北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】F-22戦闘機近代化109億ドル予算とアメリカ太平洋空軍F-35配備,韓国T-50躍進

2022-01-24 20:22:22 | インポート
■週報:世界の防衛,最新11論点
 今回は空軍関連の話題ですが、後継機が決定し退役時期が明確となりましたF-22戦闘機について更なる近代化計画が発表されました。

 アメリカ空軍は11月6日、F-22戦闘機近代化へ108億6300万ドルの契約をロッキードマーティン社との間で締結しました。これはラプターARES計画という、第五世代戦闘機であるF-22戦闘機プログラムにおける要諦で、戦闘機用ハードウェアやソフトウェアの段階近代化改修、運用基盤維持と定期整備に関わるもので2030年代以降の運用も視野に含む。

 F-22ラプターは最強戦闘機や航空支配戦闘機という名称で従来の制空戦闘機よりも高度な能力を持つ戦闘機に位置付けられていますが、アメリカ空軍では2021年の将来計画においてF-22戦闘機を2035年までに順次退役させる計画が発表され、一見して過去の戦闘機という印象がつけられた後の、108億ドル、F-35二個航空団分を投じた計画となっています。

 ロッキードマーティン社との108億6300万ドルの契約は現在運用されるF-22戦闘機全てに適用されるもので、機体改修は2031年10月31日までに完了するとのこと。空軍ではF-22戦闘機後継となるNGAD戦闘機計画が進められていますが、この機体の概要は勿論青写真も画定していない中では、当面アメリカ空軍がF-22に寄せる期待の大きさが分ります。
■KC-46空中給油機
 KC-46空中給油機は航空自衛隊も導入し美保基地での試験が開始されKC-767を補完する最新鋭機です。

 アメリカ空軍は10月13日、最新のKC-46空中給油機について空軍の全機種への空中給油能力を実証したと発表しました。これによりICR暫定能力認証が付与されることとなります。空軍ではF-16やF-22など各種航空機との適合試験を進めていますが、新しく選定され配備が開始されたF-15EXへの空中給油試験が完了し、ICR暫定能力認証となった。

 KC-46空中給油機は老朽化が著しいKC-135空中給油機の後継として開発され、ボーイング767-20ERを原型としており、空中給油用燃料94.198tを搭載可能であり人員114名や486L型パレット貨物18基を輸送する輸送機としても運用可能となっています。またKC-46Aとして航空自衛隊へも採用されており、先ごろ初号機が美保基地へ到着しています。
■太平洋空軍へF-35
 航空自衛隊では運用が開始されていますが意外な事にアメリカ太平洋空軍に先んじていたのですね。

 アメリカ空軍は太平洋空軍へのF-35戦闘機配備の最終準備段階に入りました。太平洋地域では日本において航空自衛隊がF-35戦闘機運用を本格化させており、アメリカ海兵隊は岩国基地にてF-35B戦闘機の運用を開始していますが、アメリカ空軍はハワイのヒッカムにも日本の三沢にも嘉手納にも韓国のオサンにもF-35戦闘機の配備を開始していません。

 第356戦闘飛行隊が太平洋におけるアメリカ空軍初のF-35運用部隊となる計画で、第356戦闘飛行隊は10月8日から10月23日に掛け、アメリカ本土のティンダル空軍基地においてサイドワインダーミサイルや各種電子装備の評価試験を実施しました。計画ではティンダル基地にて引き続き11月8日から19日にかけチェッカーフラッグ演習を実施予定です。
■カナダ軍CF-18戦闘機改造
 スーパーホーネットに決定して予算面で折り合わず撤回したカナダ統合軍の戦闘機は迷走しています。

 カナダ統合軍はCF-18戦闘機にAPG-79-AESAレーダー換装改修を実施しました。これはレイセオンテクノロジーズ系列のレイセオンインテリジェンス&スペース社との契約に基づき実施され、旧式化が進むCF-18戦闘機の延命が目的です。レガシーホーネットに区分されるCF-18はF/A-18E戦闘攻撃機への更新が棚上げの後中止となり、今日に至ります。

 APG-79-AESAレーダーはスーパーホーネットとして知られるF/A-18E戦闘攻撃機用のレーダーで、性能向上とともに整備間隔が強化されています。ただ、F/A-18E戦闘攻撃機よりもCF-18はレーダー収容区画が狭く、APG-79-AESAを小型化したAPG-79-AESA-V4が開発され、原型のAPG-79-AESAとは小型でも90%に渡り部品が共通しているとのこと。

 CF-18戦闘機APG-79-AESAレーダー換装改修は1億4030万ドルで契約され、カリフォルニア州エルセグンドとテキサス州ダラスおよびミシシッピ州フォレストにて改修作業が実施されます。カナダ空軍の次期戦闘機計画は、F/A-18E中止に続いてオーストラリアより中古のF/A-18C導入を検討しましたが機体老朽により断念、今だ画定していません。
■ミサイル発射情報三週間後訂正
 ミサイル防衛はかなりの予算を投入していますが北朝鮮のミサイルも進化が続いており難しい課題だ。

 防衛省は10月の北朝鮮ミサイル発射情報を三週間後に訂正し防衛大臣が陳謝しました。これは、10月19日に北朝鮮が発射した飛翔体について、当初防衛省は2発の弾道ミサイルが発射されたと発表したものの、北朝鮮近傍においてミサイルを監視する韓国国防省は発射されたミサイルが一発であると発表、日本海の対岸の監視能力に限界が生じています。

 防衛省は、遠距離でのミサイル発射について、ミサイルの進路上に宇宙空間の別の物体が存在し、レーダー画面上で二つ重なった事で一発の弾道ミサイルが複数と検知されたと判断、11月10日に情報を2発から1発へと訂正しました。この語法について、岸防衛大臣は陳謝し、改めて北朝鮮のミサイル実験に対する監視体制を強化する考えを示しています。
■HTV-2ファルコン遅延
 第二のスプートニクショックと呼ばれた中国の先行に対して、HTV-2ファルコン極超音速ミサイルはこの分野で遅れているアメリカの決定打となるのか。

 アメリカ空軍のフランクケンドール空軍長官は極超音速ミサイル計画の遅滞を認めました、これは9月21日の空軍協会シンポジウムにおいて発言したもので、この分野で先行する中国やロシアに対してアメリカの技術的な遅れを率直に認めた構図です。アメリカはクリントン政権時代に進めていたファストホーク巡航ミサイルの開発を中止し今に至ります。

