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国軍の悲境を招いた責任を自ら負い、絶えず死に場所を求めていたが、終戦の翌々17日夜半自決

2023-04-30 16:32:11 | 日記
晴気 誠

陸軍少佐
 
略歴
大正 1年11月 7日 佐賀県出身
昭和 9年 6月  日 陸軍士官学校卒業(46期)
昭和 9年10月  日 陸軍歩兵少尉、歩兵第13聯隊附
昭和12年 3月  日 陸軍習志野学校附
昭和15年 6月17日 陸軍大学校卒業、支那派遣軍参謀部附(第1課)
昭和16年 7月  日 大本営参謀(作戦班)
昭和20年 7月  日 兼聯合艦隊参謀
昭和20年 8月15日 終戦
昭和20年 8月17日 陸軍省・大本営構内で自決
 
 自決
大本営参謀として国軍の悲境を招いた責任を自ら負い、絶えず死に場所を求めていたが、終戦の翌々17日夜半

大本営馬場の上にある大正天皇御野立所に正座し、同期生に介錯を依頼し古式に則り割腹自決を遂げた。
 
遺書

戦いは遠からず終わることと思う。而して、それが如何なる形に於て実現するにせよ、予はこの世を去らねばならぬ。

地下に赴いて九段の下に眠る幾十万の勇士、戦禍の下に散った人々に、お詫びを申し上ぐることは、予の当然とるべき厳粛なる武人の道である。

サイパンにて散るべかりし命を、今日まで永らえて来た予の心中を察せられよ。

武人の妻として、よくご納得がいくことと思う。

而して、予の肉体は消ゆるとも、我が精神は断じて滅するものにあらず。魂はあく迄皇国を護持せんのみ。

予は茲にこの世におけるお別れの言葉を草するにあたり、十年間、予と共に苦難の途を切り抜け、予が無二の内助者たりし貴女に衷心より感謝の意を捧ぐ。

又、予は絶対の信頼を以て、三子を託して、武人の道に殉じ得る我身を幸福に思う。

然るに、夫として、又父として物質的、家庭的に、何等尽すことを得ざりし事を全く済まぬと思う。

今に臨んで、遺言として残すべきものは何ものもない。

予が精神、貴女が今後進むべき道は、予が平素の言、其の都度送りし書信に尽く。

三子を予と思い、皇国に尽す人間に育ててもらえれば、これ以上何もお願いすることはない。

三子には未だ幼き故に何事も申し遺さぬ、物心つくに伴い、貴女より予が遺志を伝えられよ。予がなきあと、予が

残したる三子と共に、更に嶮しき荊の道を雄々しく進まんとする貴女の前途に、神の加護あらんことを祈る。

予が魂、亦共にあらん。

昭和二十年八月十日記
 
防衛省

陸軍少佐晴気 誠慰霊碑

晴気少佐誌

少佐は太平洋正面の作戦を担当し 戦勢の挽回に精魂を注ぎ万策を尽くしたが 戦局の赴く所如何ともし難く遂に終戦に至る

少佐はその責を一身に帰し この地で自決した高潔な人格と全戦役ほ通ずる輝かしい功績とは軍人の鑑である

晴気誠少佐を偲ぶ

2023-04-30 16:21:44 | 日記
追悼録(666)
川井孝輔

晴気誠少佐を偲ぶ

晴樹誠少佐(陸士46期)については、既にその名をご存じの方が多いことと思う。

だが、かく云う小生は定年後東京に戻り、偕行社による靖国神社・千鳥ヶ淵墓苑・自衛隊慰霊碑の参拝行事に参加するようになって、初めて知った事を言わなければならない。

最近、予科同区隊故北島正道君の奥様から、新聞の切り抜きと共に、「私の縁戚にあたる旨」のお手紙を頂戴し、まことに驚愕したのだった。

晴気誠少佐は、大正元年11月7日佐賀の生まれ。陸大を昭和15年卒業(53期)時には、恩賜の軍刀に輝く俊才であった。

瀬島龍三(44期・陸大51期首席)とは大本営参謀部で机を並べた仲だった由。

戦時下サイパンの作戦業務に就いていたが、終戦の8月17日、サイパン陥落の責めを己一身に科して、市ヶ谷台上で割腹自決をされた。

下記は、戴いた夕刊佐賀の「語り草」からの抜粋だが、瀬島氏著「幾山河」の中に少佐のお人柄を回顧されたもので、貴重な記事と言えよう。それにしても何とも惜しい人物を亡くしたもので、只々哀悼の意を捧げるものである。

