平成太平記

日常の出来事を書く

朴政権の目玉政策「地下経済」徴税強化が裏目 中小・零細から激しい反発

2014年03月12日 13時12分48秒 | Weblog

朴政権の目玉政策「地下経済」徴税強化が裏目 中小・零細から激しい反発

産経 ZAKZAK

2014.03.12


肝いりの社会保障政策が庶民から総スカンを受けている韓国の朴大統領(AP)

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)が国内不安で揺れている。

朴氏が政権の目玉に位置づけた格差是正を目的の一つにした社会保障政策が、逆に「中小・零細業者いじめ」との批判を受けているのだ。

財源確保を目的に無認可営業などが多い彼らに対する徴税を強化するあまり、自殺者が続出、激しい反発が起きているという。韓国事情に詳しいノンフィクションライター・高月靖氏による緊急報告-。

 日本が2020年東京五輪開催決定の報にわいていた昨年9月。韓国東北部の春川市で、68歳の韓国人男性がシンナーを全身にかぶって焼身自殺を図った。

 男性が所属する「遊興飲食店」の団体が、市庁舎前で抗議デモを行っていた最中の出来事で、男性は病院に運ばれたが、1週間後に亡くなった。

 デモの趣旨は「遊興飲食店」への課税強化に対するもので、これは零細業者にとって死刑宣告に等しい措置であり、文字通り命をかけた抗議だったわけだ。

 このような零細自営業者の自殺が、韓国で相次いでいる。その要因といわれるのが、労働者に過酷な競争を強いる社会環境、そして朴政権の経済政策である。

 「韓国のサラリーマンは40代後半から自主退職するのが当たり前。日本でいう肩たたきです。韓国では『名誉退職』と言いますが、それが当然の社会慣習になっているからです」(韓国経済団体の日本人職員)

 こうした中途退職者は、コネやスキルを頼って転職するか、起業するしか選択肢はない。

 「独立する業種は飲食店、コンビニなどフランチャイズ、保険の個人代理店などが多いですね」(日本在住の韓国人コンサルタント)

だが、誰もが成功できるわけではなく、失敗する個人事業主は後を絶たない。昨年には、過当競争の末に生活に行き詰まってコンビニ店の店主が相次いで自殺し、大きな社会問題となった。

 「韓国は格差社会といわれますが、失業率や非正規雇用率などの指標は日本と大差ありません。ただ、こうした名誉退職の慣行などで、非常に競争の激しい社会になっています。そこから脱落する人も当然多い」(同)

 こうした背景があるなかで、2012年の大統領選に朴氏が出馬。社会保障の充実を公約に掲げてアピールし、当選した。だが、公約実現には巨額の財源が必要という側面もある。

 就任後、その朴氏が“埋蔵金”として目をつけたのが、韓国の「地下経済」だった。

 「銀行やノンバンクなどの『表の経済』とは別に無届けで運営するヤミの金融機関です。こうした法の手が及ばない民間金融が韓国内には無数に存在し、独自の地下経済網を形成している」(前述の日本人職員)

 ドイツの労働研究所(本拠地・ボン)が調べた国内総生産(GDP)比でみる10年の地下経済規模によると、韓国は24・7%。経済協力開発機構(OECD)の加盟国の平均18・3%より高く、日本(11%)の倍以上の水準だった。

 言うまでもなく非合法の地下経済は、課税の対象外。韓国では年間65兆ウォン(約6・5兆円)の税収損失があるともいわれている。

 歴代政権はこれまで、この地下経済を放置してきた。朴政権はこの莫大な“鉱脈”から税収を得て、それを社会保障の財源に充てる計画を立てたのだ。

 だが、その地下経済は、庶民の生活を支える「必要悪」の側面もあるという。

 「もともとは、政治や経済が不安定だった時代の互助会が地下経済のルーツ。

例えば会社を辞めて独立開業したものの、信用力がなくて銀行はお金を貸してくれない。そんな人たちの資金調達先だったりするわけです」(韓国人日本駐在員)

 こうしたグレーゾーンにメスを入れるという朴政権の改革には、「金持ちは見逃して苦しい自営業者から搾り取るだけ」との批判がつきまとう。

 零細業者への課税強化もすでに進められており、冒頭で触れた「遊興飲食店」のデモのように国内で反発が起きている。

 「コンビニ店主の連鎖自殺も、加盟店の権利を守る法整備が後手に回ったために起きたとの批判が巻き起こっている」(同)

 相次ぐ中小・零細業者の自殺で浮き彫りになってきた韓国経済のいびつな構造。その深い闇が、朴政権をのみ込むのも時間の問題だ。

 ■高月靖(たかつき・やすし) ノンフィクションライター。1965年生まれ。兵庫県出身。多摩美術大学グラフィック・デザイン科卒。韓国のメディア事情などを中心に精力的な取材活動を行っている。『キム・イル 大木金太郎伝説』『独島中毒』『徹底比較 日本vs韓国』『南極1号伝説』など著書多数。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