 HTV-2ファルコン極超音速ミサイルの開発がすすめられていますが、アメリカ空軍ではどの目標に対してこの種のミサイルを運用するのか、またどういった航空機から運用するのか、という視点も不明確で、極超音速ミサイルの空軍装備体系における位置づけさえ不明確である事が開発計画全体への関係者の熱意へも影響していると、不快感を示しています。

 ファストホーク巡航ミサイルはクリントン政権時代の1999年に開発が終了し実用化されていませんが、トマホークミサイルの後継として水上戦闘艦や潜水艦などから発射可能、ラムジェットエンジンを採用し飛行速度はマッハ4と極超音速ミサイルに近い性能を有し、スラストベクター制御による高い機動性を持ち射程は1300km以上が要求されていました。
■ロイヤルウイングマン2号機
 ロイヤルウィングマンという選択肢は限られた第五世代戦闘機の有効利用に繋がるのか、際物無人機に収まるのかが関心事だ。

 オーストラリアのボーイングロイヤルウィングマンプログラム社はロイヤルウイングマン無人機2号機の飛行を成功させました。ロイヤルウイングマン無人機初号機は2021年2月27日に初飛行に成功しており、2021年内に2号機の完成と初飛行はロイヤルウイングマンプロジェクトの重要なマイルストーン、今後の実用開発を大きく進める事となります。

 ロイヤルウイングマン無人機は無人僚機として、F-35のような高価な戦闘機と協同する用途が見込まれていまして、第五世代戦闘機の掩護や囮とデータリンク中継等を担い限られた戦闘機数を最大限活用する用途が見込まれています。ただ、有人戦闘機にどの程度随伴できるかについては技術的な開発余地も大きく、今後の進展を見守る必要があるでしょう。
■ハリケーンハンターWC-130J
 日本は此処暫く幸いな事に巨大台風被害を免れていますが、先日フィリピンに甚大な被害を及ぼした台風被害を見ますとハリケーンハンターは必要な選択肢と思う。

 アメリカ空軍のハリケーンハンターWC-130JはSATCOMデータリンクシステムを試験中です。アメリカ本土を狙う巨大ハリケーンは衛星画像や地上観測だけでは概要しか判別できず正確な予報にはハリケーンに触れるほかありません、ハリケーンに触れるには唯一の方法がハリケーンの暴風圏内を超えてハリケーンの目に直接航空機で乗り込むほかない。

 空軍予備第53気象偵察飛行隊はドロップゾンデやマイクロ波レーザー計測装置を機上気象観測装置と併せてハリケーン内部を観測しますがリアルタイムで伝送する手段が在りません。SATCOMはXバンド方式衛星通信アンテナと連接し、フロリダの国立ハリケーンセンターやハワイの太平洋ハリケーンセンターへリアルタイムで情報を伝送可能となるのです。
■スロバキア空軍T-50練習機検討
 T-50練習機の躍進は隣国の事ながらなかなか羨ましいものがあります一方、武器輸出をしない国民の総意もありますので致し方ない。

 スロバキア空軍が運用するL-39高等練習機へ韓国がT-50練習機を提示しました。L-39練習機は冷戦時代の1971年にチェコスロバキアで開発されたジェット練習機でソ連空軍にも採用された事から2852機という多数が量産されています。その特色は超音速練習機であり軽戦闘機や攻撃機にも転用可能な多用途性能ですが、近年老朽化の度合が進んでいます。

 L-39高等練習機の後継の需要は当面10機程度である為、国産開発が現実的選択肢ではありません。この点についてスロバキア政府はRFP情報提案書を発行しており、これを受ける形でKAI韓国航空宇宙産業はT-50練習機輸出に関するスロバキアのLOTN社との間で覚書を締結したとのことです。T-50には軽戦闘機型のF/A-50も開発され輸出実績もあります。
■イラク空軍T-50練習機検討
 T-50練習機の躍進はイラクにも及ぶ模様で戦闘機の派生型もあるT-50練習機はF-16A戦闘機の立ち位置を占めるかたち。

 イラク空軍はT-50練習機整備に関わる3億6000万ドルの契約をKAI韓国航空宇宙産業と締結しました。今回の契約は3年間の整備及び維持と共に操縦要員の教育支援などが含まれています。イラク空軍は2013年に韓国よりT-50練習機24機を取得しています。イラク空軍で運用される機体はT-50IQとされ、イラク戦争後の空軍再編の主軸となりました。

 T-50は高等練習機の中でも超音速飛行が可能である戦闘機であり、KAI韓国航空宇宙産業では20年間の継続運用が可能であるとして、T-50の運用を継続すると共にT-50の拡大改良型であるFA-50軽戦闘機についてもイラク輸出へ売り込みを続けています。イラク空軍にはアメリカ製F-16戦闘機26機、ロシア製Su-25攻撃機21機等が配備されています。
■KAI電気駆動式初等練習機
 T-50練習機だけが韓国の練習機ではない、日本もそろそろ防衛装備品輸出という分野についても真剣に遠投する段階ではないのか。

 韓国のKAI韓国航空宇宙産業は電気駆動式初等練習機の開発開始を発表しました。これはADEX2021国際装備展にて概念図をは票したもの、単発初等練習機の後継とするプロペラ式練習機で、プロペラ4基を主翼に配置しています、一見して四発機とみえますがモーターに直結し水素燃料とバッテリーによるハイブリッド方式による飛行を想定しています。

 電気駆動式初等練習機は早ければ2029年までに初飛行を目指すとしており、KT-1初等練習機の後継などを期待しているとのことです。航空機動力の電動化は、軍事的な利点は化石燃料に依存しないという利点です。多分に先進的ですが、KAIによればコックピットはグラスコックピットのほか、アナログ式コックピットも選ぶことが可能としていました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】第7師団創設56周年記念行事(01)戦車が視界一杯の東千歳駐屯地(2011-10-09)

2022-01-23 20:00:20 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■第7師団は日本唯一の機甲師団
 機甲部隊とは装甲機動部隊の略称で東日本大震災の記憶新しい2011年10月に延期されていました師団祭は挙行されました。

 第7師団創設記念行事、2011年の行事ということで10年以上前の行事となりますが、今回改めて掲載する事としました。この10年間で日本の防衛力と防衛力整備というものは大きな変革に見舞われ、そして周辺情勢も大きく転換しました。今回、改めてみてみよう。

 東千歳駐屯地は広い、こう表現する事は単純なのかもしれませんが東千歳駐屯地を、おっ街道の駐屯地に慣れている方はそう思わない方もいるのでしょうか、しかし開門と同時にゲートをくぐりまして、まず手荷物検査は無いという部分から、少し不思議に思いました。