夕刊佐賀の「語り草」は、武雄市神社宮司草場哲夫氏に依るものの由。

草場氏が瀬島氏の幾山河「心に残る人々」中に佐賀出身の晴気少佐を読んで、二十数年前に記事にしたものだった。

偶々北島君の奥様がこの記事に感銘を受け、「夕刊佐賀」に右の投稿をされ、草場氏が記事にしたものである。

因みに草場氏は幹部候補生として昭和18年に学徒出陣をされた少尉(ぽつだむ)の由。陸士・海兵の歴史を好意的に書かれて居る。

いずれも二十数年前の切り抜きで、よくも大事にお保存されたものだと感銘する。

2月21日は、今年最初の陸士奇数期・幼年学校・自衛隊OBによる、靖国神社の偕行社月例参拝日に当たり参加して来た。

参加者は43名。

徳川宮司の挨拶を受けた後揃って本殿に進み、新年の挨拶と共に、改めて晴気少佐の御霊に弔意の誠を捧げたのである。

高齢化の進む世の中を配慮して、昨年から準備中のエレベーターが完成し、足の不自由な何人かは利用のチャンスに恵まれたようだ。

続いて千鳥ヶ淵墓苑を参拝する。隔月に広報誌の「千鳥ヶ淵」を送って貰っているが、此処では改めて映像による昨年度行事実績の説明を受けた。

宮崎忠夫君が亡くなって早いもので6年近くになるが、彼が居なくなった後も、自衛隊後輩のOBが、手堅く管理運営されている。

最後が防衛省内「市ヶ谷台」に在る、自衛隊の「殉職者慰霊塔」

(1)参拝である。晴気少佐がこの地で自決された事実は知るものの、この地に参謀本部作戦課有志に依る、昭和40年に建てられた少佐の慰霊碑

(2)を知る人は少ないと思い、カメラを持参した。「殉職者慰霊塔」の真裏に在るが、観ての通り立派な慰霊碑で、此処以上の適地はあるまい。並んで、陸軍士官学校

(3)と東京陸軍幼年学校

(4)跡の碑も在る。 更に慰霊塔の横に回ると、中央「赤玉」の右に「杉山元帥・吉本大将自決の跡」の碑と、左に「陸軍大臣・陸軍大将 阿南惟幾荼毘の跡」

(5)の碑が建てられて在る。

終戦時にはこの他にも多くの方が自決された。

杉山元帥夫人も元帥の死を確認された後に、自ら命を絶たれた。壮絶な戦後の秘話も、何時しか遠い歴史の彼方に忘れ去られるであろうが、我々はそれらの方々のご冥福を、命ある限りお祈りしなければならない。



李朝末期の朝鮮では、一般に「宵越しの金を持たぬ」という浪費癖が指摘されている。

2023-04-30 15:49:12 | 日記
李朝末期の朝鮮では、一般に「宵越しの金を持たぬ」という浪費癖が指摘されている。「宵越しの金」と言えば、江戸っ子の気っ風とされる。だが朝鮮こそ、その元祖であった。

この遺風が、現在の韓国の家計に引き継がれ、後先考えずに借金をしているのだ。韓国の昨年10~12月期基準の家計信用比率は、105.1%とOECD(経済協力開発機構)でワーストワンである。ともかく借金好きである。これが、4~5年後の韓国のGDPを押下げるという推計が、韓国銀行(中央銀行)から発表された。

『中央日報』(4月28日付)は、「韓銀、『家計負債1%ポイント増えれば成長率0.28%低下』景気低迷憂慮」と題する記事を掲載した。

家計負債(家計信用)が増えると当面は市中に資金が出回って景気が良くなるが、3年後からは経済沈滞の可能性を高めることが明らかになった。特に韓国は、GDPに対して家計信用規模が100%を超えるため景気低迷がそれよりも早く発生する可能性があることが分析で分かった。
(1)「韓国銀行が、28日に発表した報告書「家計信用累増リスク分析および政策的示唆する点」によると、家計信用比率(3年累積)が1%ポイント上昇する場合、4~5年の時差を置いてGDP成長率(3年累積)が0.25~0.28%ポイント下落した。韓銀通貨政策局が1960~2020年39カ国のパネル資料を分析した結果だ。家計負債が累積していく場合、3~5年の時差を置いて年間GDP成長率がマイナスの「景気低迷」が発生する可能性が高まる事実も確認された」

