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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

第1空挺団創立50周年! 陸上自衛隊習志野駐屯地祭2008 速報

2008-04-07 17:36:18 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■満開のサクラを背景に迎えた習志野駐屯地祭

 精鋭は当然!いついかなる任務にも対応。輸送機やヘリボーンによる緊急展開を行い、海外派遣などでは殿を務め、在外邦人救出任務では先陣を期待される陸上自衛隊の最精鋭部隊、それが空挺だ。

Img_3753  満開のサクラを背景に整列する空挺隊員。

 3個空挺普通科大隊、空挺特科大隊、空挺通信中隊、空挺施設中隊、空挺後方支援、空挺教育隊から成る第1空挺団は、日本唯一の空挺部隊として知られ、空中挺身隊という名前が示すように、航空機により落下傘降下にて展開した場合でも独立完結した作戦能力を有する部隊として高い個々人の能力を練成している精強部隊として知られる。

Img_3697  式典開始に先立ち、整然と式典会場に入場する空挺隊員。指揮官は9mm機関拳銃を携帯し、隊員は折畳式銃床方式の空挺用89式小銃を手にしている。C-1やC-130Hといった輸送機などにより展開する空挺部隊では、空挺用編上靴や皮手袋など独特の装備があり、エリート部隊の証としてみることもできる。

Img_3732  第1空挺団は防衛大臣直轄の部隊として維持され、2007年3月に新編された中央即応集団の基幹部隊としても知られる。中央即応集団は、第1空挺団のほか、第1ヘリコプター団、中央即応連隊、中央特殊武器防護隊、国際活動教育隊などから成る。中央即応連隊は新編されたばかりの部隊であり、結果、中央即応集団隷下で現状、即応できる戦闘部隊は、第1空挺団、ということになるのではないか。

Img_3808  式典開始とともに指揮官岡部俊哉団長による部隊巡閲。精鋭無比をスローガンに空挺団を前任の指揮官から引継ぎ、次の世代へ、その重責を担うのが空挺団長。日本にもここまで強そうな指揮官がいたのか、と思わせられる。北の将軍さまも一発で逃げ出しそうな精悍な面持ちだ。

Img_3817  指揮官訓示、来賓祝辞。降下訓練塔の下で行われた式典、第1空挺団は緊急展開を任務とする即応部隊であり、いつ、いかなる時に命令が下されようとも、いかなる厳しい要請にも応えられる強い部隊を練成しよう、岡部団長は訓示した。訓練塔には空挺部隊創設以来掲げられてきた“精鋭無比”のスローガンが記されている。

Img_3895  祝辞と祝電披露が終了し、観閲行進。空挺団は長らく一個普通科群編成を基幹としていたが2004年に3個空挺普通科大隊体制に移行した。3個大隊体制は空挺団創設以来の悲願とのことで、この2004年の改編に際して、空挺団の人員も1600名から1900名に増強されている。

Img_3948  軽装甲機動車。空挺普通科大隊は三個編成であるが、ナンバー中隊は1~3中隊が第1大隊、4~6中隊が第2大隊、7~9中隊が第3大隊に配置されている。各中隊には20両程度配備されているようで、6・7・9中隊の車両と団本部の車両が確認できたので、待機車両も併せれば空挺団全体では100両程度が配備されていることになる。そのためモータープールも手狭になったのか、習志野駐屯地には装甲車も収容できる立体駐車場も建設されている。

Img_3980  空挺特科大隊。二個射撃中隊が120㍉重迫撃砲を運用しているが、隊員の方によれば射撃中隊も三個体制に増強される、とのこと。120㍉重迫撃砲は射程では退役した105㍉榴弾砲を上回るものがある(ただし、制圧能力や持続射撃能力では榴弾砲に劣るとされる)。この他、空挺団の運用する各種車両が観閲行進に参加した。

Img_4029  第1空挺団創立50周年記念行事を支援したのは陸上自衛隊中央音楽隊。陸上自衛隊音楽科の最高峰に位置する部隊で、その技量はNHK交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団と比肩するほどだ(とはいえ、『音楽を職業とできるのですから、それだけの演奏ができるのは当たり前ですよ』と謙虚)。

Img_4045  式典に文字通り華を添えた地元高校のチアリーディング。近年、陸上自衛隊ではこの種の民間団体との協力が多くなっている。ううむ、陸上自衛隊は、きゃぴきゃぴするよりも、空包百発訓練展示!硬派一徹の世界と思っている小生は、時代から取り残されてるのかな?それはそうと、見事な演舞でした。

Img_4089  空挺自由降下の展示。三名の隊員が上空4000フィートをゆくCH-47から飛び出した。なかには定年を前にした1佐も降下に加わっており、降下完了後、奥様とご令嬢から花束を受け取る。粋な演出だ。背景には、駐屯地のグラウンド(営庭と呼ぶべきか)の一本松がみえる。習志野駐屯地57周年、この一本松も多くの時代の変遷を見守ってきたのだろう。

Img_4018  装備品展示は行われなかったが、その代わり、モータープールはご自由に見学してください、と案内の方に教えていただき、サクラ並木ではなく軽装甲機動車並車(?)を堪能、ざっと20輌。オニゴッコにカクレンボと子供たちも大はしゃぎだ。

 以上が、習志野駐屯地祭速報。

 最後になりましたが、現地でお世話になりましたPeke-poppo様、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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