 82式指揮通信車。恐らくはテロ警戒の為なのでしょうかヒグマ対策の為なのでしょうか、いつでも装甲車の車体を盾に駐屯地と観覧者を防護する準備が出来ていまして、要するに来るなら来い、という機甲師団ならではの迫力を醸し出しています。この当たりから違う。

 広い、この一言に尽きるといいましたが、普通に歩いて式典会場まで40分ほどかかります、いや、誇大表現と思われるかもしれませんが、早歩きで45分ほど掛かります、演習場の中を歩くのではなく、建物と倉庫とモータープールを縫って歩いて45分、本当にひろい。

 北の大地、こう表現しますと厳寒な冬の吹雪や荒漠たる大自然の猛威と手つかずの原風景、というものを思い出されるかもしれませんが、単純にロシアとの国境、最短は国後島か、最短距離では20km程度という事実を突き付けますと、ここは防衛の最前線だとわかる。

 戦車、戦車、戦車、あと自走砲に自走高射機関砲に装甲車と、戦車、戦車、戦車、あと偵察警戒車に装甲戦闘車に装甲車、戦車、戦車、戦車、あと自走迫撃砲に戦車橋に装甲ドーザー、戦車、戦車、戦車に。第7師団祭を表現しますと安直ですがこうしたものとなる。

 90式戦車が、こう横一列に並びますと迫力に圧倒されます、いや東千歳駐屯地だからでしょうか、新千歳空港に隣接する東千歳駐屯地は周辺に目立つ建物が無く、横一列に視界を埋め尽くすように戦車が並んでいますと、迫力を通り越して異次元の様相を帯びてくる。

 北海道の自衛隊関連行事で毎回感じますのは、本州の自衛隊行事は機械化部隊が自慢の富士学校祭を含めて、何とか強大な敵を撃破した、という印象のものが多い中、北海道の場合は陸上火力におり圧倒撃滅する、そんな機械化部隊の偉容というものがあるのですね。

 第7師団、驚いてはいけないのですが東千歳駐屯地には戦車連隊は駐屯していません、戦車連隊の定数を考えれば各中隊から小隊を参加させていて、式典に参加している車輛は師団のごく一部であり、そう考えますと第7師団というものを改めて大きく感じるもの。

 圧倒撃滅、こう印象づけるのは駐屯地の式典会場が広いことも挙げられるのかもしれませんが、戦車の多さ、という部分が無関係ではないように思う。日本周辺には大規模な軍事パレードを定期的に実施する国が幾つかありまして、その様子は報道発表されています。

 軍事パレードは予算を要する以上目的が必要で、なにしろ国威発揚が目的なのだから当然といえば当然だけれども、映像で流されます。正直なところ、自衛隊行事を知っている方々でも師団祭で戦車が数両しか参加しない地域にお住まいの方は、見比べてどう思うのかと。

 日本の防衛力で軍事恫喝に対応できるのか現実を突き付けられ、いや日本は日本海と東シナ海があるし、と考えるのかもしれませんが、北海道の自衛隊行事を知っている方からみるならば、いやこのくらいならばウチの戦車連隊でなんとかなるな、こう思われるようで。

 平和主義、これは非常に重要な外交政策ではあるのですが、周辺国での戦争をみて見ぬ振りをする、世界での圧制による犠牲は無かったことにする、平和は大事にするもの、平和は維持するもの、発音では似ているものですが前者を選びますとどういう事になるのか。

 平和というものが大事という部分では共有できる価値観ですが、その上で戦争を回避する具体的な施策を考えない場合は、これをわたしは"平和を手段とする"か"平和を目的とする"と相容れないものである視点であると指摘しているのですが、前者を選んだ場合は、さて。

 結局のところ万一の状況に大切なもの、戦争というものの脅威を前に、極論で平和だけを手段として回避し屈服することで人命を薄なわずにすんだとしても基本的人権や幸福追求権、場合によっては財産権や生存権を失う危険に曝されるという実状があるように思う。

 平和を手段として結果としての平和を実現できるならば、何しろ戦車にしても戦闘機にしても安価ではありませんので世界中がその選択肢をとりそうなものですが、資源や地政学的立地を求める諸国がすべて共有できない場合にはどうしても摩擦が生じるのは道理です。

 予防外交。脅威を突き付けられた際、その際に防衛力を有していれば予防外交、予防外交が実らない場合でも抑止力を維持することで武力紛争を一時的でも回避し、その上で恒久的な武力紛争回避や紛争解決への卓上で意見集約を行う時間的余裕が生じるように思う。

 防衛力というものはそのためのものなのですね。その上で、北部方面隊の隷下部隊行事にみられる、敵を押し返すのではなく押しつぶす、圧倒撃滅の能力誇示は、もう一つの役割があるように思う、それは主権維持と憲法の堅持へ国民の支持を得られるか否か、という。

 実際のところ国民が政府を支持するか外国政府の圧に屈することを支持するかは防衛力を筆頭に政府が、そして自国の防衛力が国民に支持されるのかという部分にあるのですね。国民の支持がなければ国家は維持できません。その為には国家にも覚悟というものが要る。

 もちろん、理想は、この理想というのはカント的なという意味でですが、国民が外国の軍事恫喝に徒手空拳はもちろん生命を掛けて屈しない共同体意識があれば、常備軍が不ようになる、と考えられたものですが、なかなかそこまで堅固な意識、全体では持ち得ません。

 民族自決を全員自爆の覚悟まで昇華させることは出来ませんし、個々人の意志と抵抗には現代兵器を凌駕することは非現実的でもあります、すると防衛力整備の重要性はここにある。そして、日本の防衛力ならば軍事恫喝を受けた場合でも、という自信に繋げねば。

 日本の防衛力ならば軍事恫喝を受けた場合でも、それが海を越えて襲来した場合でも破砕できる、だからこそ憲法の掲げている基本的人権や男女同権、環境権や幸福追求権は維持されるべきであるし、自国民統制手段に銃砲さえ用いる圧政を行う様な国に屈しないべき。

 国家が香港や平壌と武漢やヤンゴンで行われていたような行動を21世紀の今日に繰り返すような勢力からの恫喝は頑としてはねのける気概を、実際の軍事恫喝を受けた場合でも堅持するには、そのための備えが必要だと思う。この点で重厚な防衛力に意味合いがある。

 重厚な防衛力を北海道に集約する構図には、もちろんこの防衛力は北海道の地政学上の要求からは必要ではあるために、引き抜くという意味ではなく整備という意味で、現状の本州防衛力には不可思議であるよう、思うのですね。全国的に機械化を進めるべきと感じた。

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エンストロムヘリコプター社が倒産,陸上自衛隊TH-480練習ヘリコプター三〇機の維持へ暗雲