下線部分は、重要な示唆を与えている。債務増=消費増は一時的な現象で終わり、後は債務返済で可処分所得が減るので、逆に消費を抑制するという理屈である。インフラ投資でも同じことが言える。インフラ投資によるリターンが高ければ、それによって債務返済が可能だ。リターンが低いかゼロの場合、債務返済の圧力が財政を圧迫するのだ。要するに、債務がどれだけの生産性増加に繋がるかである。

(2)「借入が多ければ、元利金償還負担も増加するので消費が萎縮して景気鈍化につながるという形だ。2020年新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降、借金投資ブームが続き、借入が爆発的に増えたことから今後、景気低迷の影がさらに深まる可能性があるということだ。韓銀通貨政策局通貨信用研究チームのクォン・ドグン次長は「過度な家計負債累増は消費制約などを通して中長期成長の流れを弱化させ、危機発生の可能性を増大させるなど経済脆弱要因として作用する」とし、「過多債務による元利金償還負担増加は家計の実質可処分所得減少を通じて民間消費を萎縮させ、過度な負債を保有している家計は資産価格の下落、信用供給の縮小などの否定的衝撃に脆弱になる恐れがある」と説明した」

韓国政府はかつて、クレジットカードによる消費刺激策をとり大失敗したケースがある。堅実な政策とは無縁な国民性が災いしている。
(3)「特に、対GDP家計信用規模(家計信用比率)が、80%を越えると景気低迷の可能性はより一層大きくなった。韓国の昨年10~12月期末基準の家計信用比率は105.1%で、すでに成長を鈍化させる水準であるため憂慮が大きい。韓銀は家計信用比率が80%に近くなるまで家計負債を減らしていかなければなければならないと指摘した」

韓国の家計債務の対GDP比は、限界の80%を大きく超えて、105.1%にまで膨れ上がっている。債務の肥満体に落ち込んでいる。

(4)「家計負債の急速なデレバレッジング(負債縮小)は、金融不安要因として作用することがあるため、速度を調整して緩やかに進めるべきだと説明した。クォン次長は、「今後、持続可能で安定したマクロ経済成長のためには家計負債の デレバレッジング(減少)が中長期にわたって持続的に行うことができる適切な政策を一貫性を持って維持する必要がある」と述べた」

韓国の家計が、堅実な債務状態へ戻すにはどうするのか。短期的には、不可能である。若者で多重債務に陥っている者が、30代で3割もいるのだ。

『中央日報』(3月6日付)は、「韓国、多重債務者10人に3人は30代以下 1人当たり1.1億ウォンの負債」と題する記事を掲載した。

(5)「3社以上の金融会社から借金した多重債務者10人に3人は30代以下の青年だということが分かった。30代の多重債務者の負債残高は4年前と比べて28.5%も急増した。昨年7~9月期基準で青年層の多重債務者は約139万人。1人当たりの平均負債残高は1億1158万ウォン(約1169万円)に及んだ」

多重債務者が、30代で3割もいる。これは、株式投資や住宅購入が影響している。一攫千金を夢見ている結果だ。

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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サムスン電子も避けられなかった「半導体寒波」

2023-04-30 15:04:25 | 日記
サムスン電子も避けられなかった「半導体寒波」

世界メモリー半導体1位のサムスン電子も、「半導体酷寒期」を避けられなかった。今年第1四半期(1~3月)、半導体部門(DS)だけで4兆5800億ウォン(約4580億円:1円=約10ウォン)の赤字を出した。四半期基準で歴代最大規模だ。幸いギャラクシーS23シリーズの販売好調で、全社基準の営業損失は辛うじて免れた。サムスン電子は業績悪化の中でも第1四半期の施設投資に約11兆ウォンを使った。

サムスン電子は27日、今年第1四半期の売上と営業利益はそれぞれ63兆7454億ウォンと6402億ウォンと発表した。前年同期に比べて売上は18.1%、営業利益は95.5%減少した。四半期の営業利益が1兆ウォンを下回ったのは、世界金融危機時の2009年第1四半期(5900億ウォン)以来14年ぶり。

サムスン電子が約10年ぶりに最悪の業績を記録したのは半導体業況が悪化したためだ。半導体事業が含まれたデバイスソリューション(DS)部門だけで損失規模が創業以来最大の4兆5800億ウォンに達する。

昨年第1四半期、この部門の営業利益が8兆4500億ウォンだった点を考えると、13兆ウォンが蒸発したわけだ。売上も前年同期に比べて半分水準の13兆7300億ウォンに減った。サムスン電子は「景気低迷の影響などで顧客会社のDRAM在庫が多く、販売不振が続いた」と説明した。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/46599.html


