2015.12.26
韓国「今年の10大ニュース」は… 朴大統領もはやイケイケで反日愛国の余裕なし
産経
年の瀬のイベントに日本ではよくベートーベンの第9交響曲の演奏会がある。
元気いっぱい(?)の合唱「歓喜の歌」が付いているため縁起がいいからだろうか。
韓国でも珍しく今週(22日夕)それがあった。
日韓国交正常化50周年記念イベントの締めくくりとしての東京フィルハーモニーとソウル・フィルハーモニーの合同公演で、26日には東京でも行われる。
世界的な指揮者チョン・ミョンフンの指揮でなかなか迫力があった。
彼は東京でもタクトを振る。
当初は朴槿恵(パク・クネ)大統領の鑑賞も期待されたが不発に終わった。
日頃夜はどう過ごしているかよく分からない独身の女性大統領なので、
年の瀬コンサートにでもブラリ(?)出かければイメージも少しはソフトで透明性が出てくるのに、
と老婆心ながら残念だった。
年末の恒例には「今年の10大ニュース」がある。
韓国では東亜日報がいち早く25日付で発表していたが、
国内では1位の「中東呼吸器症候群(MERS)騒ぎ」から6位の「駐韓米大使テロに遭う」などをはさんで10位の「民主労総の暴力デモ」まで、朴大統領の関連ニュースはない。
あえて挙げれば3位の「歴史教科書の国定化」だろうか。
これは野党陣営をはじめ反対論が多いなか朴大統領の決断によって決定されたからだ。
日本人からすると10大ニュースには、
やっと実現した「初の日韓首脳会談」や、
日米首脳不参加のなかいわば“たった一人”で出かけた
「中国天安門広場の抗日軍事パレード参観」など親中国外交を加えてほしかったが、
外交問題は国内ニュースとしては弱いということか。
ただ、国外ニュース7位に戦後70年で出された安倍晋三首相談話が入っている。
しかし「安倍談話で植民地支配責任巧妙に回避」という見出しだから相変わらず嫌みったらしい。
朴槿恵政権は来年2月で5年任期の4年目に入る。
4月には国会議員選挙があるが、政局的には次期大統領選(2017年12月)に向けた前哨戦のスタートとなる。
民心もしだいに次期に関心が移りはじめる。
これまでこれといった業績が見当たらない朴大統領としては当然、焦らざるをえない。
中国経済の減速をはじめ世界経済に不透明感が広がるなか、
輸出低迷などで低成長期の韓国経済の展望は苦しい。
朴大統領はこのところ「新しい成長動力」探しに懸命で経済の話ばかりしている。
対日関係でも政権初期には本人も世論もイケイケ心理で
“反日愛国”を楽しむ(?)ことができたが、
今やそれが不安要因になっている。
韓国にとってはその地政学環境や歴史的経験から、
隣の大国・日本との冷たい関係の長期化は存在の不安感につながる。
朴大統領にとって対日不和はもはや悪材なのだ。
政権の評価でもマイナスになりつつある。
李明博(イ・ミョンバク)・前大統領も“竹島上陸強行”など当初、
世論は反日愛国に拍手喝采したが、今は対日関係悪化が失政の一つに挙げられている。
日本では来年5月、世界のトップが集う主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が予定されている。
韓国はメンバーではないが、ホスト役の安倍首相は隣国の朴大統領をゲストとして日本に招くことになろう。
お互い遅くともそれまでに日韓関係修復は不可避である。(ソウル・黒田勝弘)
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