2022-01-23 18:10:39 | 防衛・安全保障
■エンストロム,全事業終了
 今回は予定を変更して。自衛隊機で新造機を導入数年後にメーカーが倒産し予備部品も入手でき無くなる事例は今回が初めてではないか。

 防衛産業、自衛隊に驚きの報道がありました、本日2022年1月22日、アメリカのヘリコプターメーカーであるエンストロム社が倒産しました。エンストロム社はヘリコプターメーカーとしては老舗といえる1959年創業、安価な小型機に定評はありました。そして自衛隊に練習ヘリコプターTH-480を30機納入しているのですね。そのエンストロムが。

 エンストロムヘリコプターは10年前の2012年に、中国のCGAG重慶航空製造公司に買収され、この際には自衛隊へ航空機を納入しているメーカーが中国企業となったことは少し話題となりましたが、これにより経営は安定化した、とも考えられていました。従来、航空機メーカーは経営統合ならば統合先のメーカーがアフターサービスを行うものなのだが。

 TH-480練習ヘリコプター、陸上自衛隊は2011年度予算で30機を一括調達しており、ライセンス生産などは行わずにそのまま取得する方式を採り、定期整備などはアメリカより予備部品の提供を受け、仙台空港に工場を置くジャムコが提携企業として請け負っています。そして、自衛隊機としてはまだまだ新しい航空機なのですが、今後どうなるのか、と。

 エンストロムヘリコプターは2022年1月を以て定期整備などのアフターサービスを終了するとしていまして、今年1月7日を最後に予備部品の受注も終了しているとのこと。防衛省は単年度契約により整備契約を行う為、駆け込みの予備部品調達が行えたとは考えにくく、エンジンそのものは整備可能でしょうが、操縦系統始め機体維持部品となると難しい。

 2015年までに納入された30機の練習ヘリコプター、例えば共食い整備という、退役機や一部の機体を予備部品扱いとして飛行停止させ、稼働率を維持する方法もありますが、30機一括取得したのですから退役機などはなく、世界中で退役した同型機を探し部品取りに補給処へ並べるか、もしくは今ある現用機を一部除籍させ部品用にあてる必要があります。

 総合評価方式として、練習ヘリコプター選定の際にはMD-500ヘリコプターとシュワイザー333と共に競合し、MD-500は当時自衛隊が未だ広く運用していたOH-6D観測ヘリコプターのシリーズ最新型、そしてシュワイザー333はかつて陸上自衛隊がTH-55練習ヘリコプターとして運用していた機体、陸上自衛隊はMD-500を本命視していたとされるのだが。

 MD-500,伝え聞くところでは練習ヘリコプターにMD-500を採用した際にOH-6と同じく川崎重工によるライセンス生産の態勢を構築できれば、そのまま東日本大震災後に重要性が認識されていたOH-6D観測ヘリコプターの後継機に充てたい姿勢もあったというのですが、総合評価方式の最高費用に収まらない事が判明し、早々に候補から落選、TH-480が選ばれたかたち。

 TH-480も、自動操縦装置は無く練習機に徹していたという点で現場の評価は高かったのですが、ならばOH-6Dの後継機に転用できるのかを現場の方に聞いてみますと、性能から無理だと数名の方が即答していました。価格は安いものですので無人ヘリコプターの原型機には最適なのかもしれませんが、TH-480をOH-480としても第一線で生き残れないとも。

 エンストロム社製ヘリコプターはインドネシアやタイなど複数の国で軍用練習機として運用されています、生産数はTH-480で150機以上あります、協力企業を世界中に探すならば、予備部品や共通部品を取得する事は不可能でないと考えるのですが、安価だからと調達した機体が、実はとんでもない出費に重なる厳しい授業料となる可能性もあるでしょう。

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【G3X撮影速報】自衛隊トンガ救援隊派遣,輸送機C-130派遣準備進む小牧(2022-01-20)

2022-01-22 20:06:42 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■自衛隊トンガ救援隊派遣
 KC-767ではなくC-130が派遣されるという事で主役を交代しまして緊張感漂う派遣当日の小牧基地の様子です。

 トンガ救援隊、KC-767空中給油輸送機にて派遣されるものだと考えていたのですが20日の夜に出発したトンガ救援隊はC-130H輸送機2機にて小牧基地を進発しました。確かにC-130H輸送機は三機並んで準備していましたが、別の訓練の準備だと思っていました。

 8000km、日本とトンガの距離はC-130Hでは不可能な距離であり、26t搭載し6500kmと4tを搭載し10000kmの航続距離を有するC-2輸送機でなければ、太平洋横断と10000km以上の航続距離を誇るKC-767空中給油輸送機でなければ、この距離簡単ではありません。

 C-130Hなんて、と思った背景にはトンガに直接着陸できない場合を考えて一旦ニュージーランドのオークランドを経由すると発表された為で、オークランドはトンガの2300km先、C-130Hは遠回りとなります。そしてオークランドへも直行は出来ません。時間がかかる。

 KC-767とともに派遣してC-130Hに空中給油させるならば、直行は可能なのですが航空自衛隊のKC-767にそうした動きはありません、どう考えても経由地給油ならば二日要する。すると真剣にトンガを救助しようという気が日本政府に在るのか、心配してしまいます。

 時間を掛ければ充分飛べると思われるでしょう、しかし間に合わねば意味がありません。例えば2011年東日本大震災において福島第一原発が全電源喪失となりましたが、あれも電源車が間に合わなかった為に炉心溶融となった、炉心溶融後に電源車が来ても意味はない。

 C-2輸送機だったならば、20日夜に美保基地を進発したならば8000kmですと10時間で飛行可能です、つまり日本時間21日未明には到着している計算ですし、万一トンガに着陸できない場合は、オークランドへ転進しても搭載量を節約したならば航続距離は充分だ。

 自衛隊の輸送機計画、予算の制約と政治の指針があるとはいえ、阿呆ではないうかと呆れるのは、C-1輸送機をC-2輸送機に1:1で更新しなかった、結局一個飛行隊定数がC-1の頃の半分に抑えられている為に必要な機数が確保できていません。半分だけは飛ばせない。

 飛行隊定数を小牧の第401飛行隊はC-130H輸送機16機となっていますが、美保の第403飛行隊も入間の第402飛行隊も、同じくC-2輸送機16機としてはどうか、輸送力過剰と反論されるかもしれませんが、現状で派遣に飛べていない、増やさねば意味がありません。

 統合機動防衛力、多次元統合防衛力、御大層な名称で感じばかり覚えたての中学二年生のように並べていますが、これを実行する為の手段を合せて考えないのであれば意味がありません。要するに少ない防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという骨子です。