サムスン電子が1-3月期の半導体事業で4兆6000億ウォン(約4596億円)台の営業赤字を出した。サムスン電子が半導体部門で四半期に赤字を記録したのはグローバル金融危機に見舞われた2008年10-12月期(-6900億ウォン)、2009年1-3月期(-7100億ウォン)の連続赤字以来14年ぶり。

事業部門別にDS(半導体)で13兆7300億ウォンの売上を上げ、4兆5800億ウォンの営業赤字を出した。昨年同期(売上26兆8700億ウォン、営業利益8兆4500億ウォン)に比べ、SKハイニックスの売上減少(12兆1600億→5兆900億ウォン)よりは比較的良いものの、売上げは半減した。「顧客会社の在庫調整が続き、メモリー価格が暴落した結果」とした。



韓国経済の低迷、アジア経済全体の不振を示唆

2023-04-29 17:20:49 | 日記
韓国経済の低迷、アジア経済全体の不振を示唆

4/24(月) 10:15配信

韓国の貿易を担う南東部の釜山港

韓国から届く経済ニュースが不吉な音を立てている。
欧米や中国への輸出が減少していることから、アジア経済で重要な役割を果たしている韓国が新型コロナウイルスの流行以来、初めて景気後退に陥った可能性が高い。

 確定値が入手可能な直近の2月の韓国の輸出総額は、前年同月比で約15%減少した。

中国向けの輸出は同約30%減少しており、中国の産業界がフル稼働していないことを示している。

また、韓国の半導体の輸出が同50%近く減少していることは、世界的な経済活動が減速していることを示唆している。

韓国の2月の工場稼働率指数は48.5にとどまり、成長と衰退の境界となる50の水準を大きく下回った。

 同国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相は、この不振を中国の旧正月休暇と特に半導体の輸出価格の下落のせいだと説明。

だが、不振の原因は明らかにもっと深いところにある。

かつて高い人気を誇った半導体の価格下落は、世界的な需要の減少を反映しているのだ。

こうした現実を踏まえ、韓国政府筋は昨年の輸出総額が6.1%増だったのに対し、今年はすでに4.5%減に転じると予測している。

同筋は、韓国経済が昨年第4四半期に縮小し、今年第1四半期にも同様になる見込みで、経済が事実上、後退していることを認めている。 

これは特に中国をはじめとするアジア全体の輸出志向の経済にとって悪い兆候だ。

半導体大国の台湾やマレーシアでも全体的に輸出が減少している。

確定値が入手可能な直近の2月の日本の工場稼働率指数は48.6で、前月より若干上昇したものの、依然として縮小域にある。

実際、日本ではこの数字が上昇に転じたのは1年以上ぶりだった。

こうした不振の原因として、第一生命経済研究所の西濵徹主席エコノミストは「米国や欧州といった主な輸出先の低迷」を挙げている。

 中国もこの流れから完全に逃れているわけではない。

同国政府が1月、都市封鎖と隔離を含む「ゼロコロナ」政策をようやく撤廃し、国家経済を開放したことで、若干の希望が見えてきた。

その中で「リベンジ支出」と報道される個人消費が急増している。

これにより、確定値が入手可能な直近の2月の工場稼働率指数は52.6と、成長と衰退の境界となる50を上回った。

 だが、暗黙の強さを疑う理由もある。

1つは、個人消費の大半が贅沢品やサービスに対して行われているため、経済全体を押し上げるには持続力が十分でない可能性があることだ。

もう1つは、政府が発表する公式の工場稼働率指数が、ほぼ国営の大企業のみを対象としており、基盤が狭いことだ。実際、より広範に焦点を当てた中国の独立系ビジネスニュースサイト財新の指標では、2月時点で51.6と、政府統計より控えめな数値となっているのだ。

さらに不吉なことに、1月と2月の中国の輸出は前年同月を7%近く下回る水準にとどまっている。 

欧米の中央銀行が金利を引き上げ、信用の流れを抑制しているため、韓国や中国を含むアジアの輸出見通しは、欧米が完全な景気後退を免れたとしても、せいぜい限られたものとなるだろう。

可能性はほとんどないだろうが、中国で「リベンジ支出」が倍増でもしない限り、同国政府はすでに5%引き下げた今年の実質経済成長率の見通しをさらに下方修正しなければならないことはほぼ間違いないだろう。

Milton Ezrati