在韓米軍駐留経費、トランプ氏が韓国側負担の5倍増を要求
2019.11.15 Fri posted at 12:05 JST
在韓米軍駐留経費、トランプ氏が韓国側負担の5倍増を要求
トランプ米大統領が、韓国側の在韓米軍駐留経費の負担を約5倍に引き上げるよう求めていることがわかった/South Korean Air Force/South Korean Air Force
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が2020年の在韓米軍駐留経費について、韓国側の負担を前年比約5倍の47億ドル(約5100億円)に増額するよう求めていることが分かった。議会スタッフと政権当局者がCNNに明らかにした。
トランプ氏の増額要求に、国防総省当局者の間ではいら立ちが広がり、与野党議員から深い懸念の声が上がっているという。
韓国政府でも憤りと動揺の声が噴出。指導者が米国の同盟への決意に疑問を投げかける事態となり、増額に応じない場合にトランプ氏が米軍撤収を進める可能性もささやかれている。
交渉状況に詳しい米国の議会スタッフや韓国関係の専門家によると、大統領の47億ドルの要求は突然降って湧いたもので、国務省や国防総省は対応に追われている。
交渉が続く中でも北朝鮮は兵器開発の加速を示唆しており、韓国政府の不安を増幅させる結果となっている。北朝鮮は14日、米韓軍事演習を非難して「怒り」を表明、「相応の武力」で対抗すると威嚇した。
交渉を主導する国務省の報道官は、米軍の世界展開のコストについて「米国の納税者のみが負担するべきではなく、我々のプレゼンスから恩恵を受ける同盟国やパートナーと公正に分担すべきだ」としている。
米国と韓国の間では数十年前から防衛費分担協定が存在しており、トランプ氏が登場するまでは5年ごとに再交渉を行っていた。トランプ氏は2016年の大統領選で、韓国側が駐留費を全額負担しない場合は米軍を撤収させると宣言した。
昨年行われた「防衛費分担特別協定(SMA)」の交渉では、トランプ氏が韓国側に50%の負担増を要求。最終的には韓国側の負担を前年比8%増としつつ、1年ごとに再交渉を行う方針で合意していた。