 防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという視点からは、民間にC-130のような貨物輸送機が多数ある訳でもないのですから寧ろ航空自衛隊の輸送機は必須の装備、一個飛行隊16機定数で48機、いや厚木基地か千歳基地へ、もう一個飛行隊増勢してもよい。

 U-4多用途機。入間基地から小牧基地へ飛来していまして、いっそこのU-4であれば航続距離が9600kmありますので、搭載能力は人員19名、それ程多くはないのですが座席上に救援物資を固定、運べる量は知れているとはいえ迅速にトンガへ運び込めたのではないか。

 危機管理という点を考えますと、もちろんトンガ政府からそれ程急がなくてよいという要請が在ったならば別なのですが、災害派遣は早さが必要だという事は云うまでも無い事でしょう。そうした上で、今回の敢えて時間のかかるC-130を派遣した点は、疑問なのです。

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自衛隊トンガ救援隊派遣,輸送艦おおすみ出航準備とC-2輸送機追加派遣-先発C-130豪州到着

2022-01-22 14:11:44 | 防災・災害派遣
■おおすみ出航準備すすむ
 本日は予定を変更してエンストロム社倒産とTH-480の話題を掲載予定でしたが再度変更し、大きな動きが在りましたトンガ救援隊の情報をお伝えしましょう。

 おおすみ出航。海上自衛隊はフンガトンガフアパイ火山噴火による火山性津波と火山灰被害に見舞われたトンガ救援へ、航空自衛隊のC-130輸送機、そして追加投入が決定されたC-2輸送機とともに、海上自衛隊の輸送艦おおすみ派遣を決定し、呉基地にて出航を準備中です。海上自衛隊では輸送艦は3隻のみとなっており、22日中に出航させたい構え。

 CH-47J/JA輸送ヘリコプター、今回輸送艦おおすみ甲板には陸上自衛隊のCH-47J/JA輸送ヘリコプター2機を搭載し、現地での空輸支援に充てる方針です。CH-47J/JA輸送ヘリコプターは、おおすみ母港呉基地隣県の美保分屯地に中部方面航空隊第三飛行隊が装備しており、また木更津駐屯地や高遊原分屯地、草摩が原駐屯地や那覇駐屯地に展開しています。

 トンガは170の島嶼部より成る人口10万の島嶼部国家で、おおすみ型輸送艦に搭載するLCACやCH-47輸送ヘリコプターは島嶼部間の物資輸送などにも寄与することでしょう。一方、現地では懸念されていたCOVID-19の市中感染が報告され始めており、厳格な国境封鎖により回避、今回の支援も非接触により進めていた中の新しい懸念材料となりました。

 C-130輸送機は小牧基地を出発し日本時間21日1700時、20時間を経てオーストラリアのアンブリー空軍基地に到着しました、アンブリー基地ではオーストラリア空軍の支援車輛により機内支援物資確認、オーストラリア空軍との調整を実施しているとのこと。これに先立ちオーストラリアのキャンベル国防軍司令官と山崎統幕長が電話会談を行いました。

 山崎統幕長と艦ベル国防軍司令官との電話会談は自衛隊のトンガ飛行に際してのオーストラリア軍支援の要請で、これにより後続部隊の支援も受けられるという。過去の自衛隊派遣を見ますと、1994年モザンビーク派遣では実に五日間の長期間を経て空輸しており、これはC-130H輸送機の航続距離の短さ所以といえるのですが、今回は短縮されるもよう。

 22日中にもC-130輸送機は現地へ到着する見通しですが、派遣は20日、現地で不足が報告されている飲料水など輸送していますが、オーストラリア軍は満載排水量27800tのキャンベラ級強襲揚陸艦を派遣、ニュージーランド海軍は哨戒艦ウェリントンが物資を搭載し現地へ到着、補給艦アオテアロアも準備中であり、後者は海水濾過装置を搭載しています。

 おおすみ艦内には救援物資のほか、高圧洗浄機と医療支援機材、現地での末端輸送に必要な輸送車両やリヤカーといった供与品を搭載しています。海上輸送は時間がかかる、オーストラリアの強襲揚陸艦アデレードもブリスベーンを出航後、現地までは5日間を見込んでいるとのこと。やはり、迅速な救援には空輸が要諦となりますが、ここに新しい知らせ。

 C-2輸送機、防衛省は21日夜にトンガ救援隊への増強部隊として、美保基地のC-2輸送機2機の追加投入を決定しました、22日中にも進発するとのこと。C-2輸送機は4tを搭載した場合で10000kmの飛行が可能、最大36tを搭載可能です。本来は初動で投入が望ましかったのですが、C-2を運用する第403飛行隊は輸送機が8機しかなく、これが響いたのか。

 C-2輸送機は巡航速度をボーイング777など旅客機と同程度として国際航空航路を利用できる利点があります。一方で、小牧基地の第401飛行隊は16機を装備しローテーションにより海外派遣など緊急時に備えていますが、C-2は当初12機で編成する飛行隊を8機に縮小し、いわば予算節約が肝心な際に役立てないという結果に繋がったのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和三年度一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.01.22-2022.01.23)

2022-01-21 20:00:29 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週末も行事はない。COVID-19の影響により遠い昔の思い出になりました最後の自衛隊公開行事である2020年の空挺降下訓練始めの様子と共に最新情報をみてみましょう。

 ここまで急な感染拡大、先週までは急激な感染拡大を背景に濃厚接触者の待機期間を短縮しなければ社会基盤が維持できないとしていましたが、東京で一万弱という感染拡大、大阪も毎日五千以上の感染、濃厚接触者ではなく感染者を隔離しただけでも14日間の隔離では東京で十四万、大阪で七万が感染者として隔離という状況になります。大丈夫なのか。

 濃厚接触者の隔離を短縮、これは現在の濃厚接触者定義ではなく、難しいのは同居家族への感染であり、濃厚接触者隔離短縮よりも、長時間同じ空間を自宅などで共有している家族や同居者について、感染予備者というような定義を示し、在宅療養の場合はデルタ株でも感染回避が難しかったものです、オミクロン株の同居感染防止の難しさを認識すべきだ。

 まん延防止等重点措置、既に広島県、山口県、沖縄県には適用されており、こちらは今月31日まで継続されることとなりますが、本日21日金曜日から来月13日まで、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、愛知県、岐阜県、三重県、新潟県、香川県、熊本県、宮崎県、長崎県、追加適用となります。いまのところ緊急事態宣言は発令されていません。

 まん延防止等重点措置、追加要請の動きもあります。本日21日には人口比で東京以上の感染拡大が始っている大阪府とともに京都府と兵庫県、及び静岡県が。本日中に要請する方向で調整されているのは北海道、そして週明けにも要請するとされているのが福岡県と佐賀県及び大分県で、実際人口230万の京都府でも本日新規感染者は1467名、深刻という。

 まん延防止等重点措置、懸念するのはこれまで五度の波がありましたが、この措置はそれ程効果が無いという点です、具体的には若干の抑制効果はあるのでしょうが感染拡大に歯止めがかからず泥縄的に緊急事態宣言へと転換しているという点で、実は制度としては、まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の発令は転換が逆なのではないかとも考えます。

 緊急事態宣言を一挙に発令して感染を短期間で抑制させ、その上で感染が沈静化した地域から順番に都道府県単位で、まん延防止等重点措置へ切り替える、そうしなければ無駄な経済と社会への痛みを長期化させているだけのようにも思えまして、経済への影響を抑制しようにも、こうも感染者が多ければそれだけ労働者が生産から切り離されるのですから。

 エンデミックへという声も世界にはあるようです、オミクロン株は致死率が低いので感染対策をやめよう、という。これに呼号する声も日本国内には大阪府など一部にあるようですが、しかし、それは人口比で一億名あたり数十万の死者が出ている国の間隔麻痺であって、日本に導入しますと、これまでのコロナ死者数の十倍という惨禍が起こりかねない。

 欧州では感染拡大に歯止めがかからず、ウィズコロナを断念しサレンダーコロナというべき、感染対策終了の動きが出ています。イギリスの過去一週間の平均死者数は266名、人口では日本の五割強という国ですから日本に当てはめれば500名、一ヶ月で東日本大震災一回分という規模なのですが、累計死者数15万を超え、感覚が麻痺しているのでしょうか。

 インフルエンザと変わらない、こういう主張は“ワクチンが利かない”点を無視しています。つまり“新型インフルエンザと変わらない”という視点で考えるべきでして、通常の季節性インフルエンザはここまで病床を圧迫しませんし、重点対策をすり抜けることもありません。他系統炎症性症候群や年単位の後遺症もありません、これは別物の危険性です。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【G3X撮影速報】自衛隊トンガ救援隊派遣,空中給油輸送機KC-767派遣準備(2022-01-20)

2022-01-20 20:22:45 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■フンガトンガフンガハアパイ山
 本日トンガ派遣準備が進む小牧基地の様子を撮影して参りましたのでコンパクトデジタルカメラG3X撮影データにて速報をお送りしましょう。

 自衛隊トンガ救援隊。防衛省は今夜にも航空自衛隊小牧基地より噴火災害に見舞われたトンガへ救援物資空輸を開始する、こうした情報を得まして本日、まん延防止重点措置開始直前の愛知県へ行って参りました。基地隣接の公園から撮影しましたが、撮影は当方のみ。

 小牧基地は雪でした。いや行く途中も雪だったのですが積雪と云う程では無く暫くしますと青空も見えてきました、帰路はまた降りまして少し難渋しましたが。愛知県のCOVID-19感染拡大を考えますと、公共交通機関を避け飲食も断念、そして現場は当方のみの緊張だ。

 KC-767空中給油輸送機、今回のトンガ救援隊は航空自衛隊の装備する航空機の中でも航続距離が大きなKC-767空中給油輸送機が派遣されるとのことで、ボーイング767-200ER旅客機を原型として空中給油機としたもので貨物型と同程度のパレット物資搭載が可能です。

 C-130H輸送機も発着していましたが、流石にトンガへ8000kmというものは少々戦術輸送機の限界を超えています、日常的な訓練というところでしょうが、C-130Hと改良したKC-130Hは遠くない将来に耐用年数を迎えますので、この後継機が気に成るところです。

 フンガトンガフンガハアパイ火山噴火、非常に大きな水蒸気爆発を伴い、その際のブラストにより発生した津波は日本まで到達していますが、噴火が持続しなかった事が幸いです。空港も一時封鎖となりましたが、トンガタプ空港火山灰除去が完了した為、救援隊派遣へ。

 C-17輸送機。トンガへの救援はオーストラリア空軍のC-17輸送機やニュージーランド空軍のC-130輸送機により既に開始されています。オーストラリア空軍では現地で不足している飲料水とともに海底通信ケーブル切断後急遽必要となった衛星通信機を空輸しました。

 P-3哨戒機により現地の航空偵察を実施したニュージーランド軍は、海軍艦艇に救援物資を搭載し出航、20日中に到着するとのこと。もともとトンガは自給自足出来ない国であり、一週間に一便のニュージーランドからの海運物資の航路があり、その延長線上となります。

 自衛隊のトンガ救援隊は、現地で不足している物資として飲料水を輸送するとのことです。長期的に考えますと海水濾過装置を輸送した方がとも考えるのですが、格納庫の奥に災害派遣に備えた物資備蓄倉庫があり、まずこの災害派遣用物資を第一陣に送る構図でしょう。

 C-2輸送機かKC-767空中給油輸送機か、トンガまで8000kmといいますのでC-130H輸送機では日本から直行は少々厳しくなります、美保のC-2か小牧のKC-767か、どちらかという。2000年前の航空自衛隊ではトンガへの救援はこう早く展開するのはむずかしい。

 本日撮影している最中に空輸訓練等は行われていまして、もしかしたらばこの機体は実任務での派遣か、とも考えたものの、見送りの要員が並んでいませんでしたので、派遣はもう少し先なのだな、と。そして三菱重工のSH-60K定期整備に伴う飛行試験なども。

 U-4多用途機。小牧基地で一通り撮影を完了しましたのでそろそろ、と考えていますとU-4が小牧基地へ着陸して参りました、航空自衛隊のVIP専用機で、やはりこの機体が到着したということは、見送りの将官が小牧へ、本命はこちらだったか、と分りました次第です。

 空輸ターミナル、小牧基地の空輸ターミナルは地方空港の待合室の様な配置となっているのですが、U-4多用途機はその目の前に直に駐機、さて本稿掲載の頃には自衛隊トンガ救援隊はそろそろ出国する事でしょう。太平洋を遠く渡りトンガまで、頑張ってほしいですね。

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トンガ大規模噴火,VEI火山爆発指数ではピナトゥボ1991年噴火を下回り"火山の冬"は回避か

2022-01-19 20:22:23 | 防災・災害派遣
■フンガトンガフンガハアパイ山
 巨大噴火に見舞われたトンガについてニュージーランド空軍のP-3哨戒機が無事を確認しオーストラリアは救援へキャンベラ級強襲揚陸艦派遣を大車輪で準備中です。

 ピナトゥボ火山を下回る、火山爆発指数では1991年に噴火したフィリピンピナトゥボ火山噴火を下回るとともに、1980年のセントヘレンズ火山噴火や欧州の航空航路を混乱させた2010年のアイスランドにおけるエイヤフイヤトラヨークトル火山とも同程度かそれ以下の可能性もあるという。これは必然的に世界の気象への影響も極めて限定的となる訳です。

 トンガ国内では首都の火山灰堆積などにより飲料水の汚染が続き、また空港に航空機が発着できない為に降灰の除去が必要となりますが、降り積もった火山灰は10センチ程度、もちろんトンガの一部の島には更に大きな火山灰被害が生じている、火山性津波も15mであったなど、大変な状況ではありますが、火山の冬や全国民退避の必要はなく復興可能です。

 フンガトンガフンガハアパイ火山の山体崩壊。火山爆発指数がVEI7に及ばないのは勿論、VEI6以下かVEI5程度に留まる可能性があるのは、山体崩壊に至った最初の大規模噴火を最後に現地では大規模な火山活動が続かず、17日にAFP通信が再度の大噴火を報じましたが誤報であったと訂正されています、要するに噴火が持続しなかった為、噴出量も少ない。

 山体崩壊に至った背景として、水蒸気爆発と隆起した海底火山という二つの特性が挙げられます、これは地下のマグマ溜まりに海水が触れたという、内陸部の火山では発生しにくい構造があります。ピナトゥボ火山噴火などは山頂の火山湖に蓄積した雨水が火山性地震により生じた亀裂に浸透し水蒸気爆発を誘発しましたが、その噴火まで三カ月を要した。

 前駆噴火、15日の既にトンガ当局などから発表されている大規模噴火前日の火山噴火がありますが、これにより標高149mに達していた火山は大部分が吹き飛んだと衛星写真により判明しています、そして前駆噴火により亀裂が生じた、この際にマグニチュード6規模の地震も発生していますので、ここでマグマ溜まりへ一挙に海水が浸透したと考えられる。

 水蒸気爆発、日本へ津波を到達させたブラストはこの水蒸気爆発により生じたものですが、火山湖に溜まる雨水などとは総量が違います、前駆地震により生じた亀裂に海水が浸透した事で一挙に全部弾けてしまった、これば強烈なブラストの正体です。そしてこの噴火が持続していたならば、火山爆発指数は増大したのでしょうが、七時間ほどで終息に転じた。

 VEI火山爆発指数は火山からの噴出物により算出されます、これには火山灰も火砕流も岩屑雪崩も含まれるのですが、フンガトンガフンガハアパイ火山は海底火山ですが海底に在るカルデラとは距離を隔てた外輪山の一つでしかありません、例えば、すると海面上に出ていましたフンガトンガフンガハアパイ火山の標高149mは伏見稲荷大社の稲荷山より低い。

 火山爆発指数とは火山性排出物の総量で計算される、0.001立方キロメートル以下ではVEI1であり0.01立方キロメートル以下ならばVEI2,そして0.1立方キロメートル以下だとVEI3,更に1キロ立方メートルを超えるとVEI4で、VEI7となると100立方キロメートルの排出物となります。富士山が根こそぎ噴火の規模ではなく、伏見の稲荷山より低い山だ。

 岩屑雪崩、山体崩壊により生じた岩屑雪崩の総量もVEI算定の火山性堆積物には加算するのですが、上記の通り山そのものが小さく、そして火山活動が持続しなかった訳ですので、火山灰もメートル単位で積み重なる状況は避けられています。今後は日本を含めた世界からの支援で、どのようにトンガが火山灰の被害から復興するかという点が重要でしょう。

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【京都幕間旅情】下鴨神社(賀茂御祖神社),阿礼少女-斎院御杖代巫女置き安寧願った祈りの社

2022-01-19 20:00:08 | 写真
■賀茂大神に願う安寧
 賀茂御祖神社こと下鴨神社の様子を前回に続き写真の上にて巡ってゆきましょう。

 下鴨神社、京都市左京区下鴨泉川町の神社は楼門、これも荘厳であると共に重要文化財に指定されていると聞き納得するのですが、参拝へ歩み進めますと、そこに拝殿と本殿、というような広がりだけではなく、糺の森へ続くせせらぎの源流があり、空気の流れが。

 京都にも広い様で多くの営みが広がる街並みに活況といいますか、三密の常態というような風情となっているところですけれども、実のところ静寂というものはひろがっているものでして糺の森もこうしたところであるよう思うのです。マンション建ちそうでしたが。

 御手洗川、みたらし池、ここ下鴨神社は鴨川の流れに隣接していますので、考えれば水の流れには豊かなものはあるのですが、気温差と水の動きというものは空気の流れを生みます、水面は音を立てると共に雑多な音を内部化しますので、水音がある種の静寂を生む。

 みたらし池というのは餅菓みたらし団子を思い出す響きですが、みたらし池のこの小さな祠が御手洗川の源流となっていまして、真夏の暑い盛りに湧水が泡立つ様子を見立てたの餅菓子が、いまやコンビニのレジ横にも並ぶ美味しいみたらし団子の原点の始まりという。

 茶屋で一つ御団子でも、こう風情を味わいたいところですがご時世故になかなか風情を味わおうにもCOVID-19と感染対策という、楽しさに冷水を吹きかける様な時勢がありますので、寂しいものです。初詣には健康を祈るというところですが、街の活気、健康も祈る。

 みたらしまつりといいまして、夏の暑い盛りにこの池に歩み進めてつま先浸りますと無病息災になるという、ただ、冬の寒い盛りに歩み進めますと寒中水泳の心得なければ大病満載となりかねませんので、人も少ない頃合いとの機に、流れゆく様子を眺めていました。

 斎院。静かな空気の流れを湛える社殿は平安朝の頃、斎王として内親王女王を賀茂神社での御杖代巫女として仕えさせた平安朝初期の制度、その聖地である故という。斎王はここ下鴨神社と伊勢神宮へ斎院が置かれたといいまして、清涼冷涼な境内空気はこうしたため。

 御杖代巫女。実は平安遷都の後に一度ここ平安京から遷都の動きがありました、東京遷都かと問われるとその前、弘仁元年こと西暦810年、薬子の変での出来事です、平城京復帰を求める平城上皇と嵯峨天皇との対立がありまして、場合によっては京都廃都もありえた。

 阿礼少女、嵯峨天皇は薬子の変鎮定にあたり王城鎮守の神たる賀茂大神への戦勝祈願に際し祭礼を司る巫女である阿礼少女を斎王として内親王女王に当らせると祈願しまして、実際戦勝となりましたので有智子内親王を斎王として仕えさせた、こうした歴史があります。

 葵祭。今年こそはと想う京都三大祭ではありますが、昨年とおととしとがCOVID-19により中止となっています賀茂祭ともいうこの祭事はまさに斎王代の神事を今に伝えるものでして、例えば平安朝より続く禊の儀はまさにここのみたらしの池にて執り行われています。

 伊勢神宮に次いで賀茂別雷神社と並んで官幣大社筆頭となっていますのは、こうした歴史があるためでして、また平安朝の頃から式年遷宮という21年ごとの本殿改築を、建物が国宝や重要文化財へ指定されるまで連綿と続けていた事でも、大きさが分るところでしょう。

 王城鎮守の神たる賀茂大神。東京遷都の後ではあるのですけれども、三年目に入りましたCOVID-19コロナ禍下の京都と日本、街も社会も疲れてきています段階を通り越している印象、安寧を改めて祈りつつ社殿に一礼し、みたらし団子も探しつつ帰路へと就きました。

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【防衛情報】ラファール-アラブ首長国連邦&クロアチア輸出と米欧機激突のカナダF-X選定

2022-01-18 20:15:18 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 日本ではF-2後継機開発が開始されるのですが世界の戦闘機市場はこうした状況となっています。

 アラブ首長国連邦はラファール戦闘機80機の取得契約に署名しました。フランスのマクロン大統領とアラブ首長国連邦のシェイクモハメッドベンザイードアルナヒャネ王子は、両国との長い防衛協力関係とともに、45年に登るフランス製ミラージュ戦闘機の実績に鑑み、新戦闘機にミラージュ戦闘機と同じダッソー社製ラファールを選定したとしています。

 ラファールF4,今回アラブ首長国連邦空軍が採用したラファールはフランス九軍以外では初の海外供与となる最新型のラファールF4となります。また併せてアラブ首長国連邦空軍が運用するミラージュ2000の中で近代化に対応するミラージュ2000-9近代化改修についても、2年前から着手されており、今回のラファール導入にあわせて継続されるとのこと。

 ミラージュ2000戦闘機はラファール戦闘機が開発された後にも順調な輸出を重ねていましたが、これが逆にラファール戦闘機が2010年代まで中々輸出契約が成立しない状況が続いていました。しかし、これら輸出されたミラージュ2000戦闘機の老朽化と共にラファール戦闘機はまさに遅咲きのかたちで、昨今輸出契約が順調に軌道に乗り始めている印象です。
■ラファールクロアチアへ
 クロアチアへのラファール輸出は遂に正式契約となりましたが顛末は興味深い。

 クロアチア政府はフランスからのラファール戦闘機導入計画を最終的に決定しました。これはクロアチアのアンドレイプレンコヴィッチ首相がフランスのマクロン大統領とともに最終合意に合意したもので、ダッソー社のエリックトラピエCEOがクロアチア首都ザグレブを訪問、クロアチアのマリオマノジッチ国防大臣との間で最終契約書に署名しました。

 クロアチア空軍が導入するラファール戦闘機は12機となり、訓練支援も行われます。これは当初フランスが、近代化改修費用を支払うのであれば原型となる中古の旧型ラファール戦闘機を無償譲渡するという、一見安価な案の提示に始ります。これは改良を断念すれば無償で戦闘機、ではなく改良費用と初期のラファールの抱き合わせ詳報というものです。

 クロアチアとフランスの交渉は続いて、比較的新しいラファールF3をクロアチアが導入する際には、旧式化したラファールを中古で無償譲渡するという提案となり、また最新型のラファールF4の売却など二転三転しました。ただ、ラファールのどれかを取得する交渉の口実に無償提供が端緒を築いた事も確かで、フランスの強かな交渉姿勢が垣間見えます。
■カナダ次期戦闘機計画
 カナダの次期戦闘機計画は米国製と欧州製の一騎打ちとなりました。

 カナダ空軍は次期戦闘機FFCP計画において最終選考にサーブ社とロッキード社を選定しました。サーブ社が提案している機種はJAS-39グリペンE,ロッキード社が提案している機体はF-35戦闘機です。この二機種とは第4.5世代戦闘機として最も安価な自由主義圏の戦闘機と、新進気鋭の第五世代ステルス戦闘機の定番が並んでいる構図といえましょう。

 FFCP計画では過去既にボーイング社のF/A-18E/Fスーパーホーネットに決定していますが、カナダ政府の国防政策の転換とF/A-18E/Fスーパーホーネットの取得費用見積もりが当初見積もりを大幅に超過した為、白紙撤回された過去があります。しかし中古のF/A-18C戦闘機など幾つか選択肢を検討したものの条件に合う機体が無く、再検討となっています。

 カナダ政府は競争入札を行う一方で、第4.5世代戦闘機のJAS-39と第五世代戦闘機のF-35という世代の異なる機種を単純に費用で比較できないとの立場も示しており、競合対話を二社との間で実施し、最終的に機種を決定したいとしています。カナダ軍は次期戦闘機の機種選定を2022年にも完了し、早ければ2025年に初号機を受領開始したい方針です。
■さらばレガシーホーネット
 オーストラリアでは一つの時代が終わりましたがつい最近までファントムが現役だった日本としては複雑な印象ですね。

 オーストラリア空軍はレガシーホーネットの運用を完了しました。オーストラリア空軍は当時のマクダネルダグラス社よりF/A-18A/B戦闘攻撃機を採用しましたが、初号機は1985年5月17日にアメリカ本土より実に15時間という長時間を用い、太平洋を戦闘機でフェリーするという離れ業を成し遂げた事で戦闘機の戦略展開に歴史を残しています。

 F/A-18A/B戦闘攻撃機のオーストラリア軍での運用は、ここから実に35年間に及びましたが、遂に11月29日、最後の機体はニューサウスウェールズ州のウィリアムタウン空軍基地において運用を終了しました。退役し基点と共にラストフライトを実施しています。なお、オーストラリア空軍では拡大改良型の最新のF/A-18E/F戦闘攻撃機を運用しています。

 F/A-18A/B戦闘攻撃機、オーストラリア空軍が運用した機体については一部をカナダ空軍が中古戦闘機として取得する計画がありました。これは一見新造機よりも安価であり、オーストラリア軍も次の戦闘機導入に際しての予算面の節約に寄与すると思われましたが、老朽化は維持整備費用の増大と予備部品確保の課題が大きく、こちらは実現していません。

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