出が続き)、通貨防衛をしなければならないのに、韓国の外貨準備が足りなくなってしまったような場合です。

そして、通貨防衛は国際的に流通している通貨で自国通貨を買い支えるというオペレーションです。

人民元を調達したところで、通貨防衛をするためには全く役に立たないのです。

つまり、「中国が米ドル換算で500億ドル少々のスワップラインを提供している」からといっても、しょせんは「張子の虎」に過ぎず、「本物の米ドルの500億ドル」とは価値が全く異なるのです。

韓国の怪しい外貨準備

もう一つ、韓国がどうしても通貨スワップ(BSA)を欲しがる理由は、外貨準備の怪しさにあります。

韓国が国際通貨基金(IMF)に対して報告している外貨準備高は、毎月3700~3900億ドル程度(日本円に換算して40兆円前後)ですが、

その割に、米国財務省が公表する「TICレポート」を読むと、韓国政府が保有している米国債は、最大でも1000億ドル程度に過ぎません。

ということは、韓国は外貨準備高の多くを米国債以外の資産で運用しているはずですが、同国はその内訳を開示していません。

この点、韓国銀行が公表する「資金循環統計」によれば、昨年12月末時点において、韓国銀行の資産として、「その他の外国債権債務(Other Foreign Claims and Debts)」という項目に386兆8265億ウォン(約40兆円)が計上されています。

この金額が、ほぼ韓国が公表している「外貨準備高」とほぼ一致しています。

通常、外貨準備を構成する資産は「対外証券投資」や「外貨預金」勘定に計上されますが、

韓国の場合、外貨準備が「その他」項目に紛れてしまっていて、内訳が全くわからないのです。

おそらく、韓国は日本円にして40兆円前後だと主張する外貨準備の多くが不良資産に化けてしまっていて、いざという時に使い物にならないのでしょう。

そして、韓国にとっていま最も欲しいのは、「資金流出が始まった時に通貨を買い支えるための外貨(とくに米ドル)」であり、その金額が500億ドル程度だ、ということでしょう。

韓国が「閉鎖市場」である理由

ただ、韓国の通貨・ウォンは、「売り浴びせ」には強い通貨です。その理由は、韓国の金融市場が「閉鎖市場」だからです。

日本円や米ドルなどの国際的な通貨は、「オフショア市場」で盛んに売買されています。

これは、その国の通貨が国外で売買されているということであり、これが「資本移動が自由である」という意味です。

しかし、ウォンは「オフショア市場」(この場合は韓国国外の金融市場)で売買されていません。

ここで、韓国の金融当局の姿勢が垣間見える、貴重な記事がありました。

韓経:【社説】韓国金融市場の魅力が落ちているという信号(2017年06月22日13時05分付 中央日報日本語